新訳・機動戦士ガンダム0083~星屑の光、裁きの剣~ 作:アライズ
新訳・機動戦士ガンダム0083~星屑の光、裁きの剣~
最終話
勝者なき戦場、星屑となりて
ガトー:未熟だな。相手が少女に見えると撃てないというのか?
コウ:くぅ…。だがお前の事を認めるつもりは!
ガトー:(いや、私もか…。コロニーを落とす中でもウラキに固執してはいられない…。このコロニーはジャブローに落とすのだ…。)
チャンドラ:まさかあのMAの動力でコロニーを動かすと言うの!?
く、邪魔しないで!死ぬつもり!?
カリウス:ガトー少佐の為なら…デラーズフリートの悲願の為ならば!
チャンドラ:…くっ、大志だけはある人程厄介な人は…。
チャンドラはカリウスのリックドムをビームライフルで撃ち抜く…。ノイエジールを仕留めることは出来なかったが
チャンドラ:コロニーは任せるしかないわ。これ以上は限界よ。
コウ:くぅ、チャンドラ、僕はガトーに負けたのか…。それにオーキスの損傷が酷くドッキングが外れない…。
チャンドラ:いいえ。生きているものが決めること…。彼は記憶に残る存在かもしれないけど、生き残ったものが結末を作れるはず。
問題は…。
コウ:それより時間は…!ニナだって心配しているだろ?ニナから聞いたんだ。ガトーはニナの…。だからこそ僕は…。
チャンドラ:ガトーの最後を伝える理由はありそうね。ドッキングはこちらから外すわ。離脱しましょう。
…コウ、1つ聞きたいのだけど私のことは…。
コウ:嫌いじゃないさ。命を救ってくれたり助けになってる。
チャンドラ:そう…。でも貴方には、
コウ:ニナのことかい?僕で釣り合うか分からないんだ…。
チャンドラ:自信を持って。今の貴方の事、私も嫌いじゃないんだから…。アナハイムのお嬢様とかだからじゃなく彼女と…気が合いそうだから。
コウ:優しいなチャンドラは。
チャンドラ:…ドッキング解除します。
ブッピガン!
コウ:わわわ…。ステイメンにもダメージが乱暴だよ…。
チャンドラ:離脱までギリギリだから飛ばすわ…。オーバーブースト…お願い。間に合って……。
シナプス:く、私達は結局見ることしか出来なかったのか……。
チャンドラ:こちらチャンドラ。敵MAはコロニーのエンジンとなり進路をジャブローへ変える予定です。コウは無事です。
シナプス:犠牲こそないが…。この件はどうなるだろうか…。良くやったチャンドラ隊長代理。ソーラーシステムに任せて本艦は大気圏突入する。
一方コロニー推進部
ガトー:(残ったのは私一人か…。寂しいものだな。本当の好敵手と巡りあえた、私の本当に得たかったものがあったと言うのに…。)
ガトーはここまで来て自分が男として認められたい事を自覚したのであった。それと同時に彼は
ガトー:散っていった同胞には申し訳ないが…。もしもニナ…君を振りほどけなかったなら…そう考えてしまうものだ。
だからこそ最後のけじめ。ソロモンの悪夢はこの戦いの果てに星の屑となるのだ!
バスク:ソーラーシステム、目標コロニーだ。散れ、ジオンの亡霊!
!
ガトー:(機体の熱量が……!すみません、デラーズ閣下…ガトーは…ここまででした…。)
デラーズ:(良いのだガトー…。我らの大義は無意味ではない…)
ガトーは死に際にデラーズの思念を見た。コロニーはジャブローに進路を取ったため予定よりも落下時間が延長。ソーラーシステムのチャージ時間が間に合う結果となりジャブローへの被害はほぼ無傷となりコロニーは星屑となった。
こうして後にデラーズ戦役と呼ばれる話は終わり、ジオンの残党の多くはアクシズへ進路を取ることとなった。
そして…。
シナプス:査問か…。確かに結果としては成功だが我らをあくまで裁くつもりか。
コロニーの降下こそ阻止したものの。ソロモンの悪夢、及びデラーズフリートの戦力は余程のものであった。連邦が屈する日も近い…。そのように書いた記者もいたと言われている。
そのためか今回の件を取り締まり軍部政変を起こす動きが取られていた。バスク・オムとジャミトフ派…後にティターンズと呼ばれる組織を作るものによる動きだ。
査問官:アルビオンクルーに次ぐ、抵抗はするな。武装を解除し指示を聞け。
ガンダム開発計画から巡る事件の中で真の勝者はこの流れを利用した者達だった。アルビオンクルー、ガンダム開発計画のトップであるコーウェン達に裁判がかけられる。
その結果、アルビオン艦長であるシナプスは極刑。ガンダムパイロットのウラキは投獄されることになる。
そしてチャンドラは…。
バスク:返答を聞こう。チャンドラ少尉?ティターンズに入るのか?
チャンドラ:(あのソーラーシステムのような過剰な力、残党狩り…。本当に連邦に必要な力ではない…。私の身は危ういとしても…。)お断りします。
バスク:なにぃ?
チャンドラ:私は戦いの道具ではありません。上の指示だけで戦えるようなものでもなく、過激な命令はご遠慮したい所存…
バンッ!
バスク:だまれぇ!
チャンドラ:あうっ!
バスク:…ち、お前には失望した。賢い娘だと思っていたがウラキに毒されたか…。行け。もう呼ぶことはあるまい。
チャンドラ・キースやモーラと言ったアルビオンクルーの一部はティターンズ入りを拒否…。コロニー降下予定地点の治安維持として左遷扱いとなる。
またガンダム開発計画は抹消され投獄中のウラキもチャンドラと同じく北米への左遷となる。
そしてアナハイムにニナ・パープルトンは帰った。
ニナ:確かにガンダムは兵器だった。ただ歴史を変える力、その運命は担っていたわ…。私の兵器開発はまだ終わるわけには行きません。
開発員:ニナさん次のガンダム開発のプランなのですが…。このようなプランが。
ニナ:新素材…。ムーバブル・フレームの実験機?ガンダム…mkⅡ?これの担当を紹介して。
開発員:はい、ビダン…。フランクリン・ビダン博士です。
ティターンズ…。武力による統制の組織。その組織に必要なのは個の力ではなく郡の力であった。
本来の力では試作ガンダムに劣っているmkⅡであったが、そのガンダムが後の開発と宇宙世紀に新しい運命をもたらすことになる…。
星屑の記憶の中で新たに宇宙は続いて行くのであった…。
完