アルカナ~切り札の騎士~
第二話「流石にこれは予想外」
「わ、私と……私とお付き合いしてください!」
……あるぇ~?
「……は? いや、ちょ、はぁ?」
やばい、理解が追い付かない!
「はぁ~? ていうか、ええ~?」
なんか混乱しすぎて3わけわからんポイント入れてしまった。いやだって、てっきり異世界トリップの話が来ると思ってたのにきたのはブラック・ホワイト……じゃない、告白って。そりゃ流石に予想できんて。
「あ、あの……いきなりこんなこと、その、御迷惑だとは思うんですけど、その」
しかもなんかガチ!? めっちゃ顔赤いし! すっごく必死だし!
「さっきのデュエル見てて、う、運命感じちゃいました! お付き合いしてください!」
うわぁ、俺の勘違い路線消えたわぁ~。
「わ、私、いつもは決してこんな惚れっぽいことなんてないんですけど! 未だ恋人いない歴=年齢なんですけど! その、それでも無視できない衝動が、その……」
やばい、俺まだ3わけわからんポイント入れた時以外発言してねえ。つかこの少女が別の意味でトリップしてる。救助活動を!
「いやその……はぁ~?」
うがぁ! またわけわからんポイント入れちまった! なんか俺までトリップしてるっぽい! そりゃそうだよね! 俺ブラック・ホワイトされたの初めてだもん!
「ご、ごめんなさい! い、今のは忘れて……欲しくはないですぅ~」
ああ!? なんか勝手に断られた感じで半泣きだ! きゅ、救助……いや、救命活動を!
「あっ、と。その、別に迷惑とか、嫌だったとか、そんなんじゃなくてな?」
よし、なんとか口は動いた。
「ぶらっ……じゃない、告白とかされたの初めてで……混乱の極地というかなんつーか」
あっぶね。ブラック・ホワイトとか言いそうになった。
「迷惑じゃ……ない、ですか?」
「そりゃまあ、うん」
この少女、正直尋常じゃないくらいに可愛いし。スタイルもバランスいいし。ぶっちゃけ断る理由を探すほうが難しいくらいというか……。
「ただまあ、その。いきなりってのは流石に……」
そこ、ヘタレと言うなら甘んじて受けよう。なんも知らんで告白されたからとりあえず受けるとかいう選択肢は俺ん中にはないの。……まあ、それ以外にも即答できない理由はあるんだが。
「そ、そうですよね。やっぱり……いきなり過ぎました……よね」
「い、いやその! ぶっちゃけ第一印象的には120%合格なんだけど! オッケーなんだけど! だからこそ不誠実な了解はしたくないっつーか」
ああどうせヘタレさ! 俺は自覚もあるヘタレだ! 文句あっか!
「じゃ、じゃあせめて! あ、アドレスください!」
「お、おうとも。それくらいはお安い御用!」
なんだこの中学生カップル。我ながらそう思わざるを得ない。お友達から始めましょうとか、現代では化石扱いだろ。
とりあえずアドレスを交換し、登録する際に一つ問題が。
「あ、名前、教えてくれない?」
「はぁうっ!? そういえば自己紹介もしてないぃ~」
なんか自虐モード入ったっぽい。いや、さっきの試験の時に名前も言ってたし、知ってるんだけど、一応形式的にな。
「こ、こほん。よし」
あ、現世に復帰した。
「あ、改めまして天音アテナと申します! 13歳です! デッキは名前そのまま『アテナ』中心の天使族デッキです」
あーそうそうそんな名前だった。って13歳!? そのスタイルで!?
「えーと、とりあえず俺も自己紹介。御堂切、デッキは『絵札の三銃士』。歳は……」
あり? そういやこの世界では俺って何歳なんだ? 現実では19なんだが……とりあえず携帯……っぽい通信機を調べる。15歳。おお、若返ってる。まあ今年で16みたいだけど。
「15だ。まあ、数えだと16だな」
「う……私、実は数えで13です」
うおい!? ってこたぁ12かよ! 後々出てくる早乙女さん家のレイちゃんとそう違わないじゃん! ……飛び級? まあ、3歳差くらいなら許容範囲か……。つか、12だとするとなおさらすごいスタイルだ。……ランドセル姿がコスプレにしか見えなさそうなくらいには。
「ま、まあ、俺のことは気軽にセツとでも呼んでくれ」
「い、いいえ!? そ、そんな年上を呼び捨てなんておこがましい!」
「あー、でも切さん、とかって語呂悪くて呼びにくいだろ? だいじょぶだって。近所の悪ガキどもだってセツ呼ばわりだしな」
「は、はい。でしたら、その、思い切ってセツと呼ばせていただきます! あっ! 私のことはアテナで!」
「ほいりょーかい。よろしくアテナ」
「は、はい!」
「えーと……とりあえず俺は十代たちのところに戻るけど……」
「そ、その、それじゃあ私も一端戻ります。あの、メールとか……してもいいですか?」
「おう、当たり前だろ。好きな時にしてこいな。あー、ただ、俺ってば結構筆不精だからな。メールとかそっけないのは勘弁してくれ」
「はい! じゃあ今晩、さっそくメールしますね!」
めっちゃ嬉しそうな顔で去って行った。やば、思わず顔がニヤける。
「まあ、可愛かったしな」
「ふぅ~ん」
「へぇ~」
「ほぉ~」
…………………
ギ、ギ、ギ、ギ、とブリキの案山子のような感じで振りかえれば、そこにいたのは十代、翔、三沢の三人。さっきの俺以上にニヤニヤしてやがる。
「『う、運命感じちゃいました! お付き合いしてください!』だって」
……ええい! その2828を止めい!
「『まあ、可愛かったしな』だったか」
「へへっ! やっぱりラブコメだったな!」
「くぅ……この、デバガメどもが……」
流石に恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
「いや~さっきのデュエルといい、今のといい、初日からすっげー面白いモン見せてもらったぜ! これからもよろしくな! セツ!」
「う、うるせい! 俺をギャグ担当扱いすんな! てか純情少年おちょくって楽しいか貴様らー!」
流石の俺もそろそろキレるぞ!? ただでさえいきなりこっちきて混乱してるのに次から次へと!
「おっと、そういやオレ、セツに聞きたいことがあったんだ」
「あ?」
十代は俺の後ろを指さした。
「そいつら、見えてるか?」
まさかと思って振り向くと、そこにたたずんでいたのは紛れもなく絵札の三銃士! マジか! こいつら精霊なの!?
「ええー……」
「見えてる……みたいだな」
「ああ。えと、こいつらは?」
原作知識で知っているとはいえ、一応聞いておく。
「そいつらはカードの精霊だよ。仲よくしてやれ」
「……まあ、そりゃ仲良くはするけどさ……なんか、すでに一人不愉快そうなんだが」
クィーンズ・ナイトがめっちゃイラついた感じでつま先トントンしてる。ジャックス・ナイトは苦笑してるし。
『うむ。まあ、精霊にもちょっとしたオトメゴコロというやつじゃな』
「うおっ! しゃべった!」
キングス・ナイトがやたらフレンドリーに話しかけてきた!
『はは、クイーンも、やっとできた主がいきなり誑かされればいい気はしないのでしょう』
『……別に、そういった意図はありませんわ』
……よっし、性格把握。キングが好々爺チックでジャックが爽やか好青年。クイーンは姫様系ツンデレということで認識。各々一言ずつで決めつけるのも良くないかもだが、わりとわかりやすい反応返してくれたんで多分間違っちゃいない。
「あははっ、まあいきなりだとビビるよな。んで、こいつがオレの相棒」
『クリクリ~』
「おお、可愛い」
『クリ~』
ハネクリボー、間近でみると尚可愛いな。こりゃいいや。
「……アニキたち、さっきからなんの話してるッスか?」
「ああっと、いや、こっちの話」
そういや、翔たちには精霊見えないんだっけ。
まあともかく……精霊がいるってことは、まず間違いなく原作には介入することになるんだろうな。……気になるのはやっぱり、俺に告白してくれたアテナなんだが……う~ん。俺用のヒロイン? いや、なんか調子乗った解釈だけど。原作キャラとのカップリングなんぞ認めるかボケェ! ってことかもしれん。……ほっといても原作キャラとカップリングすることなんざあり得なさそうだが。
……世界の平和、か。んなもん一介のオタクには過ぎた荷物だとは重々承知だけど……まあ、俺は俺らしく……ゆるゆる行きますか。まずは楽しむこと第一で、な。
「そういうわけで、ちっとばかし長い付き合いになりそうだが……ま、よろしくな」
俺の相棒たる三銃士に軽く会釈する。三銃士はさっきまで不機嫌そうだったクイーンも含めて全員笑顔で頷いてくれた。
『『『御意』』』
ん。改めて見るとホントチョロイ(ry い、一応理由はありますので……。
このアルカナを書き始めたのがもう六年前くらいになるので、ネタが古かったりするのはご容赦願います。ぶらっくほわいととか、多分元ネタ知らないだろうなぁ……いや、タイトルは有名どころなんですけども。
それでは、レーネスでした!