ボクの名前は藤林光莉。九島 烈の孫であり、日本の国防陸軍に勤めている藤林響子の弟。四月からは国立魔法大学付属第二高校に入学することになっている。元は第一高校に入学する予定だったんだけど……第一高校の生徒会長を調べて…第二高校に変える事にした。
それにあの生徒会長が第一高校に通っているということは妹たちも確実に第一高校に入学することになるだろうからね。あの妹たちと会うのだけは勘弁したい。それにあっちもボクには二度と会いたくないんじゃないかな。これは本人たちに確認したわけじゃないけど多分そうだと思う。それほどボクは彼女たちに恨みを買っている。
姉さんほど優秀ではないけどボクもそれなりに…魔法が使える。一応、今年の国立魔法大学付属第二高校の入学生の中でTOPの成績を残したらしい。そのせいで生徒会の人たちから勧誘をされたけど…丁重にお断りをした。ボクは高校生活をのんびりと送りたいのだ。それなのに生徒会に入ってしまったら仕事に追われて、のんびりと高校生活が送れなくなるからね。
そんな感じで高校生活への少々の期待と少々の不安を持ちながら今日も生活している。
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藤林家 実家
自分の部屋から居間に行くとそこには見覚えのある人が座っていた。
「姉さん、帰っていたんですね」
ボクの姉である藤林響子が珍しく実家にいた。
「うん。光莉が第二高校に入学する前に帰って来れて良かったわ。光莉に渡したい物があったのよ」
「渡したい物とは何ですか?」
「これよ」
テーブルの上に置いてあった箱をボクの方に差し出した。箱を開けてみると中に入っていたのは……如何にも高級そうなネックレスだった。
「ネックレス」
「多分、第二高校の入学式の日は行けないと思うから今のうちにね。少し早いけど入学おめでとう!」
別に入学祝なんて…良いのにと思いながらも姉さんから贈り物を貰うのはとても嬉しい。色々な人から入学祝という名目で色んなものを貰ったけど……その中で一番嬉しいね。
「ありがとうございます!」
「お礼を言われるようなことじゃないわ。姉が弟に入学祝を送るのはごく普通のこと」
「…一生大切にしますね」
姉さんがボクに贈り物をしてくれるなんて片手で数えきれるほどのことしかない。昔のボクと姉さんは会話をする事も少なくて…両親から「光莉と響子は仲悪いの?」と心配されたほどだ。それじゃあ、何で今のような関係性になって来たのかと言えば…色々とあったからだ。
「………何か欲しいものある?」
姉さんがボクに何か欲しいものある?なんて聞いたこと今まで無かったと思う。ボクは驚いてすぐに答えられることが出来なかった。
「急にどうしたんですか?」
「いや……何でもないわ。それよりこれからどこか出かけに行かない?」
「良いですけど……姉さんこそ良いんですか?」
「何が?」
「折角の休みをボクと一緒に過ごして…もっと友達とかと一緒に買い物に行ったりした方が良いんじゃないですか?」
「友人より実の弟との時間を優先するに決まってるでしょ」
「そうですか……」
「それじゃ…十分後に玄関で…」
そう言い残して姉さんは部屋から出て行った。姉さんと一緒に買い物に行くのはもう数年ぶりになるかもしれない。姉さんは忙しいから実家に帰って来る機会は少ないからね。
姉さんとの買い物は久し振りでとても楽しかった。また、姉さんが暇な日に行けたらいいなとボクは思ったりした。