百戦錬磨のウマ娘   作:灰ノ愚者

9 / 10
今回は七月に入ってからなんとかすぐに『最新話』
を無事に更新をすることができました‼︎


今回は『7439文字』まで頑張って書きましたが
豆腐のようなクソナメクジメンタルの自分はきちんと
面白く書けているのかとても心配になります……(汗)


ウマ娘シンデレラグレイ、二期が十月に放送決定‼︎
本当におめでとうございます‼︎


今回はユキシロハヤテの過去の話となります。


ちなみに今回は『あのトレーナー』が登場します‼︎


【お気に入り】や【しおり】、【投票】そして
【感想】などいただければ豆腐のようなメンタルで
脆い自分も更に『創作意欲』が増していきます‼︎


面白く出来ているかどうか心配でいっぱいですが
一生懸命にたくさん書きました。


最後まで読んでいただければありがたいです‼︎


芦毛の■■

 

あの時、僕は彼女に出会って僕の見る景色や考え

などは一瞬して変わった。

 

 

 

──少しだけ、僕と彼女との出会いや関係について

の話をしよう。

 

 

 

それはある地方のレース場での出会いがきっかけ

だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルドルフったら視察なのに相変わらず真面目よね」

 

 

「地方のレースの視察とはいえ視察という立派な職務

だからな」

 

 

その日、私とマルゼンスキーはレース場の前でそう

話し合いながらも地方ウマ娘達の走りを自身の目で

見るために自ら地方のレース場へと赴き視察を行って

いたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやらここが私達の席みたいね」

 

 

「そのようだな。ではさっそく座らせてもらうと

しようか」

 

 

私とマルゼンスキーは用意されたレース場全体を

見渡せる見晴らしがいい観客席に座った。

 

 

「それにしても昨日、雨が降ったからか今回のダート

はいつも以上にぐちゃぐちゃに泥濘んでいるわね」

 

 

「そうだな。今回はいつも以上に最悪な不良バ場だ。

今日のレースを走るウマ娘達にとってはかなりツライ

走りになるだろうな」

 

 

私はマルゼンスキーとそんな不良バ場のダートを

見ながら会話をしながら周囲を見渡して見るとレース

を見に来た沢山の観客達は活気と熱気に溢れていて

地方のレース場とはとても思えないほど溢れていた。

 

 

 

一番人気のユキシロハヤテ。ゲートに入ります!』

 

 

 

アナウンスがそう言った瞬間、私はこのレースで一番

人気のウマ娘であるユキシロハヤテに視線を向けた。

 

 

「あれが、ユキシロハヤテか……」

 

 

「あの芦毛のウマ娘の子が一番人気なのね。

一体、どんな走りをするのかしら」

 

 

 

 

『各ウマ娘、ゲートへおさまります。さて、まもなくスタートです』

 

 

 

アナウンスがそう言うと各ウマ娘達はそれぞれの

ゲートの中に入っていく。

 

 

(……ユキシロハヤテ、あの顔。何を考えている?)

 

 

 

その時、私はユキシロハヤテを見ると一着を取ろうと

やる気を出して集中力もしっかりと充分のウマ娘達の

中、彼女だけはそういった熱意などが欠けているよう

に見えてまったく感じられずとてもじゃないが解説

アナウンスが言う程の一番人気のウマ娘の雰囲気とは

とてもじゃないがそうは思えなかった。

 

 

 

『まもなくスタートです!』

 

 

 

解説のアナウンスがそう言ってスタート開始の

言葉を口にして

 

 

そして

 

 

 

ガシャコン‼︎

 

 

 

『ゲートが開いて今、スタートしました!』

 

 

 

アナウンスがそう言った瞬間、各ウマ娘のゲートが

一斉に開いてそれぞれのウマ娘達が走り出した。

 

 

 

『十人のウマ娘が一斉に飛び出します!』

 

 

 

 

ワアアアアア‼︎

 

 

 

 

巨大なモニターでそれぞれのウマ娘達の走りを見て

観客席には沢山の観客達の熱い応援する声が聞こえて

きた。

 

 

 

 

 

 

 

(やっぱり、いつも通りここに敵はいない……)

 

 

 

ユキシロハヤテは内心そう呟きながら必死になって

走っている他のウマ娘達に興味がなくなったのか

脚に更に力を入れていつも以上にぐちゃぐちゃに

泥濘んでいるそんな地面を蹴り上げるように力を

入れてスピードを上げていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ユキシロハヤテ最初から一気に仕掛けてきたァ!』

 

 

 

「こんなに荒れてる不良バ場の状態なのに彼女だけ

スピードを上げているわね」

 

 

 

「ああ。しかも内側を走っている。その分のロスは

なくなり縮まりはするが……」

 

 

ルドルフが困惑した表情をしていた。

 

 

 

なぜなら

 

 

 

荒れているダートの内側なんかを走れば間違いなく余計に体力を消耗してしまうからだ。

 

 

 

そんなことは彼女、ユキシロハヤテは分かっている

はずなのになぜなんの躊躇いもなく荒れている最悪

のダートの内側を走っているのだろうか?

 

 

彼女のトレーナーもそんなことは分かっているはず

だろうしそんな指示を彼女に出すはずがないだろう。

だがもしもそんな指示を彼女に出していたのならば

そのトレーナーの指示は正気を疑ってしまうような

自殺行為のようなそんな指示だ。

 

 

 

だというのに

 

 

 

『ユキシロハヤテ。先頭に躍り出たぁああ!』

 

 

 

ユキシロハヤテはスピードが落ちてしまうどころか

更にスピードを上げていく。

 

 

 

「彼女、凄いわね。雨で泥濘んで最悪な不良バ場の

ダートだというのに落ちるどころか更にスピードが

上がっていくわ。あの末脚……中央の()達にも見せて

あげたいわ」

 

 

 

「そうだな。ユキシロハヤテ……彼女は私達の

そういった常識という枠に嵌まらず目の前で軽々と

打ち破って覆してしまっている」

 

 

 

だからこそ彼女、ユキシロハヤテは一人だけ

 

 

 

 

国内最高水準

 

 

 

 

残り100M(メートル)‼︎ ユキシロハヤテ後続を軽々と

あっさりと引き離す! 強い……強過ぎる‼︎

 

 

 

実況アナウンスは熱くなっているのか大きな声を

出して解説を続ける。

 

 

 

そして

 

 

 

『ゴォオール!!!』

 

 

 

 

ユキシロハヤテは六バ身の差をつけてレース場の

ゴール版を通り過ぎて見事に圧勝して見せたのだ。

 

 

 

『ユキシロハヤテ一着でゴールイン!もはや彼女を止められるそんなウマ娘はいないのか⁉︎』

 

 

実況アナウンスのそんな実況がレース場に

響き渡った。

 

 

「ハッ……ハッ……」

 

 

「い、いや……」

 

 

「なによ……これ……」

 

 

「はぁ……はぁ……おぇ……」

 

 

 

多くのウマ娘達は顔を歪め、カタカタと身体を震わせ

ながら僕を見る目はまるで異質な化物を見るウマ娘や

レース場に大量の汚いゲロを周囲に撒き散らすウマ娘

などがいて、そして恐怖をするようなそんな絶望した

目をしていた。

 

 

 

 

 

 

「なあ、マルゼンスキー」

 

 

「何かしら、ルドルフ」

 

 

 

私がマルゼンスキーにそう言うとマルゼンスキーは

笑顔でこちらを見てきた。

 

 

 

私は彼女(ユキシロハヤテ)を”中央(トゥインクル・シリーズ)”にスカウトしたい

 

 

彼女のような才能のあるウマ娘を地方に埋もれさせて

しまうには勿体ない。

 

 

それに彼女は”中央(トゥインクル・シリーズ)”でも新しい風になってくれそうだ。

 

 

 

「私もルドルフに賛成よ。彼女の末脚と走りを中央

()達にも見せてあげたいわ」

 

 

マルゼンスキーはそう言って私の意見に笑顔で賛成

してくれた。

 

 

「では早速、控え室に向かうとしよう」

 

 

私達はそう言って観客席から立ち上がって彼女、

ユキシロハヤテがいる控え室へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女の控え室はこの辺りだったか……」

 

 

「そのはずよ。関係者の人がそう言っていたから

間違いないはずだから」

 

 

 

私とマルゼンスキーは関係者にユキシロハヤテを

含めたレースに参加したウマ娘達の控え室の場所を

教えてもらって二人でその場所へと向かって行く。

 

 

 

「ここみたいだな」

 

 

「そのようね」

 

 

 

控え室の扉には『ユキシロハヤテ』と書いてあった。

 

 

 

 

扉をノックしようと叩こうしたその時、

 

 

 

『一体、何なんだ! あのふざけたレースの走りをしてどういうつもりだ!!!』

 

 

 

扉の向こうからそんな怒声の声が響いてきた。

 

 

 

『しかもあのシンボリルドルフが見ている前であんな恥をかかせやがって‼︎』

 

 

 

「ルドルフ‼︎」

 

 

「ああ‼︎」

 

 

早く入らないと更に深刻になってしまうのではとそう

感じた私とマルゼンスキーは急いで控え室のドアノブ

をガチャリと音を立てながら回して扉を開けると

 

 

 

バチィ!!!

 

 

 

なんとトレーナーらしきその人物がユキシロハヤテ

の頬を思いっきり平手打ちをして彼女に手を上げて

いたのだ。

 

 

「一体、何をしているの⁉︎」

 

 

 

「ッ‼︎ だ、誰だ⁉︎」

 

 

そんな光景を見たマルゼンスキーはどうしても黙って

いられなかったのかユキシロハヤテのトレーナーに

声を掛けていた。

 

 

「突然入ってすみません。失礼させてもらいます」

 

 

「あ、貴方は……『皇帝』シンボリルドルフさんッ‼︎

それに『スーパーカー』のマルゼンスキーさんッ‼︎

ど、どうしてお二人がこんなところにいらっしゃる

んですかッ⁉︎」

 

 

私がそう言って控え室に入るとユキシロハヤテの

トレーナーは私とマルゼンスキーの姿を見た瞬間、

とてつもない程の驚いた表情をしていた。

 

 

「六バ身もの差を付けて見事圧勝して一着になった

彼女と是非とも話してみたくなり控え室に来たの

ですが貴方の声が扉越しに聞こえてきてしまい私達

の判断で入りました。すみません」

 

 

 

「聞こえていたのですか‼︎ なんともお恥ずかしい

姿を……今回の彼女のレースを含めて様々な醜態を

晒してしまい本当にすみません。あれは彼女の独断

であり決して私の指示ではありませんのでそこの

ところは勘違いをしないでくださいね‼︎」

 

 

私はそう言ってユキシロハヤテのトレーナーに勝手

に控え室に入った事について素直に謝罪をすると

目の前にいるユキシロハヤテのトレーナーは私と

マルゼンスキーの前だからだろうか先程の口の悪さ

と不愉快そうな表情がまるで嘘のように消えてすぐに

私とマルゼンスキーに笑顔で取り繕ってまるで自分の

有能さ価値を宣伝して媚びるように私達にそんな下心

丸見えの視線を向けて近づいてくる。

 

 

 

この男は彼女、ユキシロハヤテを自分の評価を上げるための道具としてしか見ていないのだ。

 

 

「もしそれを本気で言っているのならば、貴方は

彼女のトレーナーに相応しくない」

 

 

「──なっ⁉︎」

 

 

「貴方の話を聞いているとまるで彼女を自分の評価を

良くするだけの道具としてしか見えていないようだ。

トレーナーならば自分のウマ娘の勝利のみを信じて

あげるべきだ。少なくとも彼女……ユキシロハヤテは

中央(トゥインクル・シリーズ)”でも通じる程のそんな力と器を持った

ウマ娘です」

 

 

「それは買い被りです‼︎ このウマ娘は貴女が思って

いる程の力も才能は持っていません‼︎」

 

 

私がはっきりと彼にそう言うが彼は納得するどころか

買い被りと言ってユキシロハヤテを信じてすらいない

ので本当にトレーナーなのかと呆れて疑ってしまう。

 

 

 

「――貴方の話を聞いていて思ったのは……」

 

 

 

貴方みたいな人に、トレーナーになってほしくない

 

 

 

「……ひッ⁉︎」

 

 

私がそう言った瞬間、彼は怯えるような表情で

後退りながらその場で尻餅をついていた。

 

 

どうやら知らないうちに彼に威圧してしまって

いたようだ。

 

 

「ルドルフ!」

 

 

「そうだな……あまり時間を取らせるワケにも

いかないな……」

 

 

目の前の状態を深刻だと思ったのかマルゼンスキー

が少し焦った表情をしながら私に声を掛けてきて

くれたおかげで私も少し冷静になる事ができた。

 

 

「単刀直入に言おう」

 

 

私は視線を彼からユキシロハヤテに向けて

 

 

 

ユキシロハヤテ。君を”中央(トゥインクル・シリーズ)”にスカウトしたい

 

 

そうはっきりと言うが

 

 

「お断りします」

 

 

「……ほう」

 

 

ユキシロハヤテは私の誘いを躊躇いや迷う事なく

はっきりと断ったのだ。私はそんなユキシロハヤテ

に興味が湧き惹かれてしまった。

 

 

「どうしてなのか聞いてもいいかな?」

 

 

私がユキシロハヤテにそう聞くと彼女はこちらに

視線を向けて

 

 

「つまらないからですよ。どれだけ走っても達成感

がないそんな毎日に、それに僕はこのレースを最後

に学園も去ろうと思っているので無理ですよ」

 

 

「なっ⁉︎ そんな話、俺は聞いていないぞ⁉︎」

 

 

「それはそうですよ。だって、今言ったんですから」

 

 

ユキシロハヤテが冷めた光のないそんな瞳をこちらに

向けながらそう言うとユキシロハヤテのトレーナーは

ユキシロハヤテのその言葉に驚いた表情をしながら

大声を出しながら慌てて問いただすがユキシロハヤテ

はそんなトレーナーに表情を変えずにそう説明を

する。

 

 

「それにトレーナーとしての実力はなくて金や権力

などのコネでトレーナーになったのにまるで自分の

実力であるかのように自慢して暴力を振るってくる

そんな貴方との毎日にも不愉快だったんです」

 

 

「そ、そんな……」

 

 

更にユキシロハヤテはトレーナーにはっきりそう言う

とユキシロハヤテのトレーナーはその言葉に絶望した

表情を浮かべながらガックリと肩を落としてその場に

座り込んでしまった。

 

 

 

「あれだけの走りが出来るウマ娘を私としては

そのままスカウトせずに見逃すことなど出来ない」

 

 

「そんなに中央に移籍してほしいなら言葉じゃなくて

走りで僕を打ち負かしてみなよ。七冠ウマ娘、”皇帝”

シンボリルドルフなんでしょ?」

 

 

ユキシロハヤテが煽るように私にそう言ってきた

瞬間、私は理解出来ずに思考は一時的に止まって

しまった。

 

 

「なるほど……言葉ではなく走りでその意味を

示せって言っているのか……」

 

 

「ルドルフ……?」

 

 

ルドルフがそう言うと心配したマルゼンスキーは

恐る恐るルドルフに声を掛けると

 

 

「はっはっはっはっ‼︎」

 

 

ツボに入ったのかルドルフは口元をニヤリとさせて

いきなり吹き出して大笑いをし始めたのだ。

 

 

「僕は何か変な事を言ったかな?」

 

 

「いや失礼! あまりに突飛的なものでな」

 

 

ユキシロハヤテはルドルフにそう聞くとルドルフは

そう答えながら笑ったせいか目元にある涙を右手で

拭っていく。

 

 

「しかし……いきなり、私と勝負とは……ふふ、

なあ、マルゼンスキー?」

 

 

「ええ、そうね。ルドルフに挑むだなんていくら

なんでも無謀過ぎるわ」

 

 

少し収まってきたがそれでもまだ堪えきれなかった

のか口元を押さえて笑いを堪えながらマルゼンスキー

に聞くとマルゼンスキーもルドルフの返事を答える。

 

 

「確かに君の末脚は素晴らしい……しかし地方の

ウマ娘である君が私と勝負すると……?」

 

 

 

あまり私を無礼(なめ)るなよ

 

 

 

ルドルフは鋭い眼光でユキシロハヤテを睨み付け

ながら低い声を出していた。その姿はまさに”皇帝”

と呼ぶに相応しい程のもの凄く重い威圧感であった。

 

 

そしてその場にいたユキシロハヤテのトレーナーは

ルドルフの威圧感を見て顔を真っ青にして動けずに

いた。

 

 

「……わかった」

 

 

「理解頂けたようで何よりだ。君はまず──」

 

 

 

「だったら、この脚で君を”皇帝”という名の玉座から引きずり下ろす」

 

 

ユキシロハヤテはルドルフに近づいて鋭い眼光を

ルドルフに向けてルドルフに負けない程のもの凄い

威圧感を出していた。

 

 

「玉座から引きずり下ろす、か……随分と大きく

出たな」

 

 

「まぁね。なんなら今から勝負してもいいんだよ?」

 

 

ユキシロハヤテがルドルフにそう言うとルドルフの

両耳がピクリと僅かに動いた。

 

 

「今からか……随分と舐められたものだな。レースを

したばかりだ。いくらなんでも無謀じゃないか?」

 

 

「そ、そうよ。ルドルフを舐め過ぎよ?」

 

 

「勘違いしているみたいだけど、別に舐めてなんか

いないよ。それにこの程度、大した事ないし疲れた

範囲に入らないから問題ないよ」

 

 

ルドルフとマルゼンスキーがユキシロハヤテの

その発言に対して納得出来ずそう言うが、しかし

ユキシロハヤテは大した事ないと言って肩に軽く

羽織っていたジャージを脱いでいた。

 

 

「そうか……後悔するなよ」

 

 

「そっちこそ、後悔しないでよね」

 

 

私は彼女の目の前でそう言うと彼女もそう言って

「学園の練習場でしよう」と言ってきたので私も

その提案に賛成した。マルゼンスキーは考え直すよう

に言ってきたが私に直接挑んできた挑戦者を無碍に

する訳にはいかない……いや、違う。正直に言うなら

目の前にいるこのウマ娘と勝負したい‼︎

 

 

ルドルフとユキシロハヤテの二人は控え室を出て

ユキシロハヤテが通っている学園へと向かうと

マルゼンスキーも二人に着いて行った。

 

 

「あ、あの……」

 

 

ユキシロハヤテのトレーナーだった男は誰もいなく

なった控え室で一人で情け無い声を出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ……ハッ……」

 

 

「ルドルフ‼︎」

 

 

(私は、負けたのか……?)

 

 

地方の学園のレース場で走り終えた私は大量の汗を

かきながら何度も深呼吸をして寒い寒空を見上げ

ながら白い息を吐いてフラフラになって無様にも

立てずにいるとマルゼンスキーが心配そうな表情を

しながらこちらに来ていた。

 

 

「”皇帝”、『シンボリルドルフ』も案外と大した事

なかったですね……」

 

 

「……ッ‼︎」

 

 

 

ユキシロハヤテは平然とした表情で私の元へと

ゆっくり近づいてくる。

 

 

 

「もう、僕の欲しかったものは二度と手に入らない

のかもしれない……」

 

 

ユキシロハヤテが漆黒のような冷たい視線と全てに

絶望した表情と瞳を私に向けてそう呟いていた。

その時のユキシロハヤテの声は悲しそうな声だった。

 

 

「こんな苦しい思いをするんだったら、最初から

走らなけばよかった……」

 

 

彼女はそう言って自分の行いを後悔し自身の才能を

呪って本心を押し殺すようなそんな言葉を知らぬ間に

口にしていた。

 

 

ああ、悲しそうな声でそんな事を言わないでくれ……

もしも私が現役だったならば彼女に勝って満足させて

あげる事が出来たかもしれない……いや、もしも私が

現役だったとしてもこれだけの走りをする彼女相手に

果たして勝てたかどうかすら分からない。

 

 

でも今更そんな事を思っても考えても負けてしまった

のでもう手遅れなのである。

 

 

「僕が他のウマ娘達に陰でなんて言われいるのか

知ってる?」

 

 

 

『芦毛の魔王』なんて呼んでいるらしいよ?

 

 

 

彼女は悲しそうに笑いながらそう言っていた。

 

 

「理由はどんな不利な状態や状況でも必ず圧倒的な

差を付けて理不尽に圧勝しているかららしいよ。

まったく大層な二つ名だよね」

 

 

「芦毛の魔王、ねえ……」

 

 

「なるほど、上手く名付けたものだ……」

 

 

 

ユキシロハヤテの説明を聞いてルドルフと

マルゼンスキーは納得した表情をしていた。

 

 

なるほど、確かにあの圧倒的な走りは魔王と呼ぶに

相応しいだろう。

 

 

「というわけで、中央への移籍は諦めてください」

 

 

ユキシロハヤテはルドルフとマルゼンスキーに

そう言って地方の学園のレース場からゆっくりと

出入り口へと歩いて行く。

 

 

 

そんな時、

 

 

 

「これは……どういう状態なんだ?」

 

 

「おいおい、あんまり先に行くんじゃねぇよ」

 

 

出入り口に二人の人物が立っていた。

 

 

 

「オグリキャップ‼︎ それに六平トレーナー‼︎」

 

 

それは芦毛の怪物と呼ばれている有名なウマ娘、

オグリキャップとトレーナーをしている六平銀次郎

の二人であった。

 

 

(僕と同じ芦毛のウマ娘……)

 

 

「君は一体、誰だ?」

 

 

ユキシロハヤテはオグリを眺めているとオグリは

頭を傾げながらユキシロハヤテに名前を聞いてきた。

 

 

「僕の名前はユキシロハヤテ。君は芦毛の怪物で

有名なオグリキャップでしょ?」

 

 

「ああ、そうだ。私は怪物、オグリキャップだ‼︎」

 

 

オグリが笑顔で怪物という言葉を強調しながらふんす

と鼻息を荒くしながら両手を腰に当てながら自慢する

ようにそう言うとユキシロハヤテは口元を三日月の

ようにニヤリとさせて

 

 

「今から僕と走ってくれないかな?」

 

 

オグリにレースを申し込んでいた。

 

 

その時の僕は一体、どんな顔をしていたのかは

わからなかったが、この際、そんな些細な事などは

どうでもよかった……。

 

 

ただ、その時、僕の本能が告げている気がした。

 

 

 

彼女、オグリキャップは自分という魔王(存在)を倒し得るそんな最強の猛者のウマ娘であり好敵手であると

 

 

 

その時、ユキシロハヤテにとってオグリキャップとの

出会いは彼女にとって止まった時間と凍りついて冷え

切ってしまったその心さえも溶かして更に火が灯り、

動かしてしまうようなそんな魅力的な運命の出会い

だった。

 





最後まで読んでいただきありがとうございます‼︎


これからも皆さんが『応援』をしていただければ
『投稿』の頻度が更に上がるそんな可能性がある
かもしれません‼︎


『他の投稿作品』もあるので是非ともそちらも
楽しんで見ていただければありがたいです‼︎



【報告】

今回は『デート・ア・ライブ ■■■の精霊』
『殺戮者が斬る!』、そして『新しい作品』などを
近いうちに『投稿』する予定なので是非とも楽しみ
にしてもらえたらば本当にありがたいです‼︎
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