ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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しばらくほのぼの感満載のお話が続きます(笑)
5話くらいほのぼので行く予定です。早まる可能性も(笑)


第23話〜記憶と恋〜

烏丸 凌馬の事件から、早一週間が経とうとしていた。

 

あれから真は、病院で精神面の治療を受けたが、あまり効果は無く、記憶を失った状態で退院……という形になった。

今日がその退院日である。私は真を迎えに行った。

室戸先生の部屋に、真はいた。もう既に身支度は済んでいるようだ。

 

「すまない。記憶が戻るのは時間の問題だ……。君が側にいてあげてくれ。そうすれば、何か思い出すだろう。」

 

室戸先生はコーヒーを啜りながら言う。

 

「わかりました。ありがとうございます。」

 

私は真に歩み寄った。

 

「真……?」

 

「こ、心音、さん……。」

 

オドオドしたような口調で話す。本当に人が変わったみたいだ。

 

「もう……心音、でいいよ。」

 

「そんな、ダメですよ。明らかに心音さんの方が年上なんですから。」

 

なんか、大人しくなっちゃったわね……。

 

「じゃ、行こ?私達の家に。」

 

「は、はい。」

 

私と真は病院を出た。

 

 

 

 

会社に戻ってきた。

 

「ここだよ。私達の家で……仕事場。」

 

「ここ……か。」

 

真は会社の看板を見つめる。

 

「どう、かな?」

 

「なんか………懐かしい感じがします。」

 

「そっか。」

 

よし。少し前進かな。

 

「じゃ、入ろっか。」

 

私はドアを開けて、真と一緒に足を踏み入れた。

そして、中のオフィスへ。

 

「心音さん‼︎真さん‼︎」

 

実緒が駆け寄る。

 

「ただいま。」

 

「真さん、大丈夫ですか……?」

 

「身体は大丈夫。記憶が戻るのは時間の問題だって。」

 

私の説明に、実緒は少し落ち込む。

 

「そうですか………。」

 

「まことお兄ちゃん……きおくそうしつ?」

 

実緒の後ろで、リコちゃんが言う。

 

「うん………そうね。」

 

「あの………この娘たちは?」

 

真が問う。

 

「あぁ、この黒髪のツインテールの娘はうちの会社のイニシエーターの川野 実緒ちゃん。もう1人の娘はリコちゃん。うちで保護してる娘よ。あなたが彼女を、暴行を受けていたところを助けたの。」

 

「俺が………そう、なんですか?」

 

「うん、そうだよ。」

 

「そうなのか……ごめん、思い出せない……。」

 

落ち込む真。実緒は真の手を握った。

 

「大丈夫ですよ‼︎焦らず行きましょうよ、ね?」

 

そして、笑顔を見せる。

 

「あ、あぁ……。」

 

やはり一度には戻らない、か。

私は昼食の支度に取り掛かった。

何にしようかな……やっぱこういう時って、真の大好物だった物を作ってあげれば…記憶が戻ったりとかって、するのかなぁ?

真の大好物……オムライス、か。

 

「よしっ。」

 

私は冷蔵庫から卵、ケチャップ、鳥肉、その他の野菜とバターを取り出し、フライパンに火をかけバターを投入し、それを溶かす。確か、炊飯器に余っていたご飯が…四人分はあったよね。

私は炊飯器を開ける。うん、あった。

私はバターで鳥肉を炒める。

 

「……………」

 

真が興味深そうにキッチンを覗き込む。

 

「? どうかした?」

 

「あの、なんか、手伝いましょうか?」

 

あ、真だ。やっぱり真だ。

真はいつも、聞いてきていた。「手伝おうか?」と。

私は少しホッとした。記憶が無くなっても、真は真なんだ。

 

「じゃあ、このボウルに卵溶いて、牛乳をこのカップにいれて、軽くでいいから混ぜてくれないかな?」

 

私は、ボウルに卵を8個、計量カップを入れ、冷蔵庫から牛乳を取り出した。

 

「あ、はい。」

 

真は卵を割り混ぜはじめ、私が指示した通りにした。

あ、手際もいい。やっぱ真だ。

私はそれをみて微笑む。

 

「? なんか、僕の顔付いてますか?」

 

「ううん、大丈夫だよ。」

 

そうこうしているうちに、チキンライスが出来上がった。

私はそれを器に移して、フライパンに卵を流し、薄焼き卵を作った。そして、それでチキンライスを包む。これを四人分………っと。

 

「出来たっ。」

 

「あ、旨そう……」

 

仕上げにケチャップをかければ…完成。私はテーブルに四人分のオムライスを持って行く。

 

「わぁ‼︎オムライス‼︎」

 

実緒とリコちゃんの目が輝く。

 

「久々に作ったわ〜。じゃ、どうぞ‼︎」

 

「いただきまーす‼︎」

 

「ほら、真も‼︎」

 

「は、はい……いただきます。」

 

私たちは椅子に座り、オムライスを食べ始めた。

真が一口、口に運んだ。

 

「どうかな?」

 

「……とても、旨いです。」

 

真が微笑んだ。

 

「っ⁉︎」

 

キューン……‼︎可愛い……っ⁉︎

 

「? 心音さん?食べないんですか?」

 

「………あ、うん⁉︎た、食べるよー?食べる食べる‼︎」

 

あれ?なんで赤くなってるの私?

もしかして……いやいや、ないない。

私はその感情を抑え込むかのように、オムライスを頬張った。

 

 

 

 

「心音………」

 

「ま、真………きゃっ⁉︎」

 

薄暗い密室。真は私をベッドに押し倒し、上に覆い被さる。

 

「ちょ、真………っ。」

 

「何だよ?」

 

「は、恥ずかしいよ……あんま見ないで?」

 

「何でだよ…?」

 

真は私の耳元に、優しく囁く。

 

「ホントは、見られたいくせによ……?」

 

そのまま、抱きつかれる。

 

「きゅ………っ‼︎キューン……っ‼︎」

 

 

 

「はっ⁉︎」

 

私は飛び起きた。

深夜の3時だった。

 

「ゆ、夢か………」

 

隣のベッドに、真は寝ている。寝顔を覗く。

可愛い……可愛い……っ‼︎

 

「………ちょ、ちょっとだけならいいよね……?」

 

私は真の顔に、自分の顔を近づけてみる。その距離、僅か数センチ。

 

「…………って。」

 

落ち着け、自重しろよ私っ‼︎

すぐ様顔を離した。

真はあくまでも相棒だ。そんな、感情……持っちゃダメっ‼︎

 

「………そんな、感情?」

 

あれ?もしかして、私。

真のことが……好き、なの、かな……?

 

「………ふにゃああああ〜……っ。」

 

私は枕に顔を埋めた。

これが……恋なのかな?

 

 

 

次の日。真は病院と言うことで昼間は先生の所へ。

私はある人物の元を訪ねていた。

 

「何だよ、聞きたいことって。」

 

里見 蓮太郎くんと藍原 延珠ちゃんだった。

 

「うん、あのさ……」

 

喫茶店で、二人に向かい合った状態で私は話した。

 

「……イニシエーターに恋愛感情を持つのって、ありかな?」

 

「…………は?」

 

「アリに決まっておる‼︎妾は蓮太郎のふぃあんせなのだからな‼︎」

 

「これは、こいつが勝手に言ってるだけだからな。勘違いするなよ。」

 

里見くんのその発言に、延珠ちゃんは頬を膨らませた。

 

「はぁ……イニシエーターに恋って………あんたも相当だよな。」

 

「うぅ………今年で24のこんな女が、10代の少年に恋するなんて……」

 

里見くんは頭を掻き、言った。

 

「………あんたがいいなら、いいんじゃないのか?」

 

「うん……そうだよね。結局は、そうなる、よね……」

 

私は肩を落とし、コーヒーを啜った。

そして、私は悟った。

私は……ショタコンであると。




そうだよ、心音はショタコンさ!(笑)
やっぱね、恋愛要素も重要だよ‼︎
延珠だって蓮太郎が大好きなんだから‼︎(笑)
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