さてベルタは出て行ってしまったし、彼女の持ってきた書類を読むか。
この書類は、彼女が情報収集をして得たとある情報を纏めたものである。
ちなみに、とある情報とは……私が後に立ち上げる予定の派閥、皇道派に貴族や騎士達が所属する可能性があるかどうかという情報である。
「ふむふむ……なるほど」
皇道派に所属する可能性の高いのは主に文官としての能力が高い貴族が多い。逆に武官の能力が高い騎士は皆、可能性が低い。やはり指揮権の統一が響いてるのかな?
まだこの世界は封建制度が主流である。そんな中、急に自分の土地の軍の指揮権を寄越せと言っても無論拒否される。
軍事面で支配者階級にいる騎士は尚更軍に指揮権を渡したがらないだろう。
だが……公地公民制は絶対に必要だ。公地公民制にすることで皇帝を中心とする強固な中央集権国家を作らなければ……この大陸の統一ひいては……私の野望も叶わない。
「にしても、私たちに味方する可能性がある貴族はみーんな中級に下級更には没落貴族……物資は少ないし……軍事力も低い……はぁ、どうにかする方法はあるけど……辛いことには辛い」
ん? ドアをノックする音が聞こえる。こんな朝から誰だろう? ベルタはさっき出て行ったから違うだろうし。
警備の人達が止めないってことは怪しい人では無いんだろうけど。ま、とりあえず入れますか。
「入って良いぞ」
「失礼します、アレクシア様」
騎士の鎧を着た、黒髪の背の高い少年が入って来た。
あぁ……私の親衛隊の……隊長のアレックスだ。
いや、彼は(戦時は)優秀ではある。ちょっと……ちょぉぉぉっと思想が過激で普段はバカなだけで。
「で、私に何の用かしら?」
「先程、道でたまたまベルタ殿に会いまして……多分アレクシア様が困ってるから良かったら助けて上げてと言われたので参上した次第です」
「あ、あぁ……そうか」
ベルタァァァァァァァァァァッ! 裏切ったなこの野郎ォォォォ!
スーッ、ハァー。深呼吸、深呼吸……ヨシッ。偏見は良くないネ。うんうん、今回はまともかも知れない。
「アレクシア様は多分、戦力が足りなくなる事で困っていると思います……なので、最強のアイテム1個で敵部隊全部を壊滅させる方法をご用意しました」
「ほう……言ってみなさい」
本当に今回は……
「まず、ヴィクトリア帝国の地下に穴を掘ります」
「うん?」
「そしてその地下に大量の爆薬を入れて……ヴィクトリア帝国の土地ごと吹っ飛ばせば解決ですよ!」
……期待した私もバカだった。
「はぁ、ベルタ」
「はい、アレクシア様」
なんとなく呼んだらベルタが出てきた。あれ? この子私の部屋から離れたはずじゃ……そっか魔法か。そうだよな(諦め)
「こいつを摘み出せ」
「了解しました」
「ベルタ、お前、どうして。俺たち……仲間だよな?」
「……さぁ?」
清々しい裏切りと笑顔を見た。
「ベルタァァァァァァァァァァ!」
哀れアレックス。私の部屋から投げ飛ばされた……ベルタさん容赦ない。
「さようなら、親衛隊隊長アレックス。君のことは忘れない」
「いや、俺まだ死んでないっすよ!」