アルカナ~切り札の騎士~   作:西本 悠

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 デュエル後編です。思いのほか長引いてしまいました。


第二期第二話「学園祭は波乱万丈 後編」

アルカナ~切り札の騎士~

第二期第二話「学園祭は波乱万丈 後編」

 

 

 

 

「私のターンね。ドロー!」

 俺の場には、攻撃表示の希冴姫と守備表示のキングとジャック。吹雪さんと明日香の場には『ブリザード・ウォリアー』と『ブリザード・ドラゴン』、永続罠『アイスバーン』か……。凌げないわけじゃないが、キツイな。

「私は手札から『スノーマン・クリエイター』を召喚。効果を使うわ!」

 『スノーマン・クリエイター』ATK1600

「っ!?」

 『スノーマン・クリエイター』!? この状況だと不味いぞ!?

「このカードが召喚、特殊召喚、反転召喚に成功したとき、私たちのフィールドの水属性モンスターの数だけ、貴方のフィールドのモンスターにアイスカウンターを置くわ」

 明日香の水属性モンスターは三体。よって俺の絵札の三銃士たち全員の体に氷が纏わり付く。

「更に、この効果によって置かれたアイスカウンターが三つ以上の時、貴方のフィールドのカードを一枚破壊する。私は『キングス・ナイト』を破壊するわ」

『ぬおっ!?』

 キングにまとわりついた氷が、一気にキングの体を覆い尽くし、砕け散る。

「バトル! まずは『ブリザード・ドラゴン』で『クィーンズ・ナイト』を攻撃!」

「ぐっ!?」

 セツLP4000→3700

「そして『ブリザード・ウォリアー』で『ジャックス・ナイト』を攻撃!」

「『ダブル・ブリザード・セイバー』!」

 何故か攻撃名は吹雪さんが叫んだ。ともかく、これでジャックも破壊される。

「そして『ブリザード・ウォリアー』の効果が発動だ! このモンスターが戦闘でモンスターを破壊したとき、セツくんのデッキトップを確認し、一番上か一番下に戻すことができる。確認させてもらうよ」

「ああ」

 デッキトップを確認した吹雪さんは、少し悩んだ後、それをデッキボトムに戻した。

「最後に『スノーマン・クリエイター』でダイレクトアタック!」

「ぐあっ!?」

 セツLP3700→2100

「ターンエンドよ」

「……俺のターン、ドロー!」

 旗色はいいとは言えない。が、まだ俺の扮する『アルカナ ナイトジョーカー』を出せてもいないのに敗北するのは沽券に関わるな。

「俺は手札から魔法カード『死者蘇生』! 墓地の『クィーンズ・ナイト』を特殊召喚!更に『戦士の生還』を発動! 墓地から『キングス・ナイト』を手札に戻し、そのまま召喚! 効果でデッキから『ジャックス・ナイト』も特殊召喚だ!」

 『クィーンズ・ナイト』DEF1600

 『キングス・ナイト』DEF1400

 『ジャックス・ナイト』DEF1000

 全て守備表示になるが、それは致し方ない。

「そして魔法カード『融合』発動! 絵札の三銃士を融合し、来い!『アルカナ ナイトジョーカー』!」

 『アルカナ ナイトジョーカー』DEF2500

 こちらも、自らの扮するカードを召喚することができた。アテナやさだめも、心なしか嬉しそうな顔をしてくれている。

「カードを一枚セット! ターンエンドだ!」

 『アイスバーン』の所為で攻撃は出来ない。しかし、アルカナを召喚する事には成功した。上出来だろう。

「僕のターン、ドロー! フフフ、流石だねセツくん。あの状況で三銃士を再び揃えるだけでなく、アルカナまで呼び出すとは」

「おかげさまで、ね」

 吹雪さんがどのカードを見たのかは分からないが、そのカードをデッキボトムに戻してくれたおかげで、アルカナを召喚できたと言っても過言ではない。

「しかし、勝つのは僕とアスリンさ! 僕は『ブリザード・ウォリアー』と『スノーマン・クリエイター』をリリースし『スノーダスト・ドラゴン』をアドバンス召喚だ!」

 『スノーダスト・ドラゴン』ATK2800

「『スノーダスト・ドラゴン』で『アルカナ ナイトジョーカー』を攻撃!『ダイヤモンドダスト・ストリーム』!」

 雪塵の龍が放つ吹雪が、アルカナを凍りつかせ、爆散させる。

「くっ……アルカナ」

「更に『ブリザード・ドラゴン』でセツくんにダイレクトアタックするよ!」

「ぐぁぁっ!?」

 セツLP2100→300

「僕はカードを一枚セット。ターンエンドだ」

「そのエンドフェイズにトラップカード『奇跡の残照』を発動! アルカナを復活させる!」

 『アルカナ ナイトジョーカー』DEF2500

「なんと!?」

 『ブリザード・ドラゴン』の攻撃に合わせて発動すれば、その攻撃は防げただろうが、そうしたら今度はその効果を受けてしまう。アルカナの効果も手札の関係で使えないし、あえてダメージを通し、このターンでの布石に変える!

「そして俺のターン、ドロー! アルカナの表示形式を攻撃表示に!」

 『アルカナ ナイトジョーカー』ATK3800

 この瞬間、『アイスバーン』によって封じられていたアルカナが遂に、解き放たれた!

「バトル!『アルカナ ナイトジョーカー』で『スノーダスト・ドラゴン』を攻撃!『ロイヤル・ストレート・スラッシュ』!」

「うわぁぁぁぁっ!?」

 吹雪&明日香LP4000→3000

「俺はカードを一枚セット。ターンエンドだ」

「私のターン! ドロー!」

 さて、とりあえずこれで急場は凌いだ。どうなるかな?

「まずは『ブリザード・ドラゴン』の効果発動! アルカナの動きを封じるわ!」

「おっと、そうはいかない。さっきのドローで俺の手札にはモンスターが来たからな。俺は手札の『切り込み隊長』を墓地に送り、その効果を無効にする!」

「くっ……なら兄さんの残した布石を使わせてもらうわ! 私は『スノー・ドラゴン』を召喚するわ!」

 『スノー・ドラゴン』DEF900

「そしてここで兄妹の絆が力を生み出すのだよ! リバースカードオープン!『連鎖破壊(チェーンデストラクション)』!」

「私のデッキに眠る『スノー・ドラゴン』、合計二体を破壊し、フィールド全てのモンスターに二つずつアイスカウンターを乗せるわ」

 アルカナと『ブリザード・ドラゴン』『スノー・ドラゴン』に、アイスカウンターが乗せられる。

「そして手札から魔法カード『二重召喚(デュアルサモン)』を発動! 私は『コールド・エンチャンター』を攻撃表示で召喚するわ!」

 『コールド・エンチャンター』ATK1600

 そして明日香もまた、自らの扮するモンスターを召喚した。

「そして『コールド・エンチャンター』の攻撃力は、フィールドのアイスカウンターの数×300ポイントアップするわ」

 『コールド・エンチャンター』ATK1600→3400

「更に『コールド・エンチャンター』の効果発動! 手札を一枚捨てるごとに、フィールドのカードにアイスカウンターを乗せることができる。私は手札を二枚捨てて『コールド・エンチャンター』にアイスカウンターを二つ載せるわ」

 『コールド・エンチャンター』ATK3400→4000

「攻撃力……4000か!」

「バトル!『コールド・エンチャンター』で『アルカナ ナイトジョーカー』を攻撃!『フリージング・インパクト』!」

「くそっ!」

 セツLP300→100

 『コールド・エンチャンター』ATK4000→3400

「そして『ブリザード・ドラゴン』でダイレクトアタック!」

「リバースカードオープン!『ガード・ブロック』! ライフダメージを0にし、デッキからカードを一枚ドローする!」

「くっ、決めきれなかった!?」

「残念だったな明日香。出し惜しみせず、手札を全て使って強化するか『スノー・ドラゴン』も攻撃表示で出しておけば勝ってたのにな」

「それでも、貴方のフィールドは空。手札一枚で、どうやってこの状況を覆すつもり?」

「それは、やってみないとわからないさ」

「……私はカードを一枚セット。ターンエンドよ」

「俺のターン、ドロー! 俺は手札から魔法カード『貪欲な壺』を発動! 墓地の『クィーンズ・ナイト』『キングス・ナイト』『ジャックス・ナイト』二枚、『切り込み隊長』の五枚をデッキに戻し、デッキからカードを二枚ドローする!」

 これは……まだやりようはある! そのための布石は撒いてある!

「俺はカードを一枚セット。ターンエンドだ」

「ふむ。どうやら万策尽きたみたいだね。では、これで終わりにしよう! 僕のターン、ドロー!」

 さあ……どうなる!?

「このまま攻撃すれば勝てる……けど、どうやらセツくんにはまだ何か策があるみたいだね」

「…………」

「となれば、そのリバースカードでまたアルカナを復活させられては困るな。ならば!」

 来るか!?

「僕は『コールド・エンチャンター』の効果を使うよ! 手札を二枚捨てて、『コールド・エンチャンター』にアイスカウンターを二つ載せる!」

「……かかった!」

「へ?」

「カウンタートラップ発動!『天罰』! 手札を一枚捨てて『コールド・エンチャンター』の効果を無効にし、破壊する!」

「な、なんだってぇ!?」

「更に、モンスター効果を無効にしたことにより、手札から『冥王竜ヴァンダルギオン』を攻撃表示で特殊召喚! 効果発動! モンスター効果を無効にして特殊召喚したヴァンダルギオンは、墓地のモンスター一体を特殊召喚できる!『冥王転生陣』!」

 俺の墓地に、モンスターは一体しかいない。即ち……。

「今一度甦れ!『アルカナ ナイトジョーカー』!」

 『冥王竜ヴァンダルギオン』DEF2500

 『アルカナ ナイトジョーカー』DEF2500

「し、しまった!?」

「兄さん!? なにやってるのよ!」

 俺が狙っていたのはこれだ。手札を惜しんで決めきれなかった明日香。復活するアルカナ。二つの布石がここに来て繋がった!

「くっ……ならせめて『ブリザード・ドラゴン』の効果で、アルカナだけは封じさせてもらうよ!」

「ちっ……」

 今は手札がないから、アルカナの耐性効果を起動できない。

「とはいっても、僕も今はこれ以上何も出来ないか……ごめんよ明日香。『ブリザード・ドラゴン』を守備表示にしてターンエンドだ」

 『ブリザード・ドラゴン』DEF1000

「俺のターン、ドロー!」

 アルカナは凍りついているが、ヴァンダルギオンは無事だ。

「俺は『冥王竜ヴァンダルギオン』を攻撃表示に変更! バトル!」

 『冥王竜ヴァンダルギオン』ATK2800

「いい加減うっとおしいんだよ!『ブリザード・ドラゴン』を攻撃!『冥王咆哮』!」

 ヴァンダルギオンの放つ冥界の炎が吹雪の竜を焼き尽くす。

「カードを一枚セット。ターンエンドだ」

「くっ私のターン、ドロー!」

 明日香の手札も今ドローした一枚。伏せカードはあるが、どうする?

「リバースカード『リビングデッドの呼び声』を発動。墓地の『コールド・エンチャンター』を蘇生するわ」

 『コールド・エンチャンター』ATK1600→2200

「そして『コールド・エンチャンター』と『スノー・ドラゴン』をリリースして『ブリザード・プリンセス』をアドバンス召喚!」

 『ブリザード・プリンセス』ATK2800

「な、ソイツは……」

「このカードのアドバンス召喚に成功したターン、貴方は魔法・罠を使えないわ! バトル! アルカナを攻撃よ!」

「くそっ!」

 三度、アルカナが破壊される。

「ターンエンド。今度こそ!」

「俺のターン、ドロー!」

 さて、どうする? 俺のライフは残り100。迂闊なプレイングは即、敗北につながる。そして『ブリザード・プリンセス』の攻撃力を上回るには、俺のデッキだとアルカナをもう一度召喚するしかない。そしてそれには……。

「それが邪魔なんだよ! 速攻魔法『サイクロン』!『アイスバーン』を破壊する!」

 コイツがある限り、アルカナを出せても攻め手が一つ遅れる。そしてその一手が、この極限状態では生死を分ける。

「だから、これで詰みだ! リバースカードオープン!『リビングデッドの呼び声』!」

「そんな……!?」

「最後にもう一度、戻ってこい!『アルカナ ナイトジョーカー』!」

 『アルカナ ナイトジョーカー』ATK3800

「ラストバトル!『アルカナ ナイトジョーカー』で『ブリザード・プリンセス』を攻撃!『ロイヤル・ストレート・スラッシュ』!」

「きゃああっ!?」

 吹雪&明日香LP3000→2000

「トドメだ!『冥王竜ヴァンダルギオン』で、二人にダイレクトアタック!『冥王咆哮』!」

「うわああああああああっ!」

「きゃああああああああっ!」

 吹雪&明日香LP2000→0

 

 

 

 大盛況に終わったエキシビジョンデュエルの後、レッド寮周辺では各地でコスプレデュエルが行われていた。

『それじゃー参加者をどしどし応募するよー!』

 マイクを持ってノリノリのライム。散々ゴネられたので態々精霊界から連れてきた。まあ、お祭りだしいいだろう。男子生徒も嬉しそうだ。

「天音さん、俺! 俺とやろうよ!」

「いや何馬鹿言ってんだ! 俺の方が成績いいの忘れたか!? ってことで俺とやろうよ!」

「え、えっと。あの……」

 ……蹴散らしてくるか。

「まあまあお兄ちゃん。ここはさだめに任せてよ」

「さだめ?」

「あのカイザー亮さんをも説き伏せたさだめの交渉術であの場を収めてくるよ!」

「あ、ああ頼む……?」

 微妙に嫌な予感もするが、確かに亮さんを説き伏せた実績は確かだし……。

「ああ、わかった。任せるよ」

「うん! 成功した暁には御褒美頂戴ね。お兄ちゃん!」

「あ、おいちょ……」

 勝手な約束をしてさだめがアテナのいる辺りに歩いていく。

「まあ、お手並み拝見といきますか」

「はーいみなさん整理券ですよー。アテナとやりたい人は五百円でさだめから整理券を買って行ってねー!」

「おいこら待てそこの妹」

 飛ぶように売れていく整理券を満面の笑みで渡して行くさだめの肩をがっしと掴んだ。

「どしたのお兄ちゃん?」

「ほう、わからないか?」

「ちゃんと列を整理して場を収めてるんだよ?」

「整理券の値段が安すぎる。その倍は絞りとれるぞ」

「セツーーー!?」

 なにやらアテナが絶望的な叫び声をあげているが……すまん。耐えてくれ。

「金のために!」

「セツ。あとでお話があります」

 O☆HA☆NA☆SHI☆ですねわかります。

 まあそんな風に文句も言いつつ、アテナは次々群がる対戦者たちを軒並みワンキルで沈めていった。アテナェ……。

「正に鎧袖一触って感じだね」

「火力がおかしいんだよアテナのデッキは」

「あ、セツく~ん」

「お、ユーキちゃんか」

 アテナが屍の山を築くのを横目で見つつ、俺は走り寄ってきたユーキちゃん(サイレントマジシャンコス)に呼び止められた。

「セツくんにも結構対戦希望者が集まってるの。とりあえず整理券発行してるから、セツくんはこっちこっち~」

「え、俺の整理券もあるの?」

「うん。一つ二千円だけど」

「いや高ぇよ!? なんで俺の整理券、アテナの四倍!? ならアテナの整理券五千円でもイケたな!」

「結構盛況だよ? ほら、今さだめちゃんが買い占めてる」

「身内! 身内が買い占めてどうする!」

「他にも、さっきのデュエルが凄かったからデュエルしたいって人がいっぱいなの。兎に角早く来て~!」

「わかったわかった! 片っ端から相手してやるさ!」

 そうして、俺たちの学園祭は大盛況のうちに幕を下ろしたのだった。

 

 

 

 

 

 




 頑張った。氷デッキとか組んだことないけど、やってみたら意外と強くてセツが結構苦戦しました。アルカナが過労死モンスターとか結構無理がある気がしますが。アイスバーンやブリザード・ドラゴンの所為で中々セツが攻められなくて作者が焦りました。
 それでは、悠でした!
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