今まで休みはちゃんとありましたが、今日は雨のせいで一日ゆっくりしてます。
いつもだと、本を買いに行ったり、服を見に行ったりといろいろしたい事…というよりはしないといけない事がいろいろあるので…。
いい加減私服買わないと…。今家にあるの何年前の服だよ…(泣
タケルside
龍ちゃん・タカミチ・クルトの三人を連れて大陸を回り始めてから、半年が経過しようとしていた。
他の皆からの連絡はまだない。が、おそらくあの面子だから元気にやっていることだと思う。
俺達の方と言えば、アリカ姫の情報とかについては一応調べているのだが、それよりもタカミチの修行と、戦争で被害を受けた町の復興の手伝いを重点に置きながら旅を続けていた。
アリカ姫について気にならない訳では無いが、前話した事以上はおそらく俺には調べる事が出来ないと思っている。無理をすればもう少しは出来るかも知れないけど、下手に無理をすると余計に事態が悪化してしまうかもしれない。それを考えると、ガトウとアルに任せた方が良いと思っている。あの二人なら、きっとそこら辺はうまくやるだろうから。
だから俺は、次世代のタカミチを鍛える事と、少しでも早く日常を取り戻せるように復興を手伝う事を目的として残りの月日を過ごしていくつもりだ。
次世代と言えば、最近になってクルトも俺とタカミチがやっている修行が気になったのか、一緒になって体を動かしている。側近という役職柄、あまり体力とか無いのかと思いきや、意外にもそうではなく、ちゃんとそれなりに動けていた。
しかし、やっぱりそれなりはそれなりでしかなく、俺や龍ちゃんは置いといて、タカミチと比べるとどうしても体力の差が目に見えて分かる。
しかしそれは当然な事だ。
何せタカミチは、銃闘技をマスターする為に今までつらい修行をこなしてきているのだ。
むしろ、もう少し差がついても良いぐらいなのだが、そこはクルトの“タカミチに負けたくない”と言う気持ちが強いのか、頑張ってついてきては、タカミチに“ふっこんな物か…”とか強がりを言っていたりしている。
まぁ、足とかが震えて強がっているのがまる分かりなのだが、それはやっぱり突っ込まないのが優しさってものなんだと思う。
どうやらこれからいいライバル関係になりそうだ。
さて、ある程度近況を振り返ったのだが、実は俺達の旅にあと一人同行者が増えた。
その子は今龍ちゃんの背に乗ってすやすやと眠ってるんだけど……さっきから龍ちゃんの助けを求める視線が背中に刺さって痛い。
いや、そう見られても困るんだけどな…。というか、大体何時も俺が世話しているんだから、今ぐらいはゆっくりさせて欲しい。
本当に何で一緒にいるんだろうか……このアスナお嬢様は…。
「なぁタケやん。もうええやろ?さっきから遠くを見てワイと目を合わせんようにしとったけど、もうええんちゃうか?アスナちゃんを背からどけてーな。」
「いやいや。何時も一緒に寝たり、歩くのを疲れたとき俺が背負ってるでしょ?しかも皆料理できないから、俺が作ってるし…もうちょっとお世話してなさいよ。」
「いやいやいや…。そうは言うけどな?タケやんがガトウから頼まれたんやろ?まぁアスナちゃんが一緒にいくって聞かなかったせいもあるんやけどな?それでも頼まれたんはタケやんや。責任もたな。……ていうか、いい加減背中が冷たいねん。よだれのせいで冷たいねん。だから変わってや。いや…変わらんかいこのドアホが!!」
「何がドアホか!もうしばらくしたら食料買いに言っているタカミチ達が帰ってくるから、それまで辛抱しろ!!」
「それがもう無理やっちゅうねん!!」
「諦めんなよ!!もっと熱くなれよ!」
「熱くとか関係ないやろ!!ケンカうっとんのか!あ゛ぁ!?」
「ム…龍チャン、タケルウルサイ。静カニスル!!」(グイ)
「痛たたたた…ちょ毛を引っ張らんといて抜ける、抜ける、禿げてまう~!!」
「早くタカミチ達帰ってこねーかなぁ。」
「ちょ!!タケやん助け…助けてや~!!!」
……ごめん龍ちゃん。俺は無力だ…。
「嘘つくなや~~!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・
しばらくして、タカミチ達が返って来ると俺はタカミチ達が買ってきた材料を元に、本格的に料理を始めた。
アスナちゃんは、タカミチが帰って来るとやっと龍ちゃんの背から降りた。
…と言うよりも、流石にかわいそうなので、降ろした。
その時にかなり駄々をこねられたけど、そこはほら強引に…。もといアスナちゃんを説得して降りて貰った。
お蔭で俺の背中に、不満ありありと言った視線が突き刺さるように向けられている。
ちなみに、アスナちゃんから解放された龍ちゃんは、俺の横でぐたぁとしている。
その…なんだ…お疲れ様です。
さてさて、そんな感じでご飯も出来、皆一緒にご飯を食べる事になった。
もちろんアスナちゃんは俺の膝の上に当然のように乗ってご飯を食べている。
…丁度いいか。アスナちゃんに聞きたかったことを聞いてみよう。
「なぁアスナちゃん?」
「…ナニ?」
「何で俺達と一緒に行きたいなんていったんだい?あそこの暮らしが嫌だったのか?」
「…別ニ、ソウイウ訳ジャナイ。皆ヨクシテクレタ。」
「だったらどうして?」
「タケルト一緒ニ居タカッタカラ。」
……あれ?俺なんでこんなふうに言われてるんだろ?
フラグ立てたつもりなんて無いんだが……おかしいな?
それと、タカミチにクルト、そして龍ちゃんそのニヤニヤした顔と、微妙に非難するような目はやめろ!!
俺はロリコンじゃないぞ!?
「…えっと俺そこまでアスナちゃんに気に入られる事した覚えないんだけど…」
「……夢」
「夢?」
「ソウ。ワタシガタケルト一緒ニ居タイノハ、夢デ見タ人ニソックリダッタカラ。」
「どんな夢だったの?」
そう俺が、アスナちゃんに尋ねると、アスナちゃんはちょっと顔を赤らめて少しずつ答えてくれた。
アスナside
私がタケル達と一緒に行こうとしたのは、私が見た夢の中の人とタケルがそっくりだったからだ。
私は、どうやら悪い人達に連れ去られたらしいけど、殆ど覚えていない。
だって気がついたら、ベットの上で寝ていたんだもん。
でも、ほんの少しだけど、覚えている事もあった。
それが、タケルに良く似た人の事だった。
私は、夢の中で知らない人に連れ去られて、何処か暗い所にいた。
そこは、寒くて、寂しくて、どれくらいそこに居たか分からないけど、何時までもここには居たくないって思ってた。
そんなある日、暗かった所に光が指してきて、誰かがそこから私を連れ出してくれた。
その時の顔は、良く覚えていないけど、私を連れ出してくれた手と、おんぶしてくれた時に感じた背中のぬくもりはなんとなく覚えている。
とっても暖かくて、優しい感じがして、ずっとこの場所にいたいって気付いたら思っていた。
そのままその人におぶられて移動していると、その人が止まって私は急に誰かに抱きつかれた。
その人に抱きつかれた時、最初私は、あの人の背中から急に下ろされて寂しかったけど、抱きつかれた人からも、あの人の背中に居た時に感じた気持ちと同じ感じがした。
だけど、今思うとちょっと違うと思う。
抱きつかれた時も、暖かくて、優しい感じがしたけど、なんていうか懐かしい感じがしていたから。
そうして、しばらく抱きつれていると、さっき私をおんぶしてくれた人は、私の頭を撫ぜてくれてその後どっか行ってしまった。
でも、行ってしまったその人の後姿は一番良く覚えている。
私をおんぶしてくれていた背中は、とっても大きくて、その背中を見ていると顔が熱くなって、胸の所がドキドキするの。
その時の気持ちを私の世話をしてくれている女の人に聞いてみたら、”それは好きってことよ”って教えてくれた。
それから、いろんな人が私に逢いに来てくれたけど、その中でタケルが私に逢いに来てくれた時に、ふっと背中を見たらそれが、その人にそっくりで、あの時と同じように顔が熱くなった。
その後タケルは私とお話してくれたけど、最初は怖くてうまく話せなかった。けど、ちょっと話していたらとても楽しくて、いつの間にか怖いという気持ちはすぐに無くなってた。
そして、いつまでも一緒に話していたいって思うようになってた。
けど、そんなタケルが旅にでるって聞いたときに、とっても悲しい気持ちになった。
そして気付いたら、知らないうちに一緒についていきたいって私の口から言葉がでてた。
皆ダメって言ってたけど、それでも着いて行きたかった。そしてタケルがいいよって言ってくれた時はとっても嬉しかったのを今でも覚えている。
だからこれからもタケルについていくつもり。
ずっと…ずっと……ね。
タケルside
アスナちゃんから夢の話を聞いて、どう反応すればいいか俺には分からなかった。
すると、近くに来た龍ちゃん達が小声で話してくる。
(なぁなぁタケやん。はっきり聞くわ。…その夢の人タケやんやろ?)
(……やっぱりそうなのかな?)
(え!タケルさんがアスナちゃんの夢の人だったんですか?)
(タカミチ声がでかい!…それでタケルさんどういうことなんですか?)
(いや、どういう事もなにも、アスナちゃんを助けた時ナギもゼクトもボロボロでさ、俺がおんぶして移動する事になったんだよ。)
(あ~確かにおんぶしてたな。)
(でもそん時は魔法で眠らされてたのか、気絶していたのかは知らないけど、意識が無かったはずなんだけどなぁ…)
(なるほど。…その時に実は少しだけでも意識があって、それを夢と勘違いしているということなんですね?)
(そういえば、あの時確かタケルさんがおんぶして、アスナお嬢様をつれてきてくれたんでしたっけ。そのあとアリカ姫様が抱きついておられましたが…)
(ああ、んで俺はまだ色々やることがあったから、とりあえずその場を立ち去ったんだけど…)
(あれ?アスナちゃんが言ってた頭ナゼナゼはやらんかったんか?)
(…やったかなぁ?)
(はぁ…なんでそこだけはっきりしてないんですか!)
(いや。無意識の行動ってあるじゃん?)
(クルトは見てないんか?)
(いや…私もその後色々忙しくてタケルさんよりも先にその場を後にしましたから…)
(…………なんだよ。そんな目で見るなよ。)
(((やっぱりアル(さん)と同じロリコンか…)))
「…ちげーーーーー!!!!」
「ン?…ドウシタノタケル?」
「い…いや…何でもないさ。ハハハ……」
俺その日は罪悪感にさいなまれて眠れませんでした。
そしてやっと眠れたかと思うと、その日の夢の中で、アルがものすっごくうれしそうな顔をしながら俺に向かって手招きしてました。
まるで、自分と同じ人が増えてとても嬉しそうに手招きしてるんです。
あれほどの悪夢は無かったです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・
タカミチside
アスナちゃんの衝撃の告白から数ヶ月が経ちました。
その告白を聞いてから、僕達はアスナちゃんの気持ちを考えて、なるべくタケルさんと一緒にいるように色々やっています。
…けして、アスナちゃんのお世話が大変だから、タケルさんにすべてやってもらおうとか考えてはいませんよ?本当ですよ?
…おほん。それはともかくとして、タケルさんと一緒にいるアスナちゃんは本当に楽しそうで、それを見て本当に良かったと思っています。
まだ僕よりも小さいのに、いろんなことに巻き込まれて子供らしい事をしていないから、こんな時間があっても罰はあたりません。
それに、タケルさんと一緒に行動するようになってから、最初あった時よりも表情が豊かになって、良く笑うようになりました。
それを見ていると、”ああ…この子にはこれから幸せになってほしい”そう願っています。
なので、タケルさん。もうロリコンとか思わないですから、しっかりとアスナちゃんの面倒を見てあげてください。
さて、アスナちゃんのお話はこれくらいにして、今度は僕の事について話したいと思います。
タケルさんと一緒に旅をする事になってから、もう毎日が修行の日々です。
今までタケルさんの時間が取れた時にしか見てもらえなかったので、殆ど教えてもらった事を一人繰り返し練習してました。
なので、本当に出来ているのか心配だったんですが、一通りみせたら形にはもうなっていて、後はその錬度を上げるだけというお墨付きを貰う事が出来ました。
それを聞いた時、間違ってなかったという安堵感とやり遂げたって言う達成感。
そして、また一つ憧れの背中に近づいたうれしさがこみ上げてきて………泣きました。
それをみてタケルさんは、頭を撫ぜてくれたんですけど、それが恥かしいやらうれしいやらで、また涙が出てきました。
でもここで満足してはいけません。
だって今日は…とうとう銃闘技の奥義。
絶対破壊攻撃〈アブソリュートブレイクシュート〉のマグナムを教えてもらえるんですから。
「さてタカミチ。そろそろマグナムを教えたいと思うけど、心の準備は大丈夫か?」
「はい!」
「よし!じゃぁまずは型からだが…」
そう言ってタケルさんは、マグナムの撃ち方を説明してくれました。
今までタケルさんがナギさん達と戦っていたのを見てきたので、おおよその撃ち方は目に焼きついていましたが、実際にやってみるといかに自分が甘かったか思い知りました。
腕の筋肉で血の流れを止めるやり方、暴発しそうな腕を押し込める力、上体を安定させるやり方などなど…あんなに簡単そうにやってたのに実際やっている事はかなり難しいんですね。
改めて尊敬します。
でも、タケルさん曰く”こんなものは慣れだ!”とか言ってました。
けど、常人には無理だと思いますよ?現に銃闘技を使うために鍛えてきた僕でさえ、むちゃくちゃキツイです。
これをなんてこと無さそうに使っているタケルさんは、やっぱりすごい人なんだなぁって再確認した日でもありました。
「…ふむ。じゃぁ今教えた事を全部やってみてあの的に撃ち込んでみな。」
「はい!」
タケルさんに言われて、僕は的の前に立つと、マグナムの準備をします。
「ぐぐぐ…」
「まだ放つんじゃないぞ。もう少し堪えろ。」
自分でもだんだん右手が冷たくなっていくのを感じます。
それと、さっきから心臓が痛くなってきてます。
銃闘技の要は、心臓と血管、そしてそれに流れている血。
その意味が改めて分かりました。
「…よし、今だ!撃て!」
「…はい!」
タケルさんの声を聞いて、僕は的に向かって右手を解放しました。
ズガァァン!
「…はぁはぁ…で、出来たんでしょうか?」
「ああ。成功だ。よくやったな。」
成功したと言われてうれしいんですが…すみません。目の前が真っ暗になってうまく立てません。
これってやっぱり……
ドサ…。
なにやら硬いものが僕の頬に当たり、遠くからタケルさんの声が聞こえてきます。
あれ?近くにいたのでは…?え…な…ん…で…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・
次僕が目を覚ますと、あたりは真っ暗になってました。
「お?タカミチ起きたか。大丈夫か?」
「え……あ…はい。大丈夫です。まだ少し頭がボーっとしてますがそれ以外は特に…」
「そうか……良かった。」
タケルさんはそう言って大きく息を吐きました。
「タケルさん。僕は一体…」
「ん?ああ…まずマグナムを撃った事は覚えているよな?」
「はい。…僕は成功したんですよね?」
「ああ。ちゃんと撃つ事には成功したさ。でそのあと、反動で倒れたんだよ。前にも言った事があると思うが、ブラックアウトを起こしてな。」
「あ…それで。」
一人で修行している時も何度かブラックアウトを起こした事があります。
最近は慣れてきた事もあって、そんな事は無くなってたんですけど…。
やっぱりまだまだ修行が足りません!
「まぁ…でもそれは仕方が無いだろう。そもそもマグナムの弾数は六発。俺でもそれ以上連続で撃つとタカミチと同じようになるからな。タカミチはまだ体が完全に出来上がってないから、一発でもそうなっちまうってことだ。負荷がかなり大きい技だし、今日始めて撃ったからな…しかたがないさ。」
「え!?つまりたとえやり方を知っていても、今の僕では一発撃つごとにこうして倒れるってことですか?」
「いや…そうともかぎらんだろう。様は加減すればいいだけだからな。今日のでマグナムがどんな技なのか体で覚えたはずだから、それを元にこれから調整していけばいいさ。劣化マグナム…いやミニマグナムか。そんな感じだったら半分ぐらいは撃てるんじゃないのか?」
「ミニマグナム…。」
なんかかわいい名前です。
マグナムという名前はかっこいいのに…。
仕方が無い事なんだけど、やっぱり僕は男だからかっこいい方がいいなぁ…。
「確かに通常のマグナムに比べれば、威力はかなり下がるだろうがそれでもマグナムだ。普通のパンチの何倍も強い。しばらくはそれを練習するといい。それに今回は初めてということもあって血を止めるのに時間がかかりすぎた。そのせいもあって余計にブラックアウトを引き起こしたんだろう。それが短縮できれば、かなり余裕が出来るはずだからな。」
「はい!」
でもいつか必ず、タケルさんと同じマグナムを撃って見せます!!
そう僕が意気込んでいると、タケルさんが近くにあった荷物を探り出して何かを僕に投げてきた。
「でもまぁ…とりあえずは。ホレ!」
えっとこれは杯?
「本当なら、ガトウや詠春さん、ラカンも一緒にいればいいんだけどな…。とりあえずは乾杯だ。」
そう言って、受け取った杯にお酒が注がれる。
乾杯?いったい何の事なんでしょうか?
「じゃぁタカミチ。銃闘技の基本すべて習得おめでとう。その拳と技でお前が何をするのかはまだ聞かない。だけど出来るならその願いが多くの人に共感してもらえるように、そしていつか俺達を超えていきますように……乾杯!」
「!!!……乾杯です!」
そう言ってくれたタケルさんと、僕は一緒に杯を合わせました。
この乾杯はつまり僕の事を一人の男として認めてくれたと言う事ですか?
まだまだ、タケルさん達に並び立つ事は出来ないし、対等の立場で話す事は無理なこの僕を…。
………ひどいですよタケルさん。
今日僕は何度泣けばいいんですか!
そんな…そんな嬉しい事言われたら…僕はもう…泣き言なんていえないじゃないですか!
タケルさんの言葉に涙を流しながら、僕はお酒を飲みました。
初めて飲んだお酒は、とっても美味しくて…これは生涯忘れられない味になりそうです。
それとタケルさん。
僕はどうやら、一生かかっても貴方の前で歩く事は出来ないかもしれません。
だって…貴方ほど大きくて、頼もしくて…なによりやさしい背中を何時までも追って行きたい…
そう思ってしまったのですから…。
でもいつかは…
そういつかきっと、貴方の前では無く、貴方の背中を預けてもらえるようになります!
それが、僕の一番の目標ですから!!!
「おめでさんやーーーー!!!!」
「…オメデト」
「ふん。…とりあえすおめでとう。」
「わわっ!ちょっといきなり何するんですか!ってあああ…龍ちゃんお酒そんなに注がないで、アスナちゃん何期待した目で見てるの?一気なんてしないし、できないよ!?それとクルトは……うん。何かごめん。とにかくごめん。だからそっちですねないで!!た…タケルさん!助けてーー!!!」
すみません。タケルさん。今度は銃闘技のほかにお酒の飲み方も教えてください……オェ…。
クルトside
タケルさんと旅をして、もうどれぐらい経過したんでしょうか?
側近をやっていた頃は、何時も時間を気にして行動していたのですが、旅だとそんな必要はないですね。自由気まま、ただ自分のしたい事を時間も気にせずやる。
今までしたことが無い経験でしたが、なかなかいいものです。
経験といえば、旅をしてから本当にいろんな経験をしました。
特に今まで書面上でしか見た事のない民達の暮らしを実際に見れた事は大きな経験でした。
これでもアリカ姫様の側近をする前は、戦災孤児だったのである程度知っていたつもりだったんですが…自分は恵まれていたんですね。
想像以上でした。
改めて何とかしたいって思いましたよ。
他にも初めて料理という物をしてみましたが、これはなかなか面白いです。
自分の思い通りに作れた時の感動といったら……これはまた側近をやることになっても続けていきたい。
料理は僕の趣味になりそうです。
最後に…タカミチ。
もともと年も近いこともあって、興味があったのですが、なぜなんでしょう。彼に負けているとなんだかこう……ムカムカするというか。やる気になるというか…。
タケルさんとかは”ライバルができたな”とか言ってますけど、そんな事は絶対にありえません!!
いやこう言ってはなんですが、タカミチに比べると私は何でも出来ていると思ってますよ?
そりゃ戦闘とかアスナちゃんのお世話とか、ちょっとした料理とか、値切り交渉とか…色々すこし劣る所があるかもしれませんが、それはタカミチに華を持たせているだけですから!あと彼の方が色々さきに経験していただけですからね?
そこの所分かってくれますか?
……タケルさん、龍牙さん。その生暖かい目で見るのはやめてください!
おほん。と、とにかくですね。
タカミチには負けたくないと思って今日はタケルさんに教えを請いに行く事にしました。
「と言うことでですね。私にも何か武術を教えてもらえませんか?」
「あ…うん。まぁなんとなく言いたいことは分かったけど…」
「…クルトッテソンナキャラダッタノ?」
「ほほう。男のツンデレか。“紅き翼”には無かった貴重な存在や。…“紅き翼”にも新しいファン層ができるなぁ…。」
「龍チャン、ツンデレッテナニ?」
「ん?ツンデレっていうのはやな…」
そこうるさいですよ!それと私はツンデレではありません!
確かに、タカミチの努力とか強さは認めてますけど、それは…そうです。ただ負けたくないからですよ!だからツンデレじゃないですってば!!
「クルト落ち着けって。しかもそれは100%ツンデレの台詞だ。…んで?武術を教えてもらいたいと言ったけど、銃闘技を教えて欲しいのか?」
「いえ…出来れば別がいいです。やっぱり同じ銃闘技を習ったとしてもタカミチの方が一枚も二枚も上手でしょうし、なんていうか自分にはあってない感じがします。…やっぱり銃闘技以外は教える事はできませんか?」
「いや?俺は確かに銃闘技を使っているけど、それは俺の信念を最も体現しやすいし、自分にあってるし、何より銃闘技が好きだからそれを主にしているだけあってで、他の武術もある程度なら教える事は出来るよ?」(まぁ神さまから武術の才と知識を貰っているから、誰かにそれを教える事は結構普通に出来るからな。)
「なら他の武術でお願いします!さっきタカミチに負けたくないと言いましたが、それ以上にただ黙って見ているだけなのはもう嫌なんです。何も出来ないのはもう嫌なんです。たしかに僕は、まだ子供なのかもしれない。でも子供だからっていう言い訳を申したくないんです。これからは”赤き翼”の人達のように自分から進んで道を切り開いて、皆を…大切な人達を危険から遠ざけてあげたい。その為にも力が欲しいんです!おねがいします!!」
そうあの日、ウェスペルタティア王国が崩壊した日。
僕はアリカ姫様や、ナギさんの言われるまま行動して、そして脱出する時もナギさんに言われるまま、安全な所へ避難しただけだった。
あの大参事でも、何とかナギさんは助かってアリカ姫様も何時ものように戻ったけど、もし助からなかったら僕はきっとアリカ姫様を支える事が出来なかっただろう。
それは、僕に力が無いから…。
だから、もしまたそういう事があった時は支えられるように、そして”赤き翼”の人達のように不可能を可能に出来る人になっていたい。
だから…僕は…強くなりたい。
強くなりたいんだ!!!
「わかった。…明日からタカミチの修行と一緒にクルトも鍛えよう。…弱音吐くなよ。」
「はい!!」
良し。目指すは”赤き翼”!
その為にもまずは、タカミチとの差を縮めないとな…。
なんだか分からないけど、絶対にアイツには負けたくない!
タカミチも”赤き翼”を…というか多分タケルさんを目指しているんだと思うけど、それは僕も同じ。
まずはタカミチに追いついて、そしてタケルさんを、最終的にはあのナギさんを超えてみせる!!
待っていてください。今は見ることも出来ない貴方達の背中、絶対に捕まえて見せますから…
タケルside
クルトが、俺の横でなにやらブツブツ言いながら黒い笑顔をしているけど、これは突っ込むべきなんだろうか?
すると、俺が突っ込む前に龍ちゃんが突っ込んでくれた。
「なんや、クルトの気持ち駄々漏れなきがするんやけど…いいんかアレが側近で?」
「…クルトワカリヤススギ」
「まぁ…それ以外は優秀だからいいんじゃないのか?それにどちらかといえば、アリカ姫も気持ちが表に出すぎる人だし、似た物同士と言うことで…。」
「…それは国の重鎮としてどうなんやろ?…まぁええわ。それよりクルトには何を教えるつもりなん?」
「ん?そーだな。どう見てもタカミチをライバル視してるし、ここはやっぱり銃闘技のライバルといわれる武術かな?」
「ほーそんなモンあったんか。てか何でそれを…ああ何時ものアレか。」
「まぁそういうこと。…しかも迷ってたんだよねどっちを自分の戦闘スタイルにするか…。それぐらい思い入れのある武術さ。」
「ふ~ん。ま、楽しみにしとるわ。」
銃闘技のライバル。
それはもちろん剣牙闘技の事だ。
修練によって手を剣に変えて攻撃する武術。
初めてそれを知った時、銃闘技を初めて知った時と同じぐらいの衝撃を受けたのを俺は覚えている。俺自身の解釈としては、豪の銃闘技、柔の剣牙闘技といった所か。
もちろん。豪の中の柔、柔の中の豪と言うように、すべてがそれ一辺倒ではないけど、銃闘技と剣牙闘技それぞれ使っていたキャラクターの魅力もあってそう見えてしまう。
そして、俺にはその剣牙闘技を使っているキャラクターとクルトが何処か似ている気がする。
まぁタカミチより、確か誕生日早かったはずだしな。
そんな理由でクルトに教えたいと思った。
後付けをするなら、原作ではクルトは神鳴流を詠春さんから教わっていたから、多分刀を扱う素養があるのだろう。
それと、剣牙闘技を習得できるのでは違いがあるのかもしれないけど、少なくとも銃闘技や他の肉弾戦で戦う武術よりはいけるんじゃないかと思う。
さてさて、これからがどうなる事やら…面白くなってきた。
そうだな…出来れば、この旅が終わる頃に一回、タカミチとクルトで組み手をさせても面白いかもしれない。
それはクルトの出来次第だけど、原作を考えるにいけるんじゃないかな?って思う。
これからまた忙しくなるな。
ナギ。
今一体どこで何をしてるんだ?
俺達の後に続くであろうやつらは、日々一歩を踏みしめているぞ?
ナギも早く、一歩踏み出せると良いな。
俺達はそれを何よりも望んでいるんだから。
頑張れよ。