バットマン世界の警察に転生したら潜入任務をやる事になりました。え、僕がまさかのジョーカー!? 作:マッキーガイア
ジョークって言うのはやはり誰にでも思いつくものらしい。
目を瞑って気絶したふりをしながらそう思う。思い出すは少し前の記憶、大きな帽子を被ったおっさんが僕の頬を触れた時だ。
あんにゃろう、僕をアリスとかほざきやがった、ウィッグがたまたま金髪だっただけなのにこんな目に合うとは…。後で二度とウィッグの色を金髪にしないよう上司に申請しよう。
因みに今の僕の設定は催眠術を掛けられて気絶したふりをしている女の子です。まぁ、催眠術というか脳波コントロールを受けている設定なんだけど、しかし何故脳波コントロールを受けている“設定”かと言うと、理由は簡単でつまるとこ脳波コントロールが効いてなかったという訳でして…いや、一応効くように設定はされていたんだと思うよ?女性に効く様にね?
だけど僕男だから、ごめんだけどね…
「ヒヒっ…バット…まんまとワンダーランドに入ってくれた様だな。そこは私とアリスが始めてあった場所、アリス…アリスアリス!」
遠くに居るマッドハッターが少し煩い。
最近、ロクに寝れてないんだ、少し寝かせろよ。
しかし、バットマンも来ているのか…
今、バットマンとはあんまり会いたくない、一応警察の潜入捜査官がこんな格好をして、まんまと捕まっていました、なんて無様にも程がある。流石にこれ以上バットマンの警察への評価を下げたくないし…
でもここで一気にマッドハッターを捕まえ様にも距離が離れすぎている。近づいた瞬間、奴の脳波コントロールにやられるかもしれない。
僕を誰も見ていない事を確認しながら少し頭を上げ、マッドハッターが見ている画面を睨みつける。
「……バットマン…笑っている?」
誰も聞こえない方の音量でそう呟く、
画面の先には笑いながら気絶しているマッドハッターの部下を殴り続ける、バットマンの姿があった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そこは、恐怖、不思議、あどけなさ、様々な言葉を重ねても足りない世界だった。
傘が重なった様な場所で私は倒れている。
耳の中には「ワンダーランド」という言葉が木霊する。
いつしか、周りにはトランプの兵士達が私の前に立ち塞がっていた。早くこの世界から出なくては、と気を急ぎながらも周りを見る。ふと、少し遠くに先程の古時計が大きくなった様な古時計が見える。
『悪魔だ…悪魔だ…!』
そう言いながらトランプの兵士達は私を見るなり手元にあった槍で襲ってくる。
私は体を起こし、向かってきた槍を掴むとポケットにあったフリーザーグレネードを起動する。
対象を凍らせる事しか能は無いが仮にもグレネード、
ドガァァァァン!!
と爆発位置から2メートルほど吹っ飛ばさる。ザンっと近場の木の根元にぶつかると、胸の奥の痛みに歯軋りした。スーツのおかげで私の身体が凍る事は無かったが、肋骨が数本折れた感じがする。
「ぐっ…」
折れた部分を支えながら立ち上がる。いや、実際は折れてないのだろう。此処はヤツが見せる幻影の世界の中、現実世界に痛みまでは持ち越せない筈だ。
周りのトランプ達は私をじっと見つめていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「出来た…出来た!!アハハハハハハハハハ!!」
私は思わず声を上げて笑った。ああ、そうだ、やっと出来たのだ。幾多のヴィランに勝つ手段をやっと手に入れた。
私は上司。それはあだ名であって名前ではないがみんなそう呼ぶのでそう言っておく。最近ロボット工学ばかり勉強しているので、私は本当は科学者なんじゃないかと思ってしまうが、れっきとした警察官だ。
それで、私が何故ロボット工学を勉強しているかというと、理由はまずこの犯罪率の高さが原因にある。この東京では警察がどうにも出来ない事件、事故、それらが多すぎるのだ。これらを予測し対処出来るのははっきり言ってバットマンを置いて他にいない。
ーーバットマン、初めて人前に躍り出たのは1251日前のラーズ・アル・グール率いるリーグ・オブ・アサシンが東京に攻め入った時、警察がいくら対処しても仕切れなかったラーズ・アル・グールをたった1人で互角以上に戦い勝ったのが始まりだ。
それ以来バットマンは様々な戦いを制してきた。
さて、こんなバケモノ級の筋力、捜査力、思考力が備わった人間が沢山いたらどうする。この街はすくなくとも現状よりは良くなるだろう。
ならばバットマンを量産出来ないだろうか。
はっきり言って人間をこのレベルにまで引き上げるのは不可能。いくら過酷なトレーニングを施してもその前に人間が壊れてしまう。ならばこうすればどうだろうか、高性能で高耐久なロボットを大量生産してバットマンのデータを移植する。
データの採取は最近発動した"ジョーカー計画"の副産物で手に入る。
バットマンには悪いがこの作戦、邪魔はさせん。
「お前の名前は…そうだな…こんなのどうだ?ハハッ、お前も気に入ったか!
ジェイソン・トッド。」