久しぶりのトレーニングをした次の日、私はマヤノに朝早くからドアをバンバン叩かれる新手の叩き起こしを受けていた。
「メルちゃん早く早く!マヤ、限定の洋服見に行きたいの!」
「……マヤノ、私眠いんだけど。なんで私も行かなきゃいけないのさ」
「テイオーちゃんはチームメンバーの応援にいかなきゃいけないらしくて、今日メルちゃんを見れる人がマヤしかいないの!だから一緒に着いてきて欲しいの!」
「……行かないって選択肢はないの?」
「…………ダメ?」
「………………はぁ。分かったから少し待ってて。行く準備するから」
「やったー!!メルちゃん優しいね☆」
私の監視などという人に押し付けられたものでマヤノが楽しみにしてたであろうショッピングがフイになるのも少しかわいそうだなと思ってしまい、思わず行くと言っちゃった。決してマヤノに言いくるめられたわけじゃない。
…というかテイオーってチームに入ってたのか。それすら知らなかったんですけど。
「お待たせ。どこに行くの?」
「おー、ちゃんと似合ったコーデしてるね!マヤも今度真似したい!んでね、ここの限定セット見てから、こことこことここのお洋服見てそしたら……」
…どうやら思った3倍は時間もお金もかかりそうだ。
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「たっくさん見れた、楽しかった〜!」
「…そっか、ちゃんと見たいもの見れたなら良かった。私は少しお腹減ったかな」
「じゃあご飯食べに行こ!この近くマヤの好きなレストランあるからそこでいい?」
「そこにしよっか」
2人で思い思いの服を見ていたら結構時間が経っていたのでレストランでご飯休憩をすることにした。ちなみにマヤノは好みの洋服を2着、ヒールを1足買って満足げにしていた。
信号待ちになったのでふと上を見上げると、どうやら中山レース場でレースがあるようで電光掲示板に中継が映されていた。それをぼんやり眺めていると見覚えのある栗毛のウマ娘がファンに向かって手を振っていた。というかスズカさんだ。今日レースだったからこの前お休みだったんだね。
「あ、スズカちゃんだ!1番人気なんてすごいなー!メルちゃん知ってる?スズカちゃんとテイオーちゃんって同じチームなんだよ?」
「…え、そうなの?」
知らないから知らないと返したらマヤノにしては珍しそうな憐れみのようなものを込められた眼差しを返されてしまった。知らないんだからしょうがないじゃん。
「スズカちゃんとかテイオーちゃんとかが所属してるのがチーム〈スピカ〉っていって、最近メキメキと成績を伸ばしてるチームなんだよ!チーム〈リギル〉にも近いうちに追いつくかもしれない強いチームなんだって!」
「……ふーん、マヤノってそういうことにも詳しいんだ。大人のレディってやつ?情報屋さんだね」
「…確かにマヤは大人のレディになりたいけど、これは他のウマ娘もみんな知ってることだと思うよ?チーム勧誘のビラとか貰わなかった?」
「もらったけど内容読んでないし、ほぼ全部紙飛行機にして飛ばした」
さっきから私は事実を素直に言っているだけなのにマヤノからの評価の下落が止まらない。具体的にいうと憐れみの目がそろそろバカにする目になりつつある。なんでさ。
なんて言ってたらどうやら出走時間になったらしく、スズカさんを含めた15人がゲートに入って出走準備を整えていた。
「メルちゃん、このレース見てからにする?」
「…そうする」
『サイレンススズカだサイレンススズカ!グランプリウマ娘の貫禄ッ!!!』
「早かったね、スズカちゃん」
「…そうだね。他に駆け引きをする選択肢さえ取らせない強い走り方だったね」
レースはスズカさんが余裕の1着。ゴールした後に寄っていた観客席でテイオーも確認できた。その横の棒付きキャンディを舐めてる男の人がトレーナーなのかな。
正直スズカさんが最初に抜けた時点で着順が決まったようなものだったので、余計に自分の空腹を強く感じるようになっていた。
「お昼ご飯、食べに行こっかマヤノ」
…まぁ、今のレースのスズカさんの動きはすごく参考になった。選抜レースはこれで行けばいいか。
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同時刻、中山レース場。
「おめでとうスズカ。気持ちよかったか?」
「はい、ありがとうございます」
「ウイニングライブまでにしっかり体を休めるように」
「はい!」
サイレンススズカの勝利を見届けたトレーナーはトレセン学園に戻ろうとしていたが、そこでトウカイテイオーに声をかけられた。
「ねぇねぇトレーナー!」
「ん、どうしたテイオー?」
「新しいチームメンバー増やす気、ない?」
「……はぁ?」
「今度の選抜レースに出るんだけどさ、見てみない?
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ちなみに私がアプリでの実装を1番待っているのはサトノダイヤモンドさんです。ちなみに実装された時用の資金は宝塚記念に貯金しておきました。心の中の逆張りオタクがクロノジェネシスを回避しました。ぴえん。