アルカナ~切り札の騎士~   作:西本 悠

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さ「な~っにっかな~な~っにっかな?」
ル「今回は、これ」
『龍骨鬼』
さ「……今回の残念カード紹介のコーナーだっけ?」
ル「一応、原作のコンセプトに沿うなら最強カード紹介」
さ「じゃあこれじゃなくない?」
ル「……一応、紹介を」
さ「まあいいけどさ。攻撃力2400、守備力2000のアンデット族モンスターだよ。その守備力が幸いして『ピラミッド・タートル』から特殊召喚できる最大攻撃力&おまけ効果で脚光を浴びた……こともあるカードだね。当時は」
ル「……当時?」
さ「なんでもない。現在でも一応準トップの攻撃力ではあるんだけど、そもそも『ピラミッド・タートル』自体の採用率の低下からあんまり使われることはなくなってきたかな。効果は戦闘後、戦士族と魔法使い族を問答無用で破壊する効果……龍は?」
ル「……知らない」


閑話「水姫と武士 前編」

アルカナ~切り札の騎士~

閑話「水姫と武士 前編」

 

 

 

 

 オレはセツたちと別れ、購買にでも行くかとアカデミアへ向かっていた。

「ぁん?」

 視線の先には、さっき別れた水原の姿。なんだか知らねえが、ブルーの新入生らしき男子生徒二人に話しかけられてやがる。

 どうにもきな臭ぇ。ふと、脳裏にセツの言葉が蘇る。

『――生せば生る。成さねば生らぬ。何事も。生らぬは人の生さぬ生りけり、だ。お前だって、友達が増えて困ることはないだろう?』

「……下らねえ」

『だが、放っておくつもりもないのだろう?』

「だぁってろ」

 ニヤリ、とオヤジ臭い笑みを浮かべながら問いかけてきたネイキッドを黙らせる。

『お、オヤジ臭いっ!?』

 何故か凹んだネイキッドを一端無視して、オレは水原に声をかけた。

「おい」

「あ……戦野、先輩」

「ぁにやってんだ? こんなとこで。教室に戻ったんじゃねえのか?」

「いえ、それが……」

「なんだ? オシリスレッドがリンちゃんになんのようだ!」

「お呼びじゃないんですよ。さっさと帰ってくださいませんかねぇ」

 ……うぜぇ。

 その気持ちを込めて睨みつけてやると、新入生二人はヒッ!? とか言って及び腰になったが、それでもギリギリ強気な顔を崩さずに踏みとどまりやがった。エリートの意地、とかいう奴か。下らねえ。

『まったく。エリートだの何だのと言っている奴に限って根性のないのが相場だがな』

 まったくだ。苦労の一つも知らねえお坊ちゃんエリートなんぞ下らねえだけだ。

「あ……精霊……」

「ん?」

 こいつ……見えてんのか?

「こらッ! 俺たちを無視するな!」

「どうやら先輩のようですが……所詮はオシリスレッドのドロップアウトのようですねぇ」

「……で、水原。コイツら、なんだ?」

「それが……」

「もーいい。大体わかった」

 それが……、なんつー冒頭の時点でロクでもねえことはわかる。どーせ言い寄ってたんだろうが。

「この……リンちゃんの言葉を遮るとはなんて無礼な奴!」

「ドロップアウトは礼儀まで知らないようですねぇ」

「年上に対する礼儀も知らねぇテメエらに言われたかねえよ」

 そろそろあいつらの堪忍袋の緒は限界か。経験上なんとなくわかる。

「くっ……こうなったら、俺とデュエルしろ!」

「貴方に任せては置けませんねぇ。ここはボクが……」

 俺がボクがと言い争う雑魚二人。

「めんどくせぇ。二人まとめてかかって来い」

 どうせどちらから挑んできても返り討ちにして二戦やらかすのは目に見えてる。なら纏めてブッ潰した方が早い。

「このっ……貴様! 後悔させてやる!」

「ドロップアウトの分際で、エリートたるボクらに刃向かったことをねぇ!」

 ……キレたな。安い挑発に乗りやがって。馬鹿が。

「あ、あの……先輩」

「あんたは引っ込んでろ。心配すんな。ぶちのめす」

 止めようとしているらしい水原を遮って、オレはデュエルディスクを構える。

「「「デュエル!!」」」

 剣士LP4000

 アホA&B LP4000

「俺のターン! ドロー! 俺は『馬頭鬼』を攻撃表示で召喚!」

 『馬頭鬼』ATK1700

 ……アンデットか。そこそこにウザいデッキだ。らしいっちゃらしいが。

「カードをセットしてターンエンドだ!」

「オレのターンだ。ドロー!」

 手札を見る。片方の相手はアンデット。倒しても倒しても蘇生してくる往生際の悪いデッキ。もう片方は知らねえが、性格的に厭らしいデッキだろう。口調からして気色悪ぃ。

「オレは手札から魔法カード『増援』を発動! デッキから『切り込み隊長』を手札に加え、その『切り込み隊長』を攻撃表示で召喚! 効果発動! 手札から『コマンド・ナイト』を攻撃表示で召喚! 」

 『切り込み隊長』ATK1200→1600

 『コマンド・ナイト』ATK1200→1600

 『切り込み隊長』と『コマンド・ナイト』自身の攻撃力が上昇する。

「更に手札から永続魔法『連合軍』を発動! ターンエンドだ」

 『切り込み隊長』ATK1600→2000

 『コマンド・ナイト』ATK1600→2000

 永続魔法の効果が発動し、二体の戦士族の攻撃力が更に上昇する。

 このデュエルは変則タッグ。一ターン目は全員攻撃できないルール。ターンの回る順はアホA→オレ→アホB→オレ、となる。

「ボクのターン、ドロー。ボクはモンスターを一体セット。カードを二枚セットしてターンエンドですねぇ」

 ……どうでもいいが、コイツの口調気色悪ぃ。

「オレのターン、ドロー!」

 あくまでタッグの相方扱いなので、このターンにもオレは攻撃できねえ。もどかしい。

「オレは『翻弄するエルフの剣士』を攻撃表示で召喚。ターンエンドだ」

 『翻弄するエルフの剣士』ATK1400→2400

 『切り込み隊長』ATK2000→2200

 『コマンド・ナイト』ATK2000→2200

 『翻弄するエルフの剣士』は攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されねえ。攻撃力が上がっている今なら、戦闘で破壊されることはねえ!

「よし、俺のターン、ドロー! 俺は『邪神機―獄炎』を攻撃表示で妥協召喚! コイツは生贄なしで召喚できるんだ! 驚いたかドロップアウト!」

 『邪神機―獄炎』ATK2400

 知ってるよ。つーか。

「今はリリースっつーんだ。生贄じゃねえよ。エリート」

「ぐ……」

 顔を真っ赤にしてオレを睨むアホA。

「この……! バトルフェイズ! 俺は『邪神機―獄炎』で『切り込み隊長』を攻撃! ダークネス・フレイム!」

「ちっ!」

 剣士LP4000→3800

 『コマンド・ナイト』ATK2200→2000

 『翻弄するエルフの剣士』ATK2400→2200

 場の戦士族が減ったことで、他の戦士族の攻撃力も下がってしまう。

「俺は『馬頭鬼』を守備表示に変更! エンドフェイズに妥協召喚した『邪神機―獄炎』は自壊するが、フィールドに他のアンデット族モンスターがいる場合、自壊しないぜ! ターンエンドだ!」

 『馬頭鬼』DEF800

「オレのターン、ドロー! オレは墓地の『増援』をゲームから除外して『マジック・ストライカー』を攻撃表示で特殊召喚!」

 『マジック・ストライカー』ATK600→1600

 『コマンド・ナイト』ATK2000→2200

 『翻弄するエルフの剣士』ATK2200→2400

「ハッ! そんな雑魚モンスターで何ができる!」

「その雑魚モンスターに、今からテメエはやられるんだよ!」

「なんだと!?」

「オレはユニオンモンスター『アーマー・ブレイカー』を攻撃表示で召喚!『マジック・ストライカー』にユニオンする!」

 『マジック・ストライカー』の頭上に巨大なハンマーが浮かぶ。

「バトルフェイズ!『マジック・ストライカー』はプレイヤーに直接攻撃ができる!『ストライク・バック』!」

「ぐああっ!?」

 アホA&B LP4000→2400

「ユニオンされた『アーマー・ブレイカー』の効果を発動する! 装備モンスターが相手ライフにダメージを与えた場合、相手フィールド上のカードを一枚破壊する!」

 オレが選択するのは……。

「お前の伏せカードだ!」

「なにぃ!?」

 リバースカードは『ツタン仮面』。……なるほど。オレが『アーマー・ブレイカー』で獄炎を破壊しようとしていたら引っかかってたってことか。

「残念だったな。オレは『翻弄するエルフの剣士』で『邪神機―獄炎』を攻撃!」

 『邪神機―獄炎』が、闇を吐き出して攻撃してくるが、エルフの剣士は素早いステップでその攻撃を躱しながら獄炎に接近していく。一気に至近まで近づいたエルフの剣士の長剣が獄炎を連続斬りで討ち取った。

「ぐっ……」

 攻撃力が変わんねえから戦闘ダメージは発生しねえが、『翻弄するエルフの剣士』は攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘じゃ破壊されねえ。

「続け!『コマンド・ナイト』で『馬頭鬼』を攻撃!『ブレイズ・ソード』!」

 『コマンド・ナイト』の剣が炎に包まれ、馬面の妖怪を焼き切る。

「……とにかく、オレはターンエンドだ」

「やれやれ。ブルーともあろうものが、不甲斐ない。足を引っ張らないでもらいたいものですねぇ」

「なにぃ!?」

「ボクがエリートのタクティクスというものを見せてあげますねぇ。ドロー!」

 ……間違いねえ。あいつら、チームワークはボロボロだ。

「ではメインフェイズにセットされた『ワーム・カルタロス』を反転召喚しますねぇ。『ワーム・カルタロス』のリバース効果でデッキから『ワーム・ゼクス』を手札に加えますねぇ」

 『ワーム・カルタロス』ATK1200

 ……ワームかよ。口調通り、気持ち悪いデッキを使う奴だぜ。

「そしてリバースカード『毒蛇の供物』を発動しますねぇ。フィールドの『ワーム・カルタロス』をリリースして貴方のリバースカードと『コマンド・ナイト』を破壊しますねぇ!」

「ちっ!」

 『翻弄するエルフの剣士』ATK2400→1800

 『マジック・ストライカー』ATK1600→1000

 アホBの分際で味な真似を……!

「更にボクは『ワーム・ゼクス』を攻撃表示で召喚しますねぇ。効果でデッキから『ワーム・ヤガン』を墓地に送りますねぇ……そして墓地の『ワーム・ヤガン』の効果を発動しますねぇ」

 『ワーム・ゼクス』ATK1800

 くそ、結構ヤベぇな……。『ワーム・ヤガン』はフィールドに『ワーム・ゼクス』しか存在しない場合、裏守備表示で特殊召喚される……。

「墓地から『ワーム・ヤガン』を裏守備表示でセット。リバースカード『太陽の書』を発動しますねぇ。『ワーム・ヤガン』を攻撃表示に変更しますよぉ」

 『ワーム・ヤガン』ATK1000

 ……ち。結構やりやがる。

「リバースされた『ワーム・ヤガン』の効果を発動しますねぇ。貴方の『翻弄するエルフの剣士』を手札に戻しますねぇ」

『マジック・ストライカー』ATK1000→800

 これでオレの場には『アーマー・ブレイカー』を装備した『マジック・ストライカー』が一体。その攻撃力はたった800。『ワーム・ヤガン』にすら戦闘破壊を喰らうレベル。

「バトル。『ワーム・ヤガン』で『マジック・ストライカー』を攻撃!」

「『マジック・ストライカー』は戦闘によるダメージを受けねぇ! そして戦闘破壊される時『アーマー・ブレイカー』を身代わりにする!」

「では『ワーム・ゼクス』で『マジック・ストライカー』を攻撃ですねぇ」

「……戦闘ダメージは発生しねぇ」

「しぶといですねぇ。ターンエンドですねぇ」

 くそ、このねぇねぇ野郎。あの馬鹿っぽいのと比べりゃまだ賢い。

「オレのターン、ドロー! 行くぜ! フィールド魔法『侍の戦場』!」

 フィールドが戦国時代の戦場に変化する。

「オレは『鉄の騎士―ギア・フリード』を召喚! 来いよフリード!」

 『鉄の騎士―ギア・フリード』ATK1800→2500

 フィールドに、ネイキッドが拘束としての鎧を纏って現れる。

『我、参上!』

 アホな登場やってんな。だからギャグキャラ扱い喰らうんだよ。

「バトル!『鉄の騎士―ギア・フリード』で『ワーム・ヤガン』を攻撃!」

『ぬおおおっ!』

「おっと、そうはさせませんねぇ。トラップカード『和睦の使者』。このターン、我々のモンスターは戦闘では破壊出来ず、ダメージも受けませんねぇ」

「ちっ、オレはカードを一枚セット。ターンエンドだ」

「俺のターンだ! ドロー!」

 アンデット使いのアホはドローしたカードを見てニヤリと顔を歪めた。何か引きやがったな?

「まずは墓地の『馬頭鬼』の効果発動! このカードを墓地から除外して『邪神機―獄炎』を特殊召喚するぜ!」

 『邪神機―獄炎』ATK2400

 ま、それは定石通り。ただし、攻撃力は今のギア・フリードには勝てねえ。どうする?

「更に俺は『ワーム・ヤガン』をリリースして『龍骨鬼』をアドバンス召喚だ!」

 『龍骨鬼』ATK2400

「あん?」

 おい、コイツまさか……。

「バトルだぜ!『龍骨鬼』で『鉄の騎士―ギア・フリード』を攻撃!」

『む? 気色の悪い骨だな』

「……やっちまえ。ネイキッド」

『承知!』

 ネイキッドはその骨の塊のような気色悪ぃアンデットを一刀両断した。

 アホA&B LP2400→2300

「……んで?」

「はははっ! やっぱりお前はオシリス・レッドのドロップアウトだ!『龍骨鬼』は戦士族と魔法使い族相手に戦闘した場合、そのバトルの結果に関わらずそのモンスターを破壊するんだよ!」

「されてねえけど?」

「は?」

 場には思いっきり健在な『鉄の騎士―ギア・フリード』の姿。

「な、なんでだ? なんで破壊されない!?」

「……はぁ。フィールド魔法『侍の戦場』が存在する限り、戦士族モンスターは効果によっては破壊されない。生憎だったなぁエリートサン?」

「ぐっ……!」

「全く、なんてことをしてくれたんですかねぇ」

「おう、お陰さんでめんどくせぇ『ワーム・ヤガン』と『ワーム・ゼクス』のコンビが崩れたぜ。いや、マジ助かるわ」

「こ、この……馬鹿にしやがって! ターンエンドだ!」

 ヤケにでもなったかのようにターンを終了するアホA。いや、マジでアホだな。

「オレのターン、ドロー」

 さてと。アホのお陰で余裕が出来た。とりあえず、とっとと終わらすとするか。

「オレは手札から魔法カード『拘束解除』を発動。鋼鉄の拘束を脱ぎ捨て、今こそ真の姿を現せ!『剣聖―ネイキッド・ギア・フリード』!」

『ぬぅぅぅん……はぁっ!』

 『剣聖―ネイキッド・ギア・フリード』ATK2600→3300

「魔法カード『アームズ・ホール』! デッキの一番上のカードを墓地に送り、デッキから装備魔法を一枚手札に加える! オレは『融合武器ムラサメブレード』を選択し、ネイキッドに装備させる!」

 『剣聖―ネイキッド・ギア・フリード』ATK3300→4100

『ふふふ……漲る。漲るぞぉぉぉぉっ!』

「ネイキッドの効果発動! コイツに装備カードが装備されたとき、テメエらのモンスターを一体破壊する!『邪神機―獄炎』を破壊!」

「ひっ!?」

「更に『アームズ・ホール』で墓地に送られた『神剣フェニックス・ブレード』の効果発動! 墓地の『切り込み隊長』と『コマンド・ナイト』をゲームから除外し、このカードを手札に戻す! フェニックス・ブレードをネイキッドに装備!」

 『剣聖―ネイキッド・ギア・フリード』ATK4100→4400

「こ、攻撃力4400……!?」

「更に効果で『ワーム・ゼクス』を破壊!」

『散れぃ!』

 ネイキッドが降る剣から衝撃波が飛び出し、気力悪いワームを吹っ飛ばす。

「トドメだ!『剣聖―ネイキッド・ギア・フリード』でダイレクトアタック!『剣聖剣―衝破十文字』!」

 アホ共LP2300→0

「く、くそ……こんなはずじゃ!?」

「貴方ねぇ! 貴方が足を引っ張らなければこんなことには……!」

「パートナーの所為にしてんじゃねえよ。相方のミスを補ってこそのパートナーだ。それがわからねえお前らじゃ、オレにゃ一生勝てねえよ」

 少々苦戦はしたが、ダメージの方は最小限。まずまずってとこだな。

 オレはガックリと膝をついてしまっているアホ二人に目を向ける。

「これに懲りたら、マナー守ってナンパしやがれ」

 

 

 

 

 




 え~前回紹介し忘れたのでオリカ紹介です。
『侍の戦場』 フィールド魔法
・効果
(1)戦士族モンスターの攻撃力守備力は500ポイントアップする。
(2)戦士族モンスターはカードの効果によっては破壊されない。

 戦士族の汎用サポートカードですね。ちなみに、剣士・凛共々カイナさんからの投稿オリキャラ&オリカです。現在オリキャラ・オリカの投稿は受け付けておりませんのでご了承ください。
 アテナのデュエルをお待ちの皆様、申し訳ありません。もう一話お待ちください。次回閑話の2。凛と剣士のお話です。
 それでは、悠でした!
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