ウマ娘—Dreams continue!— 作:流星の民(恒南茜)
正しい表記の「ダイヤちゃん」に修正します。よろしくお願いします。
さて、遂にチーム・ベガのメンバーとの顔合わせか…。
正直緊張しているのか、足が震えているのを感じる。
何だかデジャブを感じつつ、今日も校門の前に立つ。
では、行くとするか…。えい、えい、むんと、自分を震い立たせ、校門をくぐる。
気合を入れつつ、やってきた部室の外観は入り口にベガと書いてある点をのぞけば、他の部室と全く変わりなかった。
ガヤガヤと中から話し声が聞こえるドアをコンコンと2回ほど叩く。
途端、収まる話し声。
ひたすら鳴り続ける胸を押さえながら、遂に俺の愛馬達とのご対面か、と一度深呼吸をした。
そして、思い切ってドアを開ける。
途端、かなりの視線を感じた。
緊張のあまりか閉じてしまった目を開けると、目の前に二人の少女が映る。
その中の、俺に1番近い位置にいた、栗毛の少女が口を開く。
「あなたが、私たちのトレーナーさんですか!?」
「あ、ああ…。そうだ。」
予想外の大声に怯んでしまうが、何とか、返事をする。
「おい、バクシン。もう少し、穏やかに歓迎してやれよ。新人がビビっちまうだろ。」
その時、端で様子を見ていたニット帽の少女が言葉を発した。
「悪りぃな、新人。またこいつが暴走しちまって…」
「お!?新人トレーナーか?」
と、ニット帽の少女が話しているのに、割り込むような形で後ろから声が聞こえてきた。
思わずそちらの方を見ると、濃い茶髪の少女が鋭い目つきでこちらを見ていた。
そんな彼女の姿を見た、先程の栗毛の少女が
「ドゥラメンテさん!いきなり大声を上げないでください!風紀が乱れます!」
といきなり大声を上げた。いやいや、大声出してんのどっちだよ、とツッコミたい気持ちは山々だったが、
「おい、バクシン…今日こそは、どっちのがうるさいのか論争に決着をつけようじゃねぇか…トレーナーもいることだし、な。」
ドゥラメンテと呼ばれた少女が鋭い目つきでこちらをチラリと見たかと思うと、バクシンの方に向きなおす。
「二人とも、一旦…」
喧嘩が始まりそうな雰囲気を感じて、止めようと口を開こうとした時である。
ニット帽を被った少女が
「おい、お前らそこまでだ!」
と声をあげ、二人の仲裁に入った。途端、しゅんと項垂れる二人。
「悪いな。新人、急にこんな場になっちまって。ほら自己紹介しようぜ。」
と少女が二人に自己紹介を促す。
口火を切ったのは栗毛の少女だった。
「ハイ!私は、学級委員長!サクラバクシンオーです!学園の風紀は私が守ります!」
と、先程の項垂れようはどこへやら、大声で自己紹介をする。
いや、なんかこいつが風紀を乱してそうだな、と考えるのも束の間、続いて、ドゥラメンテと呼ばれた少女が口を開く。
「…私は、ドゥラメンテだ。よろしくな。新人。」
と簡潔に自己紹介が終わる。
他には特に何も言わないのか…と思う気持ちもないではないが、先程の注意によるショックか少し拗ねているようにも見える。
そして、最後にニット帽の少女が自己紹介をした。
「…で、私がナカヤマフェスタだ。まあ、結構クセが強いのが多いけどさ、みんないいやつだから、よろしくな。新人。」
そういえば、俺の自己紹介がまだだったな、と思い口を開く。
「みんな、自己紹介ありがとう。サクラバクシンオー、ドゥラメンテ、ナカヤマフェスタで合ってるか?」
と一人一人の名前を確認する。幸い、間違っていなかったようで、全員が頷いたので、話を続ける。
「わかった。んで、俺の苗字は西岡だ。今年の春から新人トレーナーとして、まあ…色々あってここに配属された。とにかく、よろしくな。いいチームにしよう。」
と、何とか舌を噛まずに自己紹介を終える。
申し訳程度に拍手をしてくれたのがナカヤマフェスタだけだったのに少々悲しみを覚えるが、これぐらいでしょげている場合ではない。
まずは、チームメンバー補充の旨を伝えなければ。
「それでだ、みんな、とりあえず聞いて欲しいことがある。このチーム・ベガについて何だが、現状のチームメンバー三人の状態だとトゥインクルシリーズに出走登録ができない上にチームとしての運営も厳しい状態だと言うのは知っているか?」
と問うと、ナカヤマフェスタが頷き、他の二人は驚いたような顔をする。
まじか、と少々不安を感じながらも、話を続ける。
「だから、チームとしての出走登録ができる五人を目標として最低でもあと二人メンバーを集める必要がある。それで、現在この学園で活躍しているウマ娘の多くはどこかしらのチームに所属している以上、新入生からメンバーになってくれる生徒を探していくしかない。それでだな、今日の模擬レースで新しいチームメンバーを…」
「体力テスト!?おい、新人、もう時間だよ、急げ!」
急に叫び出すナカヤマフェスタ。
促されるままに、時計を見る。確かにもう、開始時間のようだ。
…落ち着いている場合じゃなくね?
「すまん、みんな、とりあえず行ってくる!」
と、部室を飛び出していく俺の視界に、呆れたように、やれやれと首を振るナカヤマフェスタと、立ち上がって手を振るバクシン、そして腕組みをしているドゥラメンテが映る。
…少し雲行きが怪しいな。
と、一抹の不安は抱えつつも、体力テストがおこなわれる、学園内のレース場に向かって、俺は駆け出した。
———————————————————————
——————————
—————
———
コースに着くと、すでに体力テストは始まっていた。
かなりレース場に近い…といえども、流石にスタンド席まではないので、取り敢えず、脇の柵の外で見学する。
周辺に立っているのは一般観衆ではなく、襟の辺りにトレーナーバッジをつけた人物達、要はトレーナーだ。
とはいえ、人数制限の影響かはわからないが、数えられるほどしかいない。
さて、模擬レース兼体力テストではあるが、この学校のものはかなり本格的だ。
数人一斉にスタートし、実際にコースを一周して、その記録を計る。
最初の数レースを見逃してしまったようだが…むしろそれぐらいで済んだことに感謝するべきか。
そういえば、昨日の二人はまだ走っていないのか、と思い出走の待機列を見ると、キタサンブラックとサトノダイヤモンドの二人は、まだ列に収まっていた。
観客として…ではなく、しっかりと見届け、評価せねばと、手元のボードにメモできる体制を整える。
その後、何レースか続くが、流石中央。レベルの高いレースが続き、全く飽きさせない。
そんな中、二人の出走する番が来たようだった。
ゲートに収まるウマ娘達。
——さて、どんな走りを見せてくれるのか。
やはり、この高鳴る胸の鼓動は、模擬レースだろうと…変わらない。
ゲートが開き、皆一斉にスタートする。
スタートして、数瞬、一つ抜きん出る影。
先頭を奪ったのはダイヤだった。
それに対して、キタサンは後方集団で足を溜めているようではあったが、前方集団との距離はみるみるうちに開いていく。
これは、あくまでも模擬レース。
本来のレースと比べると、相当に距離は短い。
それに、先頭で逃げるダイヤの脚もかなりのものだ。
並の足じゃ、差し切るのは難しいのではないだろうかと、考えた時だった。
後ろから一気に上がってくる影があった。
…キタサンだ。
一気に二番手まで躍り出ると、先頭を捉えたのか、さらに速度を上げる。
近づいてくる足音に気づいたのか、一瞬、ダイヤがちらと後ろを振り向くような素振りを見せるが、彼女は至って冷静だ。
しかし今、一瞬体制が崩れていた。
初めてのレースの緊張と焦り。
逃げという作戦を取ってしまうのも、スタミナが温存できていないのも、仕方のないことだ。
それでも彼女が先頭を走り続けることができているのは、鍛え上げられたスタミナとパワーによるところもあるだろうが、何より圧倒的なのは…彼女自身の鋼鉄のような強い意志。
彼女の能力的には、逃げよりも差しや先行の方が向いているような気もしないでもないが、そうだとしても、ここまでの走りを見せる彼女には決して並のウマ娘では敵わないだろう。
だが決して、後ろから食らいつくキタサンは、並のウマ娘ではない。
決して崩れない美しいフォームと、地面を踏みしめる脚の力強さ。
恐ろしくなってくるほどに、力強い彼女は、しっかりとダイヤを捉えている。
食らいつくキタサンと、先頭をキープするダイヤ。
どくんと一瞬、心臓の鼓動が大きくなったのを感じたその時、
キタサンがさらに速度を上げ、二人の影が重なった。
どくん、どくんと段々と速く、大きくなっていく心臓の鼓動。
高まっていく緊張感。
しかし、どちらかが先に出るということはない。
一歩キタサンが前に出ると、今度はダイヤが前に出る。
ペンを握りしめる手は、汗に濡れ、思わず声援をあげてしまいたいほどだった。
そして、ゴール板の前を重なるようにして、駆け抜けていった二人。
誰もが、呆然としていた。
もう結果なんか、今は関係がなかった。
——今のレースを魅せてくれた二人をスカウトしたい。
この胸の高鳴りを信じて、俺は肩で息をしている二人の元へと向かった。
—————————————————————————
…幸い、先客はいなかったようだ。
少し、胸を撫でおろし、俺は彼女たちに向きあう。
「なあ…君たち、チーム・ベガに入らないか?」
こちらに気づいたようで、少し驚いたような素振りを見せながらもこちらを向く少女達。
「「昨日のトレーナーさん…?」」
そろって声をあげる二人。
「ああ。今の二人のレースは素晴らしかった。キタサン。お前のその脚の溜め方、そしてあの差し方をとってもだが、ダイヤ、お前の最後まで耐え抜くことを可能にした君のスタミナと意志力は見事なものだった…。だからこそ、お前ら二人をスカウトしたいんだ。」
と一気に語ってしまい、どうだろうか、と二人の様子を伺う。
「あたしたちを…ですか!?」
キタサンの方は一瞬、驚いたような素振りを見せてはいたが、かなり乗り気といった様子ではあった。
…しかし、ダイヤの方はというと、少し俯いて何かを考えているようだった。
「理由は…それだけですか…?」
突然呟くように、ダイヤが言葉を発した。
…どういうことだ…?
一瞬、言葉の意味がよくわからなくなる。
もう少し細かく、今回のレースを、お前らの評価を、口にした方が良いのか?
もう一度、口を開こうとした時だった。
遮るように、ダイヤが言葉をつなげた。
「私が…証明して欲しいのは、あなたから知りたいのは、そんな評価などではありません。」
決して、大きな声ではないが、はっきりと通る彼女の返答。
「ダイヤちゃん…?」
困惑したような声をあげるキタサン。
それに答えるように続けて、言葉を紡ぐダイヤ。
「…私には目標があります。G1レースで勝つという…家族の悲願でもある目標が。そして、絶対にそれを叶えて見せるという覚悟を持って、私は生きてきました。そして、サトノ家が最も重視しているものは…強い意志、そして覚悟です。だからこそ、私は知りたいのです。あなた自身の想いを。」
…そうか。俺が彼女たちをスカウトしたい、と言った時に理由としたのは只の理屈だった。
しかし、俺が彼女たちをスカウトしたい、と思ったのはそんな理屈からだっただろうか。
先程のことを思い出す。
…いや、違う。俺はあのレースを見て感じた胸の高鳴りを、興奮を、あの、全身が沸き立つような熱い想いを…感じた’’何か’’を感じて、彼女たちをスカウトしたいと思ったんだ。
なら、あの時の気持ちを、そのまま…伝えなければ。
「...確かにな。ごめん。今の言葉で、気づいた...いや、気付かされたよ。俺が、お前らに伝えるべきなのはそんな理屈じゃないって。さっきのレース、キタサンもダイヤも一歩も譲らなくて、すごい接戦だったろ?俺は…すごいワクワクした。君たちの一着を掴みたいっていう気持ち、そして、お互いがライバルとして、全力でぶつかり合っている姿…何というか、すごい眩しかった。輝いてた。」
一度、深呼吸をし、二人を見据える。
「…だからこそ、俺はお前らの可能性を…輝きを見たい。頼む…。チームベガに、入ってください。」
何とか言葉になった想いを全て、吐き出し、頭を下げる。
俺が彼女たちにここまで惹かれているのは、彼女たちの魅せた輝きが、あの日、レース場で見たものと同じものだったからだろうか。
絶対に負けないという、強い信念を、持つものだけが…ここで、今輝きたいと、そう思っているものだけが放てる輝きを…俺は、今、もう一度見ることができた。
まさに、今見た、輝きのその先の…未来を…夢のつづきを…きっと、彼女達ならば、創れる…。
それを近くで、見たい。
いや、共に創り上げたいんだ。
「…あなたの気持ちはわかりました。ですが…一晩だけ、考える時間を…ください。」
「…ダイヤちゃん」
と、何だか答えは知っていたというように、キタサンが呟く。
「…ごめんなさい、私にも考える時間をください。少し、ダイヤちゃんと話し合ってみます。」
…返答は曖昧なものだった。
否定的とも肯定的な言葉とも取れない言葉に、少し声を詰まらせるが、
「そうか…。わかった。話を聞いてくれてありがとう。決まったら、知らせてくれると助かる。俺は、基本部室にいるから。」
と、何とか、言葉を吐き出す。
考える、というのならば、それは仕方がない。
チームを決めるという行為は彼女達の今後を左右する。
一番尊重すべきは彼女達の意見だ。
軽く会釈をし、また柵のところで観戦の続きに戻る。
しかし、不思議なことに、その後のレースは、全くといっていいほど頭に入らなかった。
———————————————————
——————————
—————
———
「ねえ、ダイヤちゃん、なんであの人だけに聞いたの?」
夕食時の喧騒の中、食堂のテーブルの一角でキタサンがダイヤに聞いた。
「…やっぱりキタちゃんには全部見抜かれちゃうね。実は私、走っている時に一瞬だけ見にきてたトレーナーさん達の顔を見たの。それで、何というか私たちのレースを見て、あのトレーナーさんだけが、楽しそうに…っていうかな?ワクワクしてるって感じだったんだ。それで、スカウトしにきた時、どういう風にスカウトしてくるのかな?って少しだけ期待していたんだけど、出てきた言葉が割とありきたりなものだったから…。それでつい、あんな言葉が出ちゃったの。」
「なるほどね…。そこまで見てたんだ。…それで、どうするの?チームベガに…入る?」
「うん…。その事なんだけどね。なかなか、決まらなくて…。他にも魅力的なチームはあるじゃない?まあ、チームスピカは人数制限で入れないけど…。」
その時だった。
「ん〜?チームスピカがどうしたって〜?」
と急に背後から声が聞こえてきた。
その声に真っ先に反応し、後ろを向くキタサン。
「ひっさしぶり〜!キタちゃん!サトちゃん!」
と明るい声で話しかけるトウカイテイオーと
「全く!すぐ二人に絡むんですから…。それに一日ぶりでしょう…。」
と呆れた様子のメジロマックイーンがそこには立っていた。
「テイオーさん!」「マックイーンさん!」
と反応する二人。
「それで…何か悩み事?ボクたちでよかったら相談に乗るよ?」
と少し真面目な顔をしながら、二人の向かい側に座るテイオーに釣られるような形でマックイーンも席に座る。
「はい…実は、今、どのチームに入るべきか迷っていて…。」
——————————————————————
「なるほどねぇ…それにしても面白いトレーナーだね…。何というか…ボクがスピカにスカウトされた時を思い出すなあ…。あの時は、ず〜っと、テイオー!チームスピカでならお前の夢を叶えられる!って言って勧誘されてて…。」
「でも、テイオーがスピカに入ったと聞いた時には驚きましたわ。あなたは、リギルに入りたいと、ずっと言っていましたし。」
「逆に、ボクもキミがスピカに入ったって聞いた時はびっくりしたよ。あれは…ゴルシに勧誘されたんだっけ?」
「コ、コホン…そういえばそんなこともありましたわね…。」
「顔、赤くなっちゃってるよ〜、マックイーン。あ、そうだった。で、相談に乗るんだったよね…。ごめんごめん。」
と、目的を思い出したテイオー。それまで笑いながら、テイオーとマックイーンのやりとりを見ていた二人も真面目な顔つきになる。
「それでさ。結局そのままトレーナーの勧誘に乗ったんだけど…後悔は…してないよ。何というか…ボクたちのトレーナは…”夢”を大切にしてた人だったなぁ。自分の夢も、ボクたちの夢も…ね。キタちゃん達をスカウトしたトレーナーも夢について語ってたんだよね?」
と、テイオーが問う。
「はい」と返事をしながら頷く二人。
「そうやって、夢を持ってる人…夢を重ねられる相手、トレーナーでも、ライバルでも…それってとっても大事なものなんだよ。」
頷きながらテイオーの言葉を繋ぐマックイーン。
「ダイヤさん、あなたはそのトレーナーさんにだけ、質問をしたと言っていましたわね?何かを…そのトレーナーさんに感じた。何かに惹かれたと言うのならば…それは、きっとあなたたちにとっては大きな判断材料になると思いますわ。とにかく、チーム選びというものはあなた達にとっては大きな分岐点…後悔のないようにはするべきですが…感じた何か、といった曖昧な判断材料であったとしても信じてみて良いとは思います。」
話を聞き終えた二人は少し考えるような素振りを見せる。
「感じた何か…それでも大きな判断材料にはなるのですね…。ありがとうございました、マックイーンさん、テイオーさん。」
「夢を重ねられる相手…ですか。ありがとうございました。テイオーさん!マックイーンさん!」
何かを言葉から感じ取ることができたのだろうか。
何だか、二人はかなりすっきりしたような表情を、浮かべていた。
「そっか、まあ、何だかすっきりしてくれたみたいでよかったよ。それにしても、キミも良いこと言うじゃん、マックイーン?」
「テ、テイオー!?コホン…。あ、貴方もなかなかでしたわよ…。」
急に褒められて照れたのか赤面する令嬢をニヤニヤしながら見つめるテイオー。
「まあ、可愛い後輩の悩み事だもん。いつでもワガハイが相談にのってしんぜよう!はは...なんちゃってね。じゃ、二人とも、また今度、夕飯でも食べようね。」
と、手を振りながら、席を立つテイオー。
そんな彼女達を二人も、手を振って見送る。
「それにしても、ダイヤちゃん、やっぱり、テイオーさんってかっこいいね!」
「マックイーンさんの方も、ね!」
「...確かに、面白いトレーナーさんだった。...入ろうか?キタちゃん。」
「ふふっ。私も!そう思ってたところだったよ!」
と、最後には、笑い出す二人。
やがて、席を立つと、二人はしっかりとした足取りで、出口に向かって歩みを進めるのだった。
次の日、朝の日差しに照らされる中、ベガと書かれたドアを二つの手がノックした。