ロゼリアート・オンライン   作:ユイトアクエリア

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サブタイなんて意味ないんすよ()

それでは、どうぞ


38話 アルン、そして世界樹

さて、午後3時までやっていたメンテナンスが終わり、俺は今ALOに再びログインしている。

昼頃のユキナたちとの邂逅は少し驚いたが、彼女らにりんは救うと覚悟した手前、下手なことはできない。

 

Yu「さて、頑張るか」

 

そう呟くと、隣に人影が出現した。

俺の相棒、キリトだ。

 

K「ん?早いな」

Yu「ALOプレイヤーが目指すところの都市だから、ちょっとワクワクしちゃってな」

K「...そうか」

Yu「...目的は、忘れちゃないさ」

K「...あぁ」

 

重苦しい雰囲気になった時、キリトの隣に人影が生まれた。

現れたのは俺らのナビゲーター、リーファだ。

しかし、なんだか表情が重い。

 

Yu「...どうした?」

Le「あ...あのね...あたし...失恋しちゃった...」

Yu/K「...」

 

何も言えなかった。

俺らと違ってリーファは女の子だし、おそらく年もそこまで離れてない。

きっと恋だって普通にしてたはずだ。

すると、キリトはリーファの頭に手を乗せて、軽くなでた。

 

K「向こうでもこっちでも、辛いときは泣いていいさ。ゲームだから感情を出しちゃいけないなんて決まりはないよ」

Le「キリト君...」

Yu「(...隣に俺いるの、忘れてないよな?)」

 

そう思ったが口に出さないのは、リーファが負った心の傷の深さを理解できるから。

 

Yu「(しばらく、そっとしておくか)」

 

キリトの胸に頭を預けるリーファを見ながら、そう思った。

 


 

一つ、鐘の音が聞こえた。

その音と同時に、リーファは体を起こした。

 

Le「もう大丈夫。ありがとう二人とも。優しいんだね」

Yu「俺もキリトも反対のことはずいぶんと言われたけどな...」

K「今日は落ちる?俺たちだけでも、どうにかなると思うし」

Le「ううん、ここまで来たんだもん。最後まで付き合うよ。さっ、行こ!」

 

リーファはベッドから飛び降りて、こっちに向かって笑いかけた。

 

Yu「(辛いのは、リーファが一番だろうに...)OK、行こう」

K「...ユイ、いるか?」

ユイ「ふわぁ...おはようございます...」

 

どうでもいいことだが、妙に気になったので、さっきの重い空気を晴らすがてら聞いてみた。

 

Yu「ユイって、寝てるのか?」

ユイ「まさか、そんなことないですよ。でも、パパがいない時は入力データを遮断して蓄積データの整理や検証をしますから、人間の睡眠に近い行為をしてると言ってもいいかもしれませんが...」

Yu「あぁ...そういうことか」

Le「何が?」

Yu「ユイが出てくるときの欠伸って、キリトの真似してるのかもなって。こいつ、欠伸長いし」

K「余計なこと言うな。行くぞ」

 

キリトとリーファが愛剣を吊ったのを見て、それに習い、宿を出た。

 


 

宿を出た時間は現実では3時を少し過ぎたごろだが、ALOの時間設定は現実にはリンクしてないらしく、太陽がちょうど真上に存在していた。

 

周りを見渡してみると、異種族で仲良くしてるプレイヤーたちが見えた。

中立都市、しかも世界の中心にある都市だからだろう、いろんな種族が入り乱れている。

 

Yu「さすが...というべきかなぁ...」

K「圧巻だな...」

 

そのまま目線を奥にずらしていく。

 

Yu「でっけぇ...」

 

目線の奥には、世界樹。

幹から派生している枝の一本すら、雲に隠れて見えない。

そんな巨大な樹。

 

Yu「あの樹の上に、街があって...」

K「妖精王オベイロンと、光妖精のアルフがいて...」

Le「王に最初に謁見できた種族が全員、アルフになれるって言われているわ」

Yu「あれ、外側からは登れないの?ロケット式で上行こうとした人がいたって聞いたけど」

 

ずるできないか聞くと、リーファは笑った。

 

Le「あぁ、あれね。枝までもうちょっとだったらしいけど、GMも慌てて修正入れて。今は雲の少し下に障壁があるんだって」

K「へぇ...とりあえず根元まで行ってみるか」

Yu「OK」

 

そう言って、根元に近づく。

その時、キリトの胸ポケットにいるユイが、頭を出して上を見つめだした。

 

Yu「ユイ?」

K「どうした?」

 

問いかけると、小さくかすれた声で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユイ「...ママが...ママがいます...」

 

 

Yu「ママ...まさか...!?」

 

ユイ「はい...このIDは、ママの物です...座標は、この真上に....!」

 

そう言った瞬間、キリトは空を仰ぎ、目を血走らせ、強く歯を噛んだ。

そして、次の瞬間、キリトがものすごいスピードで飛んだ。

 

Le「キリト君!?」

Yu「リーファ、追うぞ!!」

 

そう言って、俺たちも上昇する。

 

Yu「(ママ...ママってことは...この真上に、アスナがいる...?)」

 

ユイが、母親として認識している人物は、アスナ一人のはずだ。

だとすれば、この上にアスナがいる。

そして。

 

Yu「(そこには、きっと...!)...っ!!」

Le「ユイト君も!?」

 

スピードを上げる。

一刻も早くそこに着きたくて。

会いたくて。

しかし。

 

目の前まで迫っていたキリトの背中が、突如落ちてきた。

 

Yu「キリト!?」

 

見ると、そこはさっきリーファが言っていた障壁のようだった。

しかしキリトは、そんなことは関係ないと言わんばかりに、障壁に向かい続ける。

思わずキリトの腕を掴んで叫んだ。

 

Yu「やめろキリト!さっきも言ってただろ!こっから上には行けないんだ!」

K「離せユイト!!行かなきゃいけないんだ!お前だって...!」

 

言い合っていると、ユイが出てきた。

システム上、プレイヤーではないユイですら、その障壁は弾いた。

しかし、ユイは声を上げ続ける。

 

ユイ「警告モード音声なら...!ママ!私です!ママー!」

 


 

当然、声は帰ってこなかった。

それはそうだ。

どんなに目を凝らしたって、枝一つ見えやしない。

さらに、そんな枝のさらに上に鳥籠があるんだっていうなら、聞こえなくても当然だ。

と思っていると、上に何か光っているものが見えた。

 

K「あれは...?」

 

その光はどんどん大きくなり、やがて長方形のモノだと分かった。

そしてそれは薄く、まるでカードのようだった。

 

Yu「...なんかのカード...?けど、タップしても何も出ない...」

 

すると、ユイがそれに触れ、驚きながら言った。

 

ユイ「これは...!システム管理者用のアクセス・コードです!!」

Yu「じゃ、じゃあそれを使ってズルみたいなことは...?」

ユイ「いえ...これを使うには、対応したコンソールが必要で...」

Yu「...人生、うまくいかねえか...」

 

しかし、これが降ってきたということが、大きな収穫だ。

少なくとも、そんな大それたものが降ってくるからには、イベントではないのだろう。

しかも、普通のプレイヤーはそれが何か分からないから、絶対にイベントではない。

だとしたら、ユイの声を聞いたアスナが、これを落としたのか。

 

Yu「...キリト」

K「...何だ。考えること、一緒じゃないか」

Yu「...いや、俺は魔法職だし、死んだキリトを蘇生しなきゃいけないから、ソロで行って来いよ」

K「...わかった。リーファ、ゲートっていうのはどこに?」

Le「え?...えっと、樹の根元にあるけど...で、でも、いくら二人でも無理だよ?」

K「行かなきゃいけないんだ、無理だってわかってても。まぁ、もし死んだら...」

Yu「俺が死なせねえっつうの」

Le「え、ちょっと、本当に行くの...?」

 

Yu/K「あぁ、もちろん」

 

俺たちは、息を合わせてそう言い、ゲートに向かった。

 


 

Yu「...お前が入ってから1分後、お前が生きてようが死んでようが入る」

K「あぁ、わかった」

 

キリトと拳を合わせ、俺はキリトにありったけのバフをかける。

 

K「サンキュ。じゃ、行ってくる」

Yu「あぁ。...気をつけろよ」

 

キリトがゲートの前に立つと、システム音声が聞こえる。

 

『未だ天の高みを知らぬ者よ、王の城へ至らんと欲するか』

 

キリトが操作し、ゲートの扉がゆっくり開く。

 

『さればそなたが背の双翼の、天翔に足ることを示すがよい』

 

その声が聞こえ終わると、ゲートが完全に開く。

それと同時に、俺の相棒は、そのゲートの中に飛んで行った。

 

Yu「頑張れ、キリト」

 

...何もできない、自分を妬みながら、そうやって呟いた。

 




読了感謝です。

プロットが書きあがらない、そんな日です。

正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?

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