無限と問題児   作:蛇龍好き

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おかしいな、2000文字で終わらせるのってどうやるんだっけ?

5000文字超えてしまった…


無限と白夜と問題児

日が暮れた頃に噴水広場で飛鳥達三人+三毛猫一匹と黒ウサギ達二人が合流。

無限王もウーちゃん2号と合流し、

 

「お務めご苦労、無に還るといい―――【破壊】」

 

【破壊】と言うと、ウーちゃん2号は黒い粒子へと変わり、跡形もなく消え去った。

黒ウサギは飛鳥達の話を聞いて、ウサ耳を逆立てながら説教した。

「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」と飛鳥・耀・ジンが口裏合わせたような言い訳をし、「黙らっしゃい!!!」と黒ウサギが激怒した。

ニヤニヤ笑って「見境無く喧嘩を売ったわけじゃないんだから許してやれ」と言って十六夜が止めに入る。

だがこのギフトゲームで得られるのは自己満足でしかない。

参加者(プレイヤー)が勝利した場合、主催者(ホスト)は参加者の言及する全ての罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する〟

〝参加者が敗北した場合、罪を黙認する〟というもの。

時間を掛ければガルド達の罪は暴かれるが、それを飛鳥達は良しとはしなかった。

あの外道は早急に対処しないと駄目なのだと、野放しには出来ないのだと言う。

これに「〝フォレス・ガロ〟程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」と黒ウサギは言うが、

「俺は参加しねえよ?」

「貴方なんて参加させないわ」

と十六夜と飛鳥が拒否。

「仲間なのだから協力しないと駄目です!」と黒ウサギが食ってかかるが、

「この喧嘩は、コイツらが()()()、ヤツらが()()()。俺が手を出すのは無粋だろ?」と十六夜が言う。

「あら、分かってるじゃない」と飛鳥は感心し、「ああもう、好きにしてください」と黒ウサギは肩を落とした。

 

「前途多難だな、〝箱庭の貴族〟よ」

 

『わ、私は応援してますよ!』

 

黒ウサギに苦笑を零す無限王と声援を送る■■■。

その後、黒ウサギは飛鳥と耀にも秘密にしていたのがバレていた事を知りウサ耳まで赤くして恥ずかしそうに頭を下げた。

飛鳥と耀はその事には気にしていなかったが、「毎日三食お風呂つきの寝床があればいいな」と耀が言う。

それにジンの表情が固まり、耀が慌てて取り消そうとするが、

「十六夜さんがこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれましたから大丈夫です!」と黒ウサギが嬉々とした顔で水樹を持ち上げて言う。

水を買う必要が無くなり、水路も復活させることが可能。

一転して明るい表情に変わり、飛鳥も安心したような顔を浮かべた。

「今日は理不尽に湖に投げ出されたから、お風呂には絶対入りたかったところよ」

「あんな手荒い招待は二度と御免だ」と飛鳥と十六夜が言い、耀を加えて黒ウサギに責めるような視線を向ける。

「そ、それは黒ウサギの責任外の事ですよ………」と怖じ気づく黒ウサギと苦笑するジン。

 

「………相変わらず悪趣味な召喚をするな、女王め」

 

『へ?女王様の趣味なんですか!?』

 

「そうとしか考えられんだろう。奴の力ならば普通に召喚することも可能なはずだからな」

 

『な、成る程』

 

十六夜達に合掌する無限王(と■■■)。

「コミュニティに帰る?」とジンが言うと、「〝サウザンドアイズ〟にギフト鑑定をお願いしないとですので、ジン坊っちゃんは先にお帰りください」と黒ウサギが返す。

 

「〝サウザンドアイズ〟か………このまま付いていくと白夜に見つかる可能性があるな」

 

『つまり〝ウロボロス〟にご帰還なさると?』

 

「………いや、敢えて白夜に見つかろう。そして奴を利用して少年達の仲を取り繕ってもらおうではないか」

 

『あらあらまあまあ、なんて悪知恵を働かせる()()がいるのでしょう?ご自分の不注意が招いた結果だというに流石にそれはなくてよ?』

 

「■■■よ、本音が駄々漏れだぞ?」

 

『……………ぁ、』

 

やってしまった、と(蒼白になって)黙り込む■■■。

無限王は良い事を思いついた、と悪い顔をして言った。

 

「そこまで言われたなら仕方がない。よし、私が器にしている■■■の正体を暴露するか」

 

『!!?』

 

「私としてはむしろ隠しておくべきではないと思っていたのだよ。彼女だってお前と再会出来たら嬉しいと思うが?」

 

『………無限王様の意地悪』

 

拗ねる■■■。

クックッと喉を鳴らして笑う無限王。

まあ尤も―――黒ウサギ達には正体を明かすつもりだがな。

 

 

 

 

 

黒ウサギ達四人+三毛猫一匹は〝サウザンドアイズ〟に向かっていたのだが、看板を下げる女性店員の姿を確認、慌てて黒ウサギが滑り込みでストップを、

「待った無しです御客様」と女性店員が言い、ストップを掛ける事も出来なかった。

「なんて商売っ気の無い店なのかしら」

「ま、全くです!」

「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方は出禁です」

「出禁!?御客様舐めすぎでございますよ!?」

などと言い争っていたが、女性店員にコミュニティの名前を聞かれて一転して言葉に詰まる黒ウサギ。

十六夜が躊躇なく「〝ノーネーム〟ってコミュニティなんだが」と名乗り、「旗印を確認させていただいても?」とすかさず女性店員が黒ウサギ達を追い詰める。

詰んだ、と思ったその時―――

「いぃぃぃやほおぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギイィィィ!」

店内から爆走してくる白髪の少女が黒ウサギに抱き着き(フライングボディーアタック)、彼女と共にクルクルクルクルクと空中四回転半捻りして、

「きゃあーーー………!」と黒ウサギの悲鳴が遠くなり、ボチャン。

十六夜達は眼を丸くし、女性店員は痛そうに頭を抱えた。

 

「………本日も白夜は平常運転のようだな」

 

『………白夜王様』

 

無限王は苦笑を零し、■■■は呆れる。

十六夜と女性店員が真剣な表情で言葉を交わしていた。

「ドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」

「ありません」

「なんなら有料でも」

「やりません」

一方、黒ウサギは白髪の少女を「白夜叉様!?」と呼び、下層にいることに驚いていた。

白夜叉は「黒ウサギが来る予感がしたからの!」と言いながら彼女の胸元に顔を埋めてスリスリスリスリとセクハラ行為をする。

黒ウサギは「離れてください!」と白夜叉を無理矢理引き剥がし、頭を掴んで店に向かって投げつける。

クルクルと縦回転した白夜叉を、十六夜が「てい」と足で受け止めた。

「ゴバァ!飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」

「十六夜様だぜ。以後よろしく和装ロリ」

怒る白夜叉にヤハハと笑いながら自己紹介する十六夜。

一連の流れの中で呆気にとられていた飛鳥が思い出したように白夜叉に訊いた。

「貴女はこの店の人?」

「おお、そうだとも。この〝サウザンドアイズ〟の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢の割に発育が良い胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

「オーナー。それでは売上が伸びません。ボスが怒ります」

セクハラ発言の白夜叉に釘を刺す女性店員。

「うう………まさか私まで濡れるなんて」

「因果応報………かな」

『お嬢の言う通りや』

悲しげに服を絞りながら複雑そうに呟く黒ウサギに、耀と三毛猫が言う。

反対に濡れても全く気にしない白夜叉は、十六夜達を見回してニヤリと笑った。

「ふふん。お前達が黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が私の下に来たという事は………遂に黒ウサギが私のペットに」

「なりません!どういう起承転結があってそんなことになるんですか!」

ウサ耳を逆立てて怒る黒ウサギ。

白夜叉は笑って店に招く。

「まあいい。話があるなら店内で聞こう」

「よろしいのですか?彼らは旗を持たない〝ノーネーム〟のはず。規定では」

「〝ノーネーム〟だと分かっていながら名を尋ねる、性悪店員に対する詫びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」

ムッと拗ねるような顔をする女性店員。

しかし白夜叉はチラッと何もないところ(無限王)に視線を向けてニヤリと笑う。

 

「………とその前に忘れていたの」

 

そう言った白夜叉の姿が掻き消え―――ムニ。

 

「……………ぬ?」

 

『な、ななななな!?』

 

無限王が胸元に何かの感触を覚える。

■■■は(顔を真っ赤にさせて)恥ずかしさで悲鳴を上げそうになる。

(無限王の背後で)白夜叉はうむ、と納得したように頷き、

 

「この感触、やはりおんしか」

 

モミモミモミモミ。

遠慮無用のセクハラ行為をする白夜叉。

傍から見たら、虚空を両手でワキワキさせる変人だが、十六夜は瞳を光らせ白夜叉に訊いた。

 

「おい和装ロリ。そこに誰かいるのか?しかもその動作―――()()()()()()()?」

 

「へ?」

 

「ほう?分かるのか小僧。その通」

 

「いつまで揉んでるんだこの駄神」

 

無限王はそう言って白夜叉の頭を掴み―――ズドゴオォンッ!!!と地面に叩きつけた。

クレーターの真ん中に頭を埋める白夜叉。

■■■を辱しめた当然の報いだと冷ややかな眼で白夜叉を見下ろす無限王。

頭を埋めた白夜叉の側で無限王が黒ローブを脱いで【認識阻害】を解除した。

 

「さっきぶりだな、お前達」

 

「「「!!?」」」

 

あの時会った子供と気付いて臨戦態勢に入る十六夜・飛鳥・耀の三人。

しかしそれよりも、【認識阻害】が解除されたことで黒ウサギが驚愕の声を上げた。

 

「え!?まさか、貴女までこんな下層に来ていたのですか無限王様!?」

 

「あん?」

 

「「え?」」

 

黒ウサギの予想外の反応に十六夜達が訝しげに無限王を見つめる。

まさか、知り合いだったのか?

無限王は頬を搔きながら黒ウサギに返す。

 

「正体を隠して接触してすまんな。本当は様子見で済ませて帰るつもりだったが………この通り、興味が出てお前達を尾行していたのだよ」

 

「へえ?つまりアンタは俺達をストーカーしてたのか?」

 

「そうとも言う」

 

「子供な上にストーカー?」

 

「あら、なんて恐ろしい御子様なのかしら」

 

冷ややかな眼で無限王を見つめる耀と飛鳥。

クレーターに頭を埋めていた白夜叉が起き上がり、街道を元通りに直してから無限王に歩み寄る。

 

「ふふん。相変わらず興味があるものを観察するのが好きだの―――()()()よ」

 

「「「龍?」」」

 

〝龍〟という単語に瞳を輝かせる十六夜達三人。

それに苦笑する黒ウサギだったが、無限王から感じるある違和感に気がつく。

 

「(無限王様とはコミュニティが滅ぼされる前まではよく顔を合わせていましたが、こんな感覚は初めてです。どういうわけか彼女の容姿は―――()()()()()()()()()()())」

 

三年前までは感じることのなかった違和感。

容姿がハッキリしていなかったはずなのに、今の無限王はまるで〝箱庭の騎士〟のような特徴が出ている。

だが〝箱庭の騎士〟は太陽の光を直接浴びることは出来ないはず。

たとえコミュニティの同士だったレティシアに似ていても、箱庭の外に出ても影響が無い以上、〝箱庭の騎士〟ではない可能性の方が高い。

 

「(いや、無限王様ならば太陽の光から守る恩恵を与える事も可能なはず。ならば彼女が〝箱庭の騎士〟を器にして箱庭に顕現している可能性も捨てきれないのでは?)」

 

無限王の器の正体を突き止めようと思考をフル回転させる黒ウサギ。

そんな彼女とは別の意味で、十六夜が獰猛な笑顔で無限王に言った。

 

「無限龍、ね。もしかしてアンタ―――ウロボロスなのか?」

 

「む?」

 

「へ?」

 

「何?」

 

十六夜の言葉に驚く無限王・黒ウサギ・白夜叉の三人。

 

「ん?違ったか?」

 

「いや、正解だ少年。無限龍だけで私の正体を見抜くとは恐れ入った。参考までに〝無限〟と〝龍〟のみでウロボロスに行き着いた理由を聞かせてくれるか?」

 

「いやなに。元が多様性の高い象徴で『死と再生』とか『循環と回帰』とか、不死性の象徴として扱われるのがポピュラーなんだが、その中に〝無限〟が含まれてることを思い出してな。後は〝(無限)〟の記号の元になったものの中に〝己の尾を喰らう蛇〟のウロボロスが含まれていたこととかかな」

 

「………見かけによらず賢いのだなおんし」

 

十六夜の話を聞いて感心する白夜叉。

 

「ところで正体がバレたがどうする無限龍よ?」

 

「どうもしないな。むしろ興味を持ってもらえるのは嬉しい限りだ。ファーストコンタクトは見事に失敗してしまったからな」

 

頭を搔きながら無限王が言うと、ハッと思い出したように飛鳥と耀が声を上げる。

 

「そ、そうよ。貴女をぶっ飛ばすんだったわ!」

 

「うん、ぶっ飛ばす!」

 

「お?それなら俺も」

 

「む?」

 

無限王の体に三つの拳が叩き込まれる。

飛鳥と耀と十六夜の拳だ。

しかしぶっ飛ばすはずが、無限王の体は微動だにしなかった。

出鱈目な体幹(?)に言葉を失う飛鳥と耀。

十六夜も心地よい冷や汗を背に感じながら笑う。

 

「………参ったな。手加減はしたが〝世界の果て〟までぶっ飛ばすつもりで殴ったんだが微動だにしないとか」

 

「当たり前だよ童達。無限龍が持つ質量は()()()()()()だからの。人間の力で吹っ飛ぶわけなかろう」

 

「「「―――………は?」」」

 

素っ頓狂な声を洩らす十六夜達三人。

 

「は、話が大きすぎて最早何を言ってるのか理解できないのだけれど………?」

 

「………世界そのものってどれくらい?」

 

「ハハ、なんだよそりゃ、たまんねえな!()()が箱庭内を一人歩きしてるってことか!?」

 

「ふふ、まあそんなところだの。もし無限龍を倒すならばまず、()()()()()()を用意せねば話にならん」

 

「へえ?」

 

〝星を砕く一撃〟と聞いて十六夜が不敵に笑う。

それを見て白夜叉と無限王が驚く。

 

「(まさかこの小僧………()()()()のか?〝疑似創星図(アナザー・コスモロジー)〟を)」

 

「(神群の代表者か龍種が所持する世界そのものを()()として翳す領域に、あの少年が到達しているというのか?)」

 

人間にそんな御技が可能だというのか?

だが十六夜の不敵な笑みを見れば嘘とはとても思えない。

 

「「(面白い)」」

 

白夜叉と無限王の感想が一致する。

その後「立ち話はこれくらいにして中に入ろうかの」と白夜叉が無限王を加えて店に招くのだった。




【破壊】
【創造】のギフトと対極に位置し、あらゆるものを無に還すギフト。基本的に自分で造った被造物にしかこのギフトは使わない。


白夜叉に店に招かれた無限王達。そこで色々話を聞くが、白夜叉が白雪に神格を与えた事と〝最強の主催者〟である事を知り、十六夜達が喧嘩を売るのだが………

次回、白夜の世界と問題児
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