アルカナ~切り札の騎士~   作:西本 悠

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第四期第三十六話「チェックメイト」

アルカナ~切り札の騎士~

第四期第三十六話「チェックメイト」

 

 

 

 

「まあとりあえず、よく気付いたとは言っておこう。セツ」

 パチ、パチ、とどこか寒々しい称賛の拍手が耳に届く。

「ちなみに、どこで気付いた? 後学のために聞いておこう」

「……気付いたの自体は、ついさっきだ」

 それまで俺は記憶を失っていて、一連の事件のことを覚えていなかったし、記憶を失うまでは、エンヴィーや終焉のことをロクに知らなかった。

「だが、記憶を取り戻し、エンヴィーのことを知った今なら、おかしな所がいくつもあるということに気付く」

「ほう」

 興味深げに希望が先を促す。

「……最初に、疑問を感じたのは、デミスだ」

「……どういうこと?」

 デミスと実際にデュエルしたルインが訝しげに俺を見る。

「考えて、見ろ。ルイン。エンヴィーの属性は……嫉妬だ。だが、俺には『終焉の王デミス』が、何かに嫉妬していたようには見えなかった」

「あ……」

 敢えて言うなら、ルインを奪われた俺に、だろうが、アイツは基本、俺に対しては大した関心がないようだった。

「俺には……アイツが終焉に堕ちるとすれば、その属性は『強欲』以外に考えられなかった。同じことは、修学旅行の帝使いたちにも言える」

「風丸たちか!」

「ああ……直接言葉を聞いたお前にならわかると思うが……力を求める、と言うことは周囲への嫉妬以前に欲望があるはずだ。それにあいつ等は、終焉に力を与えられたという以外に何も言っていない。ユーキちゃんの名前も、エンヴィーの名前も出してないんだ」

「そういう……ことかよ!」

「まだあるぞ。海でデュエルしたインセクトナイト。アイツもデミスと同じく自分の欲望がその力の源泉だろう」

「なんということだ……」

「でも待って。終焉の王は、力を得た理由を“彼女”と言っていた」

 ルインの指摘に、俺は頷く。

「確かに、デミスは彼女と言っていた。だが、真中希望がどんな存在か考えれば、それは大した矛盾じゃない」

「あ……」

 世界そのものたる真中希望。全ての存在の始原にして根幹。故に、出来ない筈がない。ユーキちゃんに|成り済ます(・・・・・)ことくらい。

「だが、それは君の想像だ。証拠はあるかい?」

「惚けるなよ真中希望。そんな証拠、ユーキちゃんに聞けば一発だろうが」

 俺はユーキちゃんに向き直り、一つの根本的な質問をした。

「ユーキちゃん。答えて欲しい。ユーキちゃんが、エンヴィーのことを自覚して、俺たちの前からいなくなったのは、一体どのタイミングだ?」

「いなく、なった……?」

 質問の意図が掴めなかったのか、アテナが不思議そうな顔をする。ユーキちゃんも戸惑いながら答えてくれた。

「えっと……わたしがエンヴィーのことを自覚したのは、アテナちゃんが居なくなった頃、かな? それで、エンヴィーと一緒に精霊界に来たのは……セツくんとタッグデュエルで、万丈目くんたちとデュエルした後すぐ、だよ~」

「タッグデュエルの後……だと?」

 ユーキちゃんの言葉に、俺はやっぱりなと頷く。

「つまり、ユーキちゃんはアテナが帰って来たときも、さだめが怪我したことも、希冴姫が一度死んだことも知らない。そういうことだ」

「え……!?」

 希冴姫が一度死んだ、の下りでユーキちゃんがハッとして希冴姫を見る。その反応が、何よりの証拠だった。

「ユーキちゃんは……エンヴィーは、一連の事件に何の関わりもない。ユーキちゃんがやったことは、俺とデュエルしたことと、アテナとデュエルした、その二つだけだ」

 そもそも、幼子も同然のエンヴィーに、刺客を俺たちに差し向ける、なんて発想が出来た筈がない。ユーキちゃんだって、悪戯に俺たちと敵対する無意味さは良くわかっていたはずだ。

 パチパチパチ……と闇の世界に拍手の音が響き渡った。

「お見事。そこまで辿りついた君なら、僕の目的はもうわかっているね?」

「エンヴィーを……殺すことか」

 俺の言葉に、エンヴィーがビクッと身体を震わせた。そのエンヴィーの頭を軽く撫で、俺は希望を睨みつける。

「させない。俺はエンヴィーを守る」

「セツ……」

 だが、希望は笑みを消して首を振る。

「それは認められない。終焉を殺さなければ、世界が滅ぶ。情が湧いた君たちに殺させる、なんて非情は言わない。だから終焉をこちらに渡して貰いたい」

「ふざけんな。直接殺すも見殺しも、大して変わりゃしないだろうが」

 しかし、希望は更に首を振る。

「ならば、後ろを見るといい。御堂切」

「なに……?」

 俺の後ろには、アテナたち。

「君がその終焉を殺さなければ、彼女らが死ぬ。それは、見殺しではないのかな?」

「っ……」

 世界が滅びる、ということは、そう言うことだ。暗にそう指摘され、俺は言葉を詰まらせる。

「……だが! そもそもエンヴィーの終焉は祓った! もうエンヴィーを殺さなくても、世界が終焉を迎えることは……」

「本当に?」

「っ」

 俺の言葉を、たった一言で止める希望。

「本当に、エンヴィーの闇は祓われたのか? そもそも、祓えるようなものなのか? 君たちは、何も知らない」

「……エンヴィーの、闇は」

「祓われたのはあくまで表層。溢れ出た、終焉の上澄みのようなものでしかない。言うなれば、ゴミ箱から溢れたゴミを掃除したようなものさ」

「ゴミ箱……だと?」

「おっと、言い方が気に食わなかったかな? しかし、事実として終焉とは、世界にとってのバグやウイルス……ようはゴミを纏めて焼却するための器だ。そうなるように、僕が設定した、ね」

「設定、した……? じゃあ、まさか終焉って」

 さだめが呆然としつつ、問いかけた。希望は微笑みを浮かべたまま、あっさりと肯定する。

「そう。僕が創った世界の防衛システムだ」

 創った。つまり、エンヴィーが苦しみ、さだめが、アテナが、ルインが、皆が終焉によって人生を狂わされてきた元凶は……。

「僕、ということになるのかな?」

 あくまでも微笑みのまま、何でもないことのように希望は言った。

「て、テメエ……」

 あまりに平然と、とんでもないことを言いだした希望に、堪え切れず剣士が爆発した。

「テメエは! こんな不幸をまき散らして、風丸たちを……殺して! 何様のつもりだ!?」

 風丸。その名前に、希望はやはり微笑んだまま否定する。

「それは違う。僕は彼らを殺してなんかいない」

「なんだと!?」

 殺していない? しかし、彼らは現に終焉の力に耐え切れず、その身体は闇に溶けた。

「ああ、殺していない。だって……」

 希望は、その手を真横に掲げた。

「彼らはそもそも、命を持たぬ人形でしかなかったのだから」

 手を振るう。一瞬で風が渦巻き、剣士にとって見知ったであろう人間が現れた。

「か、風丸……!?」

「命を持たぬ人形……それは、どういうことだ? 風丸たちは、一体……?」

 俺の問いに、希望は軽い調子で答えた。

「そうだね。終焉をバグやウイルスに例えた流れで例えるなら……うん。ゲームのアバター、或いはNPCと言ったところか? GMの気の赴くまま設定し、プログラムに則って動くチェスの駒、そんな感じかな」

「お、お前……!」

「酷い……」

「貴様、命を何だと思っている!?」

 エースの罵声にも、希望は涼しい顔で苦笑した。

「だから、命なんてないんだって。だからほら。僕が手を一振りすれば……」

 フッ、と希望の手が一閃すると、風丸の姿が掻き消えた。

「全て、思いのままだ」

 シュン、と手がもう一度振られると、またしてもそこには風丸の姿が。これは……。

「僕は造物主とは違うし、独立した個の命を生み出すようなことは出来ない。だけどまあ、それらしい幻にリアリティを持たせることくらいなら造作もない。君たちの見た加藤友紀も、中々良い出来だっただろう?」

 アテナと再会したときに現れたユーキちゃんを思い出す。

「……そうやって、俺たちの往く先々に試練とやらを作り出していたのか」

「その通り。そしてその結果、見事君たちは終焉を倒す程にまで成長した。まあ、最終的には僕の意に反することになってしまったけどね」

「……全てが思い通りになるとは思わないで」

「わかっているとも。ルイン。僕は全知の存在ではあるが、全能足り得ない。そんなことは、ずっと昔からわかっているさ」

 だからこそ、と希望は前置きし、強い視線を俺たちに向ける。

「計画が歪んでも修正出来るよう、初めから想定はしていたさ。いや、こうなる確率の方が高いと踏んでいたくらいだ」

 俺たちが、エンヴィーを殺せず、守ろうとすること。それは、確かに全知である希望ならば予測出来て然るべき事だったのだろう。

「だけど……出来るなら、こうならないことを望んではいた。君たちが、何の疑問も罪悪感も覚えずに、終焉を倒し……あとは僕が自分自身に始末を着ければ、君たちは素直にハッピーエンドを迎えることも出来ただろうに……」

「始末って……お前」

「全てが終わった後、僕は死ぬ。なんなら、君たちが殺してくれてもいい。そのくらい怨まれることは、してきただろう」

「お前は……それでいいのか。死ぬことに、なんの疑問も抱かないのか?」

 希望はその笑みを寂しげなものに変える。

「もう……いい加減、長生きするのも潮時なんだよ」

 そう言って、希望はその表情を厳しいものに変えた。

「さあ、真実の追求はここまでにしよう。終焉を……渡して欲しい」

「断る!」

 俺は、迷わずその言葉を跳ねのけた。

「君は、そうだろうね」

「君、は……?」

「果たして彼らは、どうかな?」

 希望は俺の後ろを指差す。

「な、なんですか? 私たちだって、セツと同じで……」

「『エンヴィーを守れても、世界が滅びたら何の意味もないじゃないか』」

「っ!?」

 希望の言葉に、絶句するアテナたち。

「っ……そういう、ことか」

「つい数刻前、君たちはこの理屈を武器にプライド……セツと戦った。僕は、数刻前の君たちと同じことを言っているだけに過ぎない。それとも、翻すのか? 全てを懸けて使命を果たそうとした、プライドを打倒したその武器を!」

「そ、それは……」

 アテナたちは、ついさっきまでの俺と同じ立ち位置に立っている。だからこそ、希望の言葉を否定できない。

「事情を知らなかったから? エンヴィーのことを知らなかったから? そう言い訳でもしてみるかい? だとすれば、プライドが可哀そうだ。完全に無駄死にだね彼は」

「っ……っ……」

「君たちの勝手な“正論”に振り回されて。自分の使命を否定されて。それがいざとなったらあっさり翻される程度の薄っぺらい言葉だったなんて……哀れ過ぎる」

「私、たちは……」

「そして、君もだ。御堂切」

「……!」

 アテナたちが沈黙すると、希望は俺に言葉を向けた。

「君は変わらず、終焉を守ろうとするんだね。君を止めてくれた、アテナたちを|また(・・)裏切って」

「っ……」

 また。また俺は、裏切る……? アテナたちを?

「一度ならず二度までも。二度ならず三度も。君は君を慕ってくれる少女の想いを裏切るわけだ。君にとって、一番大事なものはなんだい? 己の矜持か、それともアテナたちか……今一度考えてみるといい」

 トッ、トッ……と真中希望が近づいてくる。俺たちは……動けない。

「俺は……がふっ!?」

 なんとか反論しようと開いた俺の口から出たのは、言葉ではなく血塊。希望はニィ、と笑って言った。

「迷ったね?」

「な、に……?」

「今の君の身体は限界を超えている。とっくの昔に致命傷だ。そんな君が今まで経っていられたのは、その強靭な精神力と鋼鉄の意志。だが、もしそれが揺らいだら?……簡単だ。君の身体は崩れる。僕が、戦うまでもない」

「俺は……揺らいで、なんか……!」

「それは……君の身体が一番良く知っているだろう?」

「くっ……」

 目の前が暗い。耳が遠い。俺は、それでも必死に言い募った。

「何故……エンヴィーなんだ。どうして、そんな辛い役目を、エンヴィーに背負わせた……?」

「必要だったからだ」

「だから……! 何故……!?」

「世界は君たちが思っているほど盤石なものじゃない。長い時を経るうちに、どうしたってバグは見つかるし、綻びが出来る。その綻びは、世界を歪め、多くの人を死に至らしめる。僕はそうならないよう、終焉というシステムを作り、たった一つの犠牲で全てが救えるよう調整した」

「エンヴィーである必要は、無かった筈だ!」

「では誰なら良かった? アテナか? さだめか? 希冴姫か? ルインか? 加藤友紀か? エースか? 剣士か凛かジャックかキングかテンスかシャルナかネイキッドかエリアかエリアルかゴーズかカイエンかヴァンダルギオンかヴァーミリオンかサイクロイドかライムか?……誰なら良かった? 誰なら、犠牲に出来た? さあ……選べ」

「ふ、ざけるな……! そんなの選べるか! みんなを、誰か一人を犠牲にするなんて……!」

「名も知らぬ誰かなら良かったか? 君にとって、何のかかわりもない存在なら心は痛まなかったか? それとも……」

 真中希望は自らを示す。

「僕自身が犠牲になればよかったのか?」

「お前……」

「エンヴィーを守りたい。その意志を馬鹿にするつもりはない。だけど、そうしなければ世界が滅びる。あとから終焉の属性を付与された君たちとは違い、アレは産まれからして終焉だ。覆し様がない」

「くっ……」

「チェックメイトだ御堂切。僕は世界を救う。己が使命。義務。想いに懸けて。必ず」

「俺は……俺は……」

 何も、言えなかった。エンヴィーを守りたい。その気持ちは僅かも揺らいでいない。だが、身体が動かない。

「エンヴィー」

 ビクッ……と、身体を揺らすエンヴィー。そんなエンヴィーに、真中希望は優しい声音で語りかける。

「君は、終焉として全てを滅ぼし、死んでいくか。それとも、大好きなセツたちを守るため、身体を張るか。どちらかを選べる」

「まも、る……?」

「そうだ。守る。君はただ死ぬわけじゃない。セツの身体は、暖かかったろう? 優しかったろう? 君は、彼を守るため、彼の生きるこの世界を守るために、今まで生きてきた」

「守る、ために……」

「君がいなければ、もっと多くの人が苦しみ、絶望し、息絶えてきたことだろう。君はそんな人たちを守り、そして今度は、セツを守って消えていく。何も、怖がる必要なんかない」

「セツを……」

 駄目だ、エンヴィー。そいつの言葉を聞いちゃいけない……!

 そう思うのに、口は動かない。

「このままでは、セツは今以上に苦しみ、世界と共に終焉を迎える。今度は、抗いようもない。君はそれでいいのか? セツを苦しめ、絶望させ、死なせてもいいのか?」

 ふるふる、とエンヴィーが無言で首を振る。

「なら、受け入れて欲しい。大丈夫。怖くはない。だって君はもう、独りじゃないだろう?」

「お前……!」

 愕然とした。コイツは、コイツは初めからこうするつもりだったんだ。エンヴィーとの戦いの中で、俺たちの反論を奪い、エンヴィーに自らの意志で死を選ばせるために。そのためだけに、コイツは全てを操った。全ては、この瞬間のために。

 それがわかっても尚、俺は動けない。

「ボクは……」

 駄目だ。やめろ。やめてくれ。そんな言葉が脳裏を過り、そして消えていく。俺の頭の中には、エンヴィーを止めようと、希望を止めようとする意志と、諦めに近い感情が渦巻いている。

『もういいじゃないか』

『俺はもう、充分に頑張った』

『これはエンヴィーの意志でもある』

『世界を守るためだ』

『アテナたちを裏切れない』

『誓ったんだろう? 妹を、さだめを守ると』

『これが、エンヴィーの運命だったんだ』

 

 

 

 

 

 いくつもの諦めの言葉が頭に浮かび、その度に力が抜けていく。ここまで。ここまで来て。俺は……。

「しっかりしやがれ兄さんよぉ!」

「っ!?」

「む……?」

 突然の大声に、俺たちは一斉にその声の主を見る。

「サイクロイド……?」

「ったく、黙って聞いてりゃ、らしくねぇぜ兄ちゃんよ」

 サイクロイドはやれやれと肩(ハンドル?)を竦めて嘆息した。

「ここは素直にテメエの感情に従う。それが漢ってもんだろうが!」

「だが、俺は……」

「言い訳なんざ、聞きたくねえ!」

「っ……!」

「俺っちは部外者で、脇役で、弱っちぃ雑魚だが……だからこそ、兄ちゃんみてぇな強い漢に憧れたもんよ」

 サイクロイドはキッ、と真中希望を睨みつける。

「それがなんでい! こんな男のおしゃべりに付き合って、揺らいじまってなさけねえ!」

「いや、だが……」

「漢なら!」

 俺の言葉を遮って、サイクロイドは見栄を切る。

「ごちゃごちゃと細かい理屈は抜きにして、テメエの想いに正直になりやがれ! 少なくとも俺っちは、そんな兄ちゃんをスゲエと思ったし、そんな兄ちゃんで居て欲しい! だからよぉ……」

 サイクロイドはエンヴィーの前、真中希望の眼前に移動する。

「俺っちが見せてやるぜぃ! 細けぇ理屈なんざスッ飛ばした、漢の生き様ってやつを!」

「……君は、状況を理解していないのか?」

「細けぇ理屈は抜きって言った! さあ来いパツキン! いたいけな少女を誑かすテメエのような奴は、このサイクロイド様が相手になるぜ!」

「馬鹿っやめろ! お前の敵う相手じゃない!」

「理屈は抜きって何度言やわかるよ? 勝てる勝てないは別に問題じゃねえだろこの場合! いいか兄ちゃん!」

 サイクロイドはまたしても見栄を切り、叫んだ。

「漢の生き様、しかとその目に焼き付けな! 漢は黙ってサドルで語る! 俺っちが兄ちゃんたちに着いてきたのは、このためだったと言わせて見せる!」

「お前……」

「……やれやれ。とんだイレギュラーがあったもんだ。部外者故の暴走か。しかし、そうまで言われて相手にしないのは、礼儀に反するな」

 真中希望は苦笑しつつもデュエルディスクを構え、サイクロイドに正対する。

「いいだろう自転車くん。君の心意気に免じて、僕は自らの計画を歪めよう。戦わず、言葉だけで封じ込められれば一番だったが……こうなっては仕方がないね」

「おうおうおう! 意外と話がわかるじゃねえか!」

「チェックメイト直前のチェス盤を、横合いからひっくり返した責任は取って貰う。覚悟してくれよ」

「「デュエル!!」」

 そうして、勝ち目のない戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 

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