百戦錬磨のウマ娘   作:灰ノ愚者

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今回は十月に入ってからなんとかすぐに『最新話』
を無事に投稿をすることができました‼︎


今回は『7696文字』まで頑張って書きましたが
豆腐のようなクソナメクジメンタルの自分はきちんと
面白く書けているのかとても心配になります……(汗)


ウマ娘シンデレラグレイ、二期が明日放送‼︎


第二クールのOPは 『10-FEET 』が発表をした新曲
である『スパートシンドローマー』という素敵な名前
になりました。新曲発表おめでとうございます‼︎


そして原作は『最終章』となりました。


原作と放送と新曲のそれらを記念して更新しました‼︎


【お気に入り】や【しおり】、【投票】そして
【感想】などいただければ豆腐のようなメンタルで
脆い自分も更に『創作意欲』が増していきます‼︎


面白く出来ているかどうか心配でいっぱいですが
一生懸命にたくさん書きました。


最後まで読んでいただければありがたいです‼︎



嫉妬と傲慢なる者

 

「お、オグリ、機嫌直してくれよ……」

 

 

「北原は私とのトレーニングよりも、日課にしている

ジョギングの方が大事なんだろ?」

 

 

「お、オグリちゃん……」

 

 

オグリキャップのトレーナーである北原が慌てながら

申し訳なさそうに両手を合わせて必死になってその頭

を下げるが、オグリは北原に背を向けて拗ねながらも

カフェテリアにあった全ての白米を使って作り上げた

巨大なにんじんおにぎりを口の中に頬張りながらも

北原にそう言うと、ベルノライトも北原のフォローを

しながらもなんとかオグリの機嫌を直してもらおうと

考えて声を掛けるが、オグリはこちらに目を合わせて

すらくれない。

 

 

「そ、そんな事はないって……」

 

 

「ふん、どうだかな………」

 

 

北原はそんなオグリの後ろ姿を見て躊躇いながらも

なんとかして、声を絞り出してオグリにそう言うが、

食べていた巨大なにんじんおにぎりに更に齧り付いて

モグモグと頬張って食べるスピードが更に早くなって

いく。

 

 

「どうすればいいんだよ……」

 

 

「チッ」

 

 

「──ッ!!!」

 

 

北原が弱音を吐いている背後から舌打ちをする声が

聞こえてきて、そんな言葉を口にする北原の背中に

全力を込めて手の平で叩かれて声にならない悲鳴を

上げる。

 

 

「痛ってぇ! 何するんスか、ろっぺいさん!」

 

 

「『六平(むさか)』だ! シケた事を言ってんじゃねぇよ。

仮にもあいつのトレーナーなら、スケジュール管理が

出来ねぇでどうすんだよ」

 

 

「うッ……!」

 

 

「それにそんな情けねぇ弱音の言葉ばかり口にする

ぐらいなら、オグリのトレーナー変わってやっても

いいんだぞ」

 

 

「そ、そりゃねぇよ! ろっぺいさん!」

 

 

六平(むさか)だ! それが嫌だってならさっさとオグリと

仲直りしろ。今は大事な時期だって事ぐらいはいくら

新米トレーナーのてめぇも分かるだろ?」

 

 

「わ、わかりましたよ……」

 

 

「北原さん! 頑張ってください!」

 

 

六平の後押しされたおかげか、北原は覚悟を決めて

視線をオグリに向けるとベルノが隣で北原を応援

していた。

 

 

「お、オグリ……」

 

 

「なんだ、北原?」

 

 

北原はオグリに声を掛けるがオグリは相変わらず、

北原に背を向けて見ようとしていないが、北原の声

に返事をする。

 

 

だが、オグリが怒っているのは北原でも分かった。

 

 

(カサマツ学園から中央に移籍する時と同じ、いや、

それ以上かもしれねぇな……)

 

 

北原は内心、そう呟きながらもオグリの機嫌を直そう

と必死になって頭の中を巡らせる。

 

 

「き、今日、トレーニングの約束をしていたのに

忘れちまって悪かったよ……」

 

 

「…………」

 

 

「お、オグリちゃん……!」

 

 

北原はとにかく、今回の件について謝ろうと再び頭を

下げているが、オグリは不機嫌そうなそんな表情を

向けながらも北原に喋ろうとはしないそんな姿を見た

ベルノは不安に思ったのか、オグリの名前を口にして

いた。

 

 

「北原とカサマツで出会った時から、走り方の基本を

教わった」

 

 

オグリはそう言うと両手に持っている巨大なにんじん

おにぎりを食べるのをやめて、ゆっくりと下ろして

小さな声で喋り出した。

 

 

「ペース配分も、スピードでの砂の蹴り方も……

北原に教わったんだ」

 

 

「オグリちゃん……」

 

 

「北原のその教えのおかげで、ここまで勝てるように

なったんだ」

 

 

「オグリ……お前……」

 

 

鈍感な北原でもここまで言われればすぐに分かった。

オグリキャップにとって、北原はどれだけ大きな存在

なのかが、

 

 

「だから、中央でも北原の教えが通用するって証明

してやりたいんだ」

 

 

(オグリ……そこまで俺の事をトレーナーとして

認めてくれていたなんてな……)

 

 

そして理解する。オグリは自分の教えなどが中央でも

通用するんだと証明するために毎日の辛くて厳しい

トレーニングやレースを頑張っているのだと、

 

 

「オグリ……本当にすまなかった」

 

 

「北原さん……」

 

 

北原はそれを理解した瞬間、被っていた帽子に手を

伸ばして、頭から外すと真剣な表情でオグリの顔を

見ながら深々と頭を下げる。

 

 

「き、北原……」

 

 

北原の真剣さを見たオグリは戸惑いながらも視線を

逸らさずに北原の名前を口にしていた。

 

 

「ふ、ふん、そう簡単には……」

 

 

「トレーニングが終わったら、どこか美味しいお店に

連れて行ってやるから……」

 

 

「な、なんだと⁉︎ ならば、あの駅前にある有名な

ラーメン屋に連れて行ってくれるのか⁉︎」

 

 

「あ、ああ……」

 

 

オグリに食べ物の話をした瞬間、オグリは目の色を

変えて北原へと躊躇いなくグイッと力強くこちらへと

詰め寄ってくる。

 

 

「おかわりも自由なのか⁉︎」

 

 

「お、おかわりだと……⁉︎」

 

 

オグリから『おかわり』という一言を聞いた瞬間、

北原の背筋にゾクリと寒気が走った。

 

 

担当ウマ娘であるオグリキャップの言う『おかわり』

は普通のウマ娘の食べる量とは違って異常なまでの量

を食べる物理法則を無視したそんな大食いを見せる

食いしん坊なウマ娘なのである。

 

 

しかもオグリはウマ娘の中でもよくファンの交流企画

に顔を出している一方で、とある芸を披露している。

 

 

それが、なんと、

 

 

 

「ラーメン100杯大食い芸」

 

 

 

というそんなあり得ない企画をファンや他のウマ娘達

の前でオグリのとっておきとしていつも披露している

らしいが、それを俺やろっぺいさん、そしてベルノが

最初に聞いた時は冷や汗は全くもって止まらずとても

じゃないが、声が出なくて驚きを隠せなかった。

 

 

なぜならば、その時のラーメンを食べるオグリの姿は

まるでわんこ蕎麦を食べるかのような要領でどんぶり

の中にあった大量の麺を無我夢中に啜り続けて、熱々

で湯気が立った濃厚なスープまですらもまるで飲み物

のように一気に飲み干していくその表情はかつてない

程の幸せの表情だったらしく、自分の担当している

ウマ娘、オグリキャップのブラックホールのような

膨大で底が見えない規格外の胃袋なのだと改めて

思い知らされた。

 

 

そんな事があったのにオグリと一緒にラーメン屋に

行くだなんて北原からしたら、本当に笑えないし、

冗談ではない。とてもじゃないが、オグリの胃袋を

満足させられる程の資金はないし財布の中身に入って

いる資金すら一瞬にして消し飛んでしまう。

 

 

(さ、財布の中身にいくら入ってったけ……)

 

 

北原は冷や汗を流しながら、懐から財布を取り出して

恐る恐ると財布の中にある僅かに入っている軍資金を

丁寧に確認していく。

 

 

このままではいつも買っている濃いめカップラーメン

を食べるそのお金すらも、そのままオグリの食費へと

なってしまいなくなってしまう。

 

 

 

渋沢さんが一枚に津田さんが一枚、そして北里さんが

三枚はしっかり入っている。正直に言って、これだけ

ではラーメン屋のどんぶりを一生洗い続けるそんな

最悪の未来にジョブチェンジしてしまう事になるのは

明らかであり、目に浮かんでしまう。

 

 

「ろっぺいさん……」

 

 

六平(むさか)だ。まったく、人がいる前で情けねぇ姿と

声を出してんじゃねぇよ。ジョー」

 

 

北原は情けない声を出しながらも、六平に縋るように

助けを求めてくるが、六平はそんな北原の情けない姿

を見て呆れた声を出していた。

 

 

「ジョー、オグリ。今日一日トレーニングは休みだ。

休息は心の栄養だ。ベルノと一緒に食事をしてこい」

 

 

「え、で、でも……」

 

 

「ろ、ろっぺいさん……」

 

 

「まったく、世話が焼けるぜ……俺のカードを貸して

やるから、安心しろ」

 

 

「あ、ありがとうございます‼︎ ろっぺいさん‼︎」

 

 

六平(むさか)だって言ってんだろ。まったく、何度も

言わせてんじゃねぇよ」

 

 

六平がそう言いながら懐から自分自身の財布を取り

出して、クレージットカードを取り出して情けない

声を出している北原に自分自身のクレージットカード

を北原に渡すと北原は今にも泣き出しそうなそんな

表情で六平に感謝の言葉を口にしながら丁寧にカード

を受け取る。

 

 

「あ、そうだ。ろっぺいさん、実は聞きたい事がある

んスけど……」

 

 

「六平だって何度も言っているだろう。まったく

……それで、お前の聞きたい事って一体、何なんだ?

もしかしてカードの使える金額や予算についてか? 

もしそうならば、俺のカードにも限度があるからな、

あれこれと好き勝手にオグリの餌付けに使うんじゃ

ねぇぞ?」

 

 

「ち、違うっスよ! 俺が聞きたい事は別の事に

ついてですよ!」

 

 

「別の事だぁ? 一体、何が聞きてぇんだ?」

 

 

六平がそう言うと北原は六平のカードを懐に仕舞うと

真剣な表情で六平に視線を向けた。

 

 

「ユキシロハヤテっていうウマ娘を知ってますか?

恐らくこの学園のウマ娘だと思うんですけど……」

 

 

「ユキシロハヤテだと……?」

 

 

北原が六平にユキシロハヤテの事について質問をした

瞬間、六平の声が一瞬だけ低くなった。

 

 

「北原さん! ユキシロハヤテさんの事を知らない

んですか⁉︎」

 

 

「な、なんだよ……? ろっぺいさんもベルノも

そんな驚いた表情して……そのユキシロハヤテって

そんなにヤバイウマ娘なのか?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

北原は疑問に思いベルノにユキシロハヤテの事を質問

すると、なぜか分からないが、ベルノの表情はまるで

言いづらそうな表情をして聞こえないぐらいのそんな

声でボソッと口にしていた。

 

 

「ジョー……」

 

 

「一体、な、なんスか……」

 

 

六平がいつもよりも真剣な声で北原の名前を口にした

次の瞬間、杖をタンと地面を叩き、音を鳴らす。

 

 

「ユキシロハヤテはな……あのトレセン学園の会長、

”皇帝”シンボリルドルフに勝ってみせた今、学園中の

ウマ娘達やトレーナー達から注目されているウマ娘

なんだよ」

 

 

「はぁ⁉︎ う、嘘だろ……だって、あの絶対皇帝と

呼ばれたルドルフさんに勝ったウマ娘だって……?」

 

 

北原は六平のその言葉を聞いた瞬間、思考が停止して

しまった。あの時、大量の桜が満開になり舞い落ちて

いたあのアスファルトの道で出会ったあのオグリと

同じ芦毛の無名のウマ娘がシンボリルドルフを倒した

のだと言われても北原には信じられなかった。

 

 

「嘘じゃねぇよ。シンボリルドルフとユキシロハヤテ

が走っているのを俺とオグリがこの目でしっかりと

見ていたからな」

 

 

「ま、マジかよ……あの娘がルドルフさんに勝った

なんて、信じらねぇよ……」

 

 

「北原さん。もしかして……ユキシロハヤテさんに

会ったんですか⁉︎」

 

 

「ああ、ジョギングしている時に偶然、河川敷で

トレーニング中の彼女に出会ったんだよ」

 

 

「ふむ。なるほどなぁ……」

 

 

「そうだったんですね……」

 

 

北原がベルノに言うとベルノと六平は北原の説明に

納得をしたのか、二人は頷いていた。

 

 

すると、

 

 

 

「北原、それはどういうことだ……?」

 

 

 

「ど、どうしたんだよ、オグリ……」

 

 

オグリは今までにない程の物凄いスピードで北原の前

まで詰め寄ってきた。

 

 

「私とトレーニングをする予定だったその時間にハヤテと出会っていた事すら聞いてないのだが?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

どうやら今のオグリには理性が抜けているみたいで、

ボソッと静かに、そして冷静なそんな声で北原に問い

ただしてくる。北原はオグリのそんな雰囲気とそんな

問いに戸惑ってオグリの問いに答えられずにいた。

 

 

「やはり、北原は私よりもハヤテの事が気になって

いるんだろう。だったらハヤテの所に行って話して

来ればいいだろ」

 

 

北原とハヤテの二人が出会っていた事を知った瞬間、

不貞腐れ嫉妬をしたのか、オグリは北原に背を向けて

その場に座り込んで両手に持っている巨大なにんじん

おにぎりに更に齧り付いていた。

 

 

「お、おい、オグリ……ラーメンは……」

 

 

「私は行かない。ベルノやハヤテの三人で行って

来たらいいじゃないか」

 

 

「そ、そんな……」

 

 

オグリがそう言うと北原は先程まで良さそうだった

空気が一瞬にして気まずい雰囲気になってしまい、

自分の今してしまった行いに後悔した。

 

 

 

「ジョー。テメェがオグリのトレーナーなら最後まで

責任を持ってオグリの面倒を見ろ。いいな?」

 

 

「わ、分かりました……」

 

 

六平の物凄い表情と声で北原にそう言うと、そんな

威圧感に気圧されてしまったのかその時の北原には

六平の言葉に頷くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在ユキシロハヤテは”皇帝”シンボリルドルフに

打ち破って、今トレーナーやウマ娘達などの学園内

では話題になっている注目されてるフリーのウマ娘。

中央で走る以上、トレーナーは絶対に必要不可欠だ。

なのでそんな”皇帝”に黒星を付けたそんな彼女(ユキシロハヤテ)

トレーナーになろうと、そんな多くのトレーナー達は

我こそはと名乗りを上げて男女問わず必死になって

多くの学園中のトレーナー達が必死になって彼女の

元へと押しかけた。

 

 

(あのウマ娘のトレーナーになれば、俺に対する評価

は上がること間違いなしだ!)

 

 

そんな中、この男性のトレーナーは内心でそのように

ほくそ笑みながら視線をグラウンドへと向けていたの

である。

 

 

その男性トレーナーの瞳の中には実に愚かで浅はかな

欲望と野望が宿っており、そんな才能を持つ彼女を

他のトレーナーに奪われてしまわないようにと彼女を

スカウトをするために男性トレーナーは彼女のいる

だろうグラウンドへと急いで向かう。

 

 

「はぁ……はぁ……」

 

 

その男性トレーナーの予想通り、ユキシロハヤテは

そこにいた。

 

 

ユキシロハヤテはグラウンドでかなりの走り込みの

トレーニングをした後なのか、息を切らしながらも

大量の汗を流しておりその大量の汗をタオルで拭き

取りスポーツドリンクで水分補給をする。

 

 

「──ユキシロハヤテ! 少しいいかな!」

 

 

「貴方は……?」

 

 

「俺はトレセン学園に長く所属してるトレーナーだ!

早速なんだけど、君のトレーナーになりたい!」

 

 

単刀直入に、男性トレーナーは本題を先に口にする。

そんな申し出にユキシロハヤテは驚きなど全くなく、

今までそんな申し出を言ってくる他のトレーナー達の

ような躊躇う事すらないそんな表情を見ている。

 

 

だが、その男性トレーナーもそこは予想通りであり、

折り込み済みである。そして男性トレーナーには、

ユキシロハヤテが自分の担当ウマ娘に絶対になれる

というそんな自信があった。

 

 

「俺なら君の脚と才能をもっと活かすことができる!

これを見てくれ、君に適してると思って組み立てた

トレーニング内容だ!」

 

 

そう言って持ってある様々なトレーニング内容が

書いてあるトレーニング表をユキシロハヤテに渡す。

 

 

「ふーん。トレーニング表ねえ……」

 

 

「ああ! 是非とも見てみてくれ!」

 

 

男性トレーナーは自信満々気にユキシロハヤテに

そう言う。

 

 

「なるほどねぇ……」

 

 

ユキシロハヤテはそう呟きながらも言ってペラペラと

音を立てながらページをゆっくりと捲って目の前の

男性トレーナーの提示した様々なトレーニングの内容

に視線を通して確認する。

 

 

男性トレーナーは自分自身の能力は決して低くないと

思っている。無論、このトレセン学園のトレーナーを

勤めている時点で彼は優秀じゃないわけがない。

 

 

そして男性トレーナーは自分の作ったトレーニング表

を読んでもらったせいか、もう既に彼女のトレーナー

になったつもりでその内容を語り出す。

 

 

「君のその無尽蔵な体力と強靭な脚を活かした走り方

を想定して、このトレーニングを提案したんだ!」

 

 

男性トレーナーはそう言って自信があるのか、更に

饒舌に自分の作り上げたトレーニング表をアピール

を続ける。

 

 

「貴方の熱意や言いたい事はよく分かりました。

それを踏まえた上で、貴方に質問します」

 

 

「な、何だ? 何かあるなら、言ってみてくれ!」

 

 

読み終わったのか、ユキシロハヤテは男性トレーナー

が渡してきたびっしりと書いてあるそのトレーニング

表から視線を離して目の前にいる男性トレーナーへと

向ける。

 

 

「貴方の担当ウマ娘になったら、どんなメリットが

あるんですか?」

 

 

ユキシロハヤテは男性トレーナーにそう言って質問を

する。ユキシロハヤテにとって、この質問はとっても

大事な事であり重要な事なのだ。

 

 

「あの”皇帝”シンボリルドルフを相手に打ち勝った

君ならば三冠ウマ娘どころか、シンボリルドルフと

同じである七冠ウマ娘……いや、それ以上のウマ娘に

だって夢じゃないはずだ‼︎」

 

 

男性トレーナーはユキシロハヤテにそう言いながら、

内心でほくそ笑む。あの”皇帝”シンボリルドルフの

ようなウマ娘になれると言われて断るそんなウマ娘

などいるはずがないのだ。

 

 

だが、

 

 

 

「……悪いけど、今回の申し出は……丁重に断らせて

もらうよ」

 

 

「──は?」

 

 

しかしその途中でバッサリと断られ、男性トレーナー

は呆気に取られてしまう。まさかここまでしたのにも

かかわらず、断られるとは思っていなかったのか今も

信じられないといったそんな表情をしていた。

 

 

「……何故だ? こんなに完璧な内容なのに」

 

 

男性トレーナーは理解出来なかった。目の前にいる

芦毛のウマ娘の担当になるためにトレーニング表や

自分自身のトレーナーとしての言葉の内容などを

アピールまでしたのに、

 

 

 

「──ふざけるな! なんでこの俺じゃないんだ‼︎」

 

 

 

目の前にいる男性トレーナーは納得がいかなかった

のか今まで隠していたそんな醜い本性を隠す事なく

声を荒げ顔を歪めながら晒していた。

 

 

「僕と貴方では、目指している場所や見ている景色

が明らかに違います。なにより……」

 

 

 

貴方のような、トレーナーの元で走っても僕の脚を活かせるとは到底思えない。

 

 

 

「んだと⁉︎」

 

 

ユキシロハヤテのそんな否定する言葉を聞いた瞬間、

男性トレーナーのプライドを自分自身が理想とする

そんなウマ娘に否定をされて傷つけられたせいか、

顔を真っ赤にして更に歪めて怒りを顕にする。

 

 

 

「さっきからこっちが下手に出てれば好き勝手に

言いやがって、ただ俺の言う通りに走っていれば

いいんだよ!」

 

 

 

そして遂に男のトレーナーは暴力でユキシロハヤテを

黙らせようと腕を振りかぶってくる。

 

 

 

「いやいや、トレーナーがウマ娘に手を挙げるとか、

さすがにトレーナー失格でしょ」

 

 

「だ、誰だッ⁉︎」

 

 

しかしとある声で、男は慌てながらもユキシロハヤテ

に向けていたその腕の動きを止めて声がする方へと

振り返る。

 

 

「俺だよ」

 

 

「貴方は……」

 

 

「テメェは……‼︎」

 

 

 

そこにいたのは、チームスピカのトレーナーである

沖野が立っていた。

 

 

「そうか……沖野、さてはテメェもユキシロハヤテを

担当ウマ娘にしようとしてんだな⁉︎」

 

 

「そうだな。そのつもりだったんだが……この状況を

見過ごす訳にはいかなかったからな」

 

 

沖野はそう言って男性トレーナーに向けてスマホを

掲げた。

 

 

そして、

 

 

 

『ただ俺の言う通り走っていればいいんだよ!』

 

 

 

その画面には男のトレーナーがユキシロハヤテを

黙らせようと暴言を吐き、腕を振りかぶって暴力を

振るおうとしているそんな姿が動画としてはっきり

と撮影されていた。

 

 

「沖野! テメェ……‼︎」

 

 

そのスマホの動画を見た瞬間、男性トレーナーは

沖野を睨み付けて低くい声を出していた。

 

 

「これ以上、騒ぎにしたくねぇなら、今すぐにでも

このグラウンドから出て行くんだな」

 

 

「……チッ、覚えてろよ。沖野」

 

 

男性トレーナーは沖野にそんな恨みの言葉を口に

しながら、視線をユキシロハヤテへと向けて

 

 

「ユキシロハヤテ。俺はお前を担当ウマ娘にするのを

絶対に諦めねぇからな」

 

 

「何を言われても、僕は貴方とトレーナー契約をする

つもりはありませんよ」

 

 

「俺の方が絶対にお前を上手く走らせる事が出来るし

トレーナーに相応しいんだ……ッ‼︎」

 

 

そんな言葉を最後まで口にする男性トレーナーは

悔しそうに歯軋りをさせながら、グラウンドから

出て行った。

 





最後まで読んでいただきありがとうございます‼︎


これからも皆さんが『応援』をしていただければ
『更新』をする頻度が更に上がるそんな可能性が
あるかもしれません‼︎


『他の投稿作品』もあるので、是非ともそちらも
楽しんで見ていただければありがたいです‼︎



【報告】

今回は『デート・ア・ライブ ■■■の精霊』
『転生したらスライムだった件 ■■の魔王』
そして『新しい作品』などを近いうちに『投稿』と『更新』する予定なので、是非とも楽しみにして
もらえたら本当にありがたいです‼︎


『東方墨染ノ残花』も『書き直し(修正)』をしましたので
是非とも見ていただければ本当にありがたいです‼︎
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