ロゼリアート・オンライン   作:ユイトアクエリア

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75層ボス戦、開幕。


24話 私たちは、6人で

コリニアに転移すると、大勢のプレイヤーが集まっていた。

 

 

Yu「...緊張感が違うな」

R「はい...」

 

 

ふと横を見ると、見知った顔が四人。Roseliaのメンバーだ。

 

 

L「燐子にユイト!やっほー!元気?」

Yu「もちろん。Roseliaが無事で何よりだよ」

Yk「ここにいるということは...」

S「ボスレイドに参加するんですか?」

Yu「わざわざ冷やかしに装備してここまで来ないさ。な?」

R「はい。私たちも、戦います」

 

 

クォーターポイントのボス戦前に、再び「Roselia」となる。

と、後ろから聞きなじみのある声が聞こえた。

 

 

クライン「なんだってことはねぇだろうよぉ!」

エギル「今回は苦戦しそうだって聞いたから、商売投げ出して加勢しに来たんだろうが。この無私無欲の精神を理解できないたぁ...」

 

 

そんな声が聞こえたので、黒コートの肩から顔を出して言う。

 

 

K,Yu「無私の精神はよーくわかった(わかりました)。それじゃあ、今回の戦利品の分配からは除外していいのな(いいんですね)、エギル(さん)?」

 

 

意図せず息ぴったりにエギルさんに問いかけて、黒コート...キリトと目を合わせて笑う。

 

 

エギル「い、いやぁ...それはだなぁ...」

Yu「口ごもるのはどうしてですか...」

 

 

呆れながら笑う。

他のプレイヤーも俺たちの茶番を見て笑いをこぼす。

固まっていた空気が少しずつほぐれていく。

しかし、転移門から出てきた数名のプレイヤーの登場により、空気が一層引き締まる。

全員白の甲冑で固めたプレイヤー。

KoBのプレイヤーだ。

先頭に立っているのはKoB団長、ヒースクリフ。

ヒースクリフは周りを一瞥すると、声を上げる。

 

 

ヒースクリフ「欠員はないようだな。よく集まってくれた。状況は、知っての通りだ。厳しい戦いになるだろうが、君たちなら乗り越えられると信じている。解放の日のために!!」

 

 

「おぉー!」という歓声の中、ヒースクリフは俺とキリトを見てこう言う。

 

 

ヒースクリフ「君たち二人とも、頼りにしている。《二刀流》に《騎士王》。存分に振るってくれたまえ」

Yu「了解」

 

 

俺は答え、キリトが頷く。

 

 

ヒースクリフ「では出発しよう。ボス部屋前までコリドーを開く」

 

 

さっきと違うニュアンスの「おぉ...」という声が響く。

コリドー、とは回廊結晶(コリドークリスタル)によってつくられるワープホールのようなもの。

回廊結晶自体簡単に手に入るものではない。

ゆえに、早々目にするものではない回廊結晶だが、それをあっさり使うヒースクリフにも驚く。

 

 

ヒースクリフ「コリドー・オープン。...それでは皆、付いてきてくれたまえ」

 

 

ヒースクリフの後に続いてKoBの団員が、精鋭ギルドの一員が、エギルが、風林火山が入っていく。

キリトとアスナが入っていった背中を追うようにして、俺たちも入る。

 

 

Yu「行くぞ、皆」

Roselia「了解」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

まぶしい光を相殺するため目を瞑り、開けた時にはボス部屋の扉が目の前に位置していた。

 

 

Yu「さすがクォーター...禍々しいな」

R「そう、ですね」

As「何か...やな感じ、だね」

K「あぁ...」

 

 

これでも74個、ボスの扉を見てきたが、0が付いた層のボス部屋はそこそこ重たそうな扉をしていたし、クォーターポイント、つまり25層と50層のボス部屋の扉は煌びやかな装飾があったりした。

この層もクォーターの例に漏れないが、装飾がかえって不気味に思える。

 

 

Yu「緊張、してるな」

 

 

このボスレイドの人数は総勢38人。

上限には足りないが、一人一人がハイレベルプレイヤーだ。

しかしそんな集団が、口を縫い合わせたように固く閉ざし、目は所在無さげに震えていたりする。

 

 

Yu「わりぃ、皆、ちょっと」

Yk「何かしら?」

Yu「なんか、がらにもなくさ、震えてきちゃって」

 

 

さっきからずっと右手が小刻みに震えている。

しかし、その右手に温かさが乗る。

 

 

R「大丈夫です」

 

 

りんは俺の手に自身の手を重ねると、皆さん、と呼びかける。

 

 

R「円陣、しませんか?」

L「そういえばいままでやってなかったね?よし、やろっか!」

A「緊張なんか吹き飛ばしちゃえ!」

S「なるべく静かにやりましょう。空気を乱さないように」

Yk「そうね。やりましょう」

 

 

5人ですっと円になる。

現実でもやってきたんだなと思わせる、そんな動きだった。

 

 

R「ユイトさん、こちらに」

Yu「混ざっていいのか、俺が」

Yk「今は、6人でRoseliaなのだから」

Yu「...わかった」

 

 

りんとユキナの間に混ぜてもらい、6人で円になる。

 

 

R「(ロゼリア、ファイティーンで、手をあげてください)」

Yu「(了解)」

Yk「みんな、行くわよ。」

 

 

Roselia「ロゼリア、ファイティーン...!」

 

 

言い終わると同時に、ガチャンと大きい音が聞こえる。

ヒースクリフの盾の音だ。

 

 

ヒースクリフ「みんな、準備は良いかな。今回、ボスの攻撃パターンに関して一切情報がない。KoBのメンバーが前衛で攻撃を受け止める。その間にパターンを可能な限り見切り、対処してほしい」

 

 

37人、全員が首を縦に振る。

 

 

ヒースクリフ「では、行こうか...」

 

 

ヒースクリフがボス部屋の扉に手を置く。

 

 

Yu「みんな、生きて帰るぞ」

Yk,S「えぇ、もちろん」

L,A「もちろん!」

R「必ず...無事に」

 

 

...頼もしい返事だ。

 

 

K「お前ら、死ぬなよ」

クライン「へっ、お前こそ」

エギル「今日の戦利品で一儲けするまではくたばる気はないぜ」

 

 

ボス部屋の扉が、重々しい音を響かせながら開く。

プレイヤーたちが次々に剣を抜く。

俺も自身の愛剣を抜き、両手でしっかりと持ちながら、一つ息を吐く。

 

 

ヒースクリフ「戦闘、開始!!」

 

 

全員がボス部屋の中に走り出す。

後ろで扉が閉まった音が聞こえた。

陣形を固めて床を見るが、何も起こらない。

誰かがしびれを切らしておいと言ったその時、耳に異質な音が届いた。

 

 

Yu「上だ!!」

 

 

見えたのは白いムカデのようなボス。

よく見ると白い部分は骨にも見える。

どの脚も鋭く、頭の方に向かうにつれてだんだんと脚と体が太くなっている。

頭頂部は大きく伸び、目は四つ付いている。

そして、腕に相当する部分に、大きな鎌が付いている。

黄色のカーソルの上に、名前が表示される。

 

 

ーー《The Skullreaper(ザ・スカルリーパー)》、骸骨の刈り手。

 

 

ヒースクリフ「固まるな!距離を取れ!!」

 

 

呆気に取られていた俺たちはヒースクリフの声により正気を取り戻し、急いで距離を取る。

しかし3人ほど、飛び退るのが遅れた。

右に左に視線を動かし、上を見たまま固まっている。

 

 

Yu,K「こっちだ!!」

 

 

同時に叫ぶ。

その声でこちらを向いた3人は、こちらに走り出す、が。

そのすぐ後ろで骸骨が着地し、その振動で三人がよろける。

そこに向かって、右の鎌が振られる。

3人はそれにより吹き飛ばされ、その威力でHPが減っていき、そして。

 

 

ーー空中で静止し、砕け散った。

 

 

Yu「たった...一発だぞ...!?」

 

 

レベルが上がれば体力も上がる。

そして少なからず防御力も上がる。

まして装備などもあの3人は固い方だった。

何よりハイレベルプレイヤーなのだ。

それが。

 

 

As「こんなの...無茶苦茶だわ...」

 

 

掠れ声を聞きながら、どうしたらいいか必死に思考を回す。

その間にも、骸骨は新しい獲物を見つけては、鎌を振り回そうとする。

俺の思考が一時的に止まったのは、鎌と何かがぶつかる音がしたからだ。

見ると、ヒースクリフが鎌を抑えている。

しかし、鎌は二本。

反対側の鎌を、一団に振り下ろそうとしているのを見て、無我夢中で駆け出す。

 

 

Yu「ぐぅっ...!」

 

 

重い。とてつもなく重い。

自身の剣が眼下に迫ってくる。

と、その時、割り込む影が二つ。

キリトとアスナだ。

 

 

K「ここが俺たちが抑える!みんなは側面から攻撃を頼む!!」

Yu「っ...!了解っ!」

 

 

鎌の下から離脱し、足を集中的に狙う。

しかしその直後、骸骨が雄叫びを上げる。

骸骨の尻尾が攻撃を始めた。

 

 

Yu「チッ...!」

 

 

鎌をさばいている方を見るが、余裕はなさそうだ。

ダメージディーラーは、俺がやるしかない。

 

 

Yu「やるしか、ないんだ...!我が経験(レベル)の8割を以て、顕現せよ!伝説の聖剣よ!

R「ユイトさん...!」

Yu「30秒、行ってくる...!」

 

 

骸骨の尾をいなしながら、高火力のソードスキルを叩きこむ。

しかし、所詮は片手剣。二刀流ほどの火力はない、が。

《The》の付く敵には2倍火力が乗る。

その恩恵もあってか、さっきまで数ミリずつしか削れなかかったゲージを、1ゲージ丸々削り取ることができた。

その瞬間、骸骨がぐたりとし始める。

その隙を逃さず、叫ぶ。

 

 

Yu「叩けっ!!」

 

 

防戦一方だったプレイヤーが、側面や尻尾にソードスキルをぶつける。

それでもゲージは8割強残っている。

 

 

Yu「ユキナ、チャント頼む」

Yk「わかったわ。~♪」

 

 

バフが付いた時には、骸骨が起き上がろうとしていた。

 

 

Yu「30秒...!死に晒せ骸骨!エクス...カリバッーーー!!!!

 

 

聖剣を以てしても、ゲージは2本と1割。

まだあと1本と9割残っている。

 

 

Yu「まだいけっ...ぐっ...!」

 

 

10秒の硬直。

骸骨は再び起き上がり、ディーラーである俺の元に突っ込んでくる。

 

 

Yu「ぐっ!がっ!」

 

 

バトルヒーリングとチャントのリジェネが効いているおかげか、そこまで痛手にはなっていない。

文字通り肉壁として、仕事しているわけだ。

 

 

Yu「俺がっ...ぐっ...やられてるうちにっ...うっ...叩けっ!!」

 

 

しかし、《騎士王》発動状態とは違い、ダメージは等倍。

このままでは、いつか死ぬ。

そう思ったとき、遠くから叫びが聞こえた。

 

 

K「うおぉぉぉぉ!!」

 

 

横から突っ込んできたのは黒の二刀流剣士。

骸骨をふっとばしながらスキルを叩きこんでいる。

 

 

K「今のうちに回復しとけっ!!はぁぁぁ!!!」

 

 

ポーチに手を突っ込んで、ポーションを取り出して呷りながら走り出す。

 

 

Yu「...聖剣よ、顕現せよ...!...っ...うおぉぉぉぉぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




To be continue.

正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?

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