アルカナ~切り札の騎士~   作:西本 悠

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さだめ「な~っにっかな~な~っにっかなっ?」
ルイン「今回は、これ」
『処刑人―マキュラ』
さ「さだめのフェイバリット! 墓地に送られたターン、手札から罠を使えるモンスターだよ! そのあまりのコンボ性の高さ、応用範囲の広さから速攻禁止カード化して戻ってこなくなっちゃったけど……」
ル「当然の結果」
さ「カムバックプリーズ! マキュラよ、回帰せよ!」
ル「それは、無理な相談」


第二期第十一話「御堂さだめの陰謀」

アルカナ~切り札の騎士~

第二期第十一話「御堂さだめの陰謀」

 

 

 

 

 どうして……。

 どうしてこうなった……。

「さだめっ! おいさだめしっかりしろ!」

 目の前には、血塗れでぐったりとしている俺の妹。さだめの血液が俺の頬を伝う。

 ――生温かい。

「なんで……こんなことに……」

 俺は、こうなるまでの経緯を思い出していた。

 

 

 

 

 

「デュエル?」

「うん。新しいデッキができたから、お兄ちゃんとデュエルしてみようと思って」

「それはいいが……」

 何をたくらんでいる。

 そう声に出さなくてもそれは伝わったようで、バレた? とか言いながら苦笑している。

「そりゃな。さだめが何の利もなく行動を起こすとは思えん」

「信用ないなぁ~」

「信用されるような行動を一度でも取ったと自信を持って断言できるか?」

「できる」

「お前に聞いた俺が馬鹿だったよ」

 こいつに常識が通じないことくらいわかっていただろうに。

「……で、何が望みだ」

「さだめがこのデッキでお兄ちゃんに三連勝したら、デートに連れてって」

「デート?」

 思ったより要求が軽い。もっと無茶振りがくるかとも思ったが……。

「そう。デート。ただし、キス付きで」

「却下です」

 俺が何か言う前にアテナが却下した。

「いいじゃんアテナはもうしてるんだし」

「ダメです! というかあれはまったく正気じゃなかったので……」

「じゃあお兄ちゃんのファーストはルインということに……」

「私が最初です。異論は認めません」

「前言撤回早っ!」

「どっちにしても却下です! なんというか……さだめさんの言うデートは非常に不健全な香りがします!」

「そこには同感だな。デートだからとベッドインを強要されそうで怖い」

「え? デートの締めはベッドインでしょ?」

「その常識は捨てなさい。お兄ちゃんからの忠告だ」

「そ、そうなんですか? だ、だとしたら私……」

「アテナも真に受けるな。お前とはまだ強制デート権(絶対服従)が残ってるんだからその常識の下に行動されると危険だ」

 主に、倫理委員会(運営)が。

「うん。さだめのウソだから本気にしちゃだめだよ」

「自分に不利になりそうならあっさり前言を翻すんだなお前は」

「でもせめてキス! キスくらいは!」

「……マウストゥマウスはなしだ」

「イエッサー!」

「セツ!?」

「経験上、ここら辺が妥協点だ。唇でさえなければギリギリ兄妹のじゃれ合いの範疇に……入るよな?」

「入りません」

 断言された。

「いいじゃんアテナは散々お兄ちゃんとイベント消化してるんだしさだめもお兄ちゃんからフラグ立てて欲しいんだよ」

「……さだめさんの言葉は時々よくわかりませんが、とりあえず最近は良い目を見た記憶がありませんよ私」

「シリーズ全体を見ようよ」

「だから全く意味がわからないんですが、とりあえず危険なセリフだということは理解しました」

「さだめ関連のフラグは脆い!」

「例によって意味はわかりませんがここは絶対に否定しておくべき個所な気がします!」

「とにかく、お兄ちゃんはそれでいいんだよね?」

「……仕方ない」

「うぅ~」

 すまん、アテナ。なんか頷かないと後が、というか今現在進行形で怖い。

「じゃあ……デュエルしよう! さだめの……禁止デッキと!」

「よし、待とうか」

「え?」

「何故不思議そうな顔をしているのかむしろこちらが聞きたいです……」

「だって普通のデッキで三連勝とか無理だよ?」

「禁止デッキ相手に一勝するのとどっちが難しいかなぁ!?」

「じゃあ五連勝。これでどう?」

「禁止デッキを止める、という選択肢はないんですか……?」

「ない!」

「なんでも自信満々に頷けば許されると思ったら大間違いだ」

「ねえお願い! 良いじゃんデートくらいしてくれたって。減るもんじゃなし」

「将来の選択肢がガリガリ減りそうなんだが……」

「お願い!」

 珍しいことに屁理屈捨てて頭下げてきやがった。

「……はぁ、しょうがない。五連勝な。条件はそれ以上まからないからな」

「やった! お兄ちゃんありがとう!」

「セツ~?」

 ジト目で睨んでくるアテナに慌てて弁解する。

「いや、さだめがここまで頼み込んでくることって今までなかったし……」

 問答無用か実力行使の二通りしかなかった。どっちも同じか。

「うぅ~。わかりたくないですけど、仕方ありません」

「ありがとう! アテナ!」

「うっ……確かにここまで素直で普通なさだめさんは初めてです……」

 二人とも、ここまでの経緯や禁止デッキには目をつぶっていた。

「よーしそれじゃ、さだめの先攻でも良いよね?」

「……しょうがないな」

「「デュエル!!」」

「さだめのターン、ドロー! さだめは手札の『処刑人―マキュラ』を捨てて『THE トリッキー』を特殊召喚!『処刑人―マキュラ』の効果で罠カードを手札から使用!『破壊輪』でトリッキーを破壊してお互いに2000ダメージ手札から『地獄の扉越し銃』発動お兄ちゃんに2000ダメージ!」

「……わっつ?」

 セツLP0

「まずは一勝!」

 俺は……選択肢をミスった。

 

 

 

「で、結局こうなるのか……」

 翌日。俺は結局さだめの思惑通りに五連敗を喫してデートをすることに。

「いやーここまで綺麗にハマってくれると色々策を弄したのが馬鹿らしくなってくるよ」

「素直で普通なお前を幻視した俺も馬鹿らしくなってきたよ……」

 結局全部さだめの手のひらの上だったらしい。

「でも残念。ホントはもっと色んなところを見て回りたかったのに」

 さだめの溜息も尤もだ。アカデミアには何だかんだで娯楽施設は少ない。デュエルという趣味と実益を兼ね合わせたものがあるのだから基本的にそんなものが必要なかったのだろう。だが、さだめたち思春期真っ盛りの少年少女たちの中にはこうしてデートをする際に苦言を呈すものも少なくない。

「そういやアテナも困ってたな。デートプランが作れないとかって」

「こら、デート中に他の女の子の話題禁止!」

 ちょっと不満げな顔のさだめにそう窘められる。感情の動きや好意自体には鋭いつもりだが、どうも俺はデリカシーというものに欠けるらしい。まあ相手が妹のさだめだからという理由もあるのだろうが。

「しっかし、いいのか? なんかこうして島の中ぐるぐる回ってるだけで。見なれたもんだぞ」

「そりゃあさだめ自身としたらもっと色々刺激的なこともしたいしアブノーマルちっくなデートも憧れるけど……」

「何故憧れるし」

「でも、お兄ちゃんは嫌でしょ?」

「……そりゃ、手放しで歓迎は出来ないな」

「だから、今日はいいんだ。普通で」

「……そうか」

 確かに、最近はさだめと二人っきりで何かするってこともなくなってきている。周りに喧しい友人が増えたからか。

 さだめと静かに過ごす。ある意味では、昔からの夢だった。それが叶うというのなら、こういうのもたまにはいいか。

 そんな風に俺は今日と言う日を……まだ、甘く見ていた。

 

 

 

(よし、とりあえず目標であったお兄ちゃんをデートに連れ出すことには成功したね)

 さだめはすぐ隣にいる兄のぬくもりに恍惚としながら思考する。

(『チャンスは最大のピンチ』それならそれでライバルに『チャンス』を逆に与えてやればいい)

 さだめはすぐ隣にいる兄の香りを胸一杯に吸い込んで思考する。

(即ち、さだめとお兄ちゃんのデートを邪魔“させる”。そしてそれを逆手にとってごくごく自然に妨害を妨害する。これで勝ち)

 さだめはすぐ隣にいる兄の感触に息を荒げながら思考する。

(そのための布石はすでに打った。あえてアテナのいるところでデートを決めて、態々邪魔しやすいように島内でのデートに留めた)

 きっとアテナは今頃自分たちの後方でやきもきしながらデートを見守っていることだろう。純粋で単純な恋する乙女ほど騙しやすい存在もない。

(後は、ルインが上手くやるだけ)

 

 

 

「……万事、抜かりない」

 私は妹たちの右後方。つかず離れずの位置に陣取りながら邪笑する。

 私の視界には、妹たちと、妹たちを後方から監視している“二人”の姿が鮮明に映っていた。

 

 

 

「……なあ、あーアテナ? 別に何も起こりゃしねえって。趣味良いモンでもねえし、やめといた方が……」

「剣士さんはさだめさんの危険レベルを知らないからそう言えるんです。あのさだめさんとセツを二人きりで置いておいたらセツの身に何が起こるか……せ、セツのその、て、貞操が……」

 本日は早起きしてデートを一日見張るつもりのアテナと、ルインによって唆されてアテナの付き添いとして同行している剣士の二人だ。

「やっぱよぉ……尾行、なんてのは道理に反するっつーか……」

「甘いです。道理はおろか倫理や道徳性格思考その他諸々ありとあらゆる意味で反しまくっているさだめさんの前で、その考えは甘々です。ストロベリークリームパスタ(苺味のパスタに生クリームがてんこ盛りの甘々パスタ)くらい甘いです」

「……それ、どこで売ってる? 食ってみたいんだが」

 実は無類の甘党である剣士はアテナとまったく違うところに目をつけた。

「とにかく、今日一日は二人の監視です。剣士さんも付き合ってくださるというのでしたらマジメにお願いします」

「……くそぅ、なんでオレがこんなこと……」

 あんな奴妹とくっついちまえばいいんだ、とかアテナの目的と正反対のことを考えながら、律儀にも二人を尾行し始める剣士だった。

 

 

 

「万事、抜かりないよ」

「なんか言ったか?」

「ううん、なんでもないよお兄ちゃん」

 つまりはこういうことだ。さだめがセツとデートする。それを知ったアテナはデートを監視する。そこにルインが剣士を唆して同行させる。何かさだめが危険な真似をしたらすぐに飛び出してくるであろうアテナだが、裏を返せばさだめが何もしなければアテナも動かない。それくらいの良識、というか常識をアテナは持っている。

(なら、それを利用してあの二人もデートさせてしまえばいい。変則的なダブルデートによって基盤を固める!)

 そのために、敢えて今回のデートコースにはアテナが喜びそうなスポットを多数用意し、目的をさだめたちのデートから逸らさせるように調整もしてある。

(……後は、ルインの裏切りには気をつけておかないと。これが終わった後に、甘い蜜を吸わせてあげる約束を、さだめが律儀に守るはずがないことを、ルインは知ってるハズだし)

 ルインはそんな間抜けではない。そうでなければ計画の片棒を担がせはしなかった。

(まあ、裏切ったら裏切ったで死の咎が降りかかるまでだけど)

 さだめはちょっと前の闇モードチックな邪笑でルインのいるであろう方向を見つめた。

 

 

 

 

 

 

(表立って裏切るような真似はしない)

 一方のルインも、さだめのそんな考えをしっかり見抜いていた。

(神を謀ろうなどとは、愚か)

 ルインとてセツに焦がれる一人。みすみす恋敵と二人のデートを成功させるつもりはない。

(手駒を使うまで)

 自分で動けば証拠が残る。なら噂話などで自然と周りに働きかけるだけで良い。

(大丈夫。情報操作は得意)

 どこぞのインターフェースのような事を考える。

(彼女は謀略の相方としては役不足。でも駒としてはとても優秀)

 意図的に噂話が届くようにしておいた“彼女”を使って二人のデートを邪魔するつもりだった。

 

 

 

 

 

「まったく……わたくしの知らぬうちに逢引など……不純異性交遊はいけませんとあれほど申し上げたというのに……」

 と、ルイン発信のさだめとセツのデート話につられてのこのこやってきたお姫様が一匹。

「今度こそはきっちりとセツ様に一言申し上げませんと」

 しかし、そんな希冴姫(とルイン)の思惑を邪魔するかのように現れた猫が一匹。

「あれー? 脳筋姫だ。こんなところでなにしてんの?」

「今はどらねこに関わっている暇はありませんわ。というか、脳筋はおやめなさい」

「むー! じゃあそっちこそどらねこやめてよ! ボクは自由気ままなシャム猫だもん!」

「根なし草の野良猫の間違いでしょう」

「違うもん! ぷりてぃきゅーとなマンチカンだもん!」

「短足なんですのね。お可哀そうに」

「ムキー! 誰が短足だこの我儘ツリ目の筋肉女ー!」

「そんなに筋肉筋肉してませんわよ!」

 結局いつものように喧嘩になり、目的のデートのことはすっかり忘れてしまう単細胞姫なのだった。

 

 

 

(ふふーん。ルインが脳筋姫を使ってくることくらい最初っからわかってたよ。そのために猫を一匹放っておいたから、その作戦は無駄だよ)

 事前にジャックやキングといった辺りは無力化しておいたようだが、まだまだ甘い。

(このラブ・ウォーズを生き抜くにはもうちょっと経験を積むべきだよ。ルイン?)

 しかし、そのさだめもただ一つ、見逃していることがあった。神の目についた、たった一つの小さな塵。しかしそれが時に神の思惑をも狂わせることにもなり得るのだ。

「あれー? セツ君にさだめちゃん、こんなところでどうしたの~?」

「ッ!?」

「お、ユーキちゃん」

 その出現に、さだめとルインの二人は同時に戦慄する。

((しまった! |沈黙の闇狩人(サイレント・ダークホース)!))

 存在をすっかり忘れていた。

(まずい……加藤さんに関しては対策を用意していなかった……)

(普段は出番が薄いのに、こと恋愛における影の濃さが半端じゃない……)

 二人ともとても失礼なことを言っているが、それも仕方ないだろう。実際出番は少ないのだし。

(まだだよ! まだ終わらないよ!)

(戦いはこれから……)

「いやーさだめとの賭けにちょっと負けてさ。今日一日デートする羽目に……」

「ふーん……」

 ちらり、とさだめの方を流し見てくるその目に、さだめは久しく感じていなかった恐怖を感じた。

(あれは……狩人の目!)

 狙っている。覚醒したダークホースは明らかにこの場からセツを略奪していくことを狙っている。させない、させるわけにはいかない。

「ほ、ほらお兄ちゃん、そろそろ次のところに行こうよ!」

「え? さ、さだめ?」

(ここからとにかく引き離さないと……!)

 

 

 

(これは、むしろチャンス?)

 予期せず、自分の目的であったデートの妨害が成功している。しかも、正真正銘自分は手を下していない完全な白。ある意味理想的な展開かもしれない。

(けど、油断はできない。チャンスはピンチ)

 

 

 

「あ、じゃあセツ君、丁度わたしも今は暇してて……」

 まずい。デリカシー皆無の兄ならここで簡単に「じゃあ一緒に来る?」とか言う可能性が高い。そうはさせない。

(くっ! 大丈夫。焦らないでさだめ。相手は所詮天然系ナチュラルパーソンモブキャラ筆頭! ここはさだめの華麗なナチュラルスルーで……)

 そしてここで、さだめにとっての救世主(?)が現れた。

「やあ諸君! 今日も元気に胸キュンポイントを溜めているかな?」

(キタ! ブリザードプリンス! これで勝つる!)

 さあ、ここで一波乱吹雪を巻き起こしてさだめの追い風となって! とさだめは吹雪にアイコンタクトを送る。

 

 

 

(っく……ここで流れを邪魔させるのはマズイ)

 とはいえ自分が出ていくのはもっとマズイ。

(どうする? ここはダークホースの力を信じる?)

 

 

 

「……ふむ。そうだね、加藤さんといったかな?」

 さだめのアイコンタクトが通じたのか吹雪はユーキに声をかける。

「はい?」

「どうかな? セツ君たちは今デート中のようだし、僕らも一つ」

「すみません今日は忙しいのでご遠慮します」

「そ、そうかい? なら仕方ないなぁハハハ」

 にべもないユーキの拒絶に、百戦錬磨のブリザードプリンスも動揺を隠せない。

(ちっ! 粉雪だったか!)

 だが突破口は得た。それだけは感謝しても良い。

「それじゃお兄ちゃん、加藤さん今日は忙しいらしいし、さだめたちも行こう?」

「あ!?」

「そっか、そうだな。じゃあユーキちゃん。また学校で」

 

 

 

(ちっ……未熟者)

 所詮は天然系ナチュラルパーソンモブキャラ筆頭。高望みはするべくもない。

 ここにきて、さだめもルインも悟っていた。

(やはり、他人は当てにならない)

(このラブ・ウォーズ、結局最後に頼りになるのは自分だけ!)

(そうやはり、自分の力で掴み取ってこその……)

((イエス! フォーリンラブ!))

 ふたりの影に某芸人の姿が見えた。←古い

 

 

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん! そろそろ今日の締めとしてさだめの部屋に行こう!」

「さだめの部屋って……危険な予感しかしないんだが……」

「そう。止めておいた方がいい」

「ルイン!? 裏切る気!?」

「最早手段は選ばない。彼の貞操がかかっている」

「かかってないよ! さだめ今日はプラトニック志向なんだから!」

「密室で二人きり。キス」

「襲うね。確実に」

「認めるの速ぇよ! もうちょっと躊躇えよ!」

「は!? つい極彩色の欲望がダダ漏れに!?」

「せめてピンク色であって欲しかった欲望!」

「語るに落ちたと言わざるを得ない」

「くっ……プラトニックに行こうと欲望を抑制しすぎた!? 濃縮還元された愛欲が制御できない!」

「だからか! だから極彩色まで変色したのか!?」

 その頃になってようやくこちらの異変に気が付いたらしい遥か後方のアテナ――ちなみに森の動物たちに囲まれて地上のユートピアを作り上げていた――たちも駆け寄ってきた。

「さだめさん!? そういうのはしないって話だったでしょう! それに今の欲望の波動みたいなものの所為でうさぎさんたちが逃げ出しちゃったじゃないですか!」

「あの、アテナサン? もしかして、それ俺はついでっぽくないですか?」

「あぁ~! 結局邪魔が入った! 折角色々考えたのに~!」

「策士策に溺れる。よくあること」

「裏切り者が抜け抜けと!」

「私は破滅の女神」

「そのネタもう飽きた!」

「もうネタ切れ……」

「作者の都合か!」

「ああ~もう少しでうさぎさんとコモドオオトカゲさんの夢のカップルが完成したのに……」

「この森の生態系カオス! そしてそのカップルの未来前途多難!」

「こうなったら……お兄ちゃん! せめてキス! 約束のキスだけでも!」

「させない。こうなったらとことん妨害」

「セツ? 実の妹さんにキスとか……非生産的ですよ?」

「うさぎとコモドオオトカゲよりは生産的だよ!」

「ていうかアテナ怖い! 殺気! 殺気出てるから!」

「剣士……使えない子」

「いや、オレはあのユートピアに相応しくないかと……」

「意外と気が利く!」

「っていうかキス~!」

 焦れたさだめが捨て身で突っ込んできた。

「うわっ!? ちょ、馬鹿んむっ!?」

「ッッッッッッ!?!???!」

『ああ!?』

 時が、止まった。

「ん……」

「……」

 ぶはっ!

 突然さだめが鼻血を噴いた。

「さ、さだめっ!?」

「ま……まだ、死ぬわけには……」

「さだめーっ!?」

 そして、話は冒頭に戻る。

「だ、だけど……これは、いいもの……ガクッ」

「くっやられた……」

「や、約束が違います! マウストゥマウスはダメって言ったのに!」

「いや、あんたらが邪魔したからじゃ……」

 剣士の至極最もなツッコミに耳を貸す者はいない。

「お、俺は……」

「セツ……?」

「俺は……き、キスを……?」

「セツ、セツ? しっかりしてください!」

「さだめと……? り……|実(リアル)の……|妹(シスター)?」

「ダメ……呆然自失」

「あれ……もしかして」

「そう。チャンス」

「今なら何してもバレなかったり……」

「とりあえず……脱がす?」

「待て待て待て! テメエら一体何するつもりだ!?」

「ドキドキ……」

「アテナ!? お前まで……」

 とりあえず……今この時点でのセツの貞操の行方はこの場で唯一良識を保っている……。

「とにかく落ち着け! いいか? お前らは今正気じゃない。そしてセツの馬鹿もまた正気じゃない。こんな形でそんなことになればどちらも……」

 剣士に全てかかっているといっても過言ではないだろう。

 

 

 

 

 




 はい。というわけで、大体さだめってこんなキャラ。一期の面影は皆無ですが。ちなみに、前書きの小ネタはここから大体毎度やろうかと思ってます。デュエルのない回はやらないかも。っていうか、一回目が禁止カードって……。
 それでは、悠でした!
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