空条承太郎「聖杯大戦だと?」   作:よきき

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EP11

___ミレニア城塞 同時刻

 

 長丁場となった作戦会議が終わり、フィオレの面倒を見ていた黒のアーチャーは、主人が眠ると言ったため、現在自室で待機していた。

 待機している、と言っても何もしていないわけではない。彼は彼で現在起きている問題について思案を巡らせていた。

 昨晩、突然行われた作戦会議。内容は黒のセイバーと赤のランサーの戦闘についてと、今晩到着するであろう赤のバーサーカーについて。会議自体は粛々と流れたのだが、それが終わった後に厄介事が舞い込んできた。

 ——ライダーが助けたホムンクルスがアーチャーの自室から消える。

 作戦会議に行く前にはベッドの上で眠っていたはずのホムンクルス。きちんと部屋には鍵をかけていたし、ホムンクルスのあの体でどこかへと出かけることは考えづらい。それなのに、作戦会議から帰ってきたときには忽然と姿を消していたのである。

 それが判明した直後のライダーの取り乱しようは異常であった。

 英霊として助けると豪語した相手が消えたのだ。肩透かしをくらったどころではない。頭に鉄球を投げ込まれたような感覚だっただろう。

 そのままライダーは何か問題が起こったはずだと断定。ホムンクルスを探すため、アーチャーの制止を振り切って、街にまで降っていってしまった。

 ライダーのその行動力は素直に認めるところではある。しかし、闇雲に動いては見つかるものも見つからない。冷静沈着に物事を捉えているアーチャーは、ひとまずライダーが帰ってくるのを待っていた。

 数分して、ようやく待ち望んでいたドアノブの音がする。アーチャは扉のほうへと振り返り、そこに佇むライダーへ声をかけた。

 

「ライダー、彼は見つかりましたか?」

 

 気の沈んだ顔をしている。聞かなくても分かる事を聞いているのはアーチャーも理解していた。

 それでも、ライダーに質問を通して冷静になってもらうため、対話を心がける。

 

「いいや……、影も形も見当たらないや」

「そうですか」

 

 普段の天真爛漫はどこへいってしまったのやら。暗い声のトーンがアーチャーの部屋に転がった。

 アーチャーは手慣れたようにライダーをベッドの上に座るよう指示する。ライダーも疲れているのか、それに素直に応じた。

 もう感じなくなったベッドの温もり。昨日ホムンクルスを助けたのが嘘かのように、そこには何もない。

 ライダーはそれを寂しげに思うと同時に、己の不甲斐なさが身を支配した。

 

「ねえ、アーチャー。彼は本当に一人じゃ歩けなかったんだよね」

 

 ライダーが最後の確認と言わんばかりの質問をする。ここで、ライダーの望む回答が返ってきたならばどれだけ楽になれただろうか。

 しかし、現実は無情である。アーチャーは落ち着き払った様子で答えた。

 

「正確には歩けても、すぐ道端に倒れ伏すレベルで脆弱な体をしていました」

 

 ホムンクルスの体は赤子のように柔らかかった。筋肉というものは最低限しかついておらず、十歩も歩けば息が上がり立てなくなるくらいには弱かった。

 アーチャーの見立て通りであれば、この部屋を出る頃には扉付近でギブアップしているレベルである。

 

「じゃあ、やっぱり……」

 

 ライダーの言葉にアーチャーはうなずく。

 

「キャスターの仕業と思うほか無いでしょう。予定よりも早められた昨晩の会議に2時間も遅刻してきましたからね。状況証拠だけで見ればこれほど適した人物はいません」

 

 アーチャーはそう言って、ライダーに淹れてあげた紅茶を差し出す。ライダーがそれを受け取ると、覇気の無い自分の顔が嫌でも紅茶の水面に映り込んだ。

 元より昨日の作戦会議はおかしかった。黒のセイバーと赤のランサーについては確かに驚かされたものの、予定を無理やり繰り上げてまで行うのはキャスターらしくない。彼であれば、自分が遅れるのを先に見越しておくぐらいはしているはずだ。

 それをしなかったということは、アーチャーやライダー、もしかすれば他のマスターたちを一か所に集めておきたい理由があったことになる。

 あの時点で薄々それに勘付いてはいたが、己のマスターに危害がないのであればと見過ごしていた。まさか、それが今仇となるとはアーチャーにとって嬉しくない誤算である。

 

「あと考えられるのは、いまだ顔を見せていないダーニック主従や他のホムンクルス達ですか」

「彼ら彼女らは、逃げ出した彼を捕まえるようなことなんてしないよ」

「ですね」

 

 ダーニック主従に関しては不明な点が多すぎることから、考えても無駄だと切り捨てる。残ったホムンクルスたちは、ライダーのいうとおり犯人候補にもならないだろう。逃げ出した彼をわざと見逃していた節があるし、そもそも彼らが勝手にアーチャーの部屋に入るとは思えない。

 

「どうするつもりですか、これから?」

 

 アーチャーがそう静かに問いかける。

 ライダーは紅茶を飲みながら黙考すると、決心がついたのか勢いよくベッドから立ち上がった。

 

「どうもこうも、普通に過ごすしかないだろー? 今は僕が派手に動ける時じゃないしさ」

 

 強調された言葉をしっかりと咀嚼しながら、アーチャーは覇気の戻ったライダーを見やる。

 

「現状を把握できているのであれば、私から言う事はありません。くれぐれも気をつけてください。この黒の陣営には何か潜んでいます」

 

 注意というには些かお粗末な言葉を口にする。

 だが、それも仕方のないことで、彼自身、何か潜んでいることは分かっても、その正体までは分からない。分からないものに対し、どう気を付けろと言えば良いのか。

 にもかかわらず、ライダーにはそれだけで十分だったらしい。先ほどまでと打って変わり、ニコニコとした笑顔でアーチャーに微笑んだ。

 

「そんなのサーヴァント全員が分かってるよ。フランだって気が立っているくらいだし。アーチャーこそ大丈夫なの?」

 

 余裕といった形でVサインを出すライダーに、アーチャーは「真名」とだけ呟き注意する。ライダーも己の失態に気づき、焦燥に満ちた顔になるも、舌を軽く出して謝った。

 

「ええ。相変わらずマスターとはどこかラインが繋ぎ辛いですが、それ以外に問題はありません」

「僕も、そこ以外は特に問題という問題はないかな」

「このまま杞憂で終わってくれれば良いのですが」

 

 深い嘆息をもらしながら、アーチャーは天井を仰ぎ見る。別にこれをすることで状況が一転するわけでもないのだが、それでも無性に空を見たくなった。

 そんな苦労人に対しライダーは面白い事を閃いたらしく、アーチャーに忍び寄る。そして、スキンシップも兼ねてアーチャーの肩で頬杖をつくと、ゼロ距離で魅惑のスマイルを送ってやった。

 

「どう元気でた?」

 

 男にしては妙に甘ったるい声。

 しかし、アーチャーの表情筋はなに一つ動かない。

 

「……」

 

 どうやらアーチャーには効果が薄いらしく、呆れた目で一瞥される。

それがつまらなかったのか、ライダーは「面白くないなー」とだけ言い、頬杖をやめて飲み干したティーカップを机の上に置いた。

 

 

 

☆★☆

 

 

 

 カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニアは外の空気を吸うため、高台の上へと足を運んでいた。冷たい風は、火照った頬を優しく冷ましてくれる。眼下を覗き見れば、下には広大な土地の中でポツリポツリとホムンクルス達が中庭の清掃に励んでいた。

 昨晩の作戦会議は、待たされた時間も含めれば4時間にも及ぶ長丁場であった。その時流れた黒のセイバーと赤のランサーの戦い。ノイズは混じり、途中で映像は途切れていたが、それでも誰もが瞠目する程の戦いだったと言えるだろう。カウレスからしたら初めて見るサーヴァント同士の戦い。アドレナリンが分泌され興奮が抑えきれないのか、寝てもいないのに目がひどく冴える

 あんな壮絶な戦いが今夜この地で起こるのだ。自分がその場に直接いるはずもないのに、それでも少しだけカウレスの中に恐怖というものが内在している。想像すれば想像するほど、胸の奥が締め付けられるようだった。

 カウレス自身、こんな物騒な聖杯戦争など参加したくはなかった。いや、正確には姉の補助役として力にはなろうとしていたが、マスターになる気などさらさら無かった。

 それがルーマニアに来た途端、令呪の兆しが顕れたのだ。

 カウレスからすれば、ふざけるなと言いたい気分だった。魔術に傾倒しているわけでもない生半可な自分が、本物の求道者と肩を並べて戦うのである。どんな頭の悪い奴でも、それが喜ばしい事だと思えるはずもない。

 カウレスからすれば悪夢ともいえるこの戦争。それに相まって、唯一この家で信頼できる姉も聖杯大戦が始まってからはどこか余所余所しかった。口を聞いた回数は片手で数えるほどしかないと思うほど。

 そんな状態で、姉に迷惑をかけるわけにもいかず、内心の弱みは誰にも見せないで取り繕い続けている。巻き込まれたからにはそれなりにきちんとやるつもりではあるが、目的も、意思も、実力も無いのにどうすればいいのか不安でしかたなかった。

 とりあえずは、生き残ることに専念しよう……。

 そう決意を固めるカウレスの後ろから、黒のバーサーカー、フランケンシュタインの怪物がにじり寄ってくる。

 普段はマスターの負担なんて関係なしに、実体化し花を摘んでいるバーサーカーが、カウレスに近づいてくるのは少し物珍しかった。

 バーサーカーの方へ向いてみると、いつもの不満そうな唸り声を上げられる。何か言いたそうな顔をしているが、生憎と狂化スキルのせいで会話ができない。カウレスはいつも通り、こちらから質問し、それに対し頷いてもらう事でコミュニケーションを取ろうとする。

 

「どうしたんだよ、何か用か?」

「ウゥ……」

 

 カウレスの質問にバーサーカーは首を横に振って答える。何か用があるわけではないらしい。

 益々、自分のサーヴァントが何をしたいのか分からなくなったカウレス。とりあえず、冗談まじりに何か言ってみる事にした。

 

「俺のことを心配しているのか?」

「……」

 

 次は返事がない。首も振らないし、頷いてもくれない。

 きっと、心配していないわけでもないし、心配しているわけでもないのだろう。マスターが倒れたら自分も消えちゃうから、くらいの気持ちしか持ち合わせていないように感じる。

 そんな悲観的なことばかり考えている自分を内心で嘲笑うと、カウレスはある事を思い出した。

 

「もしかして、ライダーに気圧されて真名を言ったこと怒ってる、とか?」

「ウゥ」

 

 ようやくここにきて、うなずきで返してもらえた。

 どうやら、召喚した初日にライダーに真名を聞かれた際、答えてしまったのが彼女の機嫌を損ねた原因らしい。

 そうと分かれば話は早い。少し得られた達成感を一旦隅に置いて、さっさと謝ってしまおうとカウレスはバーサーカーに頭を下げる。

 

「まあ、確かにあれはまずかったな。第二の聖杯戦争が始まったら、今の仲間も敵になるんだし。その、悪かった……」

「……ゥ……」

 

 許されたのか、許されていないのか微妙な唸り声。

 そもそも、声のトーンだけで女の子の機嫌を察知するなど、カウレスには高等すぎる技術なのだ。ただでさえ、姉のことすらきちんと全てを把握できているのか怪しいのに。

 カウレスがそんな風に考えていると、バーサーカーが突然外を指差す。指し示された方角は、作戦会議中に赤のバーサーカーがいると言われた方角だった。

 今からやる気を出してくれていることはカウレス自身ありがたいと思うのだが、それでもはりきりすぎて欲しくはない。なんなら、今すぐ霊体化して消費を抑えて欲しいとすら思っている。

 しかし、そんな事を率直に言ってしまえば、バーサーカーは不機嫌な唸り声を上げるだろう。彼女の声はよく頭に響く。カウレスはため息をぐっと我慢して、バーサーカーに適当な話題をふる事にした。

 

「赤のバーサーカーとの戦い。楽しみなのか?」

 

 答えは「No」。首を振られてしまった。

 

「まあ、戦いなんてないほうがいいからな」

「ウ……ゥ……」

 

 次は低い唸り声で返される。多分だが、そんな弱気で大丈夫なのかと言いたいのだろうとカウレスは予想した。

 

「やるからにはきちんとやるよ。姉さんのためにもなる。それに、バーサーカーにも叶えたいことがあるんだろ?」

 

 次はうなずきで返してくる。どうやら正解したらしい。彼女の望みをきちんと確認したわけではないが、多分「自分と同じ存在の伴侶」なのだろうとカウレスは断定した。

 カウレスからすれば、伴侶ならここにいるホムンクルスでいいのではと思っているが、どうやら彼女はそう思わないらしい。ここのホムンクルスたちに目もくれていないことから、その事実が窺える。

 

「ま、兎にも角にも、生き延びなきゃ願いも何もないよな」

 

 憂鬱な気持ちでカウレスはそう呟いた。

 バーサーカーの方を見てみれば、コクリコクリと二度肯いている。どうやら、これは大いに賛同してくれているそうだ。

 カウレスはそれを見て少し嬉しくなり、つい気分が高揚させてしまう。

 

「今夜、多分俺たちにとって初めての戦いになると思う。相手も馬鹿じゃないんだ。一騎のサーヴァントだけで攻めてこないだろ?偵察用ゴーレムが見つけていないだけで、別働隊もいるはずだ」

「……?」

 

 カウレスなりに己の見解を喋ってみれば、バーサーカーは理解できないのか首を傾げる。その仕草が少し人間くさく感じてしまい、カウレスは思わず吹き出した。

 サーヴァントはやはりきちんと人格をもった存在なのだと改めて認識させられる。ゴルドはその認識を疎かにし、黒のセイバーも最後までそれを指摘せずに終わった。

 そんなくだらない終わり方だけはしたくない。マスターとして、人間としてそんな情けない敗北の仕方だけはしなくなかった。

 だからこそ、カウレスはコミュニケーションを大切にするし、ありふれた感情でも言葉にする。それが一番初歩的で、大切なものだと知っているから。

 

「とりあえず、サーヴァントに言うのが正しいのか分からないけど……。がんばろうぜ、バーサーカー」

「……」

 

 拳を突き出しながらそう言ってみたものの、バーサーカーからの反応は何も無い。

 ただ前髪から覗きみえる双眸だけが、静かにカウレスを見ていた。

 流石に、少し恥ずかしいセリフを吐いてしまったのかと自問するカウレス。冷風で冷まされていたはずの頬が、ほのかに紅潮する。

 

「何か反応してくれ、流石に恥ずかしい……」

「……ウゥ……」

「そのなんとも言えない唸り声もやめてくれ」

 

 バーサーカーとの会話に少し気疲れを感じたカウレスは、とっとと睡眠を貪るため自室へ帰ろうと踵を返した。

 

「まあ、バーサーカーは叶えたい望みがあって召喚に応じてくれたんだ。俺はまだ自分の願望を形にはできていないけど、勝ち残るため精一杯力になる」

 

 今度はバーサーカーの返事は待たない。次も返事がなければ恥ずかしすぎて、カウレスの精神に多大な影響が出てしまうと理解しているから。

 

「それじゃ、また今夜。精々、英気を養ってくれ」

 

 そう言って、カウレスは背後にいるバーサーカーに手を振りながら離れていく。バーサーカーが見ていたものにも気がつかず、自分の異変にも気がつかず。

 バーサーカーはそんなカウレスが廊下を曲がりきるまで、じっとその後ろ姿を見つめ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『分かっているな? お前の弟含め、令呪を持った全てのユグドミレニアに肉の芽を植えろ』

 

 それが悪夢の始まりだった。

 手に持たされたそれは、ひどく気持ちの悪い感触だったのを覚えている。

 抗うことも、己を納得させることもできなかった私は、ただただ、思考を放棄して、命令された通りに実行した。

 

『これで全員か。思いの外、滞らずやってくれたな』

 

 満足げな男の表情。

 ひどく醜いと私は感じてしまった。

 やりたくなかったのに、やらされてしまった。

 言い訳になるかもしれない。いや、実際にこれは言い訳だ。

 誰に謝ろうと、誰に弁明しようと、私の罪は変わらない。

 私のせいで一人の男が死んだのだから。

 きっと、これからも私のせいで皆んなが殺されていく。

 

『本当に、何も知りません』

『分かりません。私たちは、何も、知りま、せ、ん』

『言え、ませ、ん。知りま、せん。俺たち、は、なにも』

 

 悲痛な叫びも漏らさずに彼ら彼女らは死に絶えていく。

 鉄の匂いが鼻腔をくすぐり、べちょりとした液体が体に纏わりついた。

 ホムンクルスたちは抵抗しない。喚かない。嘆かない。

 それが私の心を余計に壊していく。

 

『これが降霊術に失敗した見本だ』

『なるほど、勉強になりました、お父様』

 

『姉さん?』

『うぐ……あぁ……こんな、こんなはずじゃ……!』

 

 

 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

 

 

 許して、やらなければ私が殺されるの、だからこれは仕方がなかったの。

 私はやりたくてやっているわけじゃない。

 こんなの知りたくなかった、やりたくなかった。

 それなのに、それなのに……。

 

 

 

 

 ここは一つの夢の中。

 きっと少女はいつまでも悪夢を見続ける。

 彼女を解放する日は訪れるのか。

 それはまだ、誰も知らないことである。

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