新訳・機動戦士ガンダム0083~星屑の光、裁きの剣~ 作:アライズ
新訳・機動戦士ガンダム0083~星屑の光、裁きの剣~
第8話
ジオンの残光
ガトー:あのガンダムのパイロット……確かウラキといったな。奴の仲間は私を見逃した、確かに私はガンダムを失ったがそれは奴らも同じはず。
カリウス:それだけ奴らはジムの性能を高く見積もっているんですよ。
ガトー:確かにリック・ドムⅡよりあのジムの性能は上だが、私の腕なら追い付ける。
シーマから通信が入る。
シーマ:ガンダムの役目は終わってるし、首尾は上々さ。アナハイムからモビルスーツも貰ったしね。
ガトー:モビルスーツまでくれるとは、随分太っ腹ではないか。
シーマ:お払い箱になったモビルスーツを改造した『ガーベラ・テトラ』。わざわざ専用の耐Gスーツもよこして来たが、今のパイロットスーツで問題無かったねえ。
ガトー:機動力は差程でもないと?
シーマ:機動力は新型だけあって良かったけど、元々私のパイロットスーツはリック・ドムⅡも対応できるようになっててねえ。ガーベラ・テトラのGはそれくらいだったのさ。
すると通信に割り込みが入る。
ハマーン:お話中のところ失礼する。
ガトー:ハマーン・カーンか。
ハマーン:我々は星の屑作戦の援護のため、モビルアーマーを派遣している。そろそろ到着するころだ、デッキに上がってくれ。
デッキ
ガトー:で。何でドレスに着替えさせられているんです、デラーズ閣下?
デラーズ:アクシズから受け取ったモビルアーマーのお披露目だからな。
ガトー:式典、といったところでしょうか。それにしても、良く私のサイズに合う物がありましたね。
ガトーの身長は165cm。男性の軍人としては低い部類だが、女性としてみれば高い部類なのだ。
※195cmじゃないっけ?と思った人が居るかも知れないが、それは原作のガトーである。
カリウス:これがアクシズのモビルアーマー……
その頭頂高76.6 mで全幅73.6 mのデカさは収容できないので牽引される形となっているが、お披露目ということでデッキから見える形で牽引されていた。
ガトー:素晴らしいっ! まるでジオンの精神が形になったようだ。
カリウス:マニュアルによると『ノイエ・ジール』。ジオンのエンブレムを模した機体、ということだが良くそれが分かったな。
ガトー:彼ら……いや、ハマーンは女性だから彼女らか。ともかくアクシズの戦友達の心意気だからな、そのくらいは分かるさ。
デラーズ:早速テストしてみるか?
ガトー:勿論だ。
ガトーはパイロットスーツに着替え、ノイエ・ジールに乗り込んだ。
ガトー:くっ、モビルスーツの時はパイロットスーツのお陰で何とかなっていたが……この機体のGはかなりキツい。
モビルスーツは乗り手があまり鍛えてなくても乗り込めるため、華奢なガトーでもその腕前を見込まれて軍人となれたのだが……
ノイエ・ジールはその巨体を補うためにスラスターが付いており、そのGが現行のパイロットスーツで耐えきれる物では無かったのだ。
グワデン
ガトー:シーマは居るか?
シーマ:ちょうどノイエ・ジールのお披露目とやらに付き合っていてね。
ガトー:ちょうど良かった、確か連邦から耐Gスーツを貰っていたといってたな。それを私に貰えないだろうか?
シーマ:もて余した物だから構わないけど、女性用のデザインになってる。正直私はこのデザインも気に入らなかったのさ。
ガトー:構わない、あのノイエ・ジールのGは試作2号機の比ではないからな。
そして、星の屑作戦は大詰めを迎えようとしていた。
その真の目的は地球へのコロニー落としだったのだが……
ガトー:デラーズ閣下。このままだと、コロニーは北米大陸に落ちます。
デラーズ:それでいいのだ。私の目的は北米を焦土とし、コロニーの発言力を増すことだからな。
ガトー:それではきやつらがいうように、ただのテロリズムではないですか。我々の目的は連邦政府の打倒のはず!
デラーズ:だがもう賽は投げられたのだ、まさかここで離反するとはいうまい?
ガトー:ええ。私はかつてあなたに命を預けた身です、それを裏切るような真似はしません。
デラーズ:それなら、お前はどうするつもりなのだ?
ガトー:どのみちコロニーは落とします、それが我々の大願に繋がるのですから。
デラーズ:それがお前の選んだ道なら、突き進むがいい。例えその行く先が異なっていたとしてもな。
ガトー:(やはり、私の狙いがコロニーの進路をジャブローに変更させることだということは見透かされたか)
カリウス:ガトー少佐、そろそろ出撃の時間です。
ガトー:そうだな。アナベル・ガトー……ノイエ・ジール、出撃する!
そうして彼はコロニー落としの援護をするため出撃すると、アルビオン隊が現れる。
そこには巨大なモビルアーマーが居た。
ガトー:何だ、あのモビルアーマー……中にガンダムらしき物があるが、まさか試作3号機だとでもいうのか!?
ガトーはニナがかつてモビルスーツにスラスター付きのコンテナを合体させてモビルアーマーとして運用する案を検討していたことが脳裏に浮かぶ。
ガトー:まさか、あんな夢物語のような物が実現したのか……だとしたらあれは複座式のはず!
続く