戦姫絶唱シンフォギア ・イフ   作:邪神イリス

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人の悪意

 あのライブ会場の惨劇から数日が経った。

 

 響は、傷の大きさ自体は小さく、止血がされていたが、カケラのような物が体内にある事が確認され、それを取り出す為に手術が行われた。

 

 結果、心臓付近にある物以外は無事に取る事ができた。残ったカケラも、人体には影響はないとのことだ。

 

 そして、俺は未来、竜馬、隼人と一緒に、響のお見舞いに来ていた。

 

「大丈夫なの?響。」

 

「うん。骨とかも折ったりしてなかったし、あと数日もすれば退院できるんだって。」

 

「いや〜〜ホント、カイトと立花が無事・・・とは言えないかもしれないけど、生きてて良かったぜ。」

 

 「ええ。ライブ会場にノイズが現れたと聞いた時は気が気でなかったですが。あのノイズの大群の中、よく生きて帰って来てくれました。友人として、とても安心しましたよ。・・・・・ところでカイト。君はなんでずっと暗い顔をしてるんですか?」

 

 隼人がそう言うと、皆が顔を俺に向ける

 

「・・・・ごめんな、響。最初から非常口以外に向かっとけば、こんな傷を負ったりしなかったかもしれないのによ・・・・・」

 

「・・・なぁんだ。そういう事?大丈夫だよ。平気へっちゃら。もしカイト君がいなかったら、私あの場でノイズにやられてたかもしれないんだよ?だからそんな事は気にしないで。」

 

 「・・・・・たく。相変わらずのノー天気だな。悩んでいた俺が馬鹿みたいじゃねぇか。」

 

 「ええ!?それは言い過ぎじゃないの!?」

 

 病室に笑顔が広がる。

 

 「とりあえず、念のためにしばらくは絶対安静なんだから、退院しても無理しないでよ?」

 

 「しばらくは人助けもほどほどにな。」

 

 「そんな〜〜〜。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後、響は無事に退院し、学校にも復帰。

 

 クラスの皆は、カイトや響が無事だったという事を喜んでくれたが、そこにある少女の叫び声が加わる事により、教室の空気が一変する。

 

 「なんで・・・・なんでキャプテンは死んだのに、あんた達は無事に生きて帰って来てるのよ!?」

 

 まず、カイト達が通っている学校で、今回の被災者は三人。カイト、響、そしてサッカー部のキャプテンであった。

 

 そしてそのキャプテンは行方不明・・・ノイズに殺されて炭となり、遺品すら回収がされていない。

 

 そのキャプテンを慕っていた少女が、無事だった2人を糾弾し始めたのだ。

 

 「キャプテンは将来嘱望されていたのよ!なのにどうしてあんたたちだけ無事で・・・・・どうせ誰かを犠牲にして生き残ったんでしょ、この人殺し!」

 

 「待て。俺達はサッカー部のキャプテンがライブを観に来てたなんて知らないし、響に至っては怪我をしてたんだぞ?」

 

 カイトが少女を落ち着かせようとするが・・・・

 

 「怪我をする前に人を殺して生き残る事なんてできるでしょ!ニュースでもやってたんだから、間違いないわよ!」

 

 ライブ会場で、2人は生き残った。だが、やはり被害者は多く、その数は『12874人』。しかし、ノイズによる炭化能力で亡くなったのは、全体の1/5程度で、残りの原因は、混乱の中での逃走時の将棋倒しによる圧死や避難路の確保を争った末の暴行による傷害致死であった。

 問題は、死者の大半がノイズによるものではなく人の手によるものであること被災者や遺族に国庫からの補償金が支払われたという事実を使って、『生存者に向けられたバッシング』になるように煽る形で、マスコミが報道した事だった。

 

 「絶対やったに決まっているわ!実はキャプテンの事を恨んでたんでしょ!あんた達なんて・・・あんた達なんて、生きて帰って来なければよかったのよ!!」

 

 そして更に、根拠のないヒステリーがヒートアップしようとした瞬間だった。

 

 「いい加減にしやがれ!」

 

 少女の声をかき消すような、机を叩く音と大声が響き、その音の下に全員の視線が向けられる。

 

 そこにいたのは、終始顔を俯けて話を聞いていた竜馬だった。

 

 勢いよく立ち上がったのか、椅子は倒れており、その表情は怒りに染まっていた。

 

 「さっきから聞いていれば・・・お前!なんでそうも立花とカイトを責めやがる!」

 

 「だ、だって、コイツらがキャプテンを・・・」

 

 「確かに2人はライブを観に行ってたが、キャプテンも来ていたなんて知らねぇし。そもそもお前は本気でコイツらがそんな事をしたと思っているのか!?」

 

 激怒した表情で睨まれた少女は、先程より少し勢いが削がれながらも、反論をしようとする。

 

 「でも、誰かに聞いたり、会場で見かけたりしたかも「まず第一に、コイツらがそんな事するわけがねーだろ!普段の立花のお人好しぶりやカイトの星&宇宙博士っぷりを観てねぇのかよ!」っぅ・・・」

 

 それを聞いて、周りの生徒達は思い浮かべる。

 

 困っていたら誰彼構わず助けに行き、挙句の果てには人以外の生き物も助けようとする響と、宇宙や星に関する話になると一気に火が付き、何時間も語ろうとして竜馬や未来達に止められるカイト。確かに、そんな酷い悪さなぞするような人間にはまず、見えないだろう。

 

 「それによ!お前がやっている事を見て、キャプテンが喜ぶとでも思ってんのか!!」

 

 「!!!」

 

 それを聞いた少女はハッと息を飲む。

 

 響ほどではないが、お人好しな性格をしており、カイトほどではないが、サッカー選手の話になると止まらない所。そんな彼が、今の自分を見たらどう思うだろうか。どんな顔をするだろうか。

 

 「わたし・・・わたしは・・・・・」

 

 最初のヒステリックさは、既に鳴りを収めていた。

 

 実際、2人に何の罪は無い事はわかっていた。しかし、感情は抑えれない。何故キャプテンだけ死んだのかと。

 

 理屈と感情は別物なのだ。

 

 「・・・俺だって、あのキャプテンともう会えないのは悲しい。だけどよ、それとこれとは違うだろ?あの2人を責めようとするよりよ、キャプテンの分も生きていく事に集中したらどうなんだよ。死んだ奴はもう帰ってこねぇ。それに恨むのはノイズだ。ノイズがいなけりゃ、キャプテンは死ぬ事はなかったんだ。あの2人は、何も悪くねぇ。」

 

 「・・・・・・う、うわあああああああああああああああああああん!ぎゃぶでえええええええええええええええん!!」

 

 抑え込んでいた物が一気に放出されたのか、少女は泣き続けた。

 

 そして数分後、一頻り泣き続け、涙が収まり始めた少女は、響とカイトに顔を向ける。

 

 「ぐすっ・・・ひっく・・・ごめん・・なさい。わたし・・・2人に酷いことを・・・・・・」

 

 「・・・うん。もう、いいよ。」

 

 「誰だって、大切な人を失うのは辛いもんだ。」

 

 「ぐすっ・・・・・うん・・・・ありがとう。」

 

 その時の少女の顔は、憑き物が取れたように、とても晴れやかな表情だった。

 

 後日、この出来事を聞いた一部の他クラスの生徒が、今回の件をネタに、響とカイトにイジメを行おうとしたが、他大多数の生徒に妨害され、今回の出来事を教室に入らずに外で聞いていた教師達が徹底的にイジメを行った者を指導したおかげで、2人は学校での日常を失わずに済んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、人の悪意という物は恐ろしい物だ。学校でのイジメは無くなったが、特に響の家は、他一般人からの攻撃を受けた。

 

 カイトの家はセキュリティ的にかなり厳しく、更に父が元消防士、母が元警察という経歴を持っており、迂闊に手を出せば痛い目に合うと思ったのか、暴言が書かれた手紙が届くだけだった。

 

 だが、響の家はそうはいかない。剃刀の入った手紙、石などを投げつけられて割れた窓、落書きをされた壁に、貼り付けられた紙に書かれた暴言の数々と、プライバシー何て知ったことじゃないと押し寄せるマスコミ。

 

 そして、そんな状況に耐え切れなくなっていた1人の男性がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ・・・・・・」

 

 時間はもうすぐ夜。時間的にちょうど人がいない駅のベンチに、1人の男性が座っていた。

 

 (無断欠勤なんて・・・・初めてしたな・・・・・・)

 

 彼にとって、自身が勤めている会社は、自身の能力を最も発揮していくことができる場所であった。

 

 さすがに入社直後はまだまだ未熟な部分も多く、たまに小さな失敗をしてしまう事もあった。だが、今では所属部署の中でも特にやり手の社員として、上層部からの覚えもよく、所謂出世街道を邁進していく日々であった。

 

 「お父さん、お帰りなさい!」

 

 「あなた、お帰りなさい。」

 

 「お帰り。」

 

 「響! 母さん!義母さん!ただいまッ!今日の晩ご飯はなんだろう?」

 

 そんなエリート社員である彼だったが、コテコテの仕事一筋の会社員というわけではなかった。

 

 家に戻れば妻と義母、そして最愛の娘が彼の帰りを待ち、彼女たちの声が身体に溜まった疲れを吹き飛ばし、その笑顔に癒されていた。

 

 「お父さん!紹介するね!私の新しい友達!」

 

 「はじめまして、大木(おおぎ)カイトです。」

 

 響に初めてできた男友達。響にもようやく春が舞い込んできたかと嬉しく思う反面、親離れが始まるのかなと、寂しくも思った。

 

 その後に更に2人も友達が増え、毎日嬉しそうな顔で話す響を見て、幸せな気持ちで一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「え・・・響がカイト君とライブを観に行って、ノイズに襲われた・・・っ!?」

 

 そんな彼の暮らしが一変したのは今から十数日前。

 

 とあるアイドルのライブ会場に特異災害であるノイズが発生。大勢の死傷者が出たその混乱に響とその友達であるカイトが巻き込まれたのだ。

 

 幸いな事に怪我をしたとはいえ、命に関わるような事はないとわかり、響は数日程で退院。

 

 いつも通りの日常に戻る事ができた・・・・筈だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「私が担当を外されるって・・・?それはどういう事なんですか!?」

 

 彼にとって辛くなったのその後からだった。

 

 自分の娘とその友人が、ライブ会場の惨劇を生き残り、後遺症などもなく、元の生活に戻ることができた。

 

 そのことを会社でうれしそうに同僚や部下に話していた彼だったが、上司に呼び出された彼に告げられたのは、担当している仕事を外され、閑職に回されるという話だった。

 

 理由は、彼が担当していた取引先の社長令嬢がライブ会場で命を落とし、その社長が彼の娘と友人のことを知り、機嫌を損ねた事により、契約が半ば白紙となったのだ。彼の会社の上層部はその責任が彼にあると一方的に決め、彼から仕事を取り上げた。

 

 それ以後、彼に回される仕事は次第に減っていき、2、3日経つ頃には、彼の仕事は取り止めのないものばかりとなっていた。

 

 更に不幸は続く。ライブ会場での惨劇の生存者へのバッシングにより、彼にとって最も大切な家族が待つ家でさえも、その心を休める事は出来なくなっていた。

 

 毎日のように投げ込まれる石、一方的な暴言という名の言葉のナイフ、涙を浮かべる家族。

 

 以前の彼ならば、そんな家族の為になんとかしようと行動出来ていただろう。だが、その時の彼は、なんとかしようだなんて思い浮かばないほどにその心は擦り減り続け、荒れに荒れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (何故なんだ・・・・何故、娘とその友達が助かっただけで、こんな目に会うんだ?何故、生きていただけで仕事を失う?何故、何故、何故、何故・・・・・)

 

 「何故、俺は・・・・・・」

 

 頭に何故という疑問が一つ浮かんでは更に疑問が増える。そんな悪循環に苛まれ、通り掛かる人が彼を無視して行く中・・・・

 

 「あれ、立花さんのお父さん?」

 

 1人の少年が声を掛けた。

 

 「君は・・・・・」

 

 そこに居たのは、自分の愛娘の友人の1人、天道隼人だった。格好を見るに、ちょうど学校を帰る途中なのだろう。

 

 「どうしたんですか、こんな所に座り込んで。立花さんが家で待っているんじゃないんですか?」

 

 「・・・・・・・」

 

 子供に対して相談するような事じゃない。だけど、誰でもいいから、今は誰かに自分の中の淀みを吐き出したかった。

 

 「実はな・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 近くのファミレスに入り、2人は向かい合って話していた。

 

 「なるほど・・・会社での仕事と立場を失い、家に帰ってもバッシングの嵐。こんな状況では、耐え切れないのは無理もないとは思います。」

 

 「・・・・・・・・」

 

 「ですが、貴方はどうしたいのですか?」

 

 隼人の問い掛けに対し、洸は黙ったまま顔を俯けていたが・・・・

 

 「俺はただ、響とカイト君が無事に戻って来てくれた。生きていてくれた。ただ、それを喜んでいただけだったのにな・・・・」

 

 洸は少しずつ、ポツリポツリと吐き出しいていき、隼人はそれを黙って聞く。

 

 先程まで頭の中に浮かんでいたあらゆる疑問。それらを話していると、内容はだんだん妻や義母、そして愛する()の事になって行く。

 

 そして、自分はそれらを全て捨てて逃げようとしている事を話して行く。

 

 「・・・・・なるほど。それでは改めてお聞きします。貴方は一体どうしたいのですか?」

 

 延々とと続いていた洸の言葉を、隼人は遮る。

 

 「・・・・・・・」

 

 「貴方が今の現状から逃げようとしていた事を話していた時、酷く辛そうな顔をしていました。本当は心の底では、逃げたくないんじゃないですか?」

 

 「それは・・・・・・」

 

 「少し質問を変えます。貴方は、会社での居場所が無くなった原因はなんだとお思いですか?」

 

 その質問を聞いた瞬間、洸は頭の中が沸騰していくように感じた。

 

 「隼人君、君は響達が悪いとでも言いたいのかい!?」

 

 突然の大声に、周りの客が視線を向けるが、すぐに興味を無くしたのか、また各々で食事をしたり会話を楽しみ始める。

 

 洸の大声に対して、隼人は首を横に振って答える。

 

 「そうとは言ってませんし、その答えは間違っています。貴方は先程、会社で立花さんとカイトが無事に生きて帰って来てくれたという事を話したと、話してくれました。つまり、それは立花さんがそれだけ大切な存在であるという証拠の一つです。今まで頑張ってこられたのも、立花さんの事を思ってきたからなのでしょ?」

 

 「・・・・・・」

 

 「それに、貴方は僕の言葉を聞いた時に、真っ先に立花さんが悪く言われていると思い、それに対して怒りました。それだけ彼女の事を思っているのなら、貴方はまだ戻る事ができます。」

 

 「戻るだって・・・・?」

 

 「彼女にとっての父親は、貴方だけなのですよ?そんな貴方がここで逃げれば、彼女は心に深い傷を負うでしょう。」

 

 「でも、俺は一度逃げようとしたんだぞ?そんな俺のことなんか・・・あの子は情けない男だなんて思うんじゃ・・・・」

 

 「逃げる事も時には必要です。ですが、今は逃げるのではなく、耐え、立ち向かう時です。」

 

 「立ち向かう時・・・・」

 

 その言葉を、洸は心の中で噛みしめる。

 

 「・・・・ありがとう。君のおかげで、色々と目が覚めた。娘の友達に諭されないと何もできないなんてな・・・・」

 

 「貴方達大人からすれば、自分はまだ子供でしょうが、もうすぐ中学生になるんです。弁護士を目指すからには、これくらいの事は出来る様になりませんと。」

 

 「そうかい・・・・それじゃあ、気を付けて帰るんだよ。響とこれからも仲良くしてくれ。」

 

 「はい。喜んで。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、家に帰った彼は妻と義母、そして娘に今回の事で話して、妻からは逃げようとした事に関して1発ほど平手打ちを貰い、響は朝になるまで泣き続けたが、今度こそ皆で乗り込えて行こうと、家族は絆を深めたのであった。

 

 因みに余談であるが、洸は後日、会社に辞職届けを叩きつけ、今はNPO法人などで、ボランティアとして活動している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、それから2週間ほど後、立花家へのバッシングがピタリと止んだ。響達や学校関係者は、毎日剥がしたりしていた紙や落書きなどが追加で来なくなり、安心すると同時に、あれほどのバッシングが急に止まった事に対して不思議に思った。

 

 その理由は、バッシングが止まる2日前ほどの事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、複数の男女が、ある家を目指していた。

 

 「あそこの連中、まだ死んでねぇってよ。」

 

 「往生際が悪いよね〜。とっとと自殺でもして罪を償えばいいのにさ。」

 

 「ぎゃははは!その通りだな!」

 

 彼ら彼女らは、いつも立花家に石を投げ込んだり、落書きなどをしている常習犯であり、今夜も、寝ている所を脅かしてやろうと来ていたのであった。

 

 「・・・ん?ねぇ、なんか臭くない?」

 

 「あ?んだよ。誰か屁でもこいたのか?」

 

 「違うって、なんて言うか、ガソリン臭いような・・・・・」

 

 『・・・・・この先に何のようだ。』

 

 「!?」

 

 「だ、誰だ!?」

 

 連中の周囲に声が響く。周りを見渡すが、何も見えない。

 

 「何のようって、この先には人殺しの家があるんだぜ?俺達がやろうとしてるのは悪党退治ってやつだよ。」

 

 リーダー格の男がそう言うと、取り巻きの連中は落ち着きを取り戻す。

 

 「そうそう。アイツら、人殺しのくせに補助金とか貰ってんのよ?」

 

 「つまり、俺達がやっているのは、正義の味方による悪党への罰ってやつだよ。」

 

 上機嫌な様子で連中がそう言うと・・・・・

 

 『・・・・誰がそんな事をしろと頼んだ。』

 

 「はっ?」

 

 『俺達はノイズに殺されたんだ。』

 

 『1人でも多くの人を助ける為に奴等と戦った。』

 

 『お前達はその思いを踏みにじった。』

 

 『絶対に許さない。』

 

 怒りの篭った声が響く。そして、リーダー格の男の前に黒いモヤが現れ、赤い目が光る。

 

 「「「「っ!?」」」」

 

 『立ち去れ・・・・ここから立ち去れぇっ!!』

 

 そう叫びながら、モヤが突進してくる。

 

 「ひ、ひいいいっ!?」

 

 「お、俺達が悪かったーーーっ!」

 

 「た、助けてーーーーーーーーーーっ!」

 

 そう言いながら連中は一目散に逃げて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深追いをせずにその場にモヤが止まると、虹色の粒子が包み込み、元の姿戻る。

 

 「ふーー・・・・後一回ぐらいやれば、もう二度と来なくなるだろ。」

 

 黒いモヤの正体はカイトだった。以前間違って吸った排気ガスに体を変え、亡霊の振りをして、彼らを脅したのだ。

 

 (正直、亡くなった人達の真似なんてしたくはないけど、これが1番効果的っぽかったからな。後少しなんだから、我慢しよう。)

 

 最初、響の家の現状を知った時は、犯人の奴等に、『イフ』としての姿になって攻撃しようかとも思ったのだが、それをすれば、奴等と同じような事をするだけだと思い、非暴力かつ、確実に脅かせる方法として、今回の作戦を考えたのだ。

 因みにだが、マスコミに対しても、カメラが回っていないタイミングで同じような事をしていた。

 

 (まだ一部の奴等は続けているが、良識的な人達の発言のおかげで、被害者へのバッシングが少なくなってきている。もう少しだけ頑張ってくれ、響。)

 

 立花家のある方角へ一瞬視線を向け、両親に家を勝手に出ているのをバレないうちに家へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 




 どうも、邪神イリスです。

 響の怪我は今作では少し軽めになっています。止血などをする余裕がカイトのおかげでありましたので。

 そして2人のオリキャラにより、2つの悲劇は避けられました。因みに、名もなきサッカー部のキャプテンの性格はオリジナルです。こんな性格だから慕われてたのかなという作者の勝手な妄想によるものです。

 でも、GXでの洸さんどうしよ・・・・まぁ、その時に考えればいいか。

 後、正直最初はカイトをイフ第四形態の姿にして暴走させようかとも考えたのですが、正直そうなると本当にこの世界が終わるのでやめました。

 煙状態の元ネタはポケットモンスターTHE ORIGINのガラガラです。あれ、シオンタウンの雰囲気も相まって、なかなかのトラウマと同時に感動した話なので好きです。

 というか、主人公の名前全部出したの今話が最初か?ずっと下の名前しか出して無かったな・・・・

 因みに名前は、ご存知ウルトラマンマックスの『トウマ・カイト』から取っています。
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