ロゼリアート・オンライン   作:ユイトアクエリア

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ALO編、開幕。
(とは言ってるがALOにはダイブすらしない)
初回からスピード感がえぐいですが、それは二次創作ゆえのスピード感ってことで
楽しんでってくーさい


ALfheim Online:Fairy dance
26話 帰還、そして手がかり


目を開ける。

視界が徐々に開いていく。

体が思うように動かない。

ここはどこなのだろう。

そう思い、腕を上げようとするが、うまく上がらない。

やっとの思いで上げた右腕は、細々としていた。

人差し指と中指をそろえて下に軽く下ろす、が。

いつもは軽快な音と共に出るはずのウィンドウが出てこない。

何度やっても同じ。

左でも試したが、同じ。

つまり、ここはSAOではない。

となれば、ここは一体どこなのだろう。

とりあえず軽く息を吸おうとして、喉に痛みが走る。

痛みで咳き込んでから、口を開けた時に何かが顎に引っかかる感覚。

手探りで顎に当たっていた何かのロックを外す。

ロック部分の紐から手探りで頭に着けていたものの輪郭をなぞる。

なぞってみるに、ヘルメットかヘッドギアの一種らしい。

どうにかして、それを外す。

青みがかった視界が戻る。

 

 

「...?」

 

 

濃い青のヘッドギア。

それを、俺はよく知っている。

ナーヴギア。

仮想世界に行くための、インターフェース。

今、それが俺の手の中にある。

と、言うことは。

 

 

「(ここは、現実なのか...?)」

 

 

きっと、ではなく、そうなのだろう。

ここは現実だ。

 

 

「かっ...えって...き...た...?」

 

 

帰ってきたのだ。

現実に。

でも、なぜ?

俺はヒースクリフによってHPをゼロにされ、死んだはずだ。

ヒースクリフ、いや茅場は、『この世界でHPを0にしたプレイヤーは死ぬ』と言っていた。

そして、『この世界で死んだプレイヤーは、現実でも死ぬ』と。

だとするならば、俺はどうして生きているんだ。

いや、きっと。

キリトが、やってくれたんだ。

俺の脳が焼かれる前に、やってくれたんだ。

 

 

「...G...J」

 

 

意識が落ちる。

ドアの向こうから慌ただしい音が聞こえる。

でも、そんなことはどうでもいい。

けど、一つだけ。

 

 

「...り......ん」

 

 

叶うなら、もう一度。

あいたい。

かのじょに。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「...あ...ゆめ...か」

 

 

どうやら、退院したばっかりのころの夢を見ていたようだ。

 

 

「...Roselia...りん...」

 

 

もう一度、会いたい。

赤の他人になってしまったとしても。

もう一度。

 

 

「...はぁ...病院、行くか...」

 

 

俺が愛した女性が、そこで眠っている。

まだ、戻ってきて来てない。

そう言ったのは、とあるお偉いさんだった。

詳細は省くが、重要なことが一つ。

彼女だけじゃない。

300人のプレイヤーが、まだ帰ってきてない。

 

 

簡単に着替えて、外に出る。

退院したころよりは肉はついたものの、まだ貧弱なこの体が、弱々しく見えた。

その体に嫌悪感を抱きながら、病院に向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おはよう、りん」

 

 

病衣を纏うその姿は、妖精のようにも見えた。

頭に、濃い青のヘッドギアさえついていなければ。

そのヘッドギアは、今もなお電源は消えず、彼女の魂をどこかの仮想世界へと閉じ込めているのだろう。

SAOがクリアされたのなら、ナーヴギアを外しても、何の障害も起こらないはずだ。

でも、その選択をできるほど、俺は偉くない。

俺は。

 

 

「ただの...イキリゲーマー、だからなぁ...」

 

 

かりそめの剣を握り、巡礼の旅すらせず聖剣を乱暴に振るその姿は、調子に乗ってると言う他無い滑稽でシュールな光景だろう。

そんな姿を、ゲーム内とはいえ結婚を受けてくれた彼女には、返しきれない恩がある。

それを、返したいのに。

 

 

「長居しちまったか...りん...また、来るよ」

 

 

「まってるよ」とも「もうだいじょうぶ」とも聞こえない病室を、俺は後にした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『助けて...ユイトくん...』

 

 

「っ...りん...?」

 

 

また、夢か。

何度目だろう。

ずっと、こんな夢ばかり見る。

彼女に必要とされたくて見る夢なんだとしたら、俺はとんだ自信家だ。

俺はただの高校生、りんを縛り付けている相手はゲームのサーバー。

救う手段を何一つも持ってない俺が、救えるはずがないんだ。

 

 

ピコンと、親のおさがりのパソコンが音を出す。

ああそっか、出かける前につけっぱだったっけ、消しとかないとなぁとか考えながら、通知欄を開く。

 

 

「...エギル、さん...?」

 

 

差出人にはエギルと書かれ、件名に『Look at this』とだけ書かれた、本文がないメールが届いていた。

 

 

「これを見ろ...添付ファイルか」

 

 

添付ファイルを開く、拡張子を見る限り、画像らしいが...

 

 

「っ!?」

 

 

そこに移っていたのは黒髪に翅を生やした妖精の画像。

拡大したらしく、画質が荒い。

しかし、この姿に見覚えがある。

すぐにそのメールに返信をする。

すると、帰ってきたのはメールではなく電話のコール音だった。

 

 

「もしもし、エギルさん!?あの写真は一体...」

『ユイトか。少し長いから、店まで来れるか?』

「ダイシー・カフェ、でしたよね。行きます」

 

 

昼頃とはいえ1月、絶対に寒い、というか寒かった。

 

 

「さっきまで着てたのでいいか」

 

 

というか、現在進行形で着ている。

通学に使っていた自転車を2年ぶりに引っ張り出して、マップを調べながら目的地に向かった。

 

 

 




初回はこんなもん。
ALOにダイブするのは3話あたりかな
次回もお楽しみに

正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?

  • 良かった
  • 伝わらない、だめだった
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