ロゼリアート・オンライン   作:ユイトアクエリア

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随分とかかってしまったね。
まだ、戦わない


42話 偽りの空中都市

Yu「...っ...?ここは...?」

 

意識と体のコントロールが戻ってきて、一番最初に見えたのは無機質な廊下だった。

今まで見てきたどの町にもあった豪華な装飾もなく、ただ真っ白い壁と床に覆われた廊下。

 

Yu「キリト?ユイ?」

 

二人の姿もなかった。

相棒も、ナビピクシーもいない。

ここに来れるのは一人だけだったのだろうか?

いや、そもそも俺たちプレイヤーが来れる場所ではないのだから、人数制限なんて考えるのは野暮か。

 

Yu「キリトー?ユイー?」

ユイ「はい、ユイトさん」

Yu「良かった、ユイはいた。キリトは?」

ユイ「パパの座標データが確認できません...」

Yu「...とりあえず、アスナとりんを探しつつ、キリトも探そう」

ユイ「はい。ママの座標は...こっちですね」

 

ユイの後をついて行く。

座標データだけを辿っているが果たしてたどり着けるのか...。

いや、たどり着けなかったとしたらたどり着くまで探し回るだけだ。

借りを返して、感謝を伝えるために。

...こう思ってはいるが、実際アスナとりんが一緒にいるかなんて確証はない。

鳥籠は二つあったし、その間の距離なんて計り知れない。

 

ユイ「もうすぐ...すぐそこに...」

 

エレベーターらしきものに乗ったりしたが、あれが本物のエレベーターだったとしたら、ここはどこなのだろうか?

ここは、現実に限りなく近い気がする。

ゲーム内に創られた、現実に近い場所。

 

Yu「考えても仕方ない、か」

ユイ「ユイトさん?」

Yu「いや、何でもない。アスナの場所は?」

ユイ「すぐ、そこに...!」

 

そう言いながらユイは俺の手を取って走り出す。

しかし、走り出して少しした後、行き止まりが俺たちの道を塞いだ。

 

Yu「行き止まり、だけど」

ユイ「いえ、この奥に、通路が...」

 

そう言って、ユイは壁をなぞる。

すると、壁に青い光が走り、その壁が消えた。

消えた壁の奥に、通路。

 

ユイ「...っ!」

 

手の引きが一層強くなった。

この先にいることを確信しているかのような走りと、引きの強さ。

少し走ってまた壁が現れたが、ユイは止まらず、そのままの速度で走り、左手で壁を押し開いた。

 

Yu「っ...!?」

 

赤い光が、俺の視界を染めた。

回復した俺の眼に映ったのは夕日だった。

しかし、夕日が少し低く感じる。

それはそうだ、今いるところの高さがとんでもなく高いのだ。

風が強い。

ちゃんと立っていなければ落ちてしまいそうになる。

 

Yu「...ッ...ここまで、来たんだ」

 

足元には、もう白い床はない。

大樹の枝に立っている。

後ろを振り返ると、どこまでも伸びる大樹の幹。

そして、無数に伸びる枝。

 

Yu「...空中都市なんて、存在しないぞ」

 

道中の白い通路が空中都市だったなってオチであれば、クソゲーもいいところだ。

というかそもそも、ここに入るまでのゲートがシステムロックな時点で、プレイヤーの侵入は想定されていないだろう。

空中都市もなければ、そこにいるはずの妖精王もいない。

なら、妖精王に謁見して上級妖精に転生できるなんてこと、大嘘だ。

 

Yu「ふざけんなよ...こんなクソゲー....!」

 

そう言うと同時に、握られている手に力が籠る。

 

Yu「...悪い、行こうか」

 

ゲームに文句を言ってもしょうがない。

というか、元よりそんなつもりは毛頭ない。

俺は、りんを助けるためにここにいる。

いくつもの小道を通り、木の葉群を潜り抜けた先に、きらりと光るものが見えた。

金色の何か。

きっと、俺らが求めていたもの。

 

Yu「あっ...!」

 

見つけた。

鳥籠だ。

鳥を閉じ込めることもできないような、大きすぎる鳥籠。

エギルさんに見せてもらった、鳥籠の中身。

 

Yu「っ...!行くぞ...!」

 

俺とユイは一気に鳥籠までの道を行った。

その音に反応してか、鳥籠の中の人影がさっと顔を上げる。

そして、こちらを見たように感じた。

 

Yu「アスナ、りん...」

ユイ「ママ...!ママー!」

 

俺とユイは鳥籠までの道を走る。

ユイが右手を振り上げると、右手が青く光る。

その手を振り払うと、鳥籠のドアが吹き飛んだ。

そのままの速度で、ユイはアスナに抱き付く。

 

As「ユイちゃん!!」

Yu「...っ...」

 

母子の感動を見ていて危うく泣きそうになったが、俺の本題はこっちじゃない。

視線を反対側に向けると、黒い髪をを揺らした妖精がこちらを見つめている。

 

Yu「...悪い、随分と遅くなった」

R「ううん。...ずっと、信じてたよ...っ」

 

崩れる彼女の体を抱きとめ、彼女の涙を拭いながら、俺はしばらく、この時間を嚙み締めた。

 

 




妖精王戦に時間に割きたいので、ここで一回切ります。

正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?

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