アルカナ~切り札の騎士~   作:西本 悠

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第二期第十六話「心理作戦!」

アルカナ~切り札の騎士~

第三期第十六話「心理作戦!」

 

 

 

 

 先日のエド・フェニックスとのデュエルに敗北した十代が、精神的ショックからか、カードが全て真っ白にしか見えなくなってしまったと報告を受けた俺は、急ぎ足で保健室へと向かっていた。

「十代!」

「あ……セツか」

 保健室についた俺が見たのは、今まで見たことがないほど覇気がなくなっている十代の姿だった。

「十代……」

「へへ……情けないぜ。セツに勝って欲しいって言われてたのにな。それに、セツは勝ったんだろ? 明日香たちから聞いたぜ」

「ああ……」

 なんとか笑顔を見せようとする十代に、俺は何も言えずに目を逸らした。

「参っちまうよな。全然、見えないんだ。カードが。相棒の声も、聞こえなくなっちまってさ……」

「ハネクリボーの? そういえば……」

 十代の傍に、ハネクリボーの姿がない。十代が見えなくなったからなのか、或いは……。

「十代」

 俺は考えた末、このことは十代自身の問題だと結論付けた。

「セツ?」

「俺は信じてるからな」

「え?」

「お前は、こんなところで潰れる奴じゃないって。それに、まだ俺はお前と、本気のデュエルしてないんだ。こんなところで終わって貰っちゃ困る」

 俺に言えることはこの程度。後は十代自身が立ち直る切欠を掴まないとダメだろう。

「セツ……」

「んじゃ、今日の所はこれで。お前はゆっくり休めよ。俺はこれから授業だからな」

 どちらにせよ、今みたいにどんよりと沈みきったままじゃ立ち直るも何もない。今はゆっくり休むことが一番の特効薬だろう。そう判断した俺は、十代を残して教室へと向かった。

 

 

 

「それでぇ~わ。本日の授業を始めるノ~ネ。……シニョ~ルセツも、ちゃんといるノ~ネ?」

「見ての通り、いますよ」

 以前からクロノス先生は、俺がちゃんと授業に出席しているかどうかを本来の出席確認とは別に行うようになった。……そんなに信用ないか。俺。

「よろしいノ~ネ。本日ゥ~わ、タッグデュエルのお勉強なノ~ネ。ルールの確認をしてから、各自ペアを組むノ~ネ」

 何だかんだ、クロノス先生の授業は他の授業と比べればやはり実践的だ。実技指導の責任者というのもあるんだろうが、ルールとかは各自で確認。兎に角実践してみましょうという授業スタイルは俺からすれば好感が持てる。

「っと、タッグデュエルということは……」

 俺は目的の人物を探す。丁度向こうも俺を見つけたようで、少し小走りで此方に向かってきた。

「セツくん、組も~?」

「ああ、約束だったしな。ユーキちゃん」

 以前進級デュエルの際にユーキちゃんとタッグを組む約束をしていたことを思い出す。

「えへへ~ちゃんと覚えていてくれたんだ。良かった~」

「忘れたら後が怖そうだからな」

「あーわたしそんなことで怒ったりしないよ~」

 一頻り談笑し、改めて今回のルールに目を通す。

「……なるほど。フィールドは共通。ライフも共通で8000。先攻一ターン目のターンプレイヤーのみバトルフェイズを行えないルールか」

 所謂タッグフォースルールと言う奴だ。まあ、標準的なタッグルールだな。

「じゃあ、少しお互いのデッキを弄ろうか。そのままだと色々と不都合も出てくるだろうし」

「うん。と言っても、わたしの方は大体出来てるよ~。タッグのことは考えてたからー」

 そう言ってユーキちゃんがデッキを手渡してくる。ふむ……。

「なるほど。特に問題ないかな? 後は……」

 ユーキちゃんのデッキに合わせて俺もデッキを調整する。と言っても、今は希冴姫がダウンしているのでエース主軸のコストレスパーミッションだが。

「よし、こんなもんだろ」

「それじゃあ、デュエル相手を探そっか」

 ユーキちゃんの言葉に頷き、誰か空いている相手はいないか周囲を見渡す。

「おい、セツ」

「ん? 万丈目か?」

「さん、だ。デュエルの相手を探しているなら、オレたちが相手になってやる」

 見れば、万丈目と組んでいるのは翔だ。

「また、珍しい取り合わせだな」

「フン、十代の奴が潰れていては、コイツと組む奴がいないだろうが」

「そ、その言い方は酷いッス! 大体、万丈目君だって組む人いないじゃないッスか!」

「馬鹿言え! オレ様は組む相手を選り好みしているだけだ! 今回貴様と組んでやったのも、十代の代わりに仕方なくだ! わかったら精々オレに感謝するんだな!」

「はいはい、わかったからやろうぜ。授業時間がなくなるだろうが」

 なんだかんだで、コイツも十代のことを気にしているのはわかるし、意外とこれで面倒見がいいことも承知しているので安心だ。

「フン、まあいい。お前らがオレの相手になるのか知らんが、精々楽しませろ」

「相変わらず、プライド高い奴だな……お前と気が合うんじゃないか? エース」

『馬鹿を言うな。騎士のプライドとエリート思考のプライドを同列視するな』

「そりゃ悪かった」

 まあ、万丈目もこれで大分丸くなったんだけどな。

「セツ君、今日はよろしくッス」

「おう、しかし、翔たちと真面目にやるのは何だかんだで初めてじゃないか?」

「そうかもしれないね。じゃあ、尚更負けられないッス!」

「同感だ」

 笑い合い、お互いに向かい合ってデュエルフィールドに着く。

『デュエル!!』

 セツ&ユーキLP8000

 万丈目&翔LP8000

「オレの先攻! ドロー!」

 先攻は万丈目か。とすると、俺のターンが回ってくるのは最後だな。

「オレは永続魔法『前線基地』を発動! 手札から『W-ウイング・カタパルト』を特殊召喚! 更に『V-タイガー・ジェット』を攻撃表示で召喚する!」

 『W-ウイング・カタパルト』ATK1300

 『V-タイガー・ジェット』ATK1600

 万丈目はVWXYZデッキか。まあ、翔とタッグを組むならアームド・ドラゴンよりもそっちだよな。

「行くぞ! オレは二体のモンスターを除外し、『VW-タイガー・カタパルト』を特殊召喚!」

 『VW-タイガー・カタパルト』ATK2000

「早速か」

 攻撃力2000は、アルカナ軸の俺なら決して高くはないが、ヴァンダルギオンを除くと最大攻撃力がエースの2000でしかない今の俺からすれば十二分に高い攻撃力だ。

「オレはカードを一枚セット。ターンエンドだ」

「わたしのターン、ドロー! わたしはモンスターを一体守備表示でセット。カードを一枚セットして、ターンエンドだよ~」

 ユーキちゃんは目立った動きは見せず、カードだけ伏せて終了する。守備モンスターは……『シャインエンジェル』か。

「ボクのターン、ドロー!」

 先日めでたくラー・イエローに昇格した翔。表情からも心なしか自信を見てとれる。

「僕は『ドリルロイド』を攻撃表示で召喚! バトルだ!」

 『ドリルロイド』ATK1600

「これは……マズイか!」

「『ドリルロイド』で加藤さんの守備モンスターを攻撃!」

「きゃっ!?」

 守備モンスターの『シャインエンジェル』が破壊される。

「『ドリルロイド』は相手の守備モンスターと戦闘する場合、ダメージ計算を行わずに破壊できるんだ!」

「リクルーター封じか!」

 これで俺たちの場はガラ空き。

「更に『VW-タイガー・カタパルト』でプレイヤーにダイレクトアタック!『VW-タイガー・ミサイル』!」

「きゃああっ!?」

「ちっ!」

 セツ&ユーキLP8000→6000

「僕は永続魔法『機甲部隊の最前線』を発動。カードを一枚セットして、ターンエンド!」

「くっ、俺のターン、ドロー!」

 しかし、面倒だな。手札一枚をコストに表示形式を変更出来るタイガー・カタパルトと守備モンスターを問答無用で破壊する『ドリルロイド』か。即席タッグの割に、効果がシナジーしてやがる。

「俺は『切り札の騎士―テンス』を召喚! 魔法カード『二重召喚』! テンスをリリースし、『切り札の騎士団長―エース』をアドバンス召喚!」

 『切り札の騎士団長―エース』ATK2000

 早速頼む! エース!

『ふん。いいだろう。任せておけ』

 俺の手札に、翔たちの伏せカードを破壊出来るカードはない。仕方ないか。

「バトルフェイズ! エースで『ドリルロイド』を攻撃!『リッター・ブリッツ』!」

『せいっ!』

「うくっ……!」

 万丈目&翔LP8000→7600

「この瞬間、『機甲部隊の最前線』の効果発動! そしてチェーンして永続トラップ『サイバー・サモン・ブラスター』を発動!」

「む……」

 機械族の特殊召喚に応じてダメージを与えるトラップか。機械族の融合召喚を主体とするあいつらには合ったカードだな。

「僕は『トラックロイド』を特殊召喚!『サイバー・サモン・ブラスター』の効果でセツ君たちに300ポイントのダメージッス!」

 『トラックロイド』ATK1000

「ぐっ!」

「きゃあ!?」

 セツ&ユーキLP6000→5700

「……やるじゃないか。翔」

「僕だって、いつまでもアニキたちの足手纏いじゃないッスよ!」

 イエローに昇格し、表情にも幾分か余裕が出てきた翔。

「俺はカードを二枚セット。ターンエンドだ」

「フン、オレのターン、ドロー!」

「この瞬間、トラップカード発動!『砂塵の大竜巻』!『サイバー・サモン・ブラスター』を破壊する!」

 継続的にダメージを与え続ける永続罠はさっさと破壊しておくに限る。ただでさえ特殊召喚を多用する機械族デッキなんだから。

「ああっ!?」

「更に、効果により手札のカードを一枚セットする」

 多くの人が忘れがちなこの効果だが、ことタッグデュエルに於いては有効に作用する!

「フン、だがお前は破壊するカードを誤った。見るがいい! この万丈目サンダー様のデュエルタクティクスを! オレは手札から魔法カード『天使の施し』を発動! デッキからカードを三枚ドローし、二枚を墓地に捨てる!」

「む……」

 手札交換? いや、万丈目のデッキタイプを考えると……。

「そして、墓地に捨てた『おジャマジック』の効果発動! デッキからクズ共を手札に加える!」

『オイラたちの出番だわ~ん!』

「ええい! お前たちに出番などない! たまたま手札に来たから捨てただけだ!」

『ああん、アニキったらイケズぅ~』

 ……なんか変な奴らも来たな。

「うるさい! オレは『X-ヘッド・キャノン』を攻撃表示で召喚! 更に永続魔法『前線基地』の効果により手札から『Y-ドラゴン・ヘッド』を特殊召喚!」

 『X-ヘッド・キャノン』ATK1800

 『Y-ドラゴン・ヘッド』ATK1500

「ま、マズイ……!」

 この流れは……! ということはあの伏せカードは恐らく……。

「リバースカードオープン『ゲットライド!』を発動!『天使の施し』で墓地に送った『Z-メタル・キャラピラー』を『X-ヘッド・キャノン』にユニオン! 更にユニオンを解除して特殊召喚!」

 『Z-メタル・キャタピラー』ATK1500

「やっぱり……」

 くそ、油断していた。まさか……。

「オレの場のX・Y・Zの三体をゲームから除外し、融合デッキから『XYZ-ドラゴン・キャノン』を融合召喚! そして『VW-タイガー・カタパルト』と共にゲームから除外することで『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』を融合召喚だ!」

 『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』ATK3000

 まさか、たったの二ターンであの召喚条件が鬼畜なモンスターを呼び出すとは!

「ハッハッハ! どうだ見たかセツ! これが万丈目サンダーのタクティクスだ!」

「……ああ、認めるよ。確かに、大した引きだ。驚嘆に値する」

「フン、それでいい。行くぞ!『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』の効果発動! 一ターンに一度、相手フィールド上のカード一枚を除外する! オレはセツの伏せた二枚目の伏せカードを除外する!『VWXYZ-アルティメット・ディストラクション』!」

「くっ……『トラップ・ジャマー』が……」

 『トラップ・ジャマー』はバトルフェイズの発動しかできないので、『ゲットライド』をパーミッションすることは出来なかった。

「チッ、ただのカウンターか。ならばバトルだ! ヴィトゥズィで『切り札の騎士団長―エース』を攻撃!『VWXYZ-アルティメット・ディストラクション』!」

『ぐおおおおおっ!?』

「エース! ぐああっ!?」

「きゃあああっ!?」

 セツ&ユーキLP5700→4700

「そして『トラックロイド』でプレイヤーにダイレクトアタックだ!」

「ぐぅ……」

 セツ&ユーキLP4700→3700

「オレはカードを一枚セットし、これでターンエンドだ!」

「うくっ……わたしの、ターンだよ~」

 マズイな……大分旗色が悪い。砂塵経由でユーキちゃんにトスしたカードも、速攻性はないし……。

「しかも、対して役に立ってない俺の方は手札ゼロ、か……」

 どうにも、アテナとの時といい俺はタッグデュエルが苦手らしい。パーミッションの特性的な理由もあるんだろうが……。

「ドロー!……」

 ユーキちゃんはどうすればいいか迷っている風だった。手札に逆転の手はあるが、ヴィトゥズィの効果を考えて下手な手は打てないと考えているのだろう。

「セツくん……」

 ユーキちゃんが不安そうな表情で俺に目を向けてくる。俺も助言してやりたいが……。

「ダメなノ~ネ。タッグパートナーのターン中に、助言は許されないノ~ネ!」

「ぐ……」

 クロノス先生の言う通りだ。今はユーキちゃんのターン。俺が口を挟むことは許されない。ここは、ユーキちゃん自身の力で乗り越えてもらうしかない。ない、が……。

「ユーキちゃん」

「え?」

 せめて、意志を込めてユーキちゃんの目をみつめる。これで、意志が伝わるかどうかはわからないが……これまで、ユーキちゃんのデッキ構築やタクティクス指南は俺が一緒にずっとやってきたんだ。それを思い出してもらえれば!

 

 

 

 

 

「セツくん……」

 わたしは改めて自分の手札を眺める。手札は五枚、フィールドのカードはセツくんがトスしてくれたカードとわたしの一ターン目に伏せた『リビングデッドの呼び声』。『シャインエンジェル』を呼び戻してもしょうがないから、アテには出来ないし~。

「セツくんのくれたカードは……」

 『封印の黄金櫃』。

「えっ!?」

 思わずセツくんを見る。……なんで、自分で使わずにトスしたの……? ううん、それよりも今は、これを使ってどうするか考えないと……。

「多分、セツくんはわたしの方がキーカードが多いからって渡してくれたんだろうけど……」

 確かに今、手札に『レベルアップ!』のカードがない。それを使えば、どうにかなるのは手札の『サイレント・マジシャンLV4』が物語っている。よし、なら……。

「リバースカード、オープ……」

 そこではた、と気付いた。

 そんな安易な使い方でいいの……?

 いくら手札がそう出来る手とはいえ、サーチには時間がかかる。ライフも正直心許ないし、そんな悠長なことはしていられない。

「でも……」

 今すぐにどうにかするには、『封印の黄金櫃』じゃあ役に立たない。じゃあどうすれば?

「どうした? 戦意喪失か?」

「ちょ、ちょっと待って~! 考え中だから~!」

 うん、そうだ。もっと考えよう。セツくんの目を思い出すの。セツくんとのデッキ作りとか、戦術指南とか、そういうセツくんとの思い出を!

「えへへー……って、浸ってる場合じゃないよ~!」

 っそうだ! 確かセツくん、『封印の黄金櫃』のデメリットである情報アドバンテージについてもなにか言ってた! 確か~……。

「……うん、決めた! わたしはセツくんの渡してくれた『封印の黄金櫃』の効果を使うよ~」

「なに!? そんなものを何故伏せカードに……」

「わたしはデッキから『オネスト』を選択してデッキから除外するよ~。そして手札から『サイレント・マジシャンLV4』を攻撃表示で召喚。カードを一枚セットしてターンエンドだよ~」

 『サイレント・マジシャンLV4』ATK1000

 ……これでいい、筈! だよね、セツくん!

「僕のターン、ドロー!」

「この瞬間『サイレント・マジシャンLV4』にカウンターが一つ乗るよ~」

 『サイレント・マジシャンLV4』ATK1000→1500

 大丈夫。きっと大丈夫。そう思ってはいても、心臓がバクバク言ってるのがわかる。

「……う~ん」

 丸藤くんは迷ってる。多分、ヴィトゥズィの効果で何を除外するか迷ってるんだ。わたしの場には前のターンから残っているカードを含めてリバースカードが二枚。攻撃表示の『サイレント・マジシャンLV4』が一体。ずっと発動していない『リミット・リバース』は選択しないとして、残る選択肢は二つ。

「おい翔!」

「な、なんスか万丈目君?」

「……っむん!」

「ってそんな気合入れて睨まれても、僕たちにセツ君たちみたいな意志疎通は無理ッスよ~!」

 ……なんか変なことしてる。

「う、うぅ……ぼ、僕は加藤さんがさっき伏せたカードを除外するッス!」

「う……除外されるのは『奈落の落とし穴』だよ~」

 丸藤くんが効果を使う前にモンスターを出していたら引っかかったかも知れないんだけど……。

「よし、そのまま押し潰してしまえ!」

「わかったッス! 僕は『スチームロイド』を召喚! バトル!」

 『スチームロイド』ATK1800

「行くよ!『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』で『サイレント・マジシャンLV4』に攻撃するッス!」

「っ!」

 瞬間、わたしは思わずセツくんの方を振り向いた。

「やった、やったよセツくん!」

「!?」

「この瞬間、手札から『オネスト』を捨てて効果発動するよ~!」

「ええっ!?」

「バカなっ!?『オネスト』だと!? 何故今持っている!?」

 丸藤くんも万丈目くんも凄く驚いていた。だってその筈。『オネスト』はさっきわたしがデッキから除外して、手札に引き入れようとしていたカード。

「えへへ~。『オネスト』はデッキに一枚きりじゃないから~」

 わたしは、セツくんの言葉を思い出して考えた。

『『封印の黄金櫃』の欠点は手札に何を加えるか特定されてしまうってことだが、それはつまり、相手に対して、その時点で手札に欠けている物を誤認させる手段にもなり得るんだ』

 つまりは、そういうこと。一種の心理トリックの様なもの。『オネスト』がデッキに複数入っているくらい、万丈目くんたちなら普通想像出来る。でも、さっきわたしが『封印の黄金櫃』でデッキから手札に加えようとした時に、二人は勘違いしちゃった。

「わたしは今『オネスト』を持っていない、って」

 そして思わせぶりに攻撃表示で出されたモンスターと伏せカード。ヴィトゥズィの効果で除去できるのは一枚だけ。なら……。

「伏せカードを除去したくなるよね~」

 何せ、二人からすればわたしは今『オネスト』を持っていないから。なら、攻撃表示の『サイレント・マジシャンLV4』はただの攻撃を誘い、トラップを発動させるための囮程度にしか思わなくても仕方ないよね~。曲がりなりにも、もしかしたらどうにかできるかもしれないトラップだったこともあるし。

「うん。はじめから持ってたんだ。『オネスト』」

 にこっ、と会心の笑顔でわたしはセツくんを見る。セツくんもまた、笑顔で見返してくれた。

 『サイレント・マジシャンLV4』ATK1500→4500

「うわあああああっ!?」

「ぐううううううっ!?」

 万丈目&翔LP7600→6100

 『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』の砲撃を、光の盾で受け止めた魔法少女が、反撃の魔法で変形合体ロボを破壊する。

「さあ、反撃開始だよ~」

 わたしはセツくんと顔を見合わせて、小さくハイタッチするのでした。

 

 

 

 

 




さ「な~っにっかな~な~っにっかな?」
ル「今回は、これ」
『封印の黄金櫃』
さ「ちょっち時間はかかるけど、デッキからどんなカードでもピンポイントで持ってこれるサーチカードだね」
ル「その代わり、サーチカードは相手にバレバレ」
さ「でも、そのデメリットを見事に利用したのが、今回のユーキさんだね」
ル「あの時サイレント・マジシャンを狙われたらアウトだった」
さ「あるいは、先に『スチーム・ロイド』を出して奈落を使わせるとか、だね」
ル「でも、どっちも厳しい?」
さ「通常召喚前に伏せカード狙いは基本だからね。『オネスト』が来ないと思い込んだら尚更ね」
ル「分の悪い賭け、というほどでもない」



「『サイレント・マジシャンLV4』の反撃! これがわたしの全力全開!『スターライト・ブry「まてユーキちゃんそれはまずい」え~?」
 というボツネタがあったとかなかったとか。
 それでは、悠でした!
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