Yu「早く言ってよサヨさん!?」
S「いえ、あまりにも盛り上がってたようなので、一応のつもりだったのですが......」
にしたって警告が遅いよ。
という言葉をどうにか飲み込む。
K「間に合うか!?」
そういう間にも、ショップから出て、総督府に向けて走り出す。
R「大会エントリー用の端末、入力に最低3分はかかるそうなので......多く見積もってもあと5分ほどで総督府に戻らないと......」
何か、嫌な単語が聞こえた。
Yu「戻る?今、戻るって......」
R「はい。さっきのガンショップ、真反対に位置しているので......今から全力ダッシュでも、間に合うかどうか......」
ここで間に合わなかった、なんて言ったら謝罪じゃ済まない。
Yu「と、とにかく走るぞ!!」
ショップから出て1分、全力ダッシュをしているが、いまだに建物の影が見えない。
Yu「はぁっ......はぁっ......まだ見えねえ......」
と、キリトが何かを見つけ、俺の袖を軽く引っ張る。
K「......ユイト!バギーだ!」
Yu「......了解!りん、乗って!」
彼女に手を引いて後ろに乗せる。
パネルに手を押し当て、バギーの使用権を買う。
R「え!?ユイト君、乗れるの!?」
当然の疑問だ。
俺はまだ免許証を取っておらず、何なら二輪車の運転経験は自転車のみだ。
しかし、これはフルダイブゲーム。
経験ぐらい、他のゲームでどうにかなる。
Yu「レースゲームなら何度かね!しっかり捕まってて!!」
R「わっ!?」
柵を飛び越え、道路に着地してスピードを上げる。
S「っ!これは......後ろでも、なかなかな風圧ですね......!」
何か言ってる気がするが、後ろにいるかつこの風音の中では聞き取れない。
そんなことは些細な問題だと、もっと踏み込む。
Yu「この速さならっ......うおっ!」
横で走ってバスが車線変更をしてきた。
慌ててバスがいた方に変更して、スピードを上げる。
K「もっと飛ばせ!」
そう聞こえた気がして、聞こえないだろうけど返事をする。
Yu「了解!!」
総督府タワーに、バギーを横に滑らせながらその近くに止まり、時間を確認すると、3時まであと6分、というところだった。
R「あそこの端末でエントリーです!」
Yu「了解!......あれ、りんは来ないの?」
R「サヨさんに、止められてしまって」
S「死人が出るかもしれないのに、それに参加させるわけないでしょう」
Yu「......それは正しい。じゃ、エントリーしてきます!」
タッチパネルに触れ、メニューを起動。
『第三回バレット・オブ・バレッツ予選エントリーフォーム』なるメニューを見つけ、タップ。
驚くべきことに、俺のプレイヤーネームは既に入力されており、その下に名前や職業といった入力フォームがずらっと並ぶ。
入力すべきかどうか悩んでいると、上の方に注意書きを見つけた。
Yu「『現実の自分のデータを入れとけば、順位に応じて景品がもらえるよ』、か......。景品......いや、だめだ」
俺の、いや俺たちの目的はデス・ガンに接触し、その正体を暴くため。
勿論このゲームを楽しみたい気持ちもあるが、それは今度、いつか機会があればやることにしよう。
というわけで、現実世界関連のフォームを空欄にしたまま、一番下の『SUBMIT』をタップ。
SUBMITって、提出とか服従とか言う意味だったような......。
Yu「キリト?間に合ったか?」
K「あぁ、何とか。......お前、全部埋めた?」
Yu「いや、空欄にした。......正直、景品には惹かれたけど......」
K「どこで俺たちの情報が見られてるかわかんないからな。用心しようぜ......っと、お前どこブロック?」
自分がエントリーを終えた端末には、『あなたはFブロック、12番です』と書かれていた。
Yu「Fの12。お前は?」
K「えっと......Fの37だから......お、当たるなら決勝だな」
Yu「当たるに決まってんだろ。勝とうぜ」
K「あぁ」
互いに笑いながら、互いの拳を軽く当てた。
......いっそ出さないのも、一個の手かもしれない
正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?
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良かった
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伝わらない、だめだった