強引に釣りに行く約束を取り付けた田所。
釣り餌のイソメの仕込みをしようと海岸に出かける。
「ふぁあん、疲れとぅああああん。やっぱ止めたくなりますよ~釣りィ」
無理やり三浦を誘っておいてこのざまである。田所は人間の屑だってはっきり分かんだね。
「いたいた、イソメ君いいよ来いよ!フッフッフッ(野獣機関車)」
海の砂を掘り起し、順調にイソメを取り出す。
この作業を延々と2時間ほど繰り返したとき、遥か水平線に黒い影を見た。
「ヌッ....あれは味方の軍艦か......?(シリアス) 先輩に教えなきゃ(使命感)」
三浦はギョッとした顔で田所を見る。
「田所ぉ...まだ昼じゃないゾ。だいたい俺が釣りなんて」
「いやいや先輩、そうじゃないんです。味方の軍艦かもしれない影が海岸から見えるんですよ~一緒に見に行きましょうよ~」
三浦に一瞬希望が浮かんだ
「おっそうか、ならいくゾ!!!」
タッタッタッタッ...
「う~ん、よくわからないゾ。でも確かに黒い影が見えるナ」
「深海の連中がこんなにも島に接近してくるわけないですよね。」
田所は不安げに言う。
「海の奴らに頼むか。たしか連中は水上機を持ってきていた筈だゾ」
「じゃけん頼みに行きましょうよ~先輩ィ」
「そうだよ(便乗)よし、じゃあ行くゾ。東港に知り合いの海軍航空兵がいるんだゾ」
東港まで駆ける二人。アーイキソ
「知り合いの航空兵ってどんな奴なんですか?先輩」
「下北沢大学時代の同期だゾ。あいつは海軍に志願して、俺は陸軍に志願した」
「はぇ~すっごい....」
「おっ、もう着くぞ」
東港に着いた二人
「あいつはどこだゾ。オーーーーーーイ谷岡ァァァァァ」
「谷岡サーーーーーーーン。出てきてくださいオナシャス!」
田所も便乗して三浦の同期の航空兵を呼ぶ
「おいゴラァうるせぇな、許可証持ってんのか!?あくだせよ。あくしろ」
「オッ。谷岡」
「おいお前ぇ....三浦じゃないか。久しぶりだなァ」
「そうだよ(便乗) 大学以来だゾ。あのころはポッチャマについて熱く語り合ったなァ」
≪え、なにそれは..≫
田所は心の中でドン引きする。
「チコリータが一番なのは譲らん」
谷岡はチコリータ派らしい
「ポッチャマが一番だゾ」
「いいやチコリータだ」
「ポッチャマ」
「チコリータ」
「あの先輩、早く谷岡さんに要件伝えた方がいいんじゃないですか?」
ナイス田所である。
海岸で見たことを谷岡に伝える。
「ほう、味方の軍艦らしき艦影がみえる、か」
「谷岡さん頼んます!水上機で見てきて下さいオナシャス!」
「やだよ、おう。上官に怒られるだろう」
「見てきてくれたら、これあげるゾ」サッーーーーー(迫真)
「オッ」
三浦はチコリータのブロマイドを差し出した。
「チコリータには弱いぞぉ....よしジャあ見てきてやる。」
「ありがとナス!(KBTIT)」
「コンタクト!(点火)」ババババババッバババッババッバババババババババババババババ
二式水上戦闘機の栄12型発動機が小気味よいエンジン音を響かせ始動する。
「パパッと見てきてやっから。待ってろよ。」
「頼んだゾ」
「帰ってきてくださいね」
「おうよ」
谷岡はそう言うとスロットルを全開にした。
ババババババババババババババババババババババギュゥゥゥ~~~~~~~ンンン
三浦たちは離水時の飛沫をもろに浴びる。
それを予知していたのか谷岡はキャノピーから顔を突出しアカンベーをして飛び立つ。
「あのヤロォ....チコリータやろうめが」
三浦はどこか嬉しげである。旧友と再び出会えたからであろうか。
自分たちの命運は谷岡にかかっているのである。
三浦は心の中で≪頼んだぞ谷岡≫と言っていた。
三浦は一応大卒志願からの甲種幹部候補生、士官に任官したという設定です。
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