さて、俺たちの監視の名目でわざわざ新規アカウントを作成し、ダイブしてきた
R「それで、お金がなくて困ってる、と」
Yu「要約した挙句出たのがそれですか......」
今までの経緯を軽く説明したらこう帰ってきた。
どこかどころか大幅に抜かしている要約は要約と言えるのか。
R「賭け、ですが。もし自信があるなら、あれに挑戦してみては?」
と、りんが指さしたのはガンショップの一角を占領する......ゲームのようなものだった。
K「あれは?」
S「ギャンブルゲーム、と言う奴ですね。20メートル先にいるガンマンに触れれば勝ち、と言う奴です」
Yu「勝ち、か。......面白そう」
と、そのゲームに挑戦するプレイヤーが一人。
ゲート前にプレイヤー、そのゲートの上にカウントが表示され、それが0になった瞬間にゲートが開いた。
そして、まっすぐ数メートル走ったかと思いきや、体を横に伸ばす運動のような格好で止まった。
この男は芸をしてる余裕すらあるのか、と思った瞬間、男の顔と腰の横、股の下を銃弾が通って行った。
Yu「分かってたのか......?」
R「『弾道予測線』というものです。本人にしか見えないものですが」
Yu「......へぇ」
また数メートル進んだ後に、今度は足を大きく開き、上半身を前に折った。
すると、その背中の上を2発、股の下を1発、銃弾が通過した。
Yu「なるほど、な」
十メートルを突破する......と思ったところで、NPCガンマンは変則三点バーストに切り替えた。
最初の二発をジャンプで避けた後、バランスを崩した男のベストに遅れた1発が当たった。
それにより、ガンマン上部に表示された金額が500上昇した。
S「と、言う感じですね。正直言って、挑むのは無謀かと」
Yu「......仕組みは理解した。行ってくる」
S「え、ちょっと!?」
サヨの警告は聞いた上で、俺はやることを選択した。
攻略法はある。
ゲート横のパネルに手を当てると、レジのような音が鳴り、ガンマンが喋る。
「おいおい、ビギナーが挑戦かよ」
「ついでだし、ちょっと見ていくか」
周りの音がだんだん消えていく感覚。
目の前でカウントが始まる。
Yu「はっ......」
息を吐き出し、集中する。
反応じゃない。
ゲートが開く。
ALOで鍛え上げたステータスの名残で、一発目が来る前から5メートル地点に到達。
そこに、俺の頭と腰と脚に赤い線が伸びる。
それを微かに横に避けながら、前進する。
7メートル地点で、例の変則三点バーストが飛んでくる。2発目迄を左に、3発目は右に避けてまた前進。
さらに5メートル進むと、三点バーストがもっと変則的になって飛んでくる。
ほぼ勘だけで避けて、さらに前進。
15メートル地点では、リボルバー式とは思えない速さで6発を打ってくる。
それを前転しながら避ける。
Yu「弾切れ、だろっ!」
確かに6発を打ち切ったはずなのに、何かある気がして上に飛ぶ。
俺がさっきまでいた場所は、レーザーによって焦げていた。
Yu「(あぶな!?)俺の、勝ちだ」
そう言って、ガンマンにタッチ。
「オーマイ、ガーーーーーーー!」
その叫び声が終わると、後ろの家らしき背景の窓から玄関から、金色の物が降ってくる。
それをすべてストレージに突っ込んで出ると、ガンマンはまたプレイヤーを煽る決まり文句を言っていた。
周りのどよめきを受けながら、3人の元に戻る。
K「すげえな、どうやったんだ?」
Yu「キリトならできると思うよ。飛んでくる弾の向きを、目で予測するだけ」
R「え、えぇ......?」
S「忘れてましたが......無茶苦茶ですね......」
この時の俺は、店中のプレイヤー全てからの目線を受けていた気がする。
ここまで書くとシノンだして絡ませるタイミング分かんねえな
正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?
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良かった
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伝わらない、だめだった