ロゼリアート・オンライン   作:ユイトアクエリア

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さて、初めて歌わせたよ。
お楽しみに。




46話 驚異の演奏技術

講義終了を知らせるチャイムが鳴った。

 

「それでは、今日はここまで。課題28をアップロードしておくので、確認して提出するように」

「起立、礼」

 

「ありがとうございました」

 

唯斗「はぁ...」

 

5限の講義が終わり、弛緩した空気の中で、いつもは頭を休ませるために少しだれるのだが、今日はそうはいかない。

友希那先輩...というより、Roseliaと約束がある。

 

「あれ?今日用事?」

唯斗「あぁ、そんなとこ」

「呼び出しか~?」

唯斗「...大体合ってる、じゃ」

 

これ以上友人との会話には時間は割けない。

カバンを持って教室を出る。

最上学年の授業も、最下学年の授業も終わっているはずだ。

...遅刻で怒られるのだけは、避けたい。

 


 

唯斗「っはぁ...はぁ...」

リサ「お、来たね。...って、そんな急がなくても...」

唯斗「いや、だって...」

リサ「友希那が怖い?」

唯斗「まぁ、はい」

リサ「ふーん。だって、友希那」

唯斗「っ!?」

リサ「冗談、冗談だって!そんな目で見ないでよ~...それに、そこに剣はないよ」

 

言われて気付いた。

肩の上、背中側に右手を握りながら置いていた。

かつての仮想世界(SAO,ALO)で、剣を吊っていた場所。

そこに無意識のうちに手を動かすようになってしまったら、この習慣を直すのは大変だろうなぁなんて考えてた時もあった。

けど、こんなに早くボロが出るとは。

 

リサ「あー...やっぱり、抜けない?」

唯斗「...はい」

リサ「まぁ、少しずつ抜いていけばいいんじゃない?」

燐子「そうですね。...私も、頑張りますから」

唯斗「...頑張るって、何を?...というか、いつからそこに?」

紗夜「ユイトさんが剣の構えを取った時からですね」

友希那「ユイトを待ってるからとリサが言ったのに、リサも戻ってこないから...」

唯斗「あー...えっと...すみませんでした」

友希那「まぁ、二人とも無事ならいいわ。行きましょう」

 

...ちなみに、この時の俺は、何も知らされてない。

 


 

Roselia一行と5分ほど歩いて、たどり着いた先は、ライブハウス「Circle」。

 

唯斗「ライブ、ハウス」

友希那「一度だけ、呼んだことがあるけど。覚えてないかしら?」

唯斗「あ、ここだったのか...それで、皆さんはここに何をしに?」

友希那「もちろん、ライブハウスなのだから」

唯斗「ライブ?」

友希那「...そうね。ミニライブ、にはなるけれど」

唯斗「ミニ?...まあいいか」

 

ここで聞くのもなんだしと思い、一緒に中に入る。

 

「いらっしゃい!」

友希那「16時からの予約だけれど、少し早めに入ってもいいかしら?」

「うん、今は3番が開いてるから、そこを使ってね。2時間でいいんだよね?」

友希那「はい、大丈夫です。...じゃあ、行くわよ」

 

友希那さんの後を追って、大きめの部屋に入る。

 

唯斗「うわ...広めのカラオケルームぐらいあるな...」

リサ「気分はそんな感じかなぁ。割と防音してくれるから、ほんとにカラオケルームかもね」

友希那「気分はそれでも、バンドとして遊びで曲をやってるわけじゃないわ。私たちは、本気でやっているから」

唯斗「本気度は伝わりますよ。...お遊びじゃないことぐらい、俺でも」

紗夜「さすが、本気で命を懸けてた人が言うと説得力がありますね」

唯斗「...紗夜先輩、そんないじりする人でした?」

燐子「ふふっ...」

あこ「りんりん、笑ってる!」

燐子「えっ?」

唯斗「おいあこ、こっち見んな...なんでみんなしてこっち見てんすか」

 

いつの間にかRoselia全員の目線が俺に向いてた、怖い。

 

紗夜「今の白金さんの笑顔があるのはあなたのおかげですから」

リサ「そーそー。ユイトのおかげなんだから、もうちょい自信持ってほしいなぁ~」

唯斗「いや、俺はそんな人間じゃないですから...」

あこ「りんりんね、暇があればすぐにユイ兄の話をするの!」

燐子「あ、あこちゃん...」

友希那「けれど、ユイトのおかげで燐子の演奏技術が上がったように聞こえるわ。この前の練習だって、調子が良かったように聞こえたわ」

燐子「あ、あれは、あの時...その、たまたまで...」

 

しどろもどろになる燐子先輩。

彼氏としては助け舟を出すべきなんだろうが、この5人の輪の中に入るのはちょっと気が引ける。

 

燐子「ゆ、唯斗さん...助けてください...」

唯斗「何をどうしろと...?...というか友希那さん、練習しなくていいんですか?」

友希那「そうね。燐子のことも気になるけども、それはまた、今度にしておきましょう。じゃあ、ユイトはそこに座って」

唯斗「はい...座りました」

友希那「準備はできたわね?」

 

Roseliaの眼が変わる。

 

友希那「じゃあ、行くわよ...!」

 


 

Blessing Chord/Roselia

 

(Ha ah...)

 

幾つもの足跡や 想いが貴方を象る

それは唯一無二の色で 輝き放ちLiving,living

手のひらの爪痕や 噛み締めた唇の痛みが教えた(生きること)

大切に抱きしめていよう

 

 

瞳や背中が物語る これまでの道のり

戦い続けてきた 貴方へ送る(La la la)

祝福の鐘(La la la)

最上に美しき この瞬間

(Congratulate)

 

Splendid life

顔上げて 誇れ自分を!(Shine to the world)

純白の光が満ちて!(Shine to the world)

天より今(Bright)舞い落ちる

幸せの花びらたちが

Ride on life!

気高さは心にある!(Shine to the world)

胸を張り 進み続けて!(Shine to the world)

大丈夫よ(Bright)貴方なら

何処まででも行けるから!

最後はHappily ever after!!

 


 

 

唯斗「...す...げぇ...」

 

圧巻だった。

ベースとドラムの安定感、ギターの疾走感、キーボードの躍動感、そしてそのすべてをまとめて有り余る圧倒的な歌声。

 

メインボーカルは友希那先輩だったけれど、他のメンバーも歌っていた。

語彙が消滅してすげぇとしか言えない。

 

友希那「...ふぅ...どうだったかしら?」

唯斗「何か...何かわかんないですけど...感動、しました」

友希那「そう。...それは、よかったわ。この曲は、あの世界のことを歌ったものだから...」

唯斗「...SAOのこと、を?」

友希那「えぇ」

 

道理で少し情景が浮かんだわけだ。

納得がいった。

 

友希那「それに、この曲の作詞は、燐子が少し手伝ってくれたの」

唯斗「...と言うと?」

友希那「...あとは、二人で話し合ったらいいんじゃないかしら?」

唯斗「丸投げかよ...まぁいいけど」

 

とりあえず、彼女があの世界を悪く思ってないことは分かった。

と、俺の携帯が鳴る。

 

唯斗「ちょっと失礼...あ?和人?」

 

連絡してきたのは和人。

とりあえず電話に出る。

 

唯斗「どうした?」

和人『どうしたって...お前、今日の集まり忘れたわけじゃないだろうな』

 

その言葉で、俺はルーム内の時計を見る。

5:21。

 

唯斗「...あ」

和人『その様子だと忘れてたみたいだな...』

唯斗「Roseliaの皆と一緒にいんだよ」

和人『ならそのまま連れて来いよ。6時だからな』

唯斗「ちょっと遅れるけど、いいか?」

和人『リズとかには言っとくよ』

唯斗「サンキュ、助かる。じゃ、後で」

 

電話を切る。

 

燐子「何の要件、ですか?」

唯斗「6時からSAO完全クリア記念のオフ会。俺も呼ばれてたんだけど、すっかり忘れてた」

 

すると、あこが食い気味で聞いてきた。

 

あこ「楽しそう~!ねね、あこたちも行きませんか!?というか、行っていい?」

唯斗「和人は連れて来いって言ってたけど、パーティとかそういうのが嫌いって言うなら全然」

リサ「アタシは平気だし、あこも大丈夫そうだけど...友希那と紗夜は?」

友希那「私は遠慮しておくわ。...あまり気乗りしないし」

紗夜「私も遠慮しておきます」

 

2人参加、2人不参加。

じゃあ、後は一人だけ。

 

唯斗「了解。...燐子先輩、どうする?」

燐子「え、私...?」

唯斗「人混み苦手って言ってたし...」

燐子「ううん...唯斗君が一緒なら、大丈夫、だと思います」

唯斗「OK。じゃあ3人は、後で俺と一緒に会場に行くよ」

リサ、あこ、燐子「了解(です)!」

 


 

 

友希那「それじゃあ、3人を頼んだわよ」

紗夜「怪我とかさせたら...わかりますね?」

唯斗「...肝に銘じておきます」

 

Roseliaの練習風景の見学を終え、俺はリサ先輩、燐子先輩、あこを連れ、パーティ会場である「Daicy Cafe」に向かう。

 

オフ会の開始時間はもう過ぎているが、和人が融通を利かせてくれることを祈る。

 

リサ「そういえば唯斗の髪ってさ」

唯斗「あ、なんかついてます?」

リサ「そうじゃなくて、ちょっと青いよね?」

あこ「さっきは気づかなかったけど、外に出るとよくわかるね!」

燐子「そう、ですね...地毛が、青なんでしょうか...?」

唯斗「あぁ...そうだね。生み親の遺伝でちょっと青いかも」

 

そんな他愛もない話をしながら、会場に向かっていく。

 

唯斗「さ、着いたぞ」

 

「本日貸切」と書いてある札が掛かってるドアを開ける。

 

 

 

「お!来たわね?もう一人の主役が!」

「それじゃあキリトさんと一緒に祝っちゃいましょう!」

「それじゃあ行くわよ?せーのっ!」

 

 

 

キリト、ユイト!SAOクリア、おめでとーっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




...この回で終わらせようと思ったのにもう一話増えちゃった。
申し訳ない。

正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?

  • 良かった
  • 伝わらない、だめだった
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