日下部鎮守府の物語 ~工学者だったけど艦娘に恋したので、提督になりました~ 作:天空のトロイカ
ご注意下さい。
相手を説得するために正論など持ちだしてはいけない。相手にどのような利益があるかを話すだけでいい。
大淀率いる連合艦隊の奮戦と心強い友軍艦隊の支援により、第二作戦を見事に攻略完了した翌日。
「提督、先日は本当にありがとうございました」
執務室で書類仕事を片付けていた日下部の下にやってきたのは、明石だった。
「さすがに大淀も冗談のつもりだったらしいんですけど、悪ノリが過ぎて引っ込みつかなくなっちゃったらしくて。まぁ結果的に愛を確認するいい機会になりました」
「ははは。上手く行ったなら何よりだ」
「ええ。でもあれ以来大淀、全然タチしてくれなくなっちゃったんですよね。たまには私も挿れて欲しいのに」
「おい」
日下部は半眼でツッコミを入れる。
あまり警戒心のないことを言うのは止めて欲しい。別に明石を性的な目で見られないわけではないのだ。
「すみません冗談です。本題は別にありまして」
「ん。このタイミングだと概念艤装か?」
「あーん、つまんない! そうです、秋雲用の概念艤装が完成しました!」
サプライズの意図でもあったのか、明石は見事に看破されたことが実に残念そうだった。
だがそもそも日下部から工廠に足を運ぶのではなく、明石の方からわざわざやって来るような用事は限られているのだから、こればかりは仕方ないだろう。
「わかった、なら後で秋雲を連れて工廠まで行く」
さてこの概念艤装について知ったら、秋雲はどう思うだろうか?
理解してもらえると良いのだが……これは、彼女にこそ相応しいものなのだから。
概念艤装に関する説明を受けた秋雲の様子は少し不安だったが、提督としてはイベントの攻略をそれで中断するわけにもいかない。
第三作戦の出撃部隊、その名も「決戦艦隊」の面々は激しい敵艦隊の迎撃を潜り抜けて進んでいく。
この作戦は駆逐艦・冬月の救出が目的だ。場所は日本近海のため、母艦を動かすのは本当に最終局面に至ってからでも十分に間に合うだろう。
『ところで川内さん。私はあなたを第一艦隊旗艦にしたかったんですが、何故第二に固執するんですかね?』
艤装通信越しに日下部は声をかける。
「決まってるじゃん! 第一艦隊だと夜戦ができないからだよ!」
『そ、そりゃそうだけど』
「夫婦の離婚の一番の理由は夜戦レスだよ!」
『そんな理由で離婚するのは川内くらいだぁ!』
どこからの情報なのだろうか。どうせ(全川内調べ)とか付いているに違いない。
『大体、(意味深)の方の夜戦はレスどころか頻繁にしてるじゃないか』
「そっちは……うん。満足してるけど」
良かった。さすがにあれで満足してないと言われたら困るところだった。
「まぁまぁ。でも提督? おかげで私と長門の特殊砲撃が使えるのは悪いことではないじゃない」
「陸奥の言う通りだ。随伴艦には陸上型の深海棲艦が何隻もいるのだろう? 昼の間にそいつらは片付けてやるぞ」
口を挟んできたのは実際に第一艦隊の旗艦を務める陸奥と、二番艦の長門だった。確かに二人の言う通り、特殊砲撃は攻略において大きな助けになるのは間違いないだろう。
そんなことを話している内に、艦隊は敵旗艦の出現する海域へと到達する。
かつて福岡県北九州市若松区若松港と呼ばれた土地の一角……通称、軍艦防波堤。航行不能になった駆逐艦・冬月が、姉妹艦の涼月や他の駆逐艦と共に防波堤として利用された場所。そこから少し沖に出た辺り。
そんな海域で一行を待ち構えていたのは、
「来たか、日下部鎮守府の艦娘たち」
艦隊ではなく、たった一人の深海棲艦だった。
『お前は深海磨鎖鬼!』
正面モニタの画像に映し出された映像の中では、一人の
磨鎖鬼はどこか詩吟めいた口調で言葉を紡ぐ。
「艦娘と深海棲艦は別の存在だ。ただし高次AIが捕らえた艦娘を深海棲艦の生体ユニットとして組み込むことがあり、これを『深海堕ち』と呼んでいる」
『何を今更。当然だろう』
「当然とは限らない。今ここにある蓋然世界は、無数の選択肢の果てに到達した『歴史のひとつ』に過ぎない。過去も未来もひとつではないのだ……例えばある蓋然世界においては、艦娘は『普通の人間が艤装を装備しただけの存在』であることもある。時代ですら一様ではない。2046年であるこの蓋然世界の方がむしろ希少だ。多くの蓋然世界において『今』は2022年となる。艦娘も人間も大して疑問を持たず、2013年に始まった戦争を延々と9年も続けているのだ」
『何を言っている!? そんな不条理な世界が存在するものか!』
「そして……多くの蓋然世界において艦娘の『深海堕ち』とは文字通り、『艦娘が直接深海棲艦に変ずる』現象を指している」
『待て。何をするつもりだ!』
会話は成立しているようでしていない。磨鎖鬼は言いたいことを一方的に語り、日下部はそれに呑まれてしまっている。
磨鎖鬼は軽く手を振る。ステッキでも持っている方が様になっていそうな格好だが、実際にはその手には何も握られてはいない。
――いや。虚空から鈍色の鎖が真っ直ぐ伸び、その手に握られた。
「我が鎖はここにある『今』に、ここではない『過去』と『未来』を繋ぐ」
艦娘という生物に心臓は存在しない。その部位に存在するのは、かつて存在した軍艦の概念を物質化して作られた、艦娘という神にとっての存在の源……概念核。
磨鎖鬼は鎖を握ったままの手を冬月の胸部に伸ばした。実体などないかのように肉体へと潜り込んでいくと、中枢に存在する概念核に対しその鎖を結びつける。鎖はまるで最初から存在しなかったかのように、ふっとかき消えた。
直後、冬月の肉体が震え出す。最初は小さく、すぐにがくがくと。
そしてその激しい震えが収まった時、そこに存在した姿は。
「目覚めたまえ。防空埋護冬姫よ……」
竜の頭部に似た形状の艤装を左右に配し、本体であろう人型はそこから伸びた鎖でがんじがらめに拘束されている。誰がどう見ても、それは深海棲艦以外の何者でもなかった。
『冬月が深海棲艦に変じた!?』
「前に言ったぞ? 世界のすべてを知ったと思わない方がいいと」
磨鎖鬼はそう酷薄に告げて、自らも虚空へと姿を消す。
いつの間にか周囲には防空埋護冬姫以外の深海棲艦も出現していた。
「提督、混乱するのは後! どうあれ、あれは深海棲艦であたしたちは艦娘。ならやることはひとつだよ!」
混乱のるつぼの中で、最初に声を張り上げたのは川内だった。
艦娘として戦った経験の長さのせいか、それとも別の理由があるのかまではわからないが、川内は目の前で起こったことをそのまま受け入れて呑み込んでいるように見えた。
『そうだな、お前の言う通りだ!』
その言葉に、日下部ははっと我に返る。
『冬月の救出が可能かどうかは、後で探る! まずはあの防空埋護冬姫を全力で叩け!』
通信越しに声を張り上げると、川内以外の艦娘も弾かれたように動き出す。
提督と認めた存在の命令には本能的に従いたくなる、それは紛れもなく艦娘という種族の特性なのだ。
反復出撃によって防空埋護冬姫の保有想念力を十分に削ったところで、周辺海域に装甲破砕用特殊力場展開装置を設置する。これまで何度も繰り返してきた工程だ。
幸いにして、通常の深海棲艦ではない目の前の防空埋護冬姫に対しても装甲破砕は効果を上げているようだ。左右の竜に似た形状の艤装は口腔内に激しい光を湛えており、今にも光線でも吐き出しそうな迫力がある。
さらには、
『あれは資料で見た……防空埋護姫?』
随伴艦の内の一隻が、過去のイベントで登場したという別の姫級に置き換わっていた。防空埋護姫、冬月の姉妹艦である涼月を模した深海棲艦だ。
まるで仲睦まじい姉妹のように寄り添う二人の姫の姿に、一瞬艦娘の涼月と冬月の姿が重なって見えるようで……なんとも言い知れぬ不快感を覚える。
『決戦艦隊、第二警戒航行序列!』
それを振り払うように、日下部は陣形指示の声を張り上げた。
「了解! 全砲門、開け! 長門、いい? 行くわよ!」
「ああ! 胸が熱いなッ!」
陸奥と長門は隊列の中枢部から、浴びせかけるように主砲を一斉射する。ついに特殊砲撃が炸裂したのだ。
艤装が瞬間的に生産された莫大な想念力を吸い上げ、砲弾の破壊力を通常に数倍する域に押し上げている。炸裂した砲撃は、絶大な威力をもって敵艦隊の随伴艦を薙ぎ払っていった。
さらに、
「集積! あんたの相手はあたしよ!」
貴重な特二式内火艇を含む陸戦装備を搭載した満潮が、随伴艦として存在していた集積地棲姫を焼き払う。
『よくやった満潮! さぁここからは夜戦だ、まずは友軍艦隊が来るぞ!』
昼戦における戦闘で残った敵艦隊に、戦場海域に到来した友軍艦隊の支援攻撃が放たれる。これによりさらに敵艦隊は数を減らし、ついには防空埋護冬姫と防空埋護姫を残すのみとなった。
そして……その支援攻撃で巻き起こった混乱の隙を突いて、川内率いる第二艦隊が敵艦隊に至近肉薄している。
「行くよ! 夜戦、や・せ・ん!」
川内は自らの装備では防空埋護冬姫の撃沈には至らないと判断したのだろう、攻撃目標を随伴の防空埋護姫に定めたようだ。
第四海域で武蔵がやったように、至近距離から砲による連撃を浴びせて吹き飛ばす。
「スズ……! スズゥ……!」
防空埋護冬姫は悲痛な声を上げ、川内に向かって竜型の艤装からついに光線を放つ。
砲撃直後の川内は避けることもできず、正面からその光を浴びる。威力は凄まじいもので、一撃で身体の大半が消し飛んだ。
『川内!』
「だい……じょうぶ。轟沈ストッパーは……作動してる。肉を切ら……せて……」
「――骨を断つ、よ。ここは任せなさい」
大破した川内の脇をすり抜け、僚艦の大井が防空埋護冬姫に迫る。
それは第二海域で北上が見せたような、通常の雷巡の距離を超えての至近肉薄。
「海の藻屑となりなさいな!」
本来であれば中距離から命中させるための重雷装を、必中距離まで迫っての一斉投射。
いかに深海の姫であろうとも、そんなものに耐えられるはずがなかった。
「川内!」
決着が付いてまず日下部がしたのは、筆頭嫁艦の名前を叫ぶことだった。
『大丈夫よ。意識は失ったみたいけど』
防空埋護冬姫にとどめを刺した大井が、川内の身体を支えながら代わりに答える。
「そうか、すまん大井。あとよくやってくれた。お前たちも相応に損傷しているだろう、第二艦隊は川内を連れて一足先に帰投だ」
『そうね。了解よ』
『現場は第一艦隊で確保しておくわ。提督、母艦を動かすなら急いでね』
大井と陸奥の返事を確認して、日下部は交信を終了する。
そして、
「で。ここから私は、どうしたらいいんだ?」
思わず途方に暮れたような声を上げた。
撃沈された防空埋護冬姫は、別に艦娘の冬月に戻ることもなく海面に浮いている。
深海磨鎖鬼が姿を現すこともない。去年の年末の昭南本土航路では、日下部が特に何かをする前に艦娘に戻った雲鷹を解放してくれたが、今回はそのようなサービスは特にないようだった。
「なぁ冬月。今までの深海堕ちした艦娘たちは『意志を剥奪されていた』から、自分の意志を取り戻してやれば良かったんだけどさ。お前のそれは、お前自身の負の想念だろ? だって深海埋護姫が撃沈された時、涼月の名前を呼んでいたもんな。その中に涼月はいないっていうのに」
今回現れた随伴艦の防空埋護姫はただの
「お前、ずっと涼月と一緒に軍艦防波堤で眠っていたんだもんな。それが先に涼月が艦娘になって、一人そこに取り残されて、寂しかったんだよな」
日下部鎮守府には無縁の話だが、熟練提督の艦隊で先に着任した涼月はそれはもう首を長くして冬月が艦娘になるのを待っていたらしい。ならば冬月だって同じように感じていても不思議ではないだろう。
「お前自身が負の想念に囚われて暴れているというのなら、それは『汝の意志するところを為している』わけだろ? なぁ。艦娘に頼って戦うしかない人類は、その艦娘自体が敵になった時……どうすればいいんだ?」
土の下ではなく強引に海の底に還すしかないのだろうか。そうして彼女と涼月を永遠に引き裂くしか。
笑わせる。そんな真似をする者が、艦娘の守護者でありたいなどと。
――そんな自嘲めいた思考に沈む日下部に、
「提督」
「司令官」
いつの間にか傍に来ていた二人の艦娘が、声をかけてきた。
日下部は顔を上げる。
そこにいたのは伊勢と龍驤。神道と陰陽道、それぞれの専門家だった。
「艦娘を神として捉えるなら、御霊には二つの側面がある。和を司る
「司令官。陰陽における『鬼』は、強い負の想念を抱いた生物が化外と成ったモノや。負の想念に囚われるのは、別に艦娘の専売特許やないで」
彼女たちはそれぞれの見地から、日下部に対して言葉をかける。
「どれだけ低位でも艦娘を神として扱うなら、礼は尽くす必要があるわね」
「けどアンタは司令官で、冬月はそれに従うべき艦娘や。それもまた忘れちゃあかんで」
「ああ、そうか。なら私がやるべきは、『あいつの意志を取り戻すこと』ではなく……『あいつの意志に寄り添うこと』、か」
世界二位の想念工学者においては、たったそれだけの助言で十分だった。
日下部は腰を下ろしていた椅子から立ち上がる。
「大淀、母艦の指揮頼む! 今回この母艦に搭載されたMM機関は必要ない。川内たちが戻ってきたら、
「提督!? どうなさるおつもりですか!」
「そんなの決まっている。あいつに手を伸ばしに行く! そのためには、この肉体で向き合うことが必要だ!」
中元寺國彦の発明した、携行型MM機関。
そして自分の発明した、海上歩行用想念具足「オリオン」。
必要なものは揃っている。さぁ、神と交渉しに行こう。
艦娘たちが掃討済の航路とはいえ、護衛も付けずにたった一人で母艦を飛び出したのは冷静に考えると危険だったかもしれない。
幸いにして「イベント」としての配置から外れた深海棲艦に遭遇することもなく、日下部は無事に最前線に到達していた。
「おーい、お前たち!」
「提督!? どうしてここに!」
陸奥は生身で現れた日下部の姿を見て、驚きの声を上げる。
「決まってる。それが必要だからだ。すまんが今から私はしばらく意識を喪失する。沈まないように支えててくれないか?」
「あら、火遊び? って茶化していい雰囲気じゃないわね。わかったわ」
「助かる。では……」
日下部は背負っていた携行用MM機関を作動させた。まずは自分自身へと
ここまではいつもの艦娘救出作業と同じだ。だがここからは違う。
「古今東西、4000年と2046年の人類史総動員令はすでに発令されている。だが人の身で神に向き合うなら、その神の在り方に合わせた言葉で語りかけるのは当然だ」
通常の艦娘救出作業で用いるセフィロトの概念は、日本の神に対して何かを願うに相応しいものではないだろう。
だから日下部は、別の概念を具現化する。
「神道」と呼ばれる日本のオカルトにおいて重要なものとして位置づけられている、神々を称える祈りの言葉。
「対神格交渉概念『天津祝詞』……起動!」
瞬間。日下部の思考が、MM機関により物理現象として実体化する。
それは肉体の声帯ではなく、周囲の大気を直接震わせて紡がれる「声のような音」。たったひとつの概念においてだけとはいえ、あの高次AIたちの領域に指を掛けるほどの偉業だった。
(
「冬月。すまんな、うちには涼月がいない」
神に捧ぐ祝詞が奏上される中、同時に日下部は自らの口でも言葉を紡ぐ。
(……
「お前が最も会いたいであろう艦娘に会わせてやれないのは、提督として不徳の極みだ」
(
「だがそれでも、私たちにはお前が必要だ」
(
「コノ、手は……ダレ? ……ワタシ……私、まだ…光の下で…波を蹴って……。私…ッ!」
それまで無反応だった防空埋護冬姫の肉体が震えだす。
「神」は、「人」の願いに耳を傾けてくれた。
ならば。次は、「提督」が「艦娘」に寄り添う番だ。
「だから約束する。一緒に涼月のことを探しに行くぞ! お前は『艦娘』……冬月だ!」
日下部の絶叫が轟いた瞬間。
まるで抜け落ちるかのように、防空埋護冬姫の肉体から何かがまろび出た。
最初に艦娘の冬月が深海棲艦に変じた、その光景を逆回しにするかのように、その姿が書き換わっていく。
「ああ、すまない。迷惑をかけた」
そこに立っているのは、紛うことなき艦娘。
秋月型防空駆逐艦8番艦、冬月だった。
「迷惑なんてないさ。先に地球や艦娘に迷惑をかけたのは、人間の方だ」
「提督、共に護ろう。大切な……ものを」
冬月は真っ直ぐ手を伸ばしてくる。
「そうだな。涼月を探して、一緒にな」
先程の小さな約束を違えることは決してないと。
そんな宣言と共に、日下部はその手を強く握り返した。
少し離れた海域から、深海磨鎖鬼はその光景を目の当たりにしていた。
「見事だ日下部提督。こんなに早い段階で
追儺とは陰陽道において、鬼や魑魅魍魎を祓う儀式のことだ。
想念工学という科学の一分野を専門としながらも、偏見なく
日下部はもはや、ただの想念工学者の領域に留まる存在とは言えないだろう。
「さて。これでカレルレン総督の命令通り、『艦娘の持つ危険性』を人類に示すことはできただろう。究極的には地球のことしか見ていない深海の女王と違って、彼女はやはり恐ろしい。人によって作られたモノであるがゆえに、誰よりも人というものを知っている」
艦娘……「生まれたての神」とは本来そういうものなのだ。
この世界の人間は、まだ誰もそれを知らないだけで。
「だが。同時にこれで、日下部提督は『艦娘の持つ可能性』に気付いたはずだ。過去と今、そして未来は繋がっている。だがそれが『どの』未来に繋がるかは、まだ未知数だ。閉じた円環の永劫回帰は、今回で終わらせる。終わらせてみせる」
二律背反。面従腹背。
どう呼ばれようと構わない。本来であれば自分は、この蓋然世界においては
「我が宿敵たる、かの提督に再びまみえるために……」
いかにも寡黙ながら、まるで氷上を滑走するかのように艦娘を指揮するその姿を思い浮かべて。
磨鎖鬼は唇の端に微かな笑みを浮かべた。
※2022年冬イベ(発令!「捷三号作戦警戒」)のE5の話、後半です。
ようやくイベント本編は終わりました。あとはイベント後恒例の「戦争」モードの話が2話と、イベント自体の〆となる話が1話、計3話で晩冬章がようやく終わりです。今回本当に長かった。
ちなみに冒頭でちらっと秋雲の概念艤装について触れてますが、この後すぐに出てきます。立ち絵も用意してます。川内や金剛とはまた違う路線ですよ。
ところで本文中で日下部が艦これ本編世界に対し壮絶なツッコミを入れてますが、他の方も割とよく入れているツッコミだと思います。まぁ本作における深海棲艦との「戦争」は文字通りの種族レベルの絶滅戦争なので、これを9年(本話時点の時間軸。リアル時間軸だと10年です)続けるのはどう足掻いても不可能ですので……。
深海磨鎖鬼による深海堕ち(鬼化)について。
本文中にも書いた通りこれまで本作における設定では「あくまで艦娘と深海棲艦は別物」だったのですが、正直本編内の姫たちの台詞があまりにも「まんま」すぎるようになってきたとこの頃から感じ始めました(特にヒ船団棲姫が決定打でした)。
また何度もイベントに参加して、日下部による艦娘の救出作業がパターン化してきたと感じたのもあります。
そんなわけで後付けではありますが、「艦娘が直接深海棲艦に変じる」ケースも存在することにしました。
とはいえ、現状ではあくまで深海磨鎖鬼が能力を使った場合にのみ起こるイレギュラーです。また「艦娘の自我を剥奪して、兵器としての深海棲艦に生体ユニットとして組み込む」従来のパターンも、この先出ないわけではありません。
余談ですが、先日の佐世保のリアイベにまたも深海磨鎖鬼様(本物)がご降臨なさったようですね。なんだかこんなことはされない方のような気もしますが、まぁ本作の独自設定ということでご容赦下さい。
艦これ本編、ついに時雨改三が実装されました。台詞を聞くと本当は「いつかあの海で」のタイミングで実装したかったんだろうなぁ……としみじみと感じます()
また期間限定の梅雨任務が定期任務ということもあり、久しぶりに忙しく出撃しています。
とはいえそろそろリアルは夏になりますので、SS時間軸もせめていい加減「春」に入りたいものです。6月中に晩冬章を終えられるように頑張りますので、お待ち下さい。