無限と問題児   作:蛇龍好き

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サブタイは2話分になりそうなので急遽前編後編に変更致しました


無限王はストーカー!?前編

「御三人様、御無事ですか!?」

 

「………ええ、なんとか」

 

「………うん」

 

黒ウサギの言葉によろよろと立ち上がりながら応える飛鳥と耀。

服についた土を払ってまず飛鳥が声を上げる。

 

「な、なんなのよあの子供は!?ガキ扱いするわ殺気振り撒いたと思ったら帰るって何がしたかったのよ!」

 

「………思い通りにいかなくてキレて帰るとかどっちが子供だよって凄く言いたい」

 

耀もムスッとした顔で怒りを露にした。

それに十六夜がヤハハと笑って言う。

 

「たしかにローブロリは見た目も中身も子供っぽいが、」

 

「「「ローブロリ?」」」

 

「………あの殺意と俺の拳を苦もなく、それも指一つで受け止めたあの実力は本物だ。序盤にラスボスと遭遇した並みのヤバさだ」

 

湖で危うく死にかけた次はラスボス級の怪物(ロリ)に喧嘩を吹っ掛けられるとは、本当に幸先がいい。

飛鳥は不思議そうに十六夜を見つめ、

 

「………十六夜君?頭でも打ったのかしら?」

 

「俺は至って健康男児だよ。それよりお嬢様、春日部」

 

「なに?」

 

「もし次にローブロリと遭遇したら、お前らはどうする?」

 

十六夜が問うと、飛鳥と耀は口を揃えて答えた。

 

「それはもう」

 

「決まってる」

 

「「ぶっ飛ばす!」」

 

「よしよし、それでいい。俺もローブロリの勝ち逃げは許さねえからな。次に会ったら絶対に一発叩き込む」

 

闘志を燃やす十六夜達三人。

圧倒的な力に絶望するのかと思いきや逆にやる気満々になる。

そんな彼らを見て、黒ウサギは不安もあるが頼もしいと思った。

本当にあの御子様に一発入れてしまえるんじゃないかと思う程に。

それにしても、

 

「(あの御子様………黒ウサギは何処かで会ったような気がするのは気のせいでしょうか?)」

 

 

 

 

 

『―――どうしてああなるんですか!?』

 

「うーむ、どうしてだろうな?」

 

『どうしてだろうな、じゃありません!あんな態度を取るからです!素直に正体を明かせとは言いませんが、相手を苛つかせる態度を取るのは駄目です!況してや殺す気もないのにフリをして相手を怖がらせるのも論外です!無限王様は彼らとギスギスした関係のままでよいのですか!?』

 

「………そうだな。だが彼らは私に興味を持ってくれたようだぞ?」

 

『………いえ、彼らはただ無限王様をぶっ飛ばしたいだけだと思いますけど?』

 

「そうとも言う」

 

『そうとしか思えませんけども!?』

 

むしろそれ以外ってなんですか!?と思わず叫ぶ■■■。

しかし無限王はふむ、と考えるような素振りを見せて、

 

「―――■■■と()()の関係にまで影響が及ぶのはたしかにまずい」

 

『え?』

 

「さて、関係を修復するにはまず、彼らのことを知る必要があるな」

 

そう言って無限王は黒ローブを深く被り、

 

「―――【認識阻害】」

 

【認識阻害】と呟き姿を消した。

否、認識出来なくなったと言った方が正解か。

黒ウサギから正体を隠す程度の【認識阻害】を使用していたが、今度のは認識そのものを阻害した状態だ。

この状態に入った無限王を見つけるのは容易ではない。

空間を司るもの達でさえ、〝そこに何かがいる〟程度しか理解出来ないほどのものなのだ。

これで堂々と十六夜達をストーカーもとい尾行出来る。

 

『あ、あの!』

 

「ん?」

 

『無限王様の仰った彼女というのは、』

 

「ああ、■■■の思い浮かべてる人物で間違いない」

 

『!!』

 

無限王の言った彼女とは、■■■■■の事だ。

■■■の■であり、とあるコミュニティが〝     〟から買い取り所有されている身である者。

その彼女は〝      〟に三年前まで所属していた者で、十六夜達がこれから所属するコミュニティ。

そんな彼らとギスギスした関係のままでは、彼女と■■■の関係にも影響が及ぶのではないかと危惧しているのだ。

恐らく、無限王が■■■に気を遣うのは彼女の器だからだろうけど、それでも気にしてくれている事に嬉しく思った。

尤も、無限王は■■■の事を器として見ているわけではないが。

 

「………む?二手に分かれたか」

 

尾行していた無限王は、飛鳥と耀には教えるが黒ウサギには内緒で十六夜が単身離れて別の方向へと走り去っていくのを見た。

あの〝箱庭の貴族〟に悟られる事なく離れられるとはたいしたものだ、と無限王が十六夜を評価する。

 

「………いや、二手に分かれられるのはまずいな。三人共観察したかったのだがふむ」

 

無限王は一瞬だけ思考し、

 

「―――【創造】」

 

【創造】と言って()()()()()()()()()()()()()()()()()

そのもう一体の無限王は、器である■■■とは全く別の容姿をしていた。

闇より深い黒髪ロング。

瞳は宇宙を彷彿させた無数の星々が輝き。

漆黒の外套に身を包んだ少女。

■■■は久しぶりに無限王の本当の姿を見て息を呑む。

まあ、彼女は無限王が生み出した無限王(仮)だが。

 

「では、ウーちゃん2号」

 

『ウーちゃん2号!?』

 

「………〝箱庭の貴族〟らの観察は任せたぞ」

 

無限王(仮)もといウーちゃん2号は無言で敬礼すると、黒ウサギ達を尾行しにいった。

さて、と無限王は森を疾走する十六夜を眺め、

 

「私も逆廻十六夜の観察をするとしよう」

 

尾行を再開した。




【認識阻害】
〝正しく認識させない〟程度と〝認識そのものを阻害する〟の二つが登場。前者は正体を隠す為で後者は存在自体を隠すもの。

【創造】
〝あらゆるものを無から生み出す〟ギフト。
ウーちゃん2号の実力は〝全能領域〟級。
倒し方は無限王が対の【破壊】を唱えるか〝全能領域〟以上のもの。本体と違って〝疑似創星図〟への耐性は無い。


十六夜達の尾行もとい観察を始めた無限王。彼らの力の一端を目の当たりにするが………

次回、無限王はストーカー!?後編
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