般若†無双 ドキッ!情報戦で有利を取ろう!カヤクもあるよ   作:ハエ缶

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第七話

時は少し遡り、間道待機中の張遼軍に移る。

張遼に話しかけているのは、張遼の副官であり名を祖雛という。

 

「張遼様、程遠志殿の部下より敵意のこもった視線を感じているのですが...」

「あぁ...気にせんといてや。十中八九ウチの過失やから仕方ない、作戦の立案は遠やんやったから作戦中は安心しとってええから」

「そういう事でしたら...「張遼将軍」」

 

ウチが祖雛と話しとったら、後ろから声をかけられる。

声をかけて来たのは...

 

「確か双淵やったな?」

「はい、程遠志隊第二小隊を率いています、名を双淵と申します」

「ちゅうことは、向こうで準備しとるんが第五小隊を率いとる辛紀でええんか?」

「はい、間違いありません」

「んで?何の用やったん?」

 

ちょっと挑発を混ぜつつ問うても、向こうはのらりくらりと躱して何食わぬ顔で返事を返してくる...やらしいなぁ。遠やんのとこのやから弱い事はないやろけど、これといって強者っちゅう雰囲気もない。

 

「作戦の確認を」

「ふぅん?確認する程あったん?」

「この密林の中を進んで来るであろう敵に対し、将軍が先制攻撃を仕掛ける手筈になっております。護衛に我隊の輪楊を預けますので良い様にお使い下さい、彼は我等の中でも一番弓が上手いので役に立つかと。それとは別に攻めいるタイミングと、その後の偽装撤退のタイミングをお教え願います」

 

偽装撤退(戻ってくる)タイミングを聞きたいっちゅうんはわかるんやけど、攻め込むタイミングを知りたいんは何でや?....え、ウチらも巻き込まれるん??

 

「...?

将軍を巻き込むには目撃者が多すぎますので、安心して下さって大丈夫ですよ?」

「!?」

「しょ、将軍!お下がりを!?」

 

と、当然の様に言いおった!アカン!冗談やないで、祖雛も本気で受け取りおった。このままやったら内部崩壊まっしぐらや!

 

「御乱心ですか?」

 

な、何でそんな普通のことのように真顔で普通に言えるんや!?

 

慌てて祖雛の前に飛び出して、祖雛を背に隠す。そのまま双淵の肩に手を置いて、圧をかける。

 

「アカンアカン!!祖雛下りや、双淵も冗談やんな?な!」

「.....「な!!」はぁ、そうなのかも知れません」

 

「な!な!双淵も冗談やって、祖雛も納得してちょっと離れとき?な!」

 

双淵の言葉が免罪符って事で、祖雛を引き離そうとするけど...アカンわ、全然納得してそうにない...

 

ドォン!!!

ドォン!!!

ドォン!!!

ドォン!!!

 

「!?な、なんと音や!」

「将軍!合図です!これが程遠志様からの合図です!早急に出陣を!!」

「なんやて!?祖雛!準備は?」

「無事完了しておりますが、些か先程の轟音により浮き足だっております」

 

チィ!双淵が出撃のタイミングを気にしてたんはこれがあったからか!ウチが空回ってただけやないか....

 

「静聴!出るで!どうせ全責任は程遠志が持つ!ウチらはウチらで好きにやるでぇい!.....突撃やぁ!!」

「「「おぉ!!!」」」

 

______________________________

 

どれくらいたった...後どれくらいで接敵するんや

 

「将軍!敵影を確認、敵将の姿は見れません!敵その数約2000!」

「よし来た!敵の横っ腹を食い破んでぇ!根性見せろや!」

「「「おぉ!!!」」」

 

まずは陣形を作らせる前に突撃する。

数を減らすんやない、浮き足だった敵を更に浮かせて反転してただただ....殺すんや。

 

「な!?接敵だ!旗は張旗!張遼だぁぁぁ!!」

「気安く呼ぶなや、死んどきや」

 

通り過ぎ様に一閃。これで、5人目か

チィ!それにしても、もう気付かれてもうたか...奇襲かけた言うんにタイミングが悪かったか、敵の横陣を期待してたんに単縦陣。悔やんでも遅いか

 

「全員、ウチに着いてこい!」

 

一度斜めに抜けて再度突撃かける!その後適当に引き付けながら下がんで...

 

「祖雛!前列を後ろへ回しぃ、回復させるんや。祖伏!中列、後列を持ってこいや」

「「はっ」」

 

四半刻掛からん位で、列を入れ替え終わる。

その時間にも、曹軍別働隊は段々と立て直し始めていた。

 

「祖雛、敵将の姿は見れんかったんよな?」

「その様でしたが...?」

「ふぅん、旗は夏侯淵のモノだけやったけど...御使いでも混じってんか?」

「将軍、入れ替えが完了しました」

 

見れば、完全に入れ替え終わっていた。

御使いがおんのやったら、長居は良くないなぁ...

 

「第二突撃に入んでぇ!気ぃ抜くなやぁあああ!」

「「おぉ!」」

 

数が減ったんがよぉ分かんで、でも...

 

「誰かウチを止めてみぃ!!」

 

止められる訳にはいかんねん

 

ヒュン!

 

サッ!

なんや今の!避けれたんは偶然やで....

 

「ほぉ、避けたか。死にたがりかと思っていたが違ったらしいな、だがここ迄だ!神速の張遼だな、華琳様の命により貴様を捕縛してこの間道を抜かせて貰うぞ!」

「夏侯淵やな、ウチのことを知ってる何てウチも有名になったもんやで。捕縛される訳にも、抜かせる訳にもアカン。ちっとここで退かせて貰うで....退却や!活路を開いて関に戻んで!」

「逃すとでも?」

「押し通ったるわ!輪楊!」

 

急いでんねんからまともに殺り合う訳無いやん。

 

ヒュン!

 

「な!?」

「勝負はお預けや!急いでんねん!」

 

合図を出し、輪楊の矢に夏侯淵が怯んでいるのを確認し横を走り抜けた。

 

____________________________________

 

現在我々は既に密林の中に、仕掛けを配置しており後は将軍が戻ってくるのを待っている状態でした。

近くに我々の他に、第五小隊の面々と...あれは周倉ですか?

なぜここに周倉がいるのかは分かりませんが、我々の出来ることをやりましょう。そういうの時にちょうど良く、物見に出ていた部下の飛賤が戻ってきました。

 

「双淵隊長、張遼軍が戻って来ています。その後ろを追いかける夏侯淵の姿も目視出来ます」

「わかりました、夏侯淵さんを殺すには後が良くないです。夏侯淵さんが抜け切った瞬間を狙いましょう、辛紀さんに伝令を。あと近くに周倉さんの気配がありますので、捕縛は任せてしまいましょう」

「はっ。それと御使いの姿も確認出来たそうですが、夏侯淵だけ生かすと言う事でよろしいのでしょうか?」

「えぇ、構いません。程遠志様より、『殺すも生かすも殺すも自由にしろ。殺した場合は褒美を出そうと思っている。あくまで強制ではない、殺すも生かすも殺したっていい』と言われている。進んで殺そうとしなくて良いが、生かそうとせずとも良い。生きるも死ぬも奴次第です」

 

ここまで話せば、納得したのか飛賤が辛紀の元へ向かって行くのを見送ります。

 

それから半刻程で、ここからでも将軍等が密林を抜けるのが見えます。

後少し...張遼将軍が抜け、配下の兵が抜けるのが見えて、夏侯淵さんが今抜けそうです。

 

「作戦は必ず成功します、我等が勝利を近づけましょう。

さあ、合図を!」

 

ドォン!

 

それは一瞬で爆発し、一気に燃え広がりました。

合図で起爆し、要所要所に仕掛けていた火薬や枯草に燃え広がりました。今ではもうすでに止め処無く燃えあがり、轟々と音を立てています。

あの中に取り残された者が居るのですれば、誰も生き残れていないでしょう。

 

視線を夏侯淵さん等の方に戻せば、周倉が気配を更に薄め唖然と火を見つめる夏侯淵さんを捕縛しているとこでした。

如何に夏侯淵さんと言えども、まだまだ経験が足りない様ですね。この程度で呆然としていれば後が困るでしょうに...

 

「皆さん、周倉が夏侯淵さんを捉えた様です。

我々も下がりますよ、こんな死に方では程遠志様に合わせる顔がありませんよ。辛紀のとこにも、一度泗水関に戻る様伝えて下さい」

「はっ!」

 

あぁ...今度こそ程遠志様は褒めて下さるでしょうか、先の諜報では良い情報を持ち帰れなかったとはいえ今回は上出来の筈....

 

「田維、張遼将軍には今後の我々が一度戻る事と、後は自由にするよう伝えて来て下さい。ついでに輪楊の無事の確認もです」

「はっ」

 

「双淵隊長、辛紀隊長より伝令が」

「聞きましょう」

「御使いの身柄を拘束したとの事です」

 

聞いた瞬間に疑いたくなりましたが、我々は程遠志様の部隊でも1、2を争える程に諜報に優れている。これを疑う事即ち程遠志様の泥をつける事と同義、認めねばならないでしょう...認めますとも

 

「そう、ですか...良いでしょう、我等は程遠志様の元へ急ぎましょう」

「はっ」

 

それでも、褒めてもらえれば良いのですが....はぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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