ロゼリアート・オンライン   作:ユイトアクエリア

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皆も、隠し事とかはだめだぞ?()


11話 大事なことはちゃんと伝えよう

BoB予選から一夜明け、いつものようにRoseliaメンバーと共にライブハウスに向かい、練習を見学していた時。

少し長めの休憩の時に、リサ先輩が悪そうな顔をしながら近づいてきて、少しヤな予感がした。

 

リサ「ねぇユイト?最近ALOやってないよね?どうしたの?」

 

馬鹿正直に「死ぬかもしれないVRゲームに潜ってます」とは言えず、適当に答える。

 

唯斗「あー......えっと、最近課題がたまり過ぎちゃってて......」

 

嘘ではない。

けれど、すぐ消化できるほどの量だ。

 

リサ「ふーん?その割にはここに来る時間はあるんだね?」

唯斗「いやその、これは日課ですし......」

 

......少しだけ、悲しくなったのは内緒にしておこう。

 

リサ「じゃあ、これはどういう説明をするのかな?」

 

そう言って先輩が見せてきた携帯の画面には、『第3回《バレット・オブ・バレッツ》本大会出場プレイヤー三十人決まる』と書かれた「MMOトゥモロー」のニュース画面。

先輩が指を指しているのはFブロックのTOP2が載っている。

1位には「Kirito」の文字、そして2位に「Yuito」の文字列。

 

唯斗「......あ~......同じ名前の人ですね~......いるんですねぇ、そういう人~......」

 

目を右往左往させながら事実の捻じ曲げを試みる。

 

あこ「ユイ兄、嘘下手......」

リサ「これは、ユイトだよね?」

 

再度詰められる。

口ごもって再度事実の歪曲を試みる。

 

唯斗「結わえる都と書いてゆいとかもしれないですし......一概には言え......」

 

後ろから殺気。

恐る恐る振り返ると、飲み物を買いに出ていった友希那先輩と紗夜先輩が立っていた。

 

友希那「仲間に何も知らせず、一人で何をしているのかしら?」

紗夜「それが命の危険があるゲームだなんて、知ったら悲しむでしょうね?」

 

と、周りを見ると「噓でしょ?」みたいな顔をして囲まれていた。

 

友希那「それは、どういうことかしら?」

リサ「え、ほんと?」

あこ「えぇ~!?」

紗夜「ちゃんと、説明しましょう」

唯斗「......はい」

 


 

流石に先輩相手に「先に説明しといてくれ」とは言えず、自力で説明を始めた。

 

リサ「うわぁ......それ、ホントに大丈夫?」

唯斗「病院からダイブして、一応心拍も計測してもらっているので、平気だと思います......多分」

 

説明を終えて、俺がそう返すと、友希那先輩が苦い顔をして口を開いた。

 

友希那「それは......必ずユイトがやらなきゃいけないことなのかしら?」

唯斗「え?」

 

友希那先輩にしては弱気な意見だ。

 

友希那「もしかしたら死ぬかもしれないのでしょう?」

 

その後に続く言葉を聞きたくなくて、俺は食い気味に謝罪をねじ込んだ。

 

唯斗「ごめんなさい、先輩。これは、俺たちにしかできないことです。俺たちが、解決しなきゃ、いけないんです」

 

そう言い切ると、後ろから肩に手を置かれる。

 

燐子「友希那さん、唯斗君を、信じて、あげてください」

 

燐子先輩だった。

 

友希那「......燐子が言うなら、信じるわ。けれど」

 

言葉を切って、俺の目を真っすぐに見つめる先輩。

 

友希那「絶対に、無事に帰ってきなさい。燐子を心配させるなんて、以ての外よ。そして、貴方もいて『Roselia』であることを忘れないように」

唯斗「......はい。必ず、戻ってきます」

 

 

 


 

 

という会話が、3時間前。

今日はBoB本戦。

時刻は午後5時。

本戦開始は8時からであるが、早めに入ってエントリーだの射撃練だのやってた方が精神衛生上よろしいということで、今現在病院にいる。

指定された病室に入ると、昨日と同じ安岐ナースが病室の椅子に座り、本を読んでいた。

そして、先客。

先にアミュスフィアを被ってGGOにダイブしているであろう和人。

 

唯斗「こんにちは。安岐さん」

安岐「や、君も早いね。桐ヶ谷君も随分と早く来たよ」

 

ちらっと和人の方を見て言う。

 

唯斗「あいつはあれで色々心配症ですから。まぁ、俺もですけど」

安岐「大会は8時からだって言ってたね。モニターはそこからでいい?」

唯斗「はい。ホントすみません」

安岐「大丈夫。いくらでも付き合っちゃうよ」

 

謝ると、ケロっと言い返してくる。

 

ダイブ前の精神統一として、軽く深呼吸。

ぶっちゃけ、死銃(デス・ガン)が、リアルのプレイヤーを殺せるとは、9割信じていない。

その9割は、元々心臓に持病を持ってて、その時にちょうど死期だった、というとんでもなく不謹慎な考えで。

残りの一割は、昨日の和人と会話をしながら考えたことだ。

 


土曜日、BoB予選後。

病院からの帰り道、和人は異様に暗かった。

 

唯斗「なぁ、和人。どうした?そんなに暗い顔して」

和人「......SAO生還者(サバイバー)に、会った」

 

俺は、一瞬だけ安堵した。

けれど、それなら和人の暗さが説明できないと、それをかき消して訪ねた。

 

唯斗「......《ラフコフ》の、生き残りか?」

和人「あぁ。そして、たぶんそいつが死銃だ」

 

サバイバーにして、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)の生き残り。

それが、死銃の正体。

 

唯斗「なんでわかったんだ、そいつがサバイバーだって」

和人「腕の内側に、あのマークをつけてた」

 

あのマークとは、棺桶から腕の骨が見えているようなデザインの、不気味なエンブレムのことだ。

俺は、半ば無意識的に口を開いた。

 

唯斗「......まだ、殺人を楽しんでるのかもな」

 

それを聞いた瞬間に、和人は俺に掴みかかったが、

 

和人「そんなこと......!あり得る、のかもな」

 

そう言って、俺から手を離した。

 

唯斗「悪い、配慮がなかった」

和人「いや、俺も。引っかいたりしてないか?」

唯斗「あぁ、平気だ。けど、その元気があるなら、明日の本選も平気そうだな」

 

唇を歪めてそう言うと、和人も同じく薄く笑って、

 

和人「あぁ。......約束を、果たさなきゃいけないからな」

 

と、決意を固めた顔でそう言った。

 

唯斗「そうだな。死銃倒して、ちゃんと借り、返そうぜ」

 

そう言って拳を合わせ、お互いの帰路に着いた。

 


 

 

唯斗「はぁ......よし」

 

ベッドに横たわり、アミュスフィアを被る。

 

安岐「おや、桐ヶ谷君とは違って悩みとかはなさそうだね?」

唯斗「もちろんあります。けど、こんなところでいちいち悩んでたら、出来ることもできなくなるので」

 

俺の声色を見てか、それ以上の追及はしてこなかった。

 

安岐「うんうん。でも、ため込みすぎには注意してね?たまには美人ナースを頼ってくれてもいいんだよ?」

 

そうやってウインクされると、年上耐性があまりない俺にはどうしていいかわからない。

......嘘だわ、いつも関わってる過半数先輩だった。

まぁ、いいか。

 

唯斗「あはは......その時は、よろしくお願いします」

 

そういい、肩の力を抜いて、ベッドに全体重をかける。

 

唯斗「じゃあ、行ってきます。ーーリンク・スタート!!」

 

 

 

安岐「はいな、行ってらっしゃい。《聖剣使い》さん」

 

ーー今、何て?

 

と聞こうとしても、既に俺の意識はGGOに吸い込まれて、聞けなかった。

 

 

 

正直、ライブレポート。読んでてどう感じた?

  • 良かった
  • 伝わらない、だめだった
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