そのウマ娘が“白銀の突風”と呼ばれるまで   作:乃亞

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自分の予想以上のUA数、お気に入り数をいただけてびっくりしている次第です。
2日から3日に1話更新できたらいいなぁという気持ちで書いていきたい気持ち。


第1R 前を向かないウマ娘
第1話 着色: pigmentation


「……なにこれ?」

 

 

 スズカさんと別れてから帰ろうとしたら、なにやら私の部屋の前に寮長のフジキセキさんがいた。というかぶっちゃけ張り込んでいた。

 

 ……そういえば学園の校門前にエアグルーヴさんが張り込んでたな。誰探してるんだろうって思ってたら私だったのか。仕方ない、窓から入ろうかな。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「……いや、なんでよ」

 

 一旦寮から出て外から入ろうとしたら生徒会長サマ、つまりシンボリルドルフさんが外で私のことを張っていました。なんで生徒会総出で私を探してるのさ?大捕物かなんかか。

 

 ……いや私がサボってるからか。不良生徒を取り締まるのが生徒会の役割と言われたら私の口からは何も言えないや。たしかに大捕物だ。

 

 

「……なんの用ですか?」

「君がスバルメルクーリだな。唐突だが君には次の選抜レースに出てもらうことになった。またそれに際し、君には少なくとも選抜レースが終わるまでの間監視をつけることになった」

「…………はい?」

「監視役は君の隣の部屋のトウカイテイオーとマヤノトップガンに頼んでおいた。なにか不便があるなら彼女らに言うといい」

「いやちょっ」

「あぁ、トレーニングも彼女らと一緒にやってもらう。2人とも優秀な子たちだから相手にとって不足はないはずだ」

 

 

 ちょっと待て。この7冠は何を言っているんだ。選抜レース?監視役?どこを切り取っても理解できない。そこまでする意図が分からない。

 

 

「……嫌だと言ったらどうなりますか?」

「君の学園での居場所はなくなると思ってくれていい。つまり、退学だ」

「それでいいと言ったら?」

「…ん?」

「今すぐここから出て行くと言ったら?って聞いてるんですよ」

 

 

 言った瞬間、しまったと思った。自分が隠してた醜い部分を露呈してしまった。しかもよりによって中央トレセン学園の生徒会長、7冠のシンボリルドルフに向かってだ。

 

 

 スズカさんの時といい、どうにも今日は虫のいどころが悪い。聞かなくてもいいことを聞き、言わなくていいことを言ってしまう。どうにか止めなくちゃ。

 

 

 ……そうは思っても止まらないのが今日の私の口で。

 

「私はあなた達と違う!走ることが好きなわけでも大層な目標があるわけでもないッッ!!それなのに勝手にレースなんかに出させないでくださいよ!!!」

 

 次の瞬間、私の視界が横にブレた。状況的にも会長サマが私をビンタしたのだろう。私の左頬がジンジンしているのがその証拠だ。

 

 言っていいことと悪いことがあるのは私でも分かる。そしてこれは完全に言っちゃならないことだ。少なくとも誰もが夢やら目標やらに向かって走ってるここトレセン学園ではこの言葉は禁句。なぜなら選抜レースに出たくても出られない奴だっているんだから。

 

「今すぐここから出ていく?それができるならもうしているだろう。なのにそれをしていないということは出来ないからに違いない。いいかスバルメルクーリ、甘えるな。君のソレは甘えに他ならない。いいか、次の選抜レースに出ろ。出ないならこの学園から出ろ。こちらからの通達は以上だ」

「……」

「……叩いたことは謝罪する。では、レースでの好走を期待させてもらう」

 

 そう言い残し、私に背を向けて帰る生徒会長サマを見送ることしか私には出来なかった。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「ボクはトウカイテイオー!テイオーってみんなに呼ばれてるからキミもそうしてよ!」

「マヤはねぇ、マヤノトップガン!マヤノとかマヤちんって呼んでね!」

「……スバルメルクーリ。好きに呼んで」

「「じゃあメルちゃんだ!よろしくね、メルちゃん!」」

 

 

 仕方なく寮の部屋に戻り、部屋の前で張り込みを続けていたフジキセキさんに紹介されたのはどこか生徒会長サマ(シンボリルドルフ)を小さくしたようなウマ娘とくせっ毛気味の明るい栗毛のウマ娘。多分二人とも中長距離でかなり走れるタイプだと思う。

 

 まあいいか、テキトーに逃げられるでしょ。

 

 と、思ってたのに…。

 

 夜こっそり抜け出そうとするとマヤノトップガンが眠そうな目をこすりながら「メルちゃん、こんな遅くにどこ行くの~?」って聞いてくるし、朝は朝でトウカイテイオーが私の部屋の合鍵を渡されたのか「おっはよーメルちゃん!今日は授業も一緒に受けよ!」って私が抜け出す前に突貫してきた。二人とも同じクラスなのか…知らなかった。

 

「…あら?」

「…メルクーリさんじゃない?珍しいわね」

「やっぱり可愛いよね、メルちゃん」

 

 二人から強引に抜け出すのはさすがに厳しいから仕方なく教室に登校するとクラスのみんなの目が私一人に突き刺さってきて辛い。何なら担任の先生すら驚いた顔を一瞬見せたの、私気づいてるからね?

 

 

「日本におけるクラシック3冠を……じゃあスバルメルクーリさん答えてください」

「皐月賞、東京優駿、菊花賞」

「はい、正解です。この中の皐月賞ですが…」

 

 …久しぶりに出席した授業は、その、なんというか。

 予想以上に基本的な内容で面白くなかったとだけ言っておく。




A○emaで今なら日曜日までアニメ1期が全話無料で見られるのに気づいてしまった。マックイーンとゴルシの絡み好き。一気見ですわ!パクパクですわ!
見ながらアプリやってますけどイベント完走するのキツくないですか…?キツくない、そうですか…。
改めまして感想、お気に入り、評価、UA本当にありがとうございます。嬉しいんでもっとくれるともっと喜びます。
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