さぁ、苦しめ()
...キリトがゲートをくぐってから一分が経った。
もちろん、アスナを助ける目的で入っていったのだから、戻ってくるはずがない。
しかし、ダメだったと言って帰ってくるほど、落ちぶれた奴でもない。
Yu「生きてろよ、キリト」
ゲートの前に立つ。
キリトの時にも聞いた、システム音声が降ってくる。
『未だ天の高みを知らぬ者よ、王の城へ至らんと欲するか』
目の前に表示されたウィンドウの、『YES』をタップする。
『さればそなたが背の双翼の、天翔に足ることを示すがよい』
ゲートが開く。
Yu「はぁ...はあっ!!」
飛び上がり、まずはキリトを探す。
パッと見、人型は白いのしかいない。
その白いのは、不快な声を上げながら俺に突っ込んでくる。
Yu「うるせぇ!」
一体、二体と切り捨てる。
目線の先に、黒い炎が見えた。
あれはエンドフレイムと呼ばれるものだろう。
プレイヤーの残滓。
Yu「...届く...!」
エンドフレイムを左手で支え、剣を持ってる右手で蓋をする。
Yu「ぐっ...」
後ろから何かに貫かれた気がしたが、振り向かない、気にしない。
そのまま空きっぱなしのゲートに滑り込む。
Yu「ぐあっ...」
Le「ユイト君!?」
ゲート前の石畳に顔から激突し、いささか重傷を負ったが、キリトのエンドフレイムが無事なのを確認し、ほっと一息つく。
そのままそれに蘇生魔法をかけ、自分にヒールをかける。
Yu「収穫は?」
K「...次は行ける」
Yu「無理すんな。あのガーディアンの強さは質じゃない、量だ。そんなのを一人で突破するのは無茶だよ」
K「それでも、行かなきゃいけないんだ」
Le「...キリト君!」
リーファがいきなりキリトに抱き着いた。
Le「もうやめてよ、二人共...いつもの二人に戻って...!」
Yu「リーファ、キリトは止められない。俺でも無理なんだから」
K「よくわかってるな」
Yu「何年、一緒にいると思ってるんだ?一人でダメなら、二人で行くだろ」
Le「どうして、そんな無茶するの...!?」
K「助けたい...もう一度、会いたい人がいるんだ...」
K「もう一度、アスナに...」
キリトがそう言うと、リーファはキリトから離れ、口元を抑えた。
Yu「...?どうした?」
Le「い、今...なんて...?」
K「あぁ、アスナ。俺の探してる人の名前だよ」
その瞬間、理解した。
きっとキリトは、リーファの地雷を踏んだんだと。
Le「でも...だって、その人は...」
尚も狼狽えるリーファ。
何も分かってないキリト。
Le「お兄、ちゃん、なの?」
そう言った瞬間、キリトもすべてを察したように、掠れた声で呟いた。
K「スグ...?直葉...?」
その名前を呼んだ瞬間、リーファは石畳に崩れ落ちた。
Le「酷いよ...こんなの、あんまりだよ...!」
そう言って、リーファはその場から
呼び止める暇もなかった。
その場に待機状態にあるアバターでさえ、今のリーファの心情を表してるように思えた。
Yu「キリト、直葉ってのは、お前の妹か?」
K「あぁ...そうだ」
Yu「前にも聞いたな。本当は従妹だって」
K「...あぁ」
Yu「行って来い、キリト。今のリーファの傷は、お前が付けたものだ」
K「...わかった」
そう言って、キリトもログアウトした。
おそらく、リーファのリアルが好きになった人っていうが、キリトのリアル。
でもキリトのリアルは、アスナが好き。
それをどこかのタイミングで目にしたリーファは、あの時「失恋しちゃった」と言った。
そして、リーファは新たにキリトを好きになろうとした、というかなった。
しかし、その想い人は現実では自分の兄であり、キリトだった。という話。
Yu「兄貴を好きになって、けどその兄貴には好きな人がいて、じゃあゲームで好きな人作ろうってなって、惹かれた人間が兄貴とは...」
人の色恋沙汰には興味もないし、俺の従妹はゲームなんてしないから実感はわかないが、リアルバレというのはこんなにも残酷なんだと、目の前で思い知らされた。
Yu「神様っていうのは、つくづく試練を作るよなぁ...」
待機状態にある風妖精と影妖精を見ながら、そう呟いた。
何よりも辛い。
アニメで見ると一二を争うぐらい辛い。
正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?
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良かった
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伝わらない、だめだった