我が名はマドカ。聖剣に選ばれし✝︎漆黒の黒騎士✝︎   作:めど

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Vol.1 前編:その女、"厨二病"につき。
クラスメイトは『唯一無二(イレギュラー・ワン)/厨二病(ワースト・ゼロ)』 1/3


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 ついにこの日が来た。

 遍くガイアに咲いた春の芽吹きが知らせる、待ちに待った歴史的瞬間。新たな聖剣伝説の始まり。

 我々はサード・ステージを迎えた新時代に君臨し、世界を覆した彼の目撃者となる──

 

 

 

 

 

 初めましてだな、諸君。

 我が名は──なに? 「お前の顔は見飽きた」「前と顔の作画が違う」「原作みたいに何回再始動するんだよ」だって?*1 最後の方は何を言っているのかさっぱり分からんが……些細なことか。

 

 私と君たちは間違いなく、今日が初対面の筈だ。見飽きた顔だなんてそんな筈はない。

 つまりアレだ、かつて君たちが目にしたであろうソレはきっと、他人の空似じゃないか?

 

 安心しろ。

 『世界には自分とそっくりな人間が三人いる』、なんて通説があるくらいだからな。間違いは誰にでもあるさ。

 

 ……まぁ、他人とはいえ何かの縁だ。

 せっかくなのでこの私が代弁しておこう。──「今まで覚えていてくれてありがとう」、とな。フッ、中々奇妙で面白い役回りをさせてくれる。

 

 それでは改めて、

 

 

 

 

 

 ──初めましてだな、諸君!

 我が名はマドカ。

 マドカ=ウォヴェンスポート・ミューゼル。

 

 

 

 政府の特命を受け、この幾万もの競争倍率を誇る独立国家機関『IS学園』へと招集された──現在八名存在する新世代超新星(スーパー・ルーキー)の一人だ。

 今日は4月2日、栄えある入学式。

 アラスカ条約に加盟する国の意志決定のもと選出された我々代表候補生にとっても、新たな旅路となる。

 

 見てみろ、周囲の眼差しを。

 候補生であろうとなかろうと、みな揃って闘志の炎を宿している。ただならぬ決意と複雑絡み合う想いが、灼熱地獄を撒き散らす真夏の太陽のようにジリジリ伝わってくるぞ。

 ッフフ。これは、想像以上だな。

 

 

まさに、In this world, KILL or BE KILLED(この世界は殺るか殺やられるか).──か

「皆さん入学おめでとう! 私は副担任の山田(やまだ) 真耶(まや)です。上から読んでも下から読んでも"やまだまや"、と、いうことで……」

『………………』

 

 

 しーん・・・

 

 

「……え、えっとぉ」

──なるほど。俗に言う回文になっているのか。

例えるなら、Murder(殺人鬼)Redrumになったり、あるいは

Dracula(吸血鬼)Alucardになったりするアレのジャパニーズヴァージョンと……趣があって実に面白い

『…………は ?

 

 

 ふと思ったことを呟いただけだ。

 けれど私の思っていた以上に、代表候補生の存在感は強大なもので。早々、関心深き眼差しを一斉に向けられたようだ。

 ……やれやれ。私より注目すべき"時の人"が、すぐ側にいるのだが。少々目立ち過ぎてしまったな。

 

 

「……き、今日から皆さんは、この学園の生徒として共同生活を送ることになります。ご存知の通り、IS学園は全寮制。授業だけでなく、放課後も常に生徒と一緒です。時に競い合い、時に助け合って。かけがえのない素晴らしい三年間にしましょうね!」

『………………』

 

 

 しーん・・・・・・

 

 

「──うむ、その通りだな。国家代表を目指すのも結構。メカニックを極めるのも結構。我々の選択肢は千差万別だ」

『…………は ? ? ?

じゃあお前もう専用機降りろ

何故君がデカい面をしてるのか、私には理解に苦しむね

馬鹿野郎誰が喋れっつったんだよ

いちいちうるせぇ奴だなお前は本当に、そろそろ逝くか?

死ね(ド直球)

…………くだらないですわ

 

 

 私の言葉に感銘を受けたのか、何やらどよめいているな。

 当たり前のことを言ったに過ぎないのだが……まるでなろう系主人公になった気分だ、心地よく清々しい。これも人気者の運命(さだめ)、か。

 

 

「……じゃ、じゃあ自己紹介を始めましょうかっ。えっと、出席番号順で……」

「はーいっ! 出席番号一番、相川(あいかわ)清香(きよか)。趣味はスポーツ観戦。特にISGPは毎年現地で! ……と言いたいところなんだけど、全然チケット取れないんだよね〜……」

 

 

 立ち上がったファースト・レディは、一言で表せば『快活』。

 確かに、IS GrandPrix(世界大会大予選)のチケット倍率はほぼ宝くじのようなものと聞くな。

 ブリュンヒルデに近き征天序列(ヴァルキリー)の誕生を、間近で拝めるまたとない機会だ。

 前回はオーストラリアのシドニーで開催されたが、この私ですらチケットを勝ち取れなかった程。結局、我が家のシアタールームで鑑賞会となって──

 

 

 

「……くん、"織斑"くんっ!」

「──っ、あっ、は、はいっ?!」

 

 

 

 ──っと、主役のお出ましだな。

 私の隣にいた()が、山田副担任の再三の呼び掛けに気付くと。素っ頓狂な声を上げて立ち上がった。初々しく、あたふためいている。可愛らしい。

 

 さて……何故こんなところに男がいるのか。

 本来、IS学園は女しか立ち入りの許されない秘密の花園だ。何せIS自体、()()()()()()()()()という致命的欠陥仕様だからな。だがそれも、『例外』の誕生で見事書き換えられた。

 

 

 

 発端は今年の二月中旬。

 丁度、暴太郎戦隊ドンブラザーズの制作発表後だったか……前代未聞の適性が発覚した。

 世界で唯一の()()IS資格者が現れたのだ。

 かくしてその正体、その姿……その人物とは。急かさずとも私が教えてやろう。

 

 

 

 彼の血統に流れるは、超越者の遺伝子。

 かつてMONDO GROSSO(モンド・グロッソ)二冠を達成した、比類なき究極のISマイスター。

 

 

 

 その偉大なる異名も無数に。

 『絶望』『怪物』『一刀修羅』『世界総大将』

 『正典一番星』『全空覇者』『究極生体CPU』

 次世代殺し(ボーダーレス)』『絶対英雄(アブソリュート・ワン)──

 そして地上最強(ブリュンヒルデ)

 

 

 

 そう。

 知らぬ者などこの世に誰一人としていない、あの織斑(おりむら) 千冬(ちふゆ)の実の弟。

 巷ではついに、『唯一無二(イレギュラー・ワン)』と囁かれ始めた彼こそが。

 

 紳士淑女の皆様ご存じ、織斑(おりむら) 一夏(いちか)だ。

 

 

 

「……お、織斑一夏です。その、色々あってISを動かせるようになっちゃって、気付いたらここにいて……」

 

 

 慎重に言葉を選びながら、手探りの立ち回りを試みる、といった面持ちだ。

 周りの教師含めた他三十名は、全員が女だからな。うむ、この状況を物語のタイトルにするなら、『クラスメイトは全員女』が適当だ。

 

 しかも、全てを穿つ魔眼の如き視線が集中十字砲火となり。その重圧は、彼にとって測り知れないものだろう。

 

 

「……まだ、実感はないんですけど。でも、叶えたい『夢』に近付くため、男子なりに頑張るつもりです」

「……よければ、その夢を伺っても?」

 

 

 山田副担任の問いに、ひと拍。

 自己紹介の醍醐味にして目玉だ、他の生徒の眼差しも、最高潮の光を帯びている。

 少しだけ俯いた当の彼は、思慮の浅瀬に浸る刹那を望んだのか。約二秒、瞬くように目を閉じた。

 

 そして、

 

 

 

 

「……世界最強の弟として。

 『絶対英雄』になることです

 

 

 

 

 ──!!

 激震、戦慄。ハイテクノロジーに満ちた教室の温度が、明らかに変わった。

 

 

 

 私にはわかる。

 織斑一夏は、確かな決意に満ちている。

 

 

 

 まだ経歴もなく、資格もなく。

 累計稼働だって最大二ヶ月にも満たない新参者だ。けれど間違いなく。私は彼の朱い瞳に、歴戦の強者を幻視した。

 

 やはり、ブリュンヒルデの血の兆しか。

 それとも、噂に聞くヴァルキリー遺伝子*2とやらか?

 女尊男卑がまだ根深いのか、周りは「本気で言っているのか」、なんて顔をしているがな。

 

 良いだろう、興奮させてくれた礼だ。

 嘲笑と侮蔑が、水晶のように純粋な君を覆い尽くすその前に。

 私が決意の後押しをしてやる。

 

 

 

 

「──私にも夢がある」

 

 

 

 

 順番違い? お前はキリ番から?

 今この場においては、そんなくだらない枠組みに平伏す愚か者ではないということを……直々に教えてやろう。

 道を開けろ。ここからは私のステージ、私がルールだ──一つ

 

 

 

 

「君と同じく、最強のISマイスター……つまりブリュンヒルデとなり、人類の躍起に貢献すること」

 

 

 

 

 ──二つ。

 

 

 

 

「苦難に直面する、弱者の希望となること」

 

 

 

 

 ──三つ。

 

 

 

 

「そして我が国の信条と愛と平和に誓い──昨今に蔓延る邪悪な人類差別の中でも、いつの日か。全人類が手と手を繋ぎ合わせられる、真の平等を証明せし未来を創り上げることだ」

 

 

 

 

 私の視線は既に、ここにいる全員へ。

 「一歩引いた目で見届ける」選択をした山田副担任の暖かな気遣いには、感謝だ。

 

 

 

 

「初めましてだな、諸君。刮目せよ」

 

 

 

 

 さぁ残るは、トドメのひと押し。

 聖剣に仕える無法者として名乗りを上げろ。

 それが、七剣陰者(カリバー・セブンス)の使命なのだから!

 

 

 

 

我が名はマドカ=ウォヴェンスポート・ミューゼル。歳は14、2月29日生まれ。趣味はサボテンの飼育と株分け──というのは冗談だ。自由の鐘を鳴らすべくアメリカ政府の特命を受け、飛び級入学で推参した」

『…………』

「因みに好物は肉──あぁ、忘れていた。義姉であるレイン・ミューゼルの跡継ぎとなり、()()()()()()()()()()()ことが当面の目標だ。以後、よろしく頼む」

 

 

 

 

 それだけ言い切って、私は元いた所定の座へと腰を下ろした。

 ……よし、決まったぞ。

 この達成感を誰かと共有したいところだが、今は主役に全てを譲ろう。立つ跡に決して穢れを残さぬ不死鳥の如く、引き際も肝心だ。

 

 

今、生徒会長になるとか意味不明な言葉が聞こえたんだけど。コラ画像が喋ってる?

なんであんな奴がレイン様の妹なのか、コレガワカラナイ

ミューゼルの面汚しが……

あいつIS界隈の荒らしっすよ

でも公式戦全敗じゃん。そんなんじゃ甘いよ

(存在が)ギルティ……!!

 

 

 うむ、やはり掴みは大事だな。

 『三話切り』なんて面白い言葉が日の本にあるように。物語だって最初から皆に親しまれるよう、全力の愛嬌を出さなければ──誰も見ないし手に取らないだろう。

 まさにファースト・インプレッションにおいてもそう。『能ある鷹は爪を隠す』、『遅咲きの花』なんてルーズな時代はとうに終わったらしい。いやはや、今年になってようやく理解してきたよ。

 

 

 

「──おい」

 

 

 

 今や爪を剥き出しにして、自分から殴り込む勢いでなければ。

 失墜だって、風前の灯の如く一瞬だ。一気に自分自信が無価値なものとなる。

 それでは栄冠を称した専用機持ち(マイスター)の名が、廃るというもの。

 

 

 

「聞いているのか、おい」

 

 

 

 今までは力を隠していたが、もう過去の話。

 これからは私も、内なる超能力因子(インパクト・ファクター)を発現せねばなるまい……道理で私が愛するアクジキングやレジギガスが、本気の闘いの場では絶妙に不人気なわけで──

 

 

 

 スパーン!!

 

 

 

 ──刹那。

 不可視の天誅が下ったのか、それとも神の雷か。はたまた、私が探し求める"あの組織"による強襲か。

 我が視界は、束の間のブラックアウトを迎えてしまった。

 

 

 

 

 


 

 

 ISにおける最強の称号 

 

 

世界大会『モンド・グロッソ』優勝者には『ブリュンヒルデ』

世界大会大予選『ISGP』優勝者には『征天序列(ヴァルキリー)』及びモンド・グロッソの決勝トーナメント参加枠が与えられる。

 


 

 

 

 

 

 想像以上にきつい。

 

 

 

 これは決して、『ある日いきなり女子校にぶち込まれる羽目になった』、『教室に入れば終始ジョン・ウィック2のポスターみたいに360度から視線を浴びまくっている』──という状況だけを指した表現ではない。

 

 その真意のウェイトを占める存在こと、彼の隣に座る少女が。

 ()()()()()の呼びかけを二度も無視した結果、出席簿でしばき倒された少女こそが。

 世間一般の目線で語れば、俗にいう『すげーキツい人』にカテゴライズされるからだ。

 

 

 

 

(うわぁ……)

 

 

 

 

 関羽ならぬ、呂布ならぬ。

 曹操の如き無慈悲を垣間見て。

 

 

 

 栄えある『唯一』を手にした、この物語の主人公を務める少年。織斑一夏は。

 誰よりも大癖の強いマドカ=ウォヴェンスポート・ミューゼルへの処断に対して、限りなくドン引きに近い歪曲の表情を浮かべていた。 

 

 

 

 まさか本当にサボテンの飼育と株分けが趣味の女子がいるとは思わなかった、結局冗談だったけど。いや、そうじゃなくて。

 

 

 

 世界最強として新時代の頂点に君臨し続けた、姉・千冬による鉄槌を間近で拝んでしまったのだ。

 語り尽くされた幾多の逸話を鵜呑みにすれば、その一撃で首が吹き飛ばされても何ら不思議ではない。幸い、マドカは脳細胞が25万匹ほど死滅する程度に収まったのだが。

 

 

「もう一度問う、ウォヴェンスポート・ミューゼル。その巫山戯た格好はなんだ」

本物の千冬様よ!!

私、教師ガチャで千冬お姉様を引くために下北沢から来ました!!

嘘つくなリコリン、私は埼玉!

お姉様のためならアっ逝く逝く逝く逝く逝く基本逝くッ

ほ、ほ、ほ、ほわぁぁぁぁぁぁっ!!(メジロブライト) Foo〜ッ!!(サイレン)

もう気が狂うほど、気が狂う!!!

ママ生きててよかったぁ……!(感動の物語)

 

 

 化け物を始末した英雄の帰還めいた、周囲から湧き上がる歓喜。

 マドカに対する先までの罵倒とは程遠き、黄色い悲鳴をバックグラウンドとして。

 

 

「……っ。私は見ての通り、背が低い。それ故、存在感を示すために改造を施しました」

 

 

 間もなく復活したマドカは、零度の眼差しをものともせず率直に答えた。というのも。

 

 

「──今朝、明らかに学園の制服ではない不法侵入容疑者の通報を受けた。犯人は貴様だ

 

 

 彼女が身に纏うは、白を基調とした由緒正しき学園指定の──否。明らかに白とは無縁の、()()()であった。これではインフィニット・ストラトスではなく終わりのセラフである

 座席を見れば分かるが、四隅を奪われた負け確定のオセロのような盤面だ。

 

 

「……確かに制服のカスタムは自由だ。だが勘違いするな。規定には『()()()()()()』と書かれている。つまり全身を真っ黒に染めた極上の馬鹿者は貴様が歴代初だ」

「……私としたことが、意図せず歴史に名を刻んでしまったか。お手を煩わせて申し訳ない、ミス・ブリュンヒル──」

 

 

 今度はくすくすと、小さな笑い声に変わる。

 正に恥晒し、醜態。結局、嘲笑と侮蔑で覆い尽くされたのは、唯一の彼ではなくこいつの方だった。

 

 

 

 ──しかし、当事者が訳のわからない解釈から謝罪を紡いだ次の瞬間。

 千冬の一声により、外野が静まり返る。

 

 

 

 

貴様にブリュンヒルデと呼ばれる筋合いはない。

私の前で、()()()()()()()()使()()()

 

 

 

 

 最終警告。

 決意を込めた明確な敵意は、いずれ。

 まるで『教師と生徒』の形式的な関係を、入学初日から容易く踏み越えるかのように。

 『ブリュンヒルデ』として幾多の戦姫を葬った、元日本代表・織斑千冬の脈打つ右手が。マドカの襟元を強く、強く掴んでいた。

 

 

「お、織斑先生……!?」

「千冬、姉──」

 

 

 勝手に出しゃばったマドカに困惑していた山田先生が制止を試みるが、無理だ。見えないだけで、断絶の壁がそこにある。

 

 今にも顕になりそうな、『黒き意思』

 目が合った時から、フラッシュバックが止まらなかった。呑気に授業を始めている場合ではない、()()()()()()()()()()()が頭を過ぎった。故に──

 

 

 

 ──けれど。

 こちらは術を失っている

 ()()()()()()()()()()()()()──

 

 

 

 

「ッ、──」

 

 

 

 

 堪えろ。

 今はアスリートでも英雄でもなくなった、ただの一教師として。

 無意味と言わんばかりに、この現状を受け入れて。この手を離さざるを得ない。

 それがいかに嘆かわしく、歯痒く度し難いことか。

 

 

「……来週までに作り直せ。これは命令だ」

「了解した、全身全霊を以て善処しよう。ミス──いや、織斑教諭の仰せのままに」

 

 

 その一方で。

 マドカは屈託のない、または助走をつけて殴り飛ばしたくなる笑顔でいる。

 普通の女子共なら、この覇王色の覇気を浴びた時点で失禁しながら白目を剥き出しにするだろう。

 脅しとも見て取れる威嚇射撃だったが、マドカにはどうやら。全く通用していない。

 

 

 

 彼女は元より、人間を含めた生物に嫌われる才能だけは随一であった。

 初っ端からここまで(むご)い最悪のファースト・コンタクトを迎えたのも、生まれながらに災いした天賦といえる。

 

 

 

「私の顔に何か? 髪に付いた白い『コレ』なら、ただのメッシュですよ」

「……それ以上喋るな。これよりSHR(ショートホームルーム)を始める。一同、静かに」

 

 

 他人とは到底思えない、バグった距離感の二人だが。

 『マドカ』というありふれた三文字が、『織斑』の出自に深く関わることを。そして千冬が彼女を見るなり、感情の奴隷一歩手前となった理由を。

 この時の一夏はまだ、知る由もなかった。

 

 

 

 まぁ、それはそれとして。

 

 

 

 マドカ=ウォヴェンスポート・ミューゼル。

 この際、米国出身のクレームを考慮してミューゼルは割愛しよう。

 重度の厨二病にして最弱無能(ワースト・ゼロ)の烙印を貼られた彼女は、はっきり言って異常だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Vol.1 前編

 

その女、"厨二病"につき。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.

*1
※本作品はかつて2019年10月7日より連載していた『ID:203717 我が名は✝︎漆黒の黒騎士✝︎(削除済み)』のリメイク作品です

*2
そんなものはない




【本題の弁明】
大変長らくお待たせしました。本日より再々始動(リバース)です。

結論から申し上げます。
まず一年半前の2021年5月に遡りますが、私「旧:激熱西方歌詞姉貴」こと「めど」は身体をぶっ壊して鬱病を患っていました。多分クッソ汚いこの世の終わりみたいなコンテンツとのクロスオーバーも書いていた筈です。
それから薬漬けの療養を経て手癖が戻っていない状態で半ば無理矢理書いたのが、2021年8月9日より投稿を始めた本作となります(リメイク一回目)。大変ご迷惑をおかけしたこと、改めてお詫びします。

当時は再度の推薦を含め、温かいコメントで出迎えて頂いたことを嬉しく思っていたのですが、同時に焦りも出ていました。
後から読み返してみればやりたいこととやるべきことが支離滅裂で見るに堪えない惨状だったと思います。旧作末期より酷い。現在並行でコミケ活動として参加している同人イラストも、病み上がりの際はサタンのケツの穴の中で地獄の炎で燃え尽きてしまえばいいと言わんばかりの絵柄の劣化でした。脳の萎縮かな?

それからようやく落ち着いて考えた結果。納得のいくまでやり直したい思いもあったので、再度のリメイクを去年5月から決断いたしました。まるで二回再始動してから打ち切りになったGX版のキャッチコピーみたいに。
ただし今回はルーキー狙いの再投稿とか間違い探しみたいなごく一部の改稿による全く無意味なロンダリングとか姑息な真似は無しにして……かと言って今までの感想や応援、推薦をまたもや無碍にするのも無礼の極みだと考えました。

よって既存の話のみを順に削除し、今ある実績を十字架として掲げながらまた一から尻拭い(フルリメイク)を行う結論に至りました。



・変更点
タグの追加
全 話 書 き 直 し。随時削除予定の既存話はサブタイトルに「(旧)」を記載
一部内容を旧作と統合(プロローグ部分が該当)
1話を5000〜10000文字から変更。1セット約30000文字前後に再定義。「完成次第"おおよそ三話"に分割して連日投稿」の方式に変更



話数の方式やら出だしやら特殊タグやら変えたつもりです。今回の話の冒頭も、今まで応援してくださった方への感謝と身勝手なお詫びとなっております。
因みに削除した話は全てバックアップ済みですので、ご希望であれば(誰得)メッセージで承ります。

ついでにコミケの経験を活かせればと、可能な限り挿絵も追加したいと思っています。コスパの無駄の塊ともいえる超絶異常悪辣演出要素は特殊タグと組み合わせてもっと最悪にやっていきたい所存です。

不定期連載ではございますが、再度生まれ変わった拙作を、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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