ル「今回は、これ」
『エクスチェンジ』
さ「お互いの手札のカードを交換っていう、数あるカードの中でも特に珍しい効果を持ってると言えるよね」
ル「使い方が難しい」
さ「相手の手札に依存するからね。でも、実は相手の手札を全て見れるピーピングカードとしても使えないことないんだよね」
ル「自分の手札は、使えないカードにしておく」
さ「相手に不良債権押し付けて手の内を覗く……そうしてみると、結構さだめ好みのカードかも」
アルカナ~切り札の騎士~
第三期第八話「翻弄」
「ライフ……1だと……!?」
「そんなの……」
一瞬頭の中が真っ白になったのか、呆然と呟く彼ら。僕はそんな彼らを見渡して、余裕たっぷりに告げてやる。
「ああ。加えて、ライフを回復するカードも使わない。最初から最後まで、ライフ1のまま勝利して見せようじゃないか」
「貴方は……何処まで……」
馬鹿にすれば気が済むのか。そんな言葉は、口にするまでもなく伝わっていた。更に、追い打ちをかけてやる。
「僕の使うデッキも教えておこう。『おジャマ大革命』。もちろん、僕なりの調整は加えてある」
低レベル通常モンスターメインのデッキ。当然、そのままじゃいくらなんでも勝ち目がないし、改良はしてあるけど。
「ファンデッキ……!?」
「当然、このデッキを使う以上『大革命』も決めて見せよう。これも、僕の勝利条件に加えておくか。『大革命』を使わずに勝利したら僕の負け、とね」
相手が複数いる以上、ロックの形は使えない。その状態で発動難度の高い『大革命』の使用……やりがいがある、どころの話じゃないな。
「……本当にそんな条件で勝てると思ってるの? さだめたち、これでも結構強い自信あるんだけど」
「プライドに拘るのは好きじゃねえが……それでも、全く気にならないわけじゃねえな」
だろうね。プライド、いや、自負と言ってもいいだろう。それを持たないデュエリストなどいない。少なくとも、ここまでコケにして黙って引き下がるような子たちじゃない。
「ふふ、まだ条件が欲しければ、考えても構わないが」
「結構です。これでも私たち、怒ってるんだから」
「そうだね。そのようだ。なら、改めて始めよう。究極のハンデデュエルをね」
『デュエル!!』
剣士&凛&ユーキ&さだめLP16000
希望LP1
「先攻も譲ろう。特に必要性を感じないからね」
「ちっ、ならオレのターン、ドロー! オレは『切り込み隊長』を攻撃表示で召喚! 効果で『コマンド・ナイト』を攻撃表示で特殊召喚だ!」
『切り込み隊長』ATK1200→1600
『コマンド・ナイト』ATK1200→1600
展開力に優れた下級戦士、それに除去力のある剣聖を組み合わせたビートダウン。なるほど、確かにバランスがいいね。
「オレはカードを一枚セットしてターンエンドだ!」
「ふむ。それでは僕のターン、ドロー」
四人全員のフィールドは共通。そう考えればむしろ、人数が多い分展開が阻害されやすくなる。怒りでそれすら見えていないのか、いきなり二体のモンスター。
「それじゃ、ダメだよ」
僕に付け入る隙を与えてしまう。怒りは力の源となるが、隙だらけの力で僕は倒せない。
「僕は手札から速攻魔法『トラップ・ブースター』を使う。手札の『おジャマジック』を捨てて、一度だけ手札からトラップを発動することができる」
『おジャマジック』は墓地に送られることでデッキのおジャマ三体を手札に加えられるコスト削減用のカード。これで手札におジャマが三体揃った。
「そして手札から罠カード『おジャマトリオ』を発動。君たちのフィールドにおジャマトークン三体を特殊召喚だ」
『おジャマトークン』DEF1000×3
「ちっ!? フィールドが……」
「ダメじゃないか剣士。僕は事前におジャマ大革命を使うと宣言していたのに、フィールドに二体もモンスターを出しちゃ」
「クソが!」
「僕は『弾圧される民』を守備表示で召喚。まずは、一体目だ」
『弾圧される民』DEF2000
「カードを二枚セット。ターンエンドだ」
さあ、見せてくれよ? 君たちの今の実力を……。
「私のターン、ドロー!」
水原凛。きみはちゃんと、きみの望みを叶えられたようで何よりだ。しかし、僕が君をここに送り込んだのは、ただの親切心だけではありはしない。さあ、実力を見せてみろ。
「私は二体のモンスターをリリース!『ゴギガ・ガガギゴ』を攻撃表示で召喚! バトル!」
『ゴギガ・ガガギゴ』ATK2950
「『弾圧される民』に攻撃します!」
「ダメだな。そんな単純な攻撃じゃ。トラップ発動『魔法の筒』。その攻撃力をそのまま返す」
「あっ!? きゃああっ!?」
凛LP16000→13050
「ライフは少しでも削っておきたい。悪く思わないでくれ」
「くっ……私はカードを一枚セット。ターンエンドです」
「では、僕のターン。ドロー」
さて、いくら余裕ぶって見せているとはいえ、流石の僕もこのクラス相手にライフ1は厳しいものがある。なるべく短期決戦で決めてしまいたいところだ。
「まずは魔法カード『打出の小槌』を発動。手札のおジャマ三兄弟をデッキに戻し、カードを三枚ドローする」
手札枚数としては損だけど、おジャマ三兄弟が手札にいても仕方ないからね。
「……ふむ」
ここはひとつ、揺さぶりをかけてみるとしようか。
「カードを一枚セット。魔法カード『クロス・ソウル』を発動。このターン、僕のリリースを君たちの場のモンスターで代用する」
「っ利用されるくらいなら! トラップカード発動!『水霊術―「葵」』!『ゴギガ・ガガギゴ』をリリースして、貴方の手札を一枚選択して墓地に送ります! エリア、お願い!」
『任せなさい!』
エリアを中心に広がった魔法陣が、『ゴギガ・ガガギゴ』を飲み込み、僕の手札を公開する。しかし、僕の手札を見た凛たちは揃って驚愕の声を上げた。
「えっ!?」
「手札に……」
「リリースを要求するカードがない、だとぉっ!?」
そう。僕の手札はたった一枚。それも『おジャマジック』だ。当然、手札から墓地に送られたこのカードの効果は発動する。
「僕はデッキからまたおジャマ三兄弟を手札に加えよう」
「くっ……そんな」
「てめえ……今の『クロス・ソウル』……引っ掛けやがったな!?」
そう。どうせ僕のデッキはバトルを行うのに向いていない。バトルフェイズ不可のデメリットはあってないようなもの。
「凛が伏せるカードは、予想が付いていたからね。『クロス・ソウル』を使えば、きっと使ってくれると思っていたよ。大事な手札を捨てられては困るしね」
サーチ手段の少ない『大革命』辺りを捨てられる前に、厄介な手札破壊カードには消えてもらった。
「僕はこれでターンエンドだ。さあ、次は君のターンだ。さだめ」
「さだめのターン、ドロー!」
さて、どうくるかな? 基本的に、この中で一番危険なのはこの子なわけだけど。
「さだめは手札の『ダーク・クリエイター』を墓地に送って『ダーク・グレファー』を特殊召喚!」
『ダーク・グレファー』ATK1700
「『ダーク・グレファー』の効果発動! 手札の『終末の騎士』を墓地に送ってデッキから『ネクロ・ガードナー』を墓地に送るよ」
これで墓地には闇属性モンスターが三体。ということは、来るかな? あれが。
「墓地の闇属性モンスターは三体! 行くよ!『ダーク・アームド・ドラゴン』!」
『ダーク・アームド・ドラゴン』ATK2800
「ダムドの効果発動! 墓地の『終末の騎士』を除外して『弾圧される民』を破壊するよ!『ダーク・ジェノサイド・カッター』!」
「そうはいかない。リバースカードオープン。『ディストラクション・ジャマー』。手札の『おジャマ・ブラック』をコストに、モンスターの破壊効果を無効にし、破壊する」
「っ!?」
ダムドの腕から伸びた刃が、僕のバリアに跳ね返されて自らを襲う。
「むぅ……さだめはターンエンド」
「おや、もういいのかい?」
「畳み掛けられるようなカードがあるわけじゃないしね。ライフ差は歴然なんだし、慌てて手札を使い切っちゃうのは逆に危ないし」
「なるほど。よく考えている」
「アンタにはムカッ腹立ててるけどね。別にさだめだけで倒す必要はないし、ダムドがやられても問題なし。勝ち筋はまだいくらでも残ってるんだから、焦る必要もないよね」
「やはり、君は危険だね。僕のターン、ドロー」
だがしかし、その思惑を逆手に取らせてもらう。
「僕は手札から魔法カード『エクスチェンジ』を発動しよう」
「なっ!?」
「僕の手札と君の手札。トレードすることにしようか」
「しまった……そんなカードを」
「僕の手札は『おジャマ・イエロー』と『おジャマ・グリーン』。さあ、選ぶといい」
「どっちもいらないぃぃぃぃ……!」
そう言いつつも、さだめは仕方なしに『おジャマ・グリーン』を取っていった。
「さて、君の手札は……なるほど。『死者蘇生』に『終わりの始まり』か。なら当然、僕が選ぶのは『死者蘇生』だね」
「うぐっ……『死者蘇生』が『おジャマ・グリーン』に化けたぁ……」
「さて、僕はこれでターンエンドだ」
「わたしのターン、ドロー!」
加藤友紀……セツと出会ったことでイレギュラーとなった後天的なイレギュラー。この子も、実は今現在、かなりの実力になっているみたいだね。
「わたしは『サイレント・ソードマンLV3』を召喚。手札から魔法カード『レベルアップ!』を発動するよ~。そして……」
『サイレント・ソードマンLV5』ATK2300
「三体のおジャマ・トークンを攻撃表示に変更」
「はっ!?」
「なにをっ!?」
「ユーキさん!?」
「ほう……」
『おジャマ・トークン』ATK0
「みんな、動揺しすぎ~。さだめちゃんも言ってたけど、わたしたちのライフは一杯あるんだよ? だったら、それを武器にしなくちゃ。今問題なのは、ライフじゃなくて、支配されつつあるフィールド。なら、そのフィールドを空けなくちゃ」
「そ、それはわかりますけど……それとおジャマたちの攻撃表示に、何の関係が?」
「ミラフォに巻き込むため、だよ」
「え……」
「おジャマ・トークンは破壊されたら300ダメージを受ける。けど今のライフなら900ダメージなんて誤差みたいなものだよ?」
「例えそうだとして、僕が君の狙い通りミラフォを使うと思うかい?」
「使うよ。だって危ないもん。もしサイレント・ソードマンで『弾圧される民』を倒されたら、そのまま『ダーク・グレファー』で負けちゃうもん。『次元幽閉』とかの可能性もあるにはあるけど、この人数相手にするのに1:1交換のカードじゃ間に合わないし、多分伏せてあるのはミラフォだと思うなぁ」
この、娘……。
「あ、珍しく表情に出たね。図星かな?」
「……流石、というべきかな? 君の戦術眼は、どうやら予想以上だったらしい」
「セツくんに鍛えてもらったからね」
「なるほど。では今君の言ったとおりの流れを済ませようか」
「うん。『サイレント・ソードマンLV5』で『弾圧される民』に攻撃。『沈黙の剣LV5』
無口な騎士の剣が襲いかかる。それを見て……しかし、僕は笑った。
「……だがしかし。まだ甘い」
「えっ……」
「トラップカード発動。『D2シールド』。『弾圧される民』の守備力を二倍にする」
「あ……」
『弾圧される民』DEF2000→4000
「君の読みは確かに鋭かった。確かに、君たち複数を相手にするのに、単体除去じゃあ厳しい。だが、何も全体除去だけが手段じゃないのさ」
「くぁ……」
ユーキLP13050→11350
「僕に読み合いで勝つつもりならば、もう少し経験と実力をつけることだ」
「くっ……ターンエンド、だよ~」
「僕のターン、ドロー。そろそろ手札が心もとなくなってきた。補充させてもらうとしよう。魔法カード『壺の中の魔術書』。お互いにカードを三枚ドローする。ドローするのは君だ。加藤友紀」
「……ドロー」
「そして速攻魔法カード『サイクロン』だ。剣士の伏せたカードを破壊しよう」
「くそっ!」
破壊されたのはそれこそ『聖なるバリア―ミラーフォース―』だった。
「更に魔法カード『死者蘇生』。君たちの墓地の『ゴギガ・ガガギゴ』を攻撃表示で特殊召喚」
『ゴギガ・ガガギゴ』ATK2950
「うぐっ。さだめのカードを……」
「バトル。『ゴギガ・ガガギゴ』でおジャマ・トークンに攻撃」
「きゃあっ!?」
ユーキLP11350→8400
「更におジャマ・トークンが破壊されたことにより、300ポイントのダメージだ」
ユーキLP8400→8100
「それでは、僕はカードを一枚セットし、魔法カード『一時休戦』発動。お互いにカードを一枚ドローし、次の君たちのエンドフェイズまで、お互いにダメージは受けない。さあ、ドローするといい」
「うっ……ドローするよ~!」
僅かに顔をしかめて、友紀がドローした。舐められている、とでも思ったかな?
「ターンエンドだ」
「オレのターン、ドロー!」
苦々しげな表情のまま、剣士がドローする。
(ちっ……噛み合ってねえ。チームを組むのが初めてだってのもあるが、アイツのデュエルそのものがこっちの調子を崩してきやがる)
「……っち。オレは全てのモンスターを守備表示に変更し、ターンエンドだ」
『おジャマ・トークン』DEF1000×2
『サイレント・ソードマンLV5』DEF1000
『ダーク・グレファー』DEF1600
剣士は一枚の手札をチラリと見てから、舌打ちし、エンド宣言をした。
「僕のターン、ドロー」
さて、今の反応からすると、僕の『一時休戦』が気に食わなかった、というところか。ならば……。
「僕はカードを一枚セット。そして魔法カード『エクスチェンジ』を発動だ」
「またそのカードだとぉ!?」
「さあ、僕の手札は『おジャマ・イエロー』一枚だ。持っていくといい」
「糞が!」
剣士の手札は……なるほど『マジック・ストライカー』に『拘束解除』、『神剣フェニックス・ブレード』、『トゥルース・リィンフォース』か。『一時休戦』がなければ『マジック・ストライカー』にやられていたね。
「では『マジック・ストライカー』をもらおう」
「……っの野郎」
「そして墓地の『エクスチェンジ』を除外し『マジック・ストライカー』を特殊召喚」
『マジック・ストライカー』ATK600
「バトルだ。『マジック・ストライカー』でダイレクトアタック」
「ぐっ」
剣士LP8100→7500
「更に『ゴギガ・ガガギゴ』で『ダーク・グレファー』を攻撃」
機械化した爪に引き裂かれ、『ダーク・グレファー』が破壊される。
「ターンエンドだ」
『マジック・ストライカー』は攻撃力こそ低いが、戦闘ダメージを無効にする効果のお陰で今の僕でも躊躇いなく運用できる。いい贈り物だ。
「私のターン、ドロー!」
さて、先輩たちが軒並み僕に翻弄されている中、君はどうする?
「私はモンスターをセット。魔法カード『太陽の書』を発動します! セットした『水霊使いエリア』を攻撃表示に! 効果発動!」
『水霊使いエリア』ATK500
「エリア……君の持つ精霊のカードだったね」
「『水霊使いエリア』のモンスター効果は、リバースしたとき相手フィールドの水属性モンスター一体をこちらのフィールドに移動させます!『ゴギガ・ガガギゴ』を私たちのフィールドに返してもらいます!」
『……いつまでも人の下僕を好きに使ってるんじゃないわよ』
僕のフィールドにいた『ゴギガ・ガガギゴ』がフラフラと凛たちのフィールドに移動する。
「バトルです!『ゴギガ・ガガギゴ』で『マジック・ストライカー』を攻撃!」
「トラップカード『シフトチェンジ』! 攻撃対象を『弾圧される民』に変更する」
「えっ!?」
『ゴギガ・ガガギゴ』の爪が『マジック・ストライカー』を引き裂く寸前、『逃げまどう民』と『マジック・ストライカー』の場所が入れ替わり、『マジック・ストライカー』は『ゴギガ・ガガギゴ』の攻撃を躱した。
「当然、『弾圧される民』の守備力より攻撃力で劣る分、反射ダメージを受けてもらう」
「きゃあっ!?」
凛LP7500→6350
「うぅ……どうして通らないの? ターンエンド」
「僕のターン、ドロー。すまないね。これだけのハンデを貰って勝てないのはさぞ屈辱だろうけど、僕としても余裕ぶってこれだけのハンデを課した手前、そう簡単に負けてやるわけにも行かなくてね。魔法カード『命削りの宝札』を発動。デッキからカードを五枚ドローする」
このままズルズルと削るだけでも、勝利すること自体はできるだろう。だが、僕はデュエル前に『大革命』を決めてみせると啖呵を切った。切った以上は決めねばなるまい。
「僕は『団結するレジスタンス』を攻撃表示で召喚。二体目だ」
『団結するレジスタンス』ATK1000
「そして装備魔法『団結の力』をレジスタンスに装備。僕の場には三体のモンスターが存在する。よって攻撃力は2400ポイントアップする」
『団結するレジスタンス』ATK1000→3400
「攻撃力3400……!?」
「弱小モンスターのステータスじゃないね……」
「バトルの前に、厄介なカードは除外しておこう。手札から『D.D.クロウ』の効果発動。君たちの墓地から『ネクロ・ガードナー』を除外する」
「さだめ、使うよ!」
「もちろん!」
「その効果にチェーンして『ネクロ・ガードナー』の効果発動! このカードを除外することで、相手の攻撃を一度無効にする!」
「しかし、それでもう発動タイミングは選べない。僕は『弾圧される民』を攻撃表示に変更。バトルだ。『弾圧される民』で『水霊使いエリア』に攻撃『力なき抵抗』」
『弾圧される民』ATK400
「くっ……『ネクロ・ガードナー』の効果で無効になります」
「追加でバトルだ。『団結するレジスタンス』で『水霊使いエリア』を攻撃。『ビギニング・オブ・レボリューション』!」
『ぐ、ああああああっ!?』
「エリア! あああああっ!」
凛LP6350→3450
「更に『水霊使いエリア』が破壊されたことにより『ゴギガ・ガガギゴ』は再び僕のフィールドに戻る。『ゴギガ・ガガギゴ』で『サイレント・ソードマンLV5』に攻撃」
『団結するレジスタンス』ATK3400→4200
沈黙の騎士が狂乱の戦士の爪に引き裂かれ、音もなく沈む。
「『マジック・ストライカー』でダイレクトアタック」
「ああっ」
凛LP3450→2850
「僕はカードを一枚セット。ターンエンドだ」
「ぐっ……さだめのターン、ドロー!」
「是非君には僕のプレゼントを活用して欲しいねぇ」
(あれは、誘い? 態々『弾圧される民』を攻撃表示にした意味は……まさか、『ジャスティブレイク』? それなら『弾圧される民』を攻撃表示にする意味もある。今の言葉も通常モンスターを使えっていう回りくどいアドバイス?)
「……かといって『おジャマ・グリーン』じゃどうしようもないし……」
さだめの手札は『おジャマ・グリーン』と『終わりの始まり』、そして今ドローしたカードの三枚だ。墓地が肥えていない今、『終わりの始まり』は使えないし、『おジャマ・グリーン』は論外だ。
「っええい、迷ってても仕方ない! ユーキさん、後よろしく!」
「えっ!?」
「さだめは手札の『ダーク・ネフティス』の効果発動! 墓地の闇属性モンスターが三体以上の時、二枚を除外してこのカードを墓地に送るよ。さだめは『ダーク・グレファー』と『ダーク・アームド・ドラゴン』を除外して『ダーク・ネフティス』を墓地に。ターンエンド!」
遅効性のモンスターか。『ダーク・ネフティス』。かなり面倒なカードが墓地に行った。少し、面倒だな。
「僕のターン、ドロー」
だがしかし、僕のプランに変わりはない。次のターンで決める。
「僕は『逃げまどう民』を攻撃表示で召喚」
『逃げまどう民』ATK600
『団結するレジスタンス』ATK4200→5000
「遂に……」
「揃った……!」
「バトル。『ゴギガ・ガガギゴ』でおジャマ・トークンに攻撃」
『ゴギガ・ガガギゴ』の爪に、おジャマ・トークンは為す術なく引き裂かれる。
「うっ」
さだめLP2850→2550
「続いて『団結するレジスタンス』でおジャマ・トークンに攻撃。『ビギニング・オブ・レボリューション』」
武装蜂起した集団に滅多打ちにされるおジャマ・トークン……ってそれだけ聞くとどっちが悪者かわかったものじゃないな。
さだめLP2550→2250
「最後の手札をセットし、ターンエンドだ」
「わたしのターン、ドロー! スタンバイフェイズに、さだめちゃんの『ダーク・ネフティス』の効果が機動するよ~。墓地から『ダーク・ネフティス』を特殊召喚! 効果発動!」
『ダーク・ネフティス』の効果は、自分の効果で特殊召喚に成功したとき、魔法・罠カードを一枚破壊する効果。となれば、友紀が狙うカードは……。
「……チェーンされたら意味がないのはわかってる。だから、敢えてさっきさだめちゃんのターンの前に伏せたカードを破壊するよ!」
「なるほど……」
目の付け所は、いい。
「だがしかし、圧倒的なのは……」
実力の差、というやつだ。
「僕は指定されたセットカードをチェーン発動。『大革命』!」
「えっ!?」
「なっ!?」
「うそっ!?」
「マジで!?」
「僕の場に『弾圧される民』『逃げまどう民』『団結するレジスタンス』の三枚が存在する場合にのみ、発動可能。君たちのフィールドを全て破壊し……友紀、君の手札を全て、墓地に送る」
「う、あ……」
全てが、裏目。そして僕は、全てこの瞬間のために動いていた。相手にもドローされるデメリットをもつカードは全て友紀が相手のときに使い、手札を増やさせた。それは例えどれだけ手札があったところで『大革命』の前には無意味だからだ。
「『大革命』を伏せるなら、三体全てが揃ったあとだ、そう思っただろう。『弾圧される民』を攻撃表示にしたならば、セットカードは『ジャスティブレイク』だと思っただろう?」
だが、それは確定ではない。
「思い込み。先入観。それをどれだけ植え付け、利用できるかが、ブラフの巧妙さを際立たせる」
最初の友紀のミラフォ読み。これも、考え方としては間違ってなかった。ごくまっとうな、正しい論理に導かれた予想。だからこそ、読みやすい。
「そして、君にはこのターン、これ以上できることは何もない。僕の、ターンだ」
デッキからカードをドローする。しかしそれも無意味だ。既に、決着はついている。
「『逃げまどう民』、『弾圧される民』、『団結するレジスタンス』でダイレクトアタック。『クローズ・ド・レボリューション』」
「あ、ああぁっ!」
ユーキLP2250→0
難産でした。改定前から丸々書き直したので。元々はそれぞれがライフ4000持ちの個別フィールド。四人全員のターンの後で希望のターン。希望のライフは1という条件でした。いくらなんでも厳しく、かなり強引な流れで希望が勝利していたのですが、まだしも自然な流れに直しました(自然?)。それでもキツかったので手札増強原作オリカは複数使いましたが。『命削りの宝札』と『壺の中の魔術書』ですね。どちらもぶっ壊れてます。あ、ちなみに希望は当然のように『エクスチェンジ』使ってますが、本来こんなに使い勝手のいいカードじゃないので勘違いしないように。
それでは、悠でした!