我拳は銃なりて   作:秋華

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さていよいよ登場します。
武にしかできないあの魔法を…。どんな魔法か気になった人もいてくれると思います。

それでは、どうぞ!


第九話:その拳はすべてを貫く

~龍牙side~

 

タケやんが、あの魔法を使う。

タケやんが考えて、そしてきっとタケやんしか使えない究極の魔法を…。

 

「龍牙?貴方はタケルが今から使うアレの事を、知っているのですか?」

 

「……しっとる。アレはな、ワイらがまだラカンと会って無い頃、タケやんが試してみたい魔法がある言うたのが始まりやった。そん時は、ワイもどんな魔法やろってワクワクしながら見とったんやけどな?すぐそのワクワク感はなくのーて、次に感じたのはとてつもない恐怖やった。」

 

「何をしようとしたんじゃ?」

 

「……”感卦法”と”闇の魔法”の融合や」

 

『!!!!!』

 

驚いとるな。

そらそうやろ。普通そんな事考えへん。二つともそれぞれ最上位にある魔法や。それをあわせるなんて出来ると思うほうがおかしいねん。でもタケやんにはそれが出来るんや。

 

「あ…ありえません。そんな事できるわけが無い!!」

 

「そうじゃ。そもそも”感卦法”自体が”気”と”魔力”の融合じゃ。それに更に”闇の魔法”を融合させるじゃと…そんな事…出来るのは神…いや神でも無理じゃ!!!」

 

いつも冷静な、アルはんやゼクトはんが取り乱すのも当然や。

でも今からそれをやる。だからワイはタケやんを止めたんや。

 

「ワイもそう思った。だけどな…タケやんはそれを形にして何とか成功させた。やけど…」

 

「なんと…」

 

「バグ…と言う言葉ではすまんぞ」

 

「やけど…その力は大きすぎた。タケやんが言うには、うまく行き過ぎてまったとか言ってたけどな?そのせいなのか知らんけど、すぐさまその力が暴走して、何時もなら怪我しても次の日にはピンピンしとるタケやんでも、一週間寝たきりになってもうた。」

 

「………」

 

ああ、皆黙ってもうた。

しゃあないけどな、でも皆忘れとらんか?タケやんはなんて言った?そしてうち等はなんて答えたんや?

 

「やけどワイは、タケやんが成功させるって信じとる!あのアホは、確かに変な所で決めきれへんアホンダラやけど、ワイらの信用を裏切る真似は絶対せいへんからな!!!」

 

「…そ、そうだな。タケルはぜってー成功させる」

 

「俺様は最初から疑ってねーぜ。」

 

「…そうだな。武はやる男だ」

 

「フフフッ…楽しみになってきましたよ。そんな魔法が拝めるなんてね。」

 

「長く生きたワシでも考えた事なかったわ。…ワシもまだまだじゃの」

 

皆ええやつや。

さて…ワイの相棒が命かけてがんばっとる。

ならワイは?……もちろんやる事はきまっとる。

 

「おうお前ら!誰に断ってこっちに攻撃しようとしとんねん。タケやんの邪魔はさせへんで?どうしても邪魔したいんやったらな……ワイを倒してからにせんかい!!」

 

信じとるでタケやん

 

「ワイは”炎帝”を守る”赤王”じゃ!!命捨てる覚悟が出来たやつらからかかってこんかい!!!」

 

~龍牙side終~

 

~武side~

 

ふう…さて始めるか。

 

”オン・フィスト・ガン・ペンスリット”

 

”我詠うは精霊の詩””我奏でるは命の炎”

 

俺の足元に大きな魔方陣が浮かび上がる。

よし、前までならすでにここできつかったけどゼクト達のおかげでスムーズにいけた。

本当に感謝しないとな。

 

”二つは交わりすべてを照らす光となる””固定”

 

これで感卦法の準備は出来た。次は…

 

”我願うは終焉の炎””我掴むは精霊の理”

 

ぐぐぐぐっ…きっつー魔力の効率化はかってもこの重さかよ。体の中で魔力が暴れてやがる。

ちょっとはおとなしくしてくれよ。

 

”二つは重なりすべてを飲み込む闇となる””固定”

 

ハァ…ハァ…よし。さて最後の仕上げだ。

前回はここで俺駄目だった。

今なら分かる。

あの時は”感卦法”と同じように自分を無にすればいいと勝手に思っていた。

でもそれは間違いなんだ。

”受け入れる”じゃなくて”受け止める”

その為には自分の意思を強く持たないといけない。

自分が空っぽだったら、受け止める事なんて出来るわけが無いよな。

でも今は違う。

俺を心配してくれる相棒がいる。

俺を信じてくれる仲間がいる。

そんないいやつらのためにも俺は”力”が欲しい

すべてを守り、すべてを撃ち貫く”力”が…

だから”力”を怖がるな!

さぁ…最後の大仕上げだ!!

 

”光と闇すべてはわが身に宿り””すべてを撃ち貫く力となれ!!”

 

俺の気持ちを最後に詠い、右手と左手を合わせて合掌の形をとる。

すると、前やった時は力が暴れて制御できなかったのに今はまるで感じない。

 

失敗したのか…?

 

そう思った瞬間、丹田の辺りからすごい力が巻き起こり俺を優しく包み込んでくれる。

なるほど…。神が”然”と名づけた理由がわかった気がする。

”然”とは”自然”…自然はすべての源であり、すべてを表す言葉。

つまりはそういう”力”なんだろう。

 

自分で考えといてなんだけど……俺やばい魔法考えちゃったわけだ。

………まぁとにかく、今は目の前のことに集中!

時間も限られてるし、行動しないとね!

 

~武side終~

 

武が”然”を成功させた瞬間”紅き翼”のメンバーは思わず手を止めてしまった。

”紅き翼”でコレなのだから他の人達は動けるはずも無い。

 

武の姿は先ほどとあまり変わっていない、ただ炎の色が違っていた。

先ほどまであんなに真っ赤に燃え上がっていた炎はオレンジ色の澄んだ色をしてた。

それは何処か頼りないように見えるのに、何故かとても心強く感じる。

そして何より違ったのはその圧倒的な存在感と武から発せられる力

 

”炎帝”…それはだれが呟いた言葉だっただろうか。

その呟きは全員に響き渡る。

 

今までも”炎帝”の名に相応しかったが、この姿こそ本当の”炎帝”

火を制し、火を従え、火とともに存在する。

炎の支配者に相応しい姿だった。

 

「皆!頼む!!」

 

そう武が叫んだ瞬間、”紅き翼”はすぐさま詠唱を始めたり気を溜めたりした。

その顔は皆笑顔で笑っていた。

 

「クククッ…あーおもしれぇおもしれぇ!!こんなの魅せられたらいやでも力が入っちまうぜ!!なんだよそれ!俺様と戦う前からあっただぁ?なら今度はその状態で戦おうぜ!なぁタケルよぉ!!」

 

「あーはっはっはっは!!タケル何で今までそんなおもしれぇもん隠してたんだよ!今オメーと凄くケンカがしてぇ!!だからもうこんな戦いは止めだ!一気に終わらしてやるぜ!!」

 

「はははっやってくれる。私は今すばらしいものを見てるよ。そのお礼といってはなんだけど最高の技を魅せてあげるよ」

 

「フフフッ…私も柄にも無く興奮してますよ。さて早くこんな障壁なんか壊してその魔法についていろいろ教えてもらいましょう!」

 

「あー笑みがとまらん。もうこんな戦場なんか興味が失せたわ。早く終わらしてしまおう。時間は有限じゃ。効率よく使わねばの」

 

「あははは!やった…やったやん!さすがワイの相棒や!!それにしても注目浴びすぎやで?…あかんな。タケやんのボロがでる前にさっさと決めな。ってことですまんけど覚悟してや?」

 

敵側がやっとの事で意識を取り戻し、阻止しようと動こうとしたがもう遅い。

 

「ぶっとべ!!『ラカンインパクト』!!」

 

「くらえぇ!!『千の雷』!!」

 

「神鳴流究極奥義!『滅殺斬空斬魔閃』!!」

 

「潰れなさい!!」

 

「『千の雷』!!」

 

「いくでぇ!!『火迦具槌』!!」

 

ナギとアル、ゼクトの魔法で大爆発を起こし障壁を何枚か破る。

その後にラカン、詠春、龍牙が突っ込み、更に追い討ちを掛けると更に障壁が破れた。

だが、さすが難攻不落といわれた要塞。

それでもまだ数枚の障壁が張られていた。

しかしそれは”紅き翼”も分かっていた事。

でも誰一人悲観してなかった。

なぜならまだオオトリがいる。

”銃神”にして”炎帝”…伊達武

 

彼が力を溜めて待っていたのだから。

 

「さぁ仕上げだ!!」

 

そう言って武は右腕をハンマーコックする。

するといつものように腕は鉛色に変色していくが、その腕の周りには炎がまるで吸い寄せられるかのように集まり螺旋を描いていく。

 

更に鉛色から青銅色に色が変わってくる頃には炎も同じようにオレンジ色から青色へと変化をしていき、右腕の周りを高速に回転していく。

 

「いくぜ!!!」

 

そう言ってその場から飛び出し、ナギ達が壊した障壁の所へ突っ込んでいく。

その間に皆はその場から離れ様子をうかがい、これから来るであろう衝撃に準備をする。

 

「撃ち破れ!!『メガフレア・バレット』!!」

 

武と障壁がぶつかった瞬間、辺りにはすさまじい衝撃波と熱風がまきをこり、近くにいた敵、見方問わず巻き込んでいく。

ナギ達は衝撃に備えていたため飛ばされずにすんでいたが、そのあまりにもすさまじい威力に目を見開いていた。

 

「すっげーな。アレがタケルの本気ってやつか…。」

 

「ええ…。しかも見てくださいアレを」

 

アルがそう言って空を指差すと、そこには二本の火の線が武の突っ込んでいった所まで伸びており、空に火の道が出来ているようになっていた。

 

「アレを見ただけでも、すさまじい力だったという事が分かるの。」

 

「そうやな……ってそんな事よりタケやんは?」

 

ゼクトに同意しながらも、龍牙は武の事が心配になり、爆炎の中に居るであろう武を目を凝らして探す。しばらくすると爆炎が晴れてきて人影が見えた。

それを見て”紅き翼”の面々は成功した喜びと、武が無事な事にほっと胸をなぜ下ろす。

すると武が急にぐらつき方膝を付いた。

それを見た”紅き翼”は一斉に武の下へと移動する。

 

「ははは…。皆何とかやったよ。でも…さすがに頑張りすぎたわ。」

 

皆が心配してそこに行ってみると、そこにはへらへらと笑いながら倒れている武の姿があった。

所々小さな火傷をしているみたいだが、どうやら大きな怪我とかはしてないようだ。

他のメンバーはそれを確認して、一安心する。

 

「あほぉ…。当たり前や。それより大丈夫なんか?」

 

「龍ちゃん…。なんとか大丈夫みたいだけど。さすがに今日はもう動けない…かな?」

 

「お疲れ武。後は私達にまかせておけ」

 

「そうだぜ。あとはパッパっと俺達が片付けてやるよ。」

 

「そうじゃ。」

 

その言葉を聞いて武はフッっと笑いそのまま目をつぶる。

 

「タケやん!?」

 

「……心配しなくていいですよ龍牙。疲れて眠ってるだけです。」

 

「そ…そっか…。このアホは人に心配ばかりかけよってからに…」

 

「そうじゃな。じゃがそのおかげでワシらの勝ちは決まったようなものじゃ。…本当にたいした男じゃよ。」

 

「……よし。師匠、アル、それから龍牙はここにいて武の様子を見ていてくれ。詠春、ラカン、俺達はさっさと制圧しちまおうぜ?」

 

「おう。」

 

「わかった。」

 

こうしてグレート=ブリッジ奪還作戦は、”紅き翼”の活躍により連合の勝利で幕を閉じた。

この戦いのおかげで、”紅き翼”の名は大陸中に知れ渡り、一躍有名になる。

そしてそのあまりにもでたらめな強さに、畏怖と親愛を込めて二つ名をつけられる事となった。

もちろん武も同様で、それ以降こう呼ばれる事となる

 

『銃神』・『炎帝』と

 

この事実を武が知り、頭を抱える事になるのは、戦いからしばらくたった後だった。

 

 




いかがだったでしょうか?
楽しんでもらえれば幸いです。
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