アルカナ~切り札の騎士~   作:西本 悠

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第三期第二十五話「光の結社 アルカナVSアルカナ」

アルカナ~切り札の騎士~

第三期第二十五話「光の結社 アルカナVSアルカナ」

 

 

 

 

 ――セツ様。

 ――わたくしの、敬愛すべき主様。

「貴方を守るためなら、わたくしは……」

 ――わたくしは……。

「希冴姫。本当に、いいのだな?」

 エースが、柄にもなくわたくしを心配そうな目で見つめてきます。

「――ええ。わたくしの心は変わりませんわ」

 終焉とはまた別の、やはり恐ろしい影がセツ様に迫っているのを感じます。

 その力は、邪悪な光の波動。我が主を脅かさんとする、憎むべき光輝。

「決して、やらせはしませんわ」

「……お前がいいというのなら、我には止めることはできぬのだろうな」

「クレイジー……ですの?」

「ああそうだ。不本意……そう、不本意極まりないが、我の口癖だな。それもこれも、貴様のような奴がいるから……」

 エースが不機嫌そうに、ぶつぶつと文句を連ねる。

 本当に、優しい娘……優しくて、優しすぎて、そして純粋過ぎて……だから、精霊としては出来損なった我らが団長。その心に惹かれて、わたくしたちはこの娘を団長と仰いだ……でも、もしかしたらそれがまた、この娘の負担になってしまったのかもしれません。

「…………」

 そして、わたくしたちは出会った。出会ってしまった。セツ様に。

 一目で、そう一目で惚れ込みました。恐らくは、ジャックやキングも。もしかしたら、テンスもそうだったのかもしれません。エースだけが、人に仕えることを拒み、わたくしたちは袂を別った。

 ですがそれも、セツ様は取り戻してくれた。

 ――ですから。

「後悔は、ありませんわ」

 わたくしは、長らく身につけていなかった騎士装束と甲冑をつけ、その一歩を踏み出したのです。

 

 

 

 

 

 色々と波乱に満ちた修学旅行も終わり、俺たちは新たな問題に直面することとなった。

“斎王琢磨”

 そう呼ばれる男。エド・フェニックスのマネージャー。そいつが、先日剣山とデュエルしていた。どうやら、以前からおかしくなってしまっていた万丈目や明日香も、コイツの影響を受けておかしくなってしまったようだ。

 そして……。

 そいつは今、俺の目の前にいる。

「……俺に、何か用か?」

「御堂切……エドを倒し、私の預言を覆した者……その力を見せて貰いたいのですよ」

「早い話、デュエルしようってことか?」

「そうなりますねぇ」

「いいだ「待ってください!」アテナ?」

 俺が斎王の挑戦を受けようとした時、アテナが急に割って入ってきた。

「セツ……この人は、ダメです。良くない感じがします」

 それは、転生者としての嗅覚なんだろうか。しかし、奴が諦めるとも思えない……。それに……。

「……悪いアテナ。俺も、コイツとはデュエルするつもりだったんだ」

「で、でもセツ!」

「アルカナフォース……」

 俺の呟いた言葉に、アテナがハッとする。

「同じアルカナ使いとしては、その力を使って得体の知れないことやって欲しくはない」

「セツ……」

「そう言うことでしたら、わたくしがいないことには始まりませんわね」

 レッド寮から聞こえてきた声に、俺たちは振り向く。

「希冴姫!」

「セツ様。御心配をお掛けしましたわ」

 騎士甲冑姿でこちらに歩み寄ってくる希冴姫の足取りに、特に陰りは見えない。

「大丈夫なんだな?」

「ええ。御心配なさらずとも、わたくしは、必ずセツ様をお守りいたしますわ」

「我も行ける。久々に、切り札の騎士団、集結だ」

 

 

 

 

 

「……よし」

 斎王に向き直る。

「待たせたか?」

「いえいえ……こちらから不躾に挑んだのですから、準備に時間をかけることに、まさか文句など言いませんよ」

「そうかい。んじゃ、やるか」

 デュエルディスクを展開。希冴姫たちを加えたデッキをシャッフルしてディスクにセットする。

「「デュエル!!」」

 セツLP4000

 斎王LP4000

「私のターン、ドロー!」

 さて……アイツのデッキは、タロット……アルカナフォースデッキ。本来アルカナフォースは、その強烈なメリット効果とデメリット効果をコイントスによって決定する、不安定ながら爆発力の高いデッキ……。

「でも、剣山に聞いた話が本当なら……」

 “斎王は、運命を操る”

 正直眉唾もいいところだが、実際に自分にとって都合のいい方の効果を使ってきたのは事実らしいし……。

「私は『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』を攻撃表示で召喚。効果発動!」

 『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』ATK1300

 来たか!

 『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』のカードがソリッドビジョン上で回転する。

「ご存知かとも思いますが、私のアルカナフォースは召喚時、正位置か逆位置かでその能力が決定します。さあ、選んでください。貴方の運命を」

 良く言う。結局お前の思う通りに決めるんだろうに。

「……ストップだ」

 俺の宣言から僅かに惰性で回転したカードは、すぐにその回転を止めた。その結果は……。

「正位置! よって『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』の効果が決定! その効果は、相手が通常召喚する度に私の手札に存在するアルカナフォースを特殊召喚します! 私はカードを一枚セット、ターンを終了します」

「俺のターン、ドロー!」

 俺は手札を確認する。『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』の攻撃力は1300……俺の手札には攻撃力1500の希冴姫。だが……。

「どうしました? モンスターを出さないのですか?」

「っ……俺は『切り札の騎士―クィーン』を攻撃表示で召喚!」

 『切り札の騎士―クィーン』ATK1500

「この瞬間、『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』の正位置の効果が発動します! 私は手札から『アルカナフォースⅣ-THE EMPEROR』を特殊召喚!」

 『アルカナフォースⅣ-THE EMPEROR』ATK1400

 再び『アルカナフォースⅣ-THE EMPEROR』の頭上で回転を始めるカード。

「さあ、ストップの宣言を」

「ストップ」

「正位置です。よって『アルカナフォースⅣ-THE EMPEROR』の正位置の効果が発動します。私の場のアルカナフォースの攻撃力は500ポイントアップ!」

 『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』ATK1300→1800

 『アルカナフォースⅣ-THE EMPEROR』ATK1400→1900

「ちっ……」

 これで希冴姫の攻撃力を上回った……。

「なら俺は装備魔法『アルカナソード ハート』を『切り札の騎士―クィーン』に装備! カードを一枚セットしてターンエンドだ!」

 『切り札の騎士―クィーン』ATK1500→1000

「私のターン、ドロー! 私は手札から魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動。手札の『アルカナフォースXⅡ-THE HANGED MAN』を墓地に送り、デッキから『アルカナフォース0-THE FOOL』を特殊召喚! 回転を止めてください」

 『アルカナフォース0-THE FOOL』DEF0

「ストップ」

 カードの回転が止まり、『アルカナフォース0-THE FOOL』は逆位置の効果を得る。だが、コイツは珍しく逆位置で強力な耐性効果を得るモンスターだ。

「そして永続魔法『コート・オブ・ジャスティス』を発動します」

「な……」

「私はその効果により、手札から『アルカナフォースⅩⅧ-THE MOON』を攻撃表示で召喚! 効果発動!」

 『アルカナフォースⅩⅧ-THE MOON』ATK2800→3300

「……ストップ」

「またも正位置です。ふふふ、そろそろ信じて貰えましたか? 絶対的な運命を。我ら光の結社の力を」

「……ほざけ。こちとら、もうちょっとやそっとのことじゃ驚かないくらい周囲に毒されてるんでね。そのくらいじゃ驚かねえよ」

 とはいえ、状況は最悪。相手のアルカナフォースたちじゃ、『アルカナソード ハート』を装備した希冴姫を倒せないが、それでも相手フィールドには計四体。しかも“皇帝”の効果で攻撃力がアップし、“月”に至っては攻撃力3300。最早俺のデッキでは、それこそ『アルカナ ナイトジョーカー』くらいじゃないと倒しようがない攻撃力を持ってしまっている。

「そうですか。それは残念です。私はこれでターンエンドですよ」

 攻撃はしてこない。流石に、もうハートの効果は割れてるか。

「俺のターン、ドロー!」

 だが、アルカナでしか倒せないってんなら……、

「俺は手札から『切り札の騎士―キング』を攻撃表示で召喚! 効果発動!」

 アルカナを出せばいいってことだよな!

「デッキから『切り札の騎士―ジャック』を特殊召喚、魔法カード『融合』! 来いっ! 俺のアルカナ!『アルカナ ナイトジョーカー』を攻撃表示で融合召喚!」

『おおっ!』

 『アルカナ ナイトジョーカー』ATK3800

「ほう……これが貴方のアルカナ……私のアルカナフォースと、似て非なる存在……」

「行くぞ!『アルカナ ナイトジョーカー』で、『アルカナフォースⅩⅧ-THE MOON』を攻撃!『ロイヤル・ストレート・スラッシュ』!」

 アルカナの持つ剣が謎のカプセルを内蔵したようなモンスターを切り裂く。

「ぐぅっ!」

 斎王LP4000→3500

「俺はこれでターンエンド!」

「っ……やりますね。私のターン、ドロー! 私は手札から『カップ・オブ・エース』を発動! さあ、回転を止めてください」

 そのカードもそういう形で決めるのか……仕方ない。

「ストップだ」

「ふふふ、正位置です。私はデッキからカードを二枚ドロー! 今ドローした魔法カード『スート・オブ・ソードⅩ』を使用させていただきます。さあ、正位置と逆位置を選んでください」

「ストップ!」

「残念、正位置です。このカードの正位置の効果は、貴方の場のモンスターを全て破壊します」

「くっ!?」

 しまった、対象を取る効果じゃないから『アルカナ ナイトジョーカー』の効果じゃ防げない!

 アルカナが無数の剣で貫かれ、爆発四散する。

「っだがこの瞬間、トラップカード『アルカナソード クローバー』の効果を発動!『切り札の騎士―クィーン』を蘇生し、このカードを装備する!」

『セツ様をやらせはしませんわ!』

 『切り札の騎士―クィーン』ATK1500→2200

「攻撃力2200……なるほど、残ったアルカナフォースでは太刀打ちできませんね。私はこれでターンエンドです」

「俺のターン、ドロー! 俺はクィーンをリリースして『切り札の騎士団長―エース』を攻撃表示でアドバンス召喚!」

 『切り札の騎士団長―エース』ATK2000

「ほう。エドを倒したカードですか。興味深い」

『ほざけ。我らを見ることすら叶わぬ愚物が。切り捨ててくれる!』

「俺は装備魔法『アルカナソード ダイヤ』をエースに装備! 攻撃力300ポイントアップ!」

 『切り札の騎士団長―エース』ATK2000→2300

『ふっ……装飾剣、だが悪くはないか』

 一応お前らの宝剣だろうが。相変わらずだなお前は。

「エースで、『アルカナフォースⅣ-THE EMPEROR』を攻撃!『ジュエル・フラッシュ・ソード』!」

『煌めけ!』

「ぐぅぅっ!」

 斎王LP3500→3100

 『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』ATK1800→1300

「更に、ダイヤの効果でデッキからカードを一枚ドローする! カードを一枚セットして、ターンエンドだ!」

「私のターン、ドロー! 私は魔法カード『強欲な壺』を発動し……」

「させん! カウンター罠『マジック・ジャマー』! 手札の『アルカナソード スペード』を捨てて、効果を無効化! 更に、俺が手札を捨てた時、エースの効果が発動する! 一ターンに一度だけ、手札を捨てた時にデッキからカードを一枚ドローする!」

「ならば私は『コート・オブ・ジャスティス』の効果を発動します。手札から『アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE』を攻撃表示で特殊召喚、効果発動!」

 『アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE』ATK2400

「……ストップだ」

 もういい加減、その流れはわかっているので、さっさと回転を止める。やはり正位置。正直、普通ならイカサマを疑いたくなる光景だが、そんな感じではない。今更コインの裏表を自由に決められるくらいで驚きはしないが、困ることには違いない。

「行きますよ。『アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE』で『切り札の騎士団長―エース』を攻撃!『TEMPERANCEネイル』!」

『ぐっ……』

「エース!」

『も、問題ない。我のことは気にするな……っ!』

 セツLP4000→3900

「くそ、この瞬間、『アルカナソード ダイヤ』の効果を発動! デッキからカードを一枚ドローする!」

「私のバトルフェイズはまだ終了していません。『アルカナフォースⅢ-THE EMPRESS』でプレイヤーをダイレクトアタック!『EMPRESS ブレッシング』!」

「ぐああっ……!」

「セツ!」

 セツLP3900→2600

 後ろから心配そうなアテナの声。

「大丈夫、このくらいなら問題ない」

「私はこれでターンエンドです」

「俺のターン、ドロー!」

 幸い手札は潤っている。アイツの手札はゼロだし、なんとかやれないこともない。

「俺はカードを二枚セット。ターンエンドだ」

「ふふふ、私のターン、ドロー! 私は手札から魔法カード『大嵐』を発動。魔法・罠を全て破壊します」

「待った。カウンタートラップ発動。『魔宮の賄賂』相手に一枚カードをドローさせる代わり、魔法・罠の効果を無効にして破壊する!」

「では、お言葉に甘えてカードをドローさせていただきます」

「更に、魔法カードを無効にしたことで、手札から『冥王竜ヴァンダルギオン』を特殊召喚! 効果発動! 魔法カードを無効にした場合、相手ライフに1500ポイントのダメージを与える!『冥王咆哮』!」

 『冥王竜ヴァンダルギオン』ATK2800

「ぐっ!?」

 斎王LP3100→1600

「冥王竜……なるほど。これが御堂切のパーミッション……」

 しばらくヴァンダルギオンを眺めていた斎王は、すぐにターンエンドをする。

「行くぞ! 俺のターン、ドロー!」

 これは……。

「俺は『冥王竜ヴァンダルギオン』で『アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE』を攻撃!『冥王葬送』!」

「ぬぅぅ! しかし、『アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE』の正位置の効果で、私の受ける戦闘ダメージは半分になります!」

 斎王LP1600→1400

「わかっている。俺はこれでターンエンドだ」

「私のターン、ドロー! ふふふ……どうやら、運命は私の味方のようです」

「なに?」

「私は『コート・オブ・ジャスティス』の効果を発動します! 見よ! これが最強のアルカナフォース! 私は『アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD』を特殊召喚!」

 『アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD』ATK3100

「やばっ……」

 アイツの効果は……マズイ!

「ストップ!」

「無駄です! 正位置! バトルフェイズ!『アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD』で、『冥王竜ヴァンダルギオン』を攻撃!『オーバー・カタストロフ』!」

「くっ! カウンタートラップ『攻撃の無力化』! 攻撃を無効にし、バトルを終了させる!」

「無駄なあがきを……メインフェイズ2に『アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD』のモンスター効果! 二体のアルカナフォースを墓地に送り、次の貴方のターンをスキップします!」

「そんな!?」

 アテナが後ろで悲痛な叫びを上げる。

「さあ、もう一度私のターン、ドロー! 私は再び『アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD』で『冥王竜ヴァンダルギオン』を攻撃!『オーバー・カタストロフ』!」

『グオオオオオッ!?』

「くっ……ヴァンダルギオン!」

 セツLP2600→2300

「私は手札から魔法カード『死者転生』を発動。手札を一枚捨て、墓地の『アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE』を手札に戻し、ターンエンドです」

「くっ……俺のターン」

 かなり、マズイ状況……だが、この状況を打破出来るカードなら……ある!

「ドロー!」

 来た! このカード!

「斎王! 俺はまだ負けない!」

「ほう。この最強のアルカナフォースを前に、まだ自らの敗北を悟りませんか……」

「なら、こちらも最強のアルカナを出すまでだ!」

「なんですと!?」

「行くぞ! 俺は墓地に眠る四枚のアルカナソードをゲームから除外し、最後のアルカナソード、『アルカナソード ジョーカー』の効果を、ライフを半分支払って発動する!」

 セツLP2300→1150

「コイツは、デッキ、手札、墓地から『切り札の騎士』と名のついたモンスターをこのターンのみ特殊召喚することのできるカード。集まれ! 騎士たち!」

『この剣の下に……再び集う日が来たか』

『セツ様。必ず、何があってもお守りします』

『遂に、出すのですね。あのカードを』

『ほっほ。血が滾りおる』

『……俺に異存はない。やれ。セツ』

「五体のモンスターをいきなり……!?」

「更に俺は最後の手札を使う! 魔法カード『融合』を発動! 俺は、融合デッキに眠る最強の騎士を呼び起こす!」

 俺のフィールドの騎士たちが、それぞれの持つ剣を重ね合わせる。

「俺はフィールド上の、五体の騎士を融合!」

「五体融合!?」

「来い! 最強のアルカナ……『|切り札の騎士帝(トランプ・ナイト・ロード)―アルカナ ロイヤルジョーカー』!」

 『|切り札の騎士帝(トランプ・ナイト・ロード)―アルカナ ロイヤルジョーカー』ATK4500

「これが……最強の……」

「攻撃力……4500、だと?」

「行け!『切り札の騎士帝―アルカナ ロイヤルジョーカー』の攻撃! 『ファイブ・オブ・ア・カインド』!」

「くっ……! 私は手札から『アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE』を捨てて、ダメージを無効化します!」

「しかし、“世界”には消えて貰う!」

 アルカナの剣が、“世界”を切り裂く。一刀両断された“世界”は白煙を上げながら消滅していく。

「ぬっ……」

「俺はこれでターンエンドだ」

「私のターン、ドロー!」

 とりあえず、危険な“世界”は潰した……コイツの攻撃力なら、そう簡単には倒されないだろうが……。とにかく、このターンを凌げば……。

「ふふ……驚きましたよ。御堂切。やはり、貴方は私の予知を超越する……ですが」

「っ!?」

「やはり運命には勝てはしない! 私は『アルカナフォースⅠ-THE MAGICIAN』を召喚! さあ、最後の審判です。選びなさい。貴方の運命を……」

「……ストップ」

 俺が選び取った運命は……。

「逆位置です!」

 アテナの喜色に溢れた声。そう、確かに“魔術師”のカードは逆位置を示していた。

「どうだ斎王。これで……!?」

 ぎょっとした。斎王が嗤っている。そして、“魔術師”の背後に、別の影が見えている。あれは……。

「ククク……甘い。甘すぎますよ御堂切。私は最初のターンから、ずっとこの瞬間を待っていたのですよ。この、運命の瞬間を……」

「なにが……」

「トラップカード『アルカナコール』……フィールド上のアルカナフォースと、墓地のアルカナフォースの効果を入れ替えるカードです……」

「それがなんだって……ぁ」

 そういえば、最初の方の『ワン・フォー・ワン』で……。

『――私は手札から魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動。手札の『アルカナフォースXⅡ-THE HANGED MAN』を墓地に送り、デッキから『アルカナフォース0-THE FOOL』を特殊召喚!』

 THE HANGED MAN……“吊るされた男”……。

「そう……正に貴方を象徴するこのカードによって、貴方は破れるのですよ……私は、ターンを終了します……そして、この瞬間、『アルカナフォースⅩⅡ-THE HANGED MAN』の逆位置の効果を発動!」

 そうだ……“吊るされた男”は……逆位置がメリットになる……その効果は……。

「終わりですね。私のターン終了時、貴方の場のモンスター一体を破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを受けて貰います。さあ、貴方も私の下に来るがいい……御堂切!」

 ロイヤルジョーカーの効果は、手札を捨てることで自分フィールド上のカードを対象とする魔法・罠・モンスター効果を無効にして破壊する効果……だが。

「手札が……」

 ない。

「う、ああああ……」

『お、おお……』

 アルカナに次々と亀裂が走り、遂には爆散してしまう。

 キィーン……。

 爆風に飛ばされたアルカナの剣……それが、今。

「さあ、我が光の洗礼を受けよ!」

 セツLP1150→0

 俺の胸に、突き刺さった。

 

 

 

 

 




 アルカナ対決は斎王の勝利に終わりました。果たしてセツの運命やいかに!? というところで今回登場したオリカ紹介です。
・『アルカナソード ジョーカー』速攻魔法
 効果
(1)自分の墓地の『アルカナソード ハート』『アルカナソード スペード』『アルカナソード ダイヤ』『アルカナソード クローバー』の四枚をゲームから除外し、自分のライフを半分支払うことで発動する。自分のデッキ・手札・墓地から通常召喚可能な切り札の騎士と名のつくモンスターを出来る限り特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、ターン終了時に破壊され、その攻撃力の合計の半分をダメージとして受ける。

・『切り札の騎士帝―アルカナ ロイヤルジョーカー』 星11 光属性戦士族
攻/守 4500/3800
 融合・効果
 『切り札の騎士―エース』+『切り札の騎士―ジャック』+『切り札の騎士―クィーン』+『切り札の騎士―キング』+『切り札の騎士―テンス』
(1)このカードの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。
(2)このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードのコントローラーがカード効果によって受けるダメージは0になる。
(3)自分フィールド上のカード一枚を対象にした魔法・罠・モンスター効果を、手札を一枚捨てることで発動と効果を無効にし、破壊する。この効果は、スペルスピードを3として扱う。


 最後のアルカナソードと最強のアルカナです。ソードの方は、簡単に言えば『HEROフラッシュ』のアルカナ版ですね。ロイヤルジョーカーの方は、守りに重点を置いた効果になってます。体勢効果は通常アルカナの強化版。他のカードも守ることができます。ついでにスペルスピードが3として扱うので、カウンター罠以外ではチェーンできない特性もあります。
 それでは、悠でした!
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