フィードバック ( ハードモード )   作:沼田もんざえもん

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 サブタイで何となく察せられるとは思いますが、ギャグなのでおかしな所があっても読み流して下さい。




立ち上がれ、JA !

 

 

 

 

 

 

 

 駿河湾海岸線。

 海面から幾つも飛び出るビルの頭が、かつてそこに街があったことを物語る浜辺。

 この浜辺の下にすら砂に埋もれてしまった人類の営みがあるのだろうと、JA のカメラを通して時田シロウは物憂げに見詰める。

 

「十五年・・・か」

 

 セカンド・インパクト。その後の混乱に包まれた世界の悲惨さを、未だ安定してきたとは口が裂けても言えない国内外の惨状を知る男は静かに目を瞑る。

 思い起こすのは十一年前。

 世間に広まった与太話。

 ネルフの前身組織であるゲヒルンで起きた碇ユイの死亡事故と人造人間なる巨人の存在。

 当時は一顧だにせず鼻で笑いもしたが、通産省と防衛庁からリークされた情報に偽りがないと知り日本重化学工業共同体がそれに対抗する巨大人型ロボットを建造すると決まった時、開発部門のチームが沸き立ったことを時田は今でも鮮明に覚えている。

 

「あっという間だった」

 

 セカンド・インパクトの真実。

 使徒と呼ばれる巨大生物の正体とその襲来。

 ネルフという巨大組織の外で関わる多くの一般市民が疑心暗鬼になりながらも触れられぬと諦める数々の謎を、JA 開発建造に携わる時田達はどうでもいいと見向きもしなかった。

 一心不乱だった。

 二本の脚で直立し操縦できる巨大ロボットを自分達の手で産み出したい。

 ただ、それだけだったと。

 

( MAGI 完成目前で自ら命を絶った赤木ナオコ博士・・・・・・今なら貴女の気持ちが痛い程分る )

 

 例え怪獣が来なくともいい。

 例え軍事用に使われ、多くの人の命を奪ったとしてもいい。

 無責任な情熱に駆り立てられるまま奔走し続け十一年。

 セカンド・インパクト後の、この混沌とした世の中を善くも悪くも大きく変える一石と、希望となる筈だと。

 

( だがあの日・・・全てが変わった )

 

 二ヵ月前に送られてきた、定例報告の態で渡されることになって久しいネルフのリーク情報。

 第三新東京市での使徒との会敵。

 その被害。

 惨状。

 開発メンバーの殆どが愕然とし肩を落とした写真と映像の数々。

 そこには、カッコ良く怪獣を倒す巨大ロボットに乗る少年パイロットの成長物語という虚構は描かれてはいなかった。

 

( そこからはあっという間だった )

 

 現実を直視し、冷や水を浴びせられた時田達の行動は速かった。

 完成披露記念会の名目で招待した赤木リツコ博士と葛城ミサト一尉との密会。

 JA 開発建造に至るまでの不正の数々の告発。

 日本政府からの開発不関与の言質の獲得。

 ネルフによる JA 本体と JA 開発チーム含めた下請けから孫請けまでの技術者の接収と確保。

 秘密裏に進めていた量産型 JA 六機の建造とその入眼。

 これら全てをたったひと月という短時間で成し遂げた時田一派の強行軍にリツコを含めネルフの技術者達が目を剝いたのは言うまでもない。

 

「そう。我々大人達がやらねばならないのだ」

 

 その眼差しはもう、巨大ロボットに憧れ操縦を夢見る少年のものではなかった。

 義憤と使命に燃え上がる、大人達の子供を想う優しい瞳だった。

 

「・・・あの子達の未来の為にも我々は」

「時田所長、警報なってません?」

「我々量産型 JA 部隊が盾となり戦うのだ」

「ちょっ、所長?!警報鳴ってますよね!?」

「さあ使徒よ。鞭でも加粒子砲でもどんと ─── 」

「時田さん上!!」

「 ─── 上?」

 

 

 

 

 

 

 ネルフ本部発令所内と指揮車両内が沈黙に包まれるなか、エヴァ専用空輸機から落とされ浜辺に着地した初号機は緩慢な動作で一歩二歩と後ろに下がりその着地場所を覗き込む。

 初号機の周りには従来よりも半分程の大きさに小型化された、赤青黄黒紫と色取り取りな量産型 JA が、やはりその着地場所を覗き込んでいる。

 そこには白色の、05 と銘打たれた JA だったものが。

 

『・・・・・・まあ、こういった現場トラブルはどこへ行っても付き物ですし、不測の事態を回避するため、人命優先のための遠隔操縦な訳ですし・・・・・・ええ。ええ!勿論!警報装置の誤作動はなくともヒューマンエラーは誰にしもあり得る訳でして、一概に着地場所のミスが原因という訳でもありません!!ですから ─── 』

『時田さん、この手拭い使ってください』

 

 

 

 

 

 

 通信機から時田のすすり泣き声が流れる中、残り五機の自己修復強化プログラムが正常に作動し、潰れたカエルの如く拉げた量産型 JA 五号機の腕や脚がもがれる光景がモニターに映し出されていた。

 

 






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