アルカナ~切り札の騎士~   作:西本 悠

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第二期第三話「ニャンニャンしよ♪」

アルカナ~切り札の騎士~

第二期第三話「ニャンニャンしよ♪」

 

 

 

 

 タイトルからしてギリギリ臭のする今回だが、賢明なる読者諸兄であればこの発言をかましてくれやがったどらねこが一体どこのどいつなのかは言わずとも察してくれると思う。そしてそこに悪意が何一つなく、ちょっとばかし語彙が残念故の過ちであることも同時に察してくれるとありがたい。

 ただしどうやら俺の周囲の女性陣はあまり賢明ではないらしく、そのセリフが聞こえてきた瞬間にそれこそ沸騰石を入れ忘れたビーカーの薬品のごとく急激な沸騰を開始して、俺を魔女狩りか宗教裁判かと言わんばかりに吊るし上げ、希冴姫に至ってはヤケにイイ笑顔で鞭を用意し始めた。

「新しい遊び?」

 この小首をかしげるアホの子(暫定)に一言物申したい。これはキミが招いた事態であり、遊びは遊びでもチョット大人向けのしかも良い子は真似しちゃいけない類の遊びだと。

「まあ落ち着け希冴姫。そしてさだめは俺の局部から手を離せシャレになってないんだよお前は!」

 十字刑に処されているのをいいことに身動きできない俺をちょっと味見~とかしようとしてるんじゃない。アテナさんも興味津々で覗きこまない! 初期の純情清純ヒロイン路線はどこに消えた。

「まずは話し合おう。いいか? 古人曰く、話せばわかる、だ」

「それを言った人はそのまま情け容赦なくヌッ殺されたということを知っているよねお兄ちゃん」

 余計なことを。俺が言いたいのは結果ではなくそういった過程を経てこそ円満な人間関係は築かれるというごくごく一般的な常識なんだ。つまり問答無用で魔女裁判はどうかと思う次第であります。

「でもほら、希冴姫さんを見てよ。すっごくノリノリ」

「うん。鞭の素ぶりで真空刃が発生してるな。いっそ剣じゃなくて鞭で戦えばいいんじゃないかい?」

 というかいま重要なことはそこではない。

「?」

 そこで今行われている奇行を興味深そうに見学しているアホの子(断定)に大変残念な語彙を吹きこんだ背信者を突き止め、本物の魔女裁判にかけてやることだ。

「というわけでライム」

「ふにゃ?」

「先ほどのセリフを誰から吹き込まれたか、誤魔化すことなく正確に伝えることを要求する」

「ルイン様だけど」

「聞いたかお前ら! 魔女裁判にかけるべきはヤツだ! 立てよ国民! 決起の時は今こそ来たれり!」

 だから俺をここから下ろしてくださいお願いします(泣)。

「……どうします?」

「え、迷う余地あんの!?」

「とりあえず、ヤルことはヤッた上で解放するという方向でどうかな?」

「ノーーーーーーーーーーーーゥ!?」

 ライム、ライムさーん! ヘルプ、へループ!

「助けたらニャンニャンしてくれる?」

「その言葉の現すところをライムさん自身の言葉でプリーズリピート!」

 その言葉はアウトですライムさん。むしろそれが発端ですから。

「ボクのデッキを使ってデュエルして!」

「ほら聞きましたかお嬢さん方! ライムの言葉には決してキミたちの考えるような事実はなくごくごく健全な……」

「だからねお兄ちゃん」

「はい?」

「いま重要なのは、お兄ちゃんが抵抗できない無抵抗な体をさだめの前に差し出しているという事実で……」

「ライム助けて! デュエルくらいいくらでもして上げるから!」

「はーい♪」

 決死の攻防戦の末、ギリギリ救出された俺は、ライムから詳しい話を聞き出していた。

 その理由を要約するとこういうことだ。

「ボクのデッキを作ってくれるって言ったのにまだ使ってくれてない」

 らしい。

 そう言えばそうだ。あれから怒涛の展開が待ち受けていたもんだからそんな余裕がまるでなかった。

「オーケーじゃあ準備しておくか」

「あいてはそこの脳筋姫で」

「……何故セツ様たちまでその呼称で迷いなくわたくしを見つめるのですか」

「いや、指まで指してるし」

「お姫様ですし……」

「この中で脳筋っていったら……ねえ?」

「妹君以外は理解しましたわ」

 しかし、希冴姫がデュエルするところなぞ見たことないんだが……。

「ご心配なく。わたくしとて精霊の一柱。デュエルくらい可能ですわ」

「そっか。それじゃあ早速……」

「あ、待って待って!」

「ん? どうしたライム」

「できればボクのデッキはご主人様が使って欲しいな」

「俺が?」

「ボクは自分でデュエルするだけなら自分のデッキを使えばいいんだもん。ボクはご主人様の作ったデッキでご主人様にボクを使って欲しいの」

 ……なるほど。理解できないでもない。

「じゃあ、そんな感じでいいか? 希冴姫」

「……どことなく不満が残りますが、仕方ありません。良いでしょう」

「よっし、んじゃこいつをセット、と」

 ライムのために作ったデッキをディスクにセットする。希冴姫もどこからか自分用のデュエルディスク(ネイキッドといいカイバーマンといい、精霊のディスクはカッコイイな。ズルい)を取り出して腕に構えた。

「セツ様だからとて、手加減は致しませんわよ!」

「「デュエル!!」」

 セツLP4000

 希冴姫LP4000

「わたくしの先攻! ドロー!」

 初めて使うデッキなので様子見のため先攻を譲る。

「わたくしは『切り込み隊長』を攻撃表示で召喚! 効果でわたくし自身を特殊召喚しますわ。カードを二枚セット。ターンエンドですわ」

 『切り込み隊長』ATK1200

 『クィーンズ・ナイト』ATK1500

 なるほど。俺も良く使う『切り込み隊長』による『クィーンズ・ナイト』の一ターン防衛か。

「俺のターン。ドロー! 俺は『雷電娘々』を攻撃表示で召喚! バトルだ!」

 『雷電娘々』ATK1900

「やっちゃえー! お仕置きサンダー!」

 ……相変わらず声高らかに宣言したくない攻撃名だ。

「『切り込み隊長』に『雷電娘々』で攻撃!『お仕置きサンダー』!」

 『雷電娘々』から放たれた雷撃が、いつかとは逆に『切り込み隊長』を撃ち抜く。

「この瞬間、リバースカード『ガード・ブロック』を発動しますわ! 戦闘ダメージを無効にし、デッキからカードを一枚ドロー!」

 お、上手い。モンスター破壊は防げないまでもダメージを無効にして手札補充か。俺の使ってた時はいつも手札不足に悩まされたもんだからな。

「俺はカードを一枚セット。ターンエンド!」

「わたくしのターン、ドロー! わたくしは『キングス・ナイト』を攻撃表示で召喚し、効果を発動しますわ!『ジャックス・ナイト』を攻撃表示で特殊召喚。手札から永続魔法『連合軍』を発動し、バトルフェイズに入ります!」

 『クィーンズ・ナイト』ATK1500→2100

 『キングス・ナイト』ATK1600→2200

 『ジャックス・ナイト』ATK1900→2500

 ! まだ『融合』は来てないか!

「『ジャックス・ナイト』でその小生意気などらねこを攻撃しますわ!」

「ご主人様~! ボクがやられちゃうよ~」

「わかってる! そう簡単にやらせやしねえよ!」

「ご主人様……」

 仮にもこのデッキの象徴なんだからな!

「トラップカード『サンダー・ブレイク』! 手札の『電池メン単3型』を墓地に送って効果発動!『ジャックス・ナイト』を破壊する!」

 ……すまん! ジャック!

「っく!? わたくしは手札から『死者蘇生』を発動し、ジャックを蘇生させますわ!」

 今さっきやられたばかりのジャックが再びフィールドに呼び戻される。

 ……ジャック、お前はデュエルでもこき使われるんだな。合掌。

「わたくしはターンを終了しますわ!」

「だが『死者蘇生』の使いどころを間違ったな!」

「まさか、護ったどらねこを生贄に……?」

「にゃにゃっ!? そ、それはあんまりだよ~!」

 流石にそんな非道はしないから安心しろ!

「俺は『死者蘇生』を使って墓地から『電池メン単3型』を特殊召喚!」

 セオリーとしてはここから暴走召喚に繋げたいところだがその暴走召喚が手札にない。

「俺は蘇生した『電池メン単3型』をリリースして『充電池メン』をアドバンス召喚!」

 『充電池メン』ATK1800→2400

 正直セオリーガン無視も甚だしいが、ある意味これはライムのための接待デュエル(希冴姫の方はマジっぽいが)。出来るだけライムは生存させた上で勝ちたいところ(かなり厳しいが)。

 ……幸い相性はいい。押し切れれば何よりだ。

「『充電池メン』……攻撃力は……2400!?」

「まだだぜ! 『充電池メン』はアドバンス召喚された場合、デッキから更に『充電池メン』以外の『電池メン』と名のついたモンスターを特殊召喚することができる! 俺が特殊召喚するのは『電池メン単1型』!」

 フィールドに乾電池に手足がついた(そのままだが)モンスターが現れる。

「『充電池メン』はフィールドに存在する雷族の数×300ポイント攻撃力がアップする! 『充電池メン』の攻撃力は2700!」

 『充電池メン』ATK2400→2700

「くっ!?」

「俺はメインフェイズを終了し……」

「させませんわ! リバースカード『威嚇する咆哮』! 攻撃宣言は行わせません!」

 ピクッ!

 ……なるほど。これがあるからさっきのターンで躊躇うことなく『死者蘇生』を使ってきたのか。

「だが甘い! 俺はこのままメインフェイズ1を続行! 手札から魔法カード『魔霧雨』を発動する!」

「『魔霧雨』ですって!?」

「『魔霧雨』は自分の場の『デーモンの召喚』か雷族モンスター一体を選択し、選択したモンスターの攻撃力より低い守備力を持つ相手モンスターを全滅させる! 俺が選択するのはもちろん『充電池メン』……といいたいところだが『雷電娘々』! ライム、お前だ!」

 ここはライムに花を持たせてやるべきだろう。攻撃力は十分だしな。

「にゃーんおっ任せー♪」

 ライムの放った雷撃が希冴姫のフィールドを包む霧に通電し、全てのモンスターを破壊する。

「代わりにこのターンバトルフェイズに入れないが、そもそも攻撃宣言を行えなくなってしまったことだし、丁度いいよな」

 『魔霧雨』は基本的に『ライトニング・ボルテックス』に使い勝手で劣る。俺も基本的には四枚目以降の『ライトニング・ボルテックス』のような気分で入れていたのだが、今のように『威嚇する咆哮』を使われた場合になら『ライトニング・ボルテックス』よりもアドが大きい。……まあ、あくまで限定された場合に限りだが。

「このっ……どらねこごときに……!」

「へっへーんだ。『連合軍』で攻撃力は上がっても守備力はザルだねー。これだから脳筋は……」

「くぅ……」

 雷の強さはその除去能力の高さ。種類こそ少ないが、遊戯王で除去って言ったら雷だ。『サンダー・ボルト』から始まり『ライトニング・ボルテックス』『サンダー・ブレイク』などなど他にも多数の除去カードが雷の名前を冠している。『魔霧雨』もその一つ。

「俺はカードを一枚セットしてターンエンド」

「わたくしのターンです! ドロー!」

 さて、どう立て直してくる?

「わたくしは『強欲な壺』でカードを二枚ドローしますわ」

 出やがった。俺も同じことしといて言うのもなんだが、どうしてこうこの世界じゃこんなベストタイミングで『強欲な壺』が来やがるのか。『神の見えざる手』みたいな力でも働いているんじゃないのか? ←正解。

「……更に『トレード・イン』!『ギルフォード・ザ・ライトニング』を墓地に捨て、カードを二枚ドロー!」

 うわ、絶対事故るだろそのデッキ。

 とは言えさっきあの三体を除去出来なければ全除去食らってたらしいので危なかったと言えば危なかったが。

「わたくしは更に『貪欲な壺』を発動ですわ」

「マジかよ……」

 これが精霊補正か!

「……お兄ちゃんの主人公補正も大概だけどね」

 後ろでさだめが呆れたように溜息を吐いている。

「墓地のモンスターは『切り込み隊長』『クィーンズ・ナイト』『キングス・ナイト』『ジャックス・ナイト』『ギルフォード・ザ・ライトニング』! この五枚をデッキに戻してシャッフルしますわ」

 さっき落とした『ギルフォード・ザ・ライトニング』まで利用するか。

「カードをドロー! ……セツ様。わたくし自身、決して雷を馬鹿にしているつもりはありません」

「ん? ああ、そうだろうな」

 ただライムが個人的に気に入らないんだろ。希冴姫は人の好き嫌い激しいし。

「ですから、わたくしも使わせていただきますわ!『ライトニング・ボルテックス』!」

「げっ!」

「己が力に焼かれなさいどらねこ!」

「にゃあああんそんなー!」

 ライムを含めた全てのモンスターが雷で薙ぎ払われる。

 コストとして捨てられたのは『放浪の勇者フリード』。

「わたくしは自身を攻撃表示で召喚し、バトルフェイズ! すみませんセツ様。ダイレクトアタックさせていただきますわ!」

 『クィーンズ・ナイト』ATK1500→1700

「くっ!」

 セツLP4000→2300

「ターンエンドですわ」

「……俺のターン! ドロー!」

 とりあえず、デュエルしてみてわかった。そもそも希冴姫はデュエル自体慣れてない。デッキ構築からして恐らく初心者だろう。本当にお嬢様の嗜み、くらいにしかやってなかったに違いない。

「だからこそ、そこに勝機はある! 俺はカードを一枚セット! モンスターは出さずにターンエンドだ!」

 モンスターは出せない。否、出さない! なぜならこれは……。

「わたくしのターン! わたくしは自らに装備魔法『団結の力』を装備しますわ!」

 希冴姫のフィールドには自身が一体のみ。それでも攻撃力は800ポイントアップの2500!

 『クィーンズ・ナイト』ATK1700→2500

「バトルですわ! プレイヤーにダイレクトアタック!」

「リバース発動!『リビングデッドの呼び声』発動! 墓地から呼び戻すのは『雷電娘々』!」

 『雷電娘々』ATK1900

「っ! そこまでもそのどらねこに拘りますのね……」

 当然! なぜならこれはライムのためのデュエルだから!

「それでも、わたくしの攻撃は止まりませんわ! そんな我儘猫娘、わたくしたちの団結の前では無力です!」

 いや、希冴姫のフィールドにいるのキミ一人だし。確かに『団結の力』は付けてあるけども。

「『エレガント・ハーツ』!」

 あ、技名決まってたんだ。

「あーん脳筋姫にだけは負けたくないよー!」

「安心しろって! 何のための俺だと思ってんだ」

「ご主人様?」

「俺の得意技は迎撃! 手札から『オネスト』の効果を発動するぜ!」

「そんな……」

 『雷電娘々』ATK1900→4400

「さっき言っただろ? モンスターは『出さずに』ターンエンドってな! 行くぞ!『雷電娘々』の……いや、ライムの迎撃!『エンジェリック・サンダー』!」

「黒焦げになっちゃえ~!」

「くぁあ!?」

 希冴姫LP2100

「くっ! わたくしはターンエンドですわ」

「俺のターン! ドロー!」

 しかし、案外悪くなかったなこのデッキ。フィールドの制圧力だけならトップクラスだ。

「俺は『ライオウ』を攻撃表示で召喚!」

 『ライオウ』ATK1900

「わたくしの、負けですか」

「俺も楽しかったよ。希冴姫」

「……今度は、わたくしにセツ様のデッキを使わせてください。きっと使いこなして見せますわ」

「……おう!」

 俺はこの騒動を巻き起こした張本人に目を向ける。

「にゃははっ!」

 ……聞くまでもない。めちゃくちゃ楽しそうだった。

「よし! じゃあ締めと行こうか! ライム!」

「はいにゃ!」

「バトルフェイズ!『ライオウ』でダイレクトアタック!」

「くぅ!」

 希冴姫LP2100→200

「ラストだ!『雷電娘々』のダイレクトアタック!『お仕置きサンダー』!」

「きゃあああああああっ!!」

 希冴姫LP200→0

 

 

 

「で、満足したか? ライム」

「うん! とってもキモチ良かった!」

「そっか、そりゃ何より」

 ライムで始めてライムで締めた。完全にライムの、ライムによる、ライムのためのデュエルだったからこれで満足してくれなかったらどうすればいいかと思っていたのでなによりだ。

「それにしても、精霊さんにとって自分のカードを使って貰うことってそんなに嬉しいものなんですか?」

 アテナのふとした疑問に、希冴姫もライムも当然とばかりに頷いた。

「ある意味では、それがわたくしたちの存在意義とも言えますもの。己の認めた主君に自らの剣を捧げ、主の剣となり盾となる。それこそが至上の喜びといっても過言ではございません」

「まーボクみたいに自由気ままに遊び歩いてる精霊だって、やっぱり嬉しいもんなんだよ。自分を使ってデュエルしてくれるとさっ! なんかほら、ドキドキワクワクしてもーぐっちゃぐちゃでっ!」

「は、はぁ……」

 ライムの説明は要領を得ず、アテナたちも困惑気味だ。希冴姫がそんなライムを冷ややかに見つめながら補足する。

「……人を脳筋呼ばわりしておいて、オツムの足りないおバカはどちらですかまったく……。恐らく根源的なものなのでしょうね。潜在的に、わたくしたちはデュエルで使われることに喜びを見出すように出来ているのでしょう」

 もちろん、何事にも例外はあるものですが。と付け加える。

 ……たしかに、カイバーマンとかが使われて喜ぶとはとてもじゃないが思えないな。

「とにかくっ! ご主人様、またその内ボクを使ってね? 最初はデュエルで使って貰うだけが存在意義じゃないって言ってたけど……やっぱり全然使って貰えないのは寂しいから」

「ライム……」

「だから……」

 俺は不安そうに俯くライムの頭を撫でる。ちょっとツノが邪魔で撫で難かったが。

「悪かったな。そうだな、お前だって希冴姫たちと同じだ。俺の精霊、その一柱だ。差別しちゃダメだな」

「う、うん!」

「……わたくしと同じというのむぐっ!?」

「あ、あはは……たまには空気読みましょう希冴姫さん」

「むぐ……」

「そこで空気を読まない選手権世界一、さだめ選手の……」

「さだめさんも!」

 ……ったく。

「……じゅーぶん空気ぶち壊しだよ~」

「ま、このメンツで綺麗な空気保とうってのが間違いか」

「ご、ごめんなさい……」

「さだめもこのデュエル中ほっとかれて寂しかったんだよ」

「……デュエル中は勘弁してくれ」

 そんなときまで周囲に気を使ってられるか。

「えへへっ! じゃあそういうわけでっ! ライムさんは今日、とっても楽しかったよ。また呼んでねご主人様……じゃなくて、キリリン!」

「き、きり?」

「ばーいにー!」

 最後にわけのわからない呼び方をして、ライムは精霊界の方へと帰っていってしまった。

「……キリリン?」

「おそらく……」

「セツ=切=きりだからだと……」

「……相変わらず独特な奴だ」

 苦笑する。

 そんな、精霊と自分たちの関係を再確認した今回の騒動は、そうして幕を下ろしたのだった。

 

 

 

 

 






 その後、ライムの姿を見たものはいなくなった……。いや、まだ出てきますけど。でももうライムの出番はそれほど作ってあげられそうにないなぁ……。
 それでは、悠でした!
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