ホロライブラバーズ『数多の星を照らす者』獲得ルート   作:468(ヨルハ)

9 / 46
Part6 女の子を縛るのはイケナイこと

 大空(敷地内)を駆ける実況プレイはーじまーるよー。

 ということで前回はわためぇの奇襲を何とか防いで勝利したところですね。

 カートリッジの消費も2発と意外と少なく済んだので悪くない立ち上がりになったと思います。

 

 

 

 

 

 ではでは今回の動きですが、前回同様にラミィちゃんとの合流を最優先にしていきます。

 同級生なのでユー君のいないところでやられることはないのですが、できるだけHPは残した状態で合流したいですし、道中のモブ狩りも決して無駄にはなりません。

 前回の終わりに校舎内からは抜け出せたので今回は空中でのラン&ガン(またはヒット&ゴー)スタイルで進んでいくとしましょう。

 

 それではスタート!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 独特の風切り音が絶えず鼓膜を揺らす。

 羊の獣人の少女───角巻わために勝利した悠とストライクハートは、その余韻に浸ることもなく大空へと駆けだした。

 両足には『フライアーフィン』から強化され1対から2対の羽となった新しい飛行魔法『アクセルフィン』が展開されており、かつてのそれよりはるかに速いスピードで飛翔し光の軌跡を残す。

 

 

 

(パッと見ではラミィは見当たらない…合流を目指してくれてるなら屋外には出ているはず)

 

 そこまで考えたところで悠は目下の地上で戦っている一団を見つける。

 4人ほどが入り乱れて近接戦を繰り広げており、武器同士がぶつかり甲高い金属音が鳴り響く。目の前の敵に集中しているのか誰一人としてこちらに気づいた様子はなく、遠距離特化の悠からすれば格好のカモが現れたようなものだ。

 しかし問題なのがその数。

 2人までなら『ディバインシューター』の初撃でとることができるのだが、4人となると最大8発のディバインシューターでは弾数が足りず複数回の発動、もしくはカートリッジ使用の『アクセルシューター』を使う必要がある。

 その何が問題かというと、複数回の発動は2回目までにタイムラグが発生する以上残った敵に逃げられる可能性があるという点、『アクセルシューター』の使用はカートリッジを節約したい悠としては避けたいという点である。

 

 

 

 

 

(相手はこっちに気づく様子はない…なら多少時間をかけてもいい。確実に一撃でとれる一手を!)

 

「ストライクハート、『バスターカノンモード』に移行」

 

「『ディバインバスター』でまとめて撃ち抜くつもりですか?あの人数となるとオーバーチャージをする必要がありますし、そこまで時間をかけたらさすがに気付かれるんじゃ…?」

 

「『ディバインバスター』は当たり。だけど()()()()んじゃなくて、()()させるんだよ。ファイアリングロックはしたまんまだよね?」

 

「…!分かりました。モードチェンジ、『バスターカノンモード』」

 

 

 

 

 

 今のやり取りでやることを察してくれたのか、これ以上の問答はなくストライクハートは杖形態の『アクセルモード』から新しい砲撃形態の『バスターカノンモード』へと姿を変える。

 以前の『カノンモード』よりさらに重厚な見た目になったそれは、瞬間魔力放出の性能が上がっているとともにそれに耐えうるように耐久力の上昇も施されている。

 

 

 

 

 

 狙うは、4人のちょうど中間地点。

 ストライクハートの切っ先を向けると魔力がチャージされ、瑠璃色の魔力光が空に輝く星となる。

 自身を照らす青い光に気づいた4人が同時に空を見上げる。

 今なおも膨らんでいく魔力の塊を見てある者は目を剥き、ある者は即座に逃亡を試みる。しかし、今から逃げようともそこ一帯は既に悠の攻撃射程内。

 そして、砲撃魔法(不可避の光)が撃ち落とされる。

 

 

 

 

 

「ディバイン…バスター!!!」

 

「Divine Buster.」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ファイアリングロックとは簡単に言うと「魔力による物理干渉を切って、地形破壊を防ぐため」の機能である。

 悠の魔法は大規模なものが多く、平地でその魔法を連発すれば周囲への被害は甚大なものとなる。そのため、周囲の建物や地形への被害を少なくするために悠の魔力が周囲へ影響を与えないようにする機能が「ファイアリングロック」なのである。

 つまり、ファイアリングロック機能がオンであれば、悠の魔法が建物などにぶつかってもそれらが壊れることはない。

 

 では、そのファイアリングロック機能がオンの状態で膨大な魔力を一瞬で打ち出す『ディバインバスター』を地面に向かって撃った場合どうなるか?

 

 答えは「地面と衝突して行き場を失った魔力が周囲に向けて炸裂する」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 砲撃魔法によって地面に着弾した魔力は行き場を求めて瞬く間に周囲へ拡散していく。

 轟音とともに球状に広がる魔力はさながら爆裂が起こったかのように、一瞬で4人の生徒を吞み込んで土煙を巻き起こす。

 視界が開けた先には先程巻き込まれた生徒たちが倒れており、それぞれ転送魔法の光に包まれてその姿を消した。

 

 

 

 

 

「…やりすぎたかな?」

 

「いいんじゃないでしょうか?」

 

 

 そう呟いた悠に返ってきた言葉は意外と辛辣だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからも生徒を見つけては倒してを繰り返して、バトロワ開始から15分後。

 バトロワ前に教師から渡された腕時計型のサテライトスキャンの受信端末から機械音声が流れる。

 

 

 

〈バトルロワイアル開始から15分経過。サテライトスキャンを行います。〉

 

 その音声を聞いた瞬間悠は地上に降り、物陰に身を隠す。

 マップを見るという行動はどうしても周囲への注意は散漫になる。そうでなくともわざわざ見つけられやすい空中で足を止める理由など存在しない。

 周囲からの視界を切った悠は改めて端末を操作すると、高精細なホログラムの立体マップが現れ、そのマップ上にいくつもの光点が表示される。

 

 残った光点の数───総計48。

 

 この15分で実に半数が既に脱落したということである。

 残った光点は総じてバランスよく散らばっており、2~3個固まっているところは戦闘中か、あるいか共闘中か。

 悠は光点の位置を記憶すると、続いて自身の近くにある光点を指でタッチして名前を表示させていく。

 表示された名前が20を超えたあたりで悠は『雪花ラミィ』の名前を見つけて───即座に『アクセルフィン』を展開して駆け出した。

 

 ラミィの光点の近くには既に2つの光点、加えて言うなら2つの光点がラミィに追いすがっている。

 即ち、戦闘中であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああもうしぶとい!ねねたちもそんなに暇じゃないんだけど!」

 

「ねね落ち着いて、押してるのはこっち!焦らずいけば勝てる!」

 

「くぅっ…!(守るので精一杯、突破口が見つからない!)」

 

 

 

 氷の盾はハンマーを持った少女───桃鈴ねねによって砕かれ、氷の飛礫はジャグリングクラブを持ったフェネックの獣人───尾丸ポルカによって相殺される。

 さっきまで隣にいただいふくも疲労困憊でここにはいない。

 現状で持ちうる術はあるだけ試した。

 が、それでもこの2人を倒すには至らず状況はジリ貧、正確には魔力を消費しているラミィの方が徐々に不利になっている。

 

 

 

(押し切るのはもうできない。でも絶対に攻め切らせない!)

 

 しかしラミィの瞳にはいまだ消えぬ光がある。

 その証左として、有利な状況でもなおねねとポルカの2人はラミィのことを未だに倒しきることができずにいる。別方向から同時に攻めても、ラミィは絶えず後退しながらねねの接近を氷の飛礫で寸断して、ポルカの投擲を氷の盾で防ぐ。

 2人を倒すことは考えずひたすら守ることに専念したラミィに、ねねとポルカは決定打を与えられずにいた。

 

 

 

(サテライトスキャンはもう行われてる。ならきっと…!)

 

 ラミィが思い浮かべるのは1人の少年。

 1カ月前に助けてもらって、昨日再会したばかりの、言ってしまえばそれだけの少年。温和で、優しくて、困ってる人を見過ごせなくて、そしてそれが少し話しただけで分かってしまうほど純粋な人。

 だからこそそんな少年に、ラミィは信頼し、心を寄せ、助けに来てくれることをひとかけらも疑わない。

 優しげな彼の笑顔を思い出して、ラミィは1つ笑みをこぼす。

 

 一瞬の油断、一瞬の気の緩み、それこそが命取りとなってしまった。

 

 

 

 ガクンッ

 

(ッ!足が…!)

 

 

 

 不意にラミィの腰が落ちる。

 絶えず後退しながら移動していたラミィの足に小石が引っかかり、今までなら難なく避けれていたそれはわずかな気の緩みによって意識の外にはずれ、致命的なスキを晒す要因となってしまった。

 慣性の法則によって後方への動きを止められないラミィは、そのまま地に背を預ける結果となる。

 

 そしてそのスキを見逃すほど今回の相手は甘くはない。

 

 

 

「これで…終わりだあぁぁ!!!」

 

 

 

 手に届く位置まで接近したねねが勝利の笑みを浮かべて大型のハンマーを振り上げ、叩きつけの要領で振り下ろしにかかる。

 それにより風が唸りをあげ、容赦なくラミィの耳朶を叩く。

 普通なら恐怖を覚えかねないそんな光景でも、ラミィはなお瞳に光を失わない。

 咄嗟に展開した氷の盾で攻撃を防ぐが、この盾は一度目の前の少女の攻撃で叩き割られた過去がある。拮抗状態を保っていられるのも時間の問題だ。

 故にラミィは、彼を想う。

 

 

 

(ごめんね、約束守れないかも。………でも、叶うなら…)

 

 

 

「悠くん…助けて…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな彼女の願いは、聞き届けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そのまま伏せて!ディバインバスター!!!」

 

「Extension.」

 

 

 

 聞こえてきた呼び声とともに瑠璃色の魔力が荒ぶる波濤となって倒れたラミィの目の前を亜音速で駆け抜ける。それはそのまま軌道上にいたねねを巻き込んで突き進み、魔力ダメージ超過で彼女は転送魔法によって退場させられた。

 突然の事態によってラミィも、残されたポルカも硬直する。

 そしてその事態を引き起こした張本人はラミィの傍に降り立つと空いた手をラミィへと向ける。

 

 

 

「ゴメン、遅れて」

 

「お待たせしましたー!」

 

 陽気な相棒の声とともにそういって、(ヒーロー)はラミィが心の中で思い浮かべたものと同じ笑顔を向ける。

 それがなんだかおかしくて、嬉しくて、自然と笑みを浮かべてしまう。

 その笑顔でこっちはピンチになったのに、などと自分でもよく分からない理不尽な言い訳を考えて、それをどうにかのみこんだ。

 

 戦いはまだ終わってない、相手もまだ残ってる。

 やるべきことは、まだまだたくさんあるんだから。

 彼の手を掴んで起き上がり、礼を告げる。

 

 

 

 

「ありがとう、悠くん」

 

「どういたしまして。じゃあ、続きといこうか?」

 

「ヤッバー…これってかなりピンチ…?」

 

 

 

 取り残されたポルカはひそかに自分の死期を悟っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディバインシューター!」

 

氷飛礫(アイスバレット)!」

 

「うわっちょちょ!ナニコレ避けずらい!」

 

「ッ…(避けるのが上手い、というより足捌きが抜群に上手いのか)」

 

 誘導弾である『ディバインシューター』に加えて直射だが手数が多いラミィの氷魔法『氷飛礫』を危なげながらしっかりと『クラウンステップ』で避けきったポルカに心の中で賞賛を送りつつ悠は考察する。

 

 彼女の長所がそこ(足捌き)にある以上対応策は大きく2つ。

 即ち、足の動きそのものを封じるか、足の動きが影響しない空中に引っ張り上げるかである。

 

 後者でやるとすれば彼女を掴んで直接持っていくというのが唯一の方法であろうが、そんな暇があったら近接砲である『クロススマッシャー』を撃った方が早いし、そもそも前提として掴ませることすらさせてくれないだろうということで却下。

 そこまで考えたところでポルカから抗議の声が上がる。

 

 

 

「ちょっとー!2対1は卑怯じゃないの!?」

 

「いや先にやってたそっちが言っても…」

 

「説得力がないですよね」

 

「うぐッ」

 

 2人にド正論で返されたポルカが呻く。

 しかしそれでも手は止めず【投擲術】によって強化されたジャグリングクラブやサーカスボールで四方八方から攻撃を仕掛けてくる。が、それは2人になって見るべき範囲が実質半減した悠とラミィにとっては脅威とはなりえず、各々が防御魔法で確実に防ぎにかかる。

 回避は何とかなっているが攻撃する相手はまさに難攻不落、いよいよ現状で勝つビジョンが思い浮かばなくなったポルカに残された手は1つ。

 

 すなわち、逃走の一手。

 そしてそれは悠も承知済み。

 故にそこからの行動は早かった。

 

 

 

「ラミィ、3秒足止めできる?」

 

「うん、任せて」

 

 2人の間にそれ以上の問答はない。

 悠はラミィがどうやって足止めするのかは分からないし、対するラミィも悠が足止めの後に何をするかは分からない。

 

 だが2人には確かな信頼があった。

 根拠はない、実際に一緒に戦うのはこれが初めて。

 それでもなお「2人でなら大丈夫」と、そう確信できる何かを、2人は確かに感じていた。

 

 

 

「凍れ、大地氷結(アイスフロア)!」

 

「わ!わわわわわ!!」

 

 ラミィが地面に手をつき唱える。

 その瞬間、冷気とともにラミィの前方からポルカの後方にかけて放射状に地面が凍り付く。

 氷に巻き込まれることはジャンプで回避したポルカだが、摩擦係数の少ない氷の床に変貌したことで『クラウンステップ』を刻めず、それどころか足が滑ることで立つこともままならない。

 ならばとポルカは地面の氷を破壊するためにジャグリングクラブを地面に叩きつける。地面に這うように発生した氷はそれによりたやすく破壊されるが、ラミィの目的はあくまで足止め。

 氷を壊すために足を止めた時点でラミィは役目をしっかりと果しており、その目的に気づかなかった時点でポルカは2人の策にはまったということになる。

 そして、悠の策は完璧に刺さった。

 

 

 

「レストリクトロック!」

 

 

 

 ガキンッ!

 

 

 

「うぇえ!?」

 

 自身の足場を確保して安堵の声を漏らした瞬間、ポルカの体は光の輪で完全に捕らえられる。

 指定範囲の対象をまとめて光の輪で拘束する『レストリクトロック』。

 悠はラミィが『大地氷結』を発動した段階で既にこの魔法を発動させていた。

 合成獣(キメラ)すら完全に抑え込んだこの魔法が竜などの幻想種ならともかく獣人の少女に破られる道理などなく、ポルカは抜け出そうと必死に体を動かすがそれは意味を成さず。

 

 

 

「女の子を縛って楽しいかー!?」

 

「………ストライクハート、モードチェンジ」

 

「あ、逃げましたねマスター」

 

 

 

 そこちょっとうるさいよ。

 

 

 

 ポルカの言葉に悠はあからさまに顔を背け、ストライクハートを『バスターカノンモード』へ移行させる。

 勝つためとはいえなまじ客観的に見ると悠に非がありそうな光景というのは自覚しており、それをさらに言葉にして放つフェネックの少女は鬼か何かかと思ってしまう。フェネックだが。

 ついでに言うと先程のポルカの発言からこちらに向くラミィの顔がちょっと怖い。

 

 早々に終わらせようと悠は魔法陣を展開。

 足元に円形が1つ、ストライクハートを取り巻くように円環状が4つ、切っ先に魔力のチャージが開始され、それは同時にポルカの退場までのカウントダウンとなる。

 

 

 

「この変態!このまま縛られてあんなとこやこんな…」

 

「バスター」

 

「Divine Buster.」

 

 余計な被害を広げようとする輩に慈悲はなく、ポルカは二の句を告げることなく退場していった。

 間違いなく悠にとって一番抑揚のないディバインバスターの掛け声であり、締まりのない終わり方だった。

 勝ったはずなのに勝利の喜びは感じられず、訪れた静寂がとても痛々しい。

 

 

 

「………悠くん」

 

「言わないで、お願いだから」

 

「…うん」

 

 ラミィから感じる憐憫の感情が、悠の心を深く抉った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はいということでねね&ポルカ戦無事終了しました!

 したんですけど…なんとも締まらない終わり方でしたね。

 

 ポルカェ………。

 

 まあ無事に当初の予定どうりラミィちゃんとも合流を果たしたのでよしとしましょう。

 ここからは2人行動でどんどん相手を蹴散らしていきましょう!

 

 

 

 ということで今回はここまでにしたいと思います!

 ご視聴ありがとうございました。





もしよければお気に入り登録感想評価をよろしくお願いいたします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。