我が名はマドカ。聖剣に選ばれし✝︎漆黒の黒騎士✝︎ 作:めど
MOVE! TAKE IT!
──引用:仮面ライダーゼッツ
「
「どうも何も、簡単なことだよ。彼は勝つために、最善と思う手段を選んだ……つまり、自らの起源をラーニングさせて、
「白椿の特性を最大限に活かした、展開装甲の稼働率を爆発的に強化する
「世界最強を呼び覚ます為だけに生まれた──『零落白夜の発動ひとつ』に特化した形態」
後の篝火ヒカルノは、語った。
白椿の姿が、
その瞳は、朱い憧憬を歪ませた、灰被りの
その鎧は、透き通る純白を蝕んだ、時を逆巻いた
新型機を名乗るに値する全てを削ぎ落とし、その全てをたった一本の得物に捧げた──
──そんな馬鹿げたことが罷り通るISは、世界に一機。一機しか、存在してはならない。
「──あれは、千冬さ、織斑先生の……」
「…………」
第一声は、篠ノ之箒。
それまで管制室で見届けていたが、触れざるを得ない。何せ、想い人の異常事態だ。
「……異変があれば直ぐに中止させる──お前に拒否権は無いぞ」
『ま、いざとなれば強制停止だろうね』
「
『いやいや、私も想定が──』
「惚けるなよ」
彼の起源たる織斑千冬は思慮の後、拳を壁に。
あの日から、この手は、この感情は。かつて雪片を握り締めていたそれは。今となってはもう、無機に響かせることしか出来ない。
何よりも憎い。
「これも政府の指図か? 貴様はどういう了見でヴァルキリー・トレースを──!!」
『要らんシステム積んで廃材にすることに定評がある私だからそう言いたいのも山々だけど、今回ばかりはマジで知らない。ごめん』
「──……っ、」
自虐めいた返答だったが、これが事実。くだらない小細工を仕込める人間はどう考えてもヒカルノか
見当違いの怒号も行き場所を失い静まり返るが、恐る恐る、箒が再度。
「……ヴァルキリーって」
「……
「よ、よくご存知ですね……」
「……これくらいは、常識」
超早口で解説してやった簪を褒めて差し上げる山田先生だが、ぶっちゃけめちゃくちゃ気まずい。
ここのところ余りにも千冬の情緒が不安定なものだから、副担任という立場もあってひたすら忍耐を強いられている気がする。汚い語録しか喋らないしその中でも頭ひとつ抜けて頭のおかしい生徒は勿論、日に日に顔色が悪くなっていく担任両方の気を遣う羽目になっているのだから、20歳であるにも関わらず中間管理職気分だ。教員はブラックと揶揄されるのも納得。
現役時代に鍛え抜かれたメンタルがなければとっくに、内容証明の辞表か退職代行を叩きつけていたかも知れない。
「……」
「…………」
「………………」
「……………………」
何とか言えよ変態、なんて言えればどれだけ楽か。こんな時に限って茶濁しの厨二病すらいないのだから、地獄だ。
つまるところ、何かしら由緒ある日本人四名が集結したこの密室は。
何時如何なる時に蠱毒と化しても可笑しくないくらい、居心地が最悪だった。
かつてドイツで開発された精神感応型条約禁止武装
ヴァルキリー・トレース・システムと酷似しているが……
これは王の器へ至るための、第一段階に過ぎない。
断響。そして、斬裂。
蒼き翼が『ひとつ』爆ぜる。
恐るべき由々しき状況に違いはないのだが、そんな僅かな時の中。セシリア・オルコットは、極めて冷静ながら思考を巡らせていた。
あれは、何だ。
けれど
今の織斑一夏を見れば、有象無象も口を揃えるだろう──これではまるで、「
ましてや、誰もが知る『その姿かたち』を騙るというのなら。時限的な強化や限定的な進化といった表現も尚更適していない。
(まさか、『退化』した──そのようなことが有り得ると──?)
通常、コアの初期化をしない限り。ISの成長は一方通行。
当然深層同調率、つまり操縦者とコアを結ぶ波長のコンディションによってISの戦闘スペックは大きく変わるが──操縦者やコアの意志ひとつで強制退化するなど、聞いたことがない。そんな前例は今まで無かった。
そもそも本当に退化しているなら、自慢の愛機に傷を付けるなどと。
彼がわたくしに一矢報いるような事態になっている訳がない。
「っ!」
『オルコット押されているぅ! 織斑のISに何が起こったかは見当がつきませんが、試合は続行! これはまさかまさかの、大逆転劇が始まったかぁ〜!!?』
雪片が、再び迫る。
初撃は受けた。が、そう易々と追撃を明け渡そうなどと。一零停止による回避が間に合った。
零落白夜は健在。出力も衰えていない。何も恐れず突っ込んできたのなら──
仕組みが見えてきた。
要は、零落白夜に不要な全てを捨てた。即ち展開装甲を含む諸々の維持エネルギーを全て最低レベルに落として残機を無理矢理増やしたのか。それなら多少納得もいくし線も繋がる。
──セシリアの推理は、概ね正解だ。
一つ語弊があるとするなら、これは退化ではなく『最適化』。
一夏自身が
全身の展開装甲、従来の機動性、覚醒したコアによるシステム干渉全てが、深層同調率0%への『逆流』により封印された。
他の誰でもなく、己が描いた幻想のみ信じて。
一種の誓約、縛りを設け、代償を捧げたことで得たのが──
零落白夜の極限最適化。
「……つまり、
答えは、否だが。
今際の今で戦士としての本性を顕にしたと、セシリアは解釈してしまった。
明らかな異変で会場も静まり返ったというのに、この女も異常だ。刹那に片翼をもぎ取られたことに関して、驚きこそはしたが恐怖は無く。寧ろ、胸の奥が熱く激しく──
──この燃え上がるような高揚は何時振りだ?
「……ふふふふ、面白い……面白いですわ、織斑一夏ッ!!」
それでこそ、わたくしが見初めた相手。共に踊るに相応しいと、そう言いたいのだろう。インターセプターを指揮者棒のように振るい、残り三基の
多少シールドエネルギーが回復したところで、関係ない。マドカを葬った照射から
「良いでしょうッ、貴方が何秒動こうが関係のない方程式は幾らでも──」
「
「!?」
「
「違う……あんな技は──教えていない……!」
無機な一夏の呟きと、悲痛を帯び始めた箒の言の葉が。望まない形で重なる。
この試合に至るまで温め続けていた、『一刀一扇』から成る篠ノ之流剣舞。箒が一夏のために授けたのは、基礎の一から三の型のみ。
けれど今この瞬間。
基本の型を使っている場合ではない。
教えた覚えがないどころか、
「陸ノ型、"
とぐろを巻いた蛇の如き、大車輪。回転斬舞。二の型の派生。
篠ノ之流を空中戦へ、そして最も実践的なISバトルに転用したこの『対空閃刀』を開発したのは──そう、織斑千冬。
第一回モンド・グロッソ時点で既に完成されており、後続の各国代表もこれに感化され会得を試みた者が多数存在したが。
全ての型を再現出来た者は、終ぞ現れなかった。
それが今、織斑一夏の手によって。
……
『なんと織斑! 遂にオルコットのBTを見切ったか!?』
『……マジか』
『ヘイ、HeyHeyHey……そこまで行くか、一夏くん』
「…………ありえない」
思わず、口先から漏れた。
馬鹿な。弾丸が一発たりとも当たらない。
それだけではない。公開されたモニターを見れば、
『織斑の猛攻はまだ続いているぞ! これは何だ、まさか我々は、モンド・グロッソの悪夢を再び目にしているのかァ!!?』
『あーらら。どんどん、
『完全に流れが変わったな。流石は
『ちょっと黙ってろ』
「くッ!」
彼の射程に入ることは、紛うことなき『死』を意味する。バックブーストを続けながらBTレーザーは発射し続けるも、全てが微塵に切り刻まれジリ貧。
この程度なら、零落白夜の発動すら不要と言いたいのか。ナメられているのか? ……いや違う。よく考えろ。
そもそも本体への攻撃、決定的瞬間のみに使用する──それが零落白夜の、最も正しい運用方法だろう?
「ならば──!!」
『オルコット動きが止まった! このままでは零落白夜の餌食に……』
『いや、よく見ろ』
『ん!? な、なんだアレは! オルコットの周囲に
『ほう……アレを使うつもりか、セシリィ』
これは奥の手だ。
因みにBTミサイルなんて猪口才はものは、端から積むつもりはなかった。自らの限界を超え、それでいて完全調和を目指す今日の試合──そんな『甘え』を使うこと自体、美徳に反するからだ。
このフィールドは今、
『あ、アレはァっ! ……えーっと、上がったり下がったりする流行りの机みたいな名前のやつ!!』
『それフレキシス〇ットな』
『そういや今日何時もより早い時間に出社してる扱いなんだよねぇ〜』
『……フレックスって言いたいのか?』
『っクク、実に面白い』
『フレミングの法則……おいお前らおちょくってるだろ』
インター・セプターを振るい、奏で。旋律。
ここで使うのは不本意であった。だが使わなければ、覇道が覆るかも知れない──認めよう。織斑一夏は、確かに本気で打破すべき強敵に値する。
故に
「────」
『何というトリックか!? 突如無から生まれた無数のBTレーザーが、織斑目掛けて曲がるッ、曲がっていくぞ!!』
斬り捨て筈のBTレーザーが、対象目掛け
インター・セプターの指揮を経由して。直線であった光線は湾曲し、軌道を変え、追従し始めた。
それらも円天で容赦なく斬り刻む一夏だが、霧散したBTレーザーは再構築し、また。
『あーそういうこと。お姉さん完全に理解した』
『と、いうと!?』
変態IS博士、ヒカルノは続ける。
BTユニットが叩っ切られた拍子に拡散したBT粒子──それらを対象に
つまり何が言いたいかというと、ここから更に恐ろしい解が導き出される。
それは限定こそされるが、高濃度のBT粒子残存。この条件が成立する限り。
セシリア・オルコットは例えBT兵器の親機子機を失っても、BTを半永久的に扱えるということ。
『まさに天ッッッ才の発想だね』
『ほぼ単一仕様能力みたいなインチキムーブかましてやがるな……』
『……フっ、流石だな。さぁどうする織斑一夏? 逆境のセシリィは文字通り最強だぞ』
偶然の産物ではあるが、これも全てセシリア自らの手で掴み取った力。
誰にも負けないために。奪われないために。己が全ての弱点を潰して潰して踏み潰した。その結果が、国家代表にも勝る逸脱したBT適性。しかも後天的に飛躍させた。
単一仕様能力が無くとも。今後、
それを超え得る技が既に、彼女には在る。
『因みに操縦者自身の手でBT粒子からレーザーを生成するといった前代未聞の動きは、確か、公式戦での使用も今まで無かった筈……はい! この試合が初出です! 初めて目の当たりにする光景です!!』
『と言うより、
『嬢ちゃんの性格を考えりゃそうだろうな……でも織斑一夏が、そうさせた』
本来ならもっと精密に、円弧ではなく直角を描くような変則軌道で、自由自在縦横無尽にレーザーそのものを操作する。極めれば事実上、BTの射程は無限大となる。
そして過去に存在した、モチーフとなった単一仕様能力『
『フレキシブル』は今もなお、世界最高のBT適性を持つセシリアだけの特権。これが彼女を、最強のルーキーたらしめる要因なのだ。
「…………」
眉ひとつ動かさない。無表情無反応の一夏ではあるが。セシリアの気まぐれひとつで、ありとあらゆる方向から『雨が降る』最悪の状況。
気付けばまるで、
──今この場で完成させた『この現象』を。
敢えて名付けるなら。
星鎖螺閃奏曲・序
当然、全てを捌き切るのは不可能と判断し、離脱する一夏。瞬時加速を発動させ、急降下。
けれど
「感謝いたしますわッ! わたくしを本気にさせた事、その悦びを共に噛み締め──」
「
──
「──は?」
多勢に無勢。その現象を必殺と呼ぶには、あまりにも疾き無力化だった。
他に打てる択が無いのは、解り切っている。だから未完成でも吐き出した。しかし、
絶対的執拗の過程で、絡み合うBTレーザーが『一条の束』となった瞬間。
ハイパーセンサーで視えていた一夏は即座に振り向き、
「"
源流『篠ノ之流一刀一扇・紅炎の舞』、そして陸ノ型円天の派生。
人体の稼働限界を無視した、とんでもない捷さで斬り進む。日輪を駆ける、焔の波の如く。八の字にうねる龍の如く。
一対多を想定したこの剣舞は、仇なす兵を流れに切り結び、やがて日輪そのものとなり本丸を討ち取る……
そしてセシリアの師こと、セレスティア・ブランケットの搭乗したプロトタイプBT搭載機『メイルシュトローム』を粉々にした──織斑千冬が最も多用した型。
『えっ、ち、千冬様の……!?!?』
『BT兵器を媒介していないが故に、出力が不安定なんだね』
『弾数が段違いと言えど、一発一発はさっきより相殺され易い……嬢ちゃんのプランX、裏目に出たか』
『織斑の呼吸、とやらだな』
『なんでそんな冷静なんです!?』
映像で何度も見た、見覚えのある光景だった。
思わず、狂った計算の中でほんの一瞬。思考の針が止まる。
「(──ッ、いけませんわたくしとしたことが──)無茶苦茶なことをしますわねッ、何が貴方を、そこまで……」
「簡単なことだ」
「!」
英国にとって因縁の絶技を実行した一夏が、遂に言を紡ぐ。
あれ程従えていたBTレーザーが、何処にも無い。つまり。たかがされどの真似事で悉くを排除され、その一瞬で背後を取られた。
「BTレーザーより疾く、より疾く刀を振り抜けばいい──
否が応でも振り向かざるを得ない。けれどそこには、予期せぬ最悪があった。
ひと差しを向けた、一夏がいた。
この構えは。
『何ッ!?
『デカい声で言うなアホ! 恥ずかしい……!』
『ですが彼女の指摘通り、構えが全く同じでしたね』
『……ふぅん……そういう……』
そう。あろうことか。
対象は動揺を見せたセシリア本体、ではなく。その手に握り続けた小賢しい指揮者棒。
『唾吐き遊び』がしたいと言うのなら、腕ごと叩き落とす。
「──■■に■せ」
何かを唱えた。あまりの刹那で、聞き取れない何かを。
たった一度しか見聞きしていないにも関わらず。何故かマドカの剣技は、一夏に馴染む。
『っクク、ハハハハハ……! 私の必殺技を完全コピーするとは……!!』
『なにわろとんねん』
『そもそもおめーはあんなの出来ねえだろ』
僅かながら刀身に残っていた、ソリッド・フレアの全開放。マドカの置き土産だろうか。まさか。
奴がどれだけ背伸びをしても編み出せない黒炎がセシリアを襲うが、所詮残り火。精々BTを薙ぎ払う程度で、ISを焼き尽くすには出力が足りない……だが、それでいい。
「……
「ッ!!」
紙一重で躱したと思ったが。祟りのように、セシリアの右腕を侵食する焔。走る紫電。起爆。
狙い通り、インター・セプターはマニュピレータごと破壊した。
これでフレキシブルは封殺。補助棒抜きに極限の意識集中なぞ、成り立つ訳もなく。
……だが、そんなことよりも。
「なぜ、いま、それを──!!」
セシリアは侮辱された気分だった。
ところで、今の彼女の視界はどうなっているか。……一夏の背後に千冬の幻影はまだ良いとして、そこから更にマドカがグルグルダンスをしながら重なっている地獄の光景だ。故になおさら。
奴が存在しない舞台をわざわざ作ったのに。その憎き存在と全く同じ構えを取られ、折角のデュオが破綻した。
例えるなら? 極上のメインディッシュをテーブルごとひっくり返される? 毒を盛られる? ──現実は地球が爆発するようなオチだ。そんな幕引きの聖戦は望んでいない。
小手先でしかなかった『フリ』に翻弄された、自分の切り札が。ブルー・ティアーズが。誇りを汚された事実が。何よりも。
“
「懺悔なさい……これは決闘ではなく、誅罰として!!」
「──ラーニング完了。
強烈な不快感を顕にスターライトmkⅢを乱射する中、一夏は再び呟いた。
その実、コアナンバー046が画策していた精神攻撃とやらは、皮肉なことに成功している。……まさかマドカの真似をするだけで冷静さを割く程度にバチギレするとは、思いもよらなかっただろう。
まぁ、世界最強の千冬かと思えば世界最弱のハズレで釣ってきたのだから、BT妨害の手法としては極めて正しく悪質である。
「ちょこまかと……ですがッ!」
『怒りの反撃だオルコット! が、織斑全て避ける!』
『む、第二の必殺が来るか……彼のことだ、まさか次は、
『しばくぞ』
『いや、微妙に違うね』
低俗な煽りまで模倣しているのかと疑いたくなるが、性懲りも無くまた指先を。
そして『完全に捉えた』のか。次の瞬間には雪片を深く腰に収め、居合に移行していた。
『またヒノカミ神楽みたいなアレやるのか?』
『……もう繰り出すことはないよ。次で決めるから』
『え』
ヒカルノの言う通り、この戦いは遂に終わりを迎えた。
飽くまで『対空閃刀』は、最後の一撃を決めるための前座。点と点を結ぶための繋ぎに過ぎない。つまりこれは、零落白夜の発動態勢に他ならない。
対空閃刀による兵力排除。
そして零落白夜による最後の一刀一閃。
一連の剣技を総称して、これまた飽き足らず第三者に名付けられた畏名が在った。それが──
『何……? ん? 織斑一夏のやつ……ひょっとして』
『……"
『なんでオレに振ったよ』
『師匠の剣も一部、織斑教諭の技が反映されているからな』
『それマジ? 意外と可愛いトコあんじゃないレインちゅわぁん!』
『きも。いやそんなことより』
さて、どこの厨二病が名付けたのやら。
散々セシリアを冷やかした、もといマドカ自慢の奇妙な構えは、何を隠そうこの滅尽剣が大元。更に身も蓋もなく言えば、
故に完全下位互換贋作偽物のマドカの行動から、起源を読み取──
「黄昏に帰せ」
──赫刃抜刀。
『『「!!?」』』
──真名、
ISに対して唯一、明確な『死』の概念を付与出来るこの抑止力は。
故に。
全ての因果を結び断つこの力は。全ての可能性を破壊して無に帰すこの妖刀は。そしてその抑止力を執行するためなら。
「-零落白夜:
──理論上、ヒカルノが並べた先の弱点すらも。
その気になれば容易に覆せる。
『…………と、飛ぶ、斬撃……』
『
『たがあの威力、
『まぁお前にしちゃ上出来の推理だな。見てみろ』
大気中の全BT粒子、
空間を断裂する規模の、限りなく真に近い零落白夜を執行したその代償は、ほぼ全ての装甲解除──一極限定状態への強制移行を意味していた。
そして、残機は残り1。
片方のカスタム・ウィングだけが残り、丸裸同然となった一夏の身体を保護するのは、最早スキンバリアーのみ。
一撃でも喰らえば絶対防御が即時発動し、その瞬間に
『対するオルコットは……なんとこちらも耐えたか!!?』
『おぉ〜、運が良い……』
『あの一瞬で一零停止じゃなくて、マニュアルの
『私の
『お前は何様だよ』
試合終了のブザーが鳴っていない、つまりセシリアも健在。
実際、一零停止によるバックステップのみならそのまま真っ二つとなっていた。だからあの一瞬で、直撃にはならず──もう片方のBTユニットとスターライトmkⅢの犠牲で済んだ。
ただし、一撃でも許せば確実に終わる状況は一夏と同じだ。
先の零落白夜を掠っただけで、絶対防御が重複発動していたが故に。
「────」
「…………」
シールドエネルギー、
瞬時加速も、特殊武装も共に使えなくなったこの瞬間。先に動いたのは一夏だ。
『まさか、この勝負……』
『うん、そうだねー……』
『あぁ……』
まだ一夏は動ける。
対してセシリアは、完全停止。
愛機を、プライドを完全に破壊され意気消沈したのか、持てる全てを出し切ったのか。
災厄の花は閉じ、それでいて具現維持崩壊を始めた鈍色の雪片。その一振りを続けろと命じて。
錆び付いた瞳に未だ赫き残光を残しながら、最後の直線加速を以て肉薄する。
その瞬間。
「──“
セシリアが伸ばした指先に現れたのは。
蒼き奔流が、
彼のすべてを搔き消した──
IS学園クラス代表決定戦
勝者
セシリア・オルコット
1年1組クラス代表着任
それは、ISに『
そして『
あこの
(次回予告は)カットしよ!
次はあるからへーきへーき、へーきだから。
ちなみに今回の話、確変回にしたかったので小ネタで地味〜に投稿時間をオーバーフローに関連する数字に変えてます。(222→255→256→0000)
本当に難産な回でしたが、なんかもう書いてたら気持ちよくなっちゃうんですよね。その結果があのこの世の終わりみたいな特殊タグ洪水だよ! 過去最多レベルの過剰演出にお付き合い頂きありがとうございます。
◆ 織斑一夏(しっこくのすがた)
はい、このためにわざわざ前回6話掛けて育てました。これでお前も本物の
リメイク前は寧ろメンタル強い方で書くつもりでした。でもやっぱり、先人を見習ってこうしなくちゃと思った(一夏曇らせは名作の法則)。俺はお前の味方だぞ!
◆ 『白椿』
途中でログアウトしましたがちゃんといます。
クッソやかましいだけでなくクッソガバガバなプランで見事返り討ちに遭った哀れなAI(YKHR3キルシリーズ)。
ところで違う色のメッセージが一か二くらい飛び交ったりしてましたが、一体誰なんでしょうね(すっとぼけ)。
◆ 『零落白夜』
そしてバリア貫通どころか遂に読者も攻撃し始めた。実を言うと筆者が一番書きたかったところがここかも知れない(クソ環境云々)。
Q.零落白夜の対策されました!→A.零落白夜で殺してください
◆ セシリィ
一夏を強化したせいで有り得ないくらい強くなった人。何時から修行とか戦闘経験まともに積んだら勝てると錯覚していた?
なんだろうあの、ゲームで勝ったとしても強制的に負けるイベントってよくあるじゃないですか(ひろゆき)。つまりそれ。ついでにマドカをブッ潰すべく魔改造されてしまった専用機と共に、スーパーエリートとして君臨して貰いました。
因みにStarry Blue inCRAD社のモルガンおばさんのイメージcvはハマーン様。
◆ ちーちゃん
今作最大の被害者。
最愛の弟がISごと自分の模倣をヤバいくらいやり始めたので既に情緒がぐちゃぐちゃになっている。とりあえずヒカルノを激詰めしてから腹いせにマドカをしばくと思います。
◆ 箒ちゃん
かわいそう。
これから君も調理に入らせて頂きますので……
一夏くんにやってもらう筈だった一から三の型のうち『一の型 飛燕』に関しては実は原作に存在してます(ISAB)。残りの型をさぁ、埋めたらどうする? え? 鬼滅の刃の誕生か?
◆ マドカ
今明かされる、史上最弱の理由──!
ゴールデン・ドーンに詐欺罪と器物損壊罪で訴えられて欲しい。
◆ かんちゃん
尺の都合上あらすじ茶番で流しちゃったけど、修行に関してベストは尽くした。有線兵器も例によってISAB初出。
◆ ヒカルノ
今回は悪いことしてないもん!
◆ 鈴ちゃん
来ちゃった♡
次回でVol.1前編が終わりますので、お楽しみに。