ロゼリアート・オンライン   作:ユイトアクエリア

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ALO編2話。

彼と再会します。
まぁ、そこまで感動的じゃないけど。


27話 再会、黒の剣士

自転車を漕ぐこと約10分。

俺はとある店の前に来ていた。

店の名前はDicey Cafe。

 

...実は入ったことがない。

 

ドアを開けると、カランと言う音と共に、カウンターの奥から声が聞こえる。

 

 

E「おう、いらっしゃい」

Yu「お邪魔します、エギルさん」

 

 

そこまで広くない店に、テーブルが少しと、傘置き用の樽があるだけ。

それだけなだけに、固定客も多いんだろう。

2年前から営業していたと聞いたから、きっと誰かしらの助力あってこそなんだろう。

 

 

E「なんか飲むか?」

Yu「...未成年でも飲める奴で」

 

 

少しして出てきたのは黄金色の液体。

ジンジャーエールという奴だろう。

飲むとピリッと辛い。

どうやら市販のやつより辛いらしい。

 

 

Yu「...で、あの写真は...」

E「あぁ、それなんだけどな、もうちょっと待ってくれるか。もう一人、呼んでるんだ」

Yu「もう、一人?」

 

 

と言い切ると同時に、カランと音が鳴る。

 

 

黒の髪、黒の目、黒い服を着て入ってきたその男は、俺の目の前にいるマスターに、

 

 

K「相変わらず不景気な店だな。よく2年も潰れずに残ってもんだ」

 

 

と言った。

それに対してマスターも、

 

 

E「うるせぇ。これでも夜は繁盛してんだ」

 

 

と返す。

このやり取りだけでこの二人の仲の良さが伝わる。

と、いうことは。

 

 

K「...もう一人いると思ったら、お前か」

Yu「久しぶりに会った相棒に、「お前か」はねえだろ、キリト」

 

 

いつだかの浮遊城で、1層からほぼずっと一緒に旅をしてきた黒いやつ。

それがいま、現実にいる。

 

 


 

 

K「...で、ユイトもいるってことは、あの写真、見たんだな」

Yu「あぁ。あれは間違いなく...」

 

 

K,Yu「アスナ/りん、だ」

「「...え?」」

 

 

無理もない。

どう見たってりんに見えた写真が、こいつにはアスナに見えている。

幻覚見すぎじゃないか?

と思ったら、カウンターの向こう側から、写真が二枚出てきた。

 

 

E「キリトにはこれを、ユイトにはこれを送った。」

 

 

出された二枚の写真の片方は、俺が送られてきたものだったが、キリトの方に提示されていたのは、確かにアスナに似た人だった。

 

 

Yu「アスナ、だな」

K「りんりんさん、だな」

 

 

お互いの写真を見ながら、お互いが口走ったことを理解する。

 

 

K「で、これはどういうことなんだ」

 

 

キリトがエギルさんに問う。

返答として出てきたのは、一本のゲームソフトだった。

最初に目に入ったのは、タイトルではなく見慣れないハードロゴだった。

 

 

 

Yu「《AmuSphere》...アミュ、スフィア...?新しいゲームハード...?」

E「俺たちが向こうに行ってる間に開発された、ナーヴギアの後継機だそうだ」

K「後継機、ねぇ...」

 

 

ロゴから目を離し、タイトルを見る。

《ALfheim Online》と、パッケージの大きさにしては控えめに書かれていた。

 

 

Yu「アルフ...いや、アルヴヘイム、か?」

E「その通り、妖精の国って意味の、アルヴヘイム・オンラインってゲームだ」

K「妖精...ほのぼの系か?」

E「いや、そうでもないらしい。えらいハードだ」

 

 

妖精にいい思い出はないが、ハードと言うのも、まあ納得はする。

 

 

E「どスキル制。PK推奨。プレイヤースキル重視」

K「ど...」

Yu「PK...推奨...」

E「いわゆる《レベル》は存在しないらしいな。スキルは反復練習で上昇。あんまりHPとかは増えないらしい。魔法あり、剣技(ソードスキル)なしのSAOってとこだ。グラフィックとかもSAOに迫るものらしいぜ」

K「へぇ...そりゃすごいな」

Yu「(魔法あり、剣技なしのSAO...どこかで...)つか...あんなことがあってまだVRMMOやろうなんてやつ、いるんだな」

 

 

SAOに迫るものがあるグラフィック。

裏を返せば、それはSAOからの帰還者しか知りえない情報。

腐ってもゲーマーしかいないんだなと、改めて感じた。

 

 

Yu「PK推奨って、何ですか?」

E「プレイヤーはキャラメイクで種族が選べるんだが、異種族間だとPKがありらしい」

Yu「そんなゲーム、人気ないんじゃ...」

E「それがそうでもないらしい。理由は、《飛べるから》だそうだ」

K,Yu「飛べる?」

E「妖精だから、羽がある。フライト・エンジンとやらで、慣れるとコントローラーなしで行けるそうだ。ただ、制御は相当難しいらしいぜ」

 

 

とりあえず、このゲームについては大体わかった。

妖精になって、飛び回れるゲーム。

 

 

K「本題に戻るが、この写真は何だ」

 

 

自分の目の前にある写真は、りんによく似たプレイヤーが印刷されている。

それはキリトにあるのも同じ。

印刷されているのが、りんかアスナかの違いだ。

 

 

E「どう思う」

Yu「似てますよね、どう見ても」

E「やっぱりそう思うか。ゲーム内のスクリーンショットだから、解像度が足りなくてな」

K「早く教えてくれ。ここはどこなんだ」

Yu「このゲームの、中」

 

 

考えるよりも早く、口から漏れた。

じゃなかったとしたら、わざわざやってないゲームの説明なんてするはずがない。

 

 

E「ユイト、ご名答だ」

 

 

エギルさんそう言いながら、パッケージをひっくり返す。

裏側にはいかにもな説明とマップ。

そこの真ん中にある樹を指さして、説明を始めた。

 

 

E「プレイヤーは、この世界樹の上にある城を目指すんだ」

K「目指すって、飛んでいけばいいじゃないか」

E「滞空時間てのがあってな、その時間ないじゃこの樹の一番下の枝にすら届かない。でもどこにでも馬鹿なことを考えるやつはいるもんで、体格順に肩車をして、多段ロケット式で木の枝を目指した」

Yu「へぇ...それで、その結果は?」

E「結果としちゃ、かなり枝まで近づいてな。それでも枝には届かなかったみたいだけど、近づいた証拠にと、写真を何枚も撮った。で、その中の一枚に奇妙なもんが写り込んでいた。枝からぶら下がる、鳥籠が二つ」

Yu「鳥籠...嫌な雰囲気だな」

E「で、その写真をぎりぎりまで引き延ばしたのが、その写真達ってわけだ」

K「...?」

Yu「キリト?」

 

 

キリトがパッケージを取り上げて見ている。

運営元は大手のはずだ。

なら、そこで疑う余地はない。

とか考えていると、キリトの雰囲気が変わった。

 

 

K「エギル。このソフト、もらってってもいいか?」

Yu「...え?」

E「構わんが、行くつもりなのか」

K「この目で確かめる」

Yu「ハード、どうすんの」

E「ナーヴギアで動くぞ。...ま、もう一度あれを被る勇気があるならな。ユイトもいるか?」

Yu「あるなら、欲しいですけど...って、あるんすね」

 

 

エギルさんは笑いながら、カウンターの下から2本目のソフトを取り出す。

それを渋々受け取りながら、ジンジャーエール分のお金を出す。

 

 

Yu「ありがとうございました、エギルさん」

K「ごちそうさん、またなんかあったら情報頼む」

E「情報代はツケといてやる。必ず救い出せよ」

Yu「わかってます」

K「あぁ、いつかここでオフをやろう」

 

 

りんがいるはずの、ALOと言うゲーム。

必ず、救い出す。

そして、もう一度、彼女に会うんだ。

 

 

 

 

 

 




後書き
りんりんのこと大好きすぎるでしょ
依存してねえか()

正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?

  • 良かった
  • 伝わらない、だめだった
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