東方光巨人〜夕映えの戦士が幻想入り〜   作:ナウディ

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この作品は東方Project×帰ってきたウルトラマンのクロスオーバー作品です。

なんとなく勢いで書いてはみましたが、需要があれば不定期で連載していこうと思います。


プロローグ 〜光の来訪〜

 

 君たちは覚えているだろうか?

かつてこの星が怪獣頻出期と呼ばれた時代、我が物顔で暴れる怪獣や卑劣な宇宙人に勇敢に立ち向かった男達のことを。

燃える太陽の如き強く逞しい勇姿と心を持った戦士を我々はこう呼んだ。

 

 

 

 

     『ウルトラマン』と・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 広大な宇宙………………永遠の闇が続くこの世界で一筋の流星が星々の間を駆け巡る。

やがてその紅き流星は動きを止め、銀色の巨人へと姿を変えた。

 

 

「……………………このあたりも異常なしか」

 

 男はそう呟くと1つの衛星に腰を落ち着ける。

神秘性を備えた銀色の体に尽きる事のない不屈の闘志を表す赤いライン、そしてその腕には輝くブレスレット。

 

 

 

 

「微弱なマイナスエネルギーが太陽系から放出されてるとあったが………杞憂だったのだろうか」

 

 

 

 

 

    男の名は「ジャック」

 

 遥か彼方M 78星雲、光の国の宇宙警備隊員であり、ウルトラ兄弟4番目の戦士だ。

彼はいま再び発生したマイナスエネルギーの調査の為、太陽系へと赴いている。

 それは既に暗黒宇宙大皇帝《エンペラ星人》との激闘から14年という歳月が流れた時の出来事だった。

 

(あの戦いから14年……この太陽系も平和になったというに、なぜ今になってマイナスエネルギーが?)

 

 

 

   

   マイナスエネルギー

 

 それは生物が持つ怒りや憎しみ、恐れといった負の感情から生まれる力。

その力は怪獣を生み出してしまう程に強力であり、自らを含め、彼ら兄弟達に

幾度となく立ち塞がった脅威であった。

 

 

「……やはりもう少し捜査をしよう。あの星に何かあってからでは遅い」

 

 

 

 呟いた戦士の眼前には青く輝く一つの惑星があった。

その名は「地球」。故郷から300万光年離れた辺境の地に浮かぶ小さな星。かつて多くの激闘があり、そしてそこに住む住人達と多くの思い出と絆を紡いできた男達が愛する第二の故郷である。

 

 

 

 

 

(あれから幾つかの時は流れてしまったが、それでも尚美しい星だ)

 

 

 ジャックは愛おしそうに地球を見つめる。辛いことも沢山あったが、彼の心には今でも星で過ごした掛け替えのない思い出が残っている。

 

「さて、いつまでも感傷に浸っていてもしょうがないな。調査を再開しy『ギュアアアアアアアア!!!!』……ッ⁈」

 

 

 

 突如として巨大な影がジャックに目掛けて落ちてきた。済んでの所で回避をして臨戦態勢を取るジャックに、影は赤く光る不気味な目で彼を見据える。

 

 

「なッ………どうしてコイツが⁈」

 

 胴の長いアンバランスな身体に鋭く尖った角と爪、鈍く光る目は生物というよりは寧ろ兵器に近いであろうか。

そして何よりも特徴的なのは腹部にある五角形の口のとも見受けられる器官。その生物の事をジャックはよく知っていた。

 

 

「ベムスター……!」

 

 

  宇宙大怪獣ベムスター

 自分がかつて地球で苦戦を強いられた怪獣であったが、その時とは様子が異なっていた。その異形は更に歪になり、目からも正気を感じ取ることができない。

 

 

(明らかに何者かによる改造を受けている………まさか、タロウと戦った個体か!)

 

 

『ギュアアアアアアアア!!!!』  

 

 

『シェアァ!』

 

 

 

 月面で両者が激突する。あたり一面に衝撃が走り土煙が舞った。

改造ベムスターは鋭い爪で襲いかかるが、ジャックは攻撃全てを見事に捌ききってみせた。

 

(こちらとて幾つもの死戦を潜り抜けてきたんだ…譲れない意地もある!)

 

 

 改めて闘志を燃やすと、大地を蹴り上げ高くジャンプ。そのまま空中で回転を加えてベムスターに蹴りを喰らわせた。

これぞ「ウルトラスピンキック」。多くの怪獣との戦いで活躍したジャックの妙技だ。

 

 

『ギュガアア……!』

 

 

 強烈な一撃はベムスターを大きく怯ませたが、それが決定打になる事はなかった。

しかし改造された今でもなお残る生物としての本能が『コイツと真正面から戦うのはまずい』と悟ったのであろう。

今度はベムスターが両腕を広げ宙へ飛び立つ。

 

 

『ギュアアアアアアアア!!!!』

 

 

 怪獣の角から無数の光弾が発射される。まるで太陽に照らされるかの如く視界が明るくなるものの、対峙しているジャックにとってはそんな朗らかで生やさしいものではなかった。

 

(クッ………接近戦が敵わないと見るや遠距離攻撃か!)

 

 

 ジャックは悪態こそ付くものの、発せられた光弾をバック転で全て交わして見せる。

ベムスターは当たらない攻撃に苛立ちを募らせる。しかしこれ以上近づくのは不味いと感じてジャックから距離をとった。

 

(おそらく次に奴が隙を見せるのは再び攻撃を当てる旋回時……その時にこちらも反撃だ!)

 

 ジャックの予想は的中した。再び攻撃を仕掛けるためにベムスターは宇宙間で旋回をする。しかしその直後ベムスターは己の判断が誤りでたあった事に気付いた。

 

『………ジェアア!!』

 

 

ジャックの構えられた右腕から一筋の閃光がスパークする。

 

  ウルトラショット

 ジャックがよく使用する牽制技の一つ。自身の必殺光線程の威力はないが、その鋭い一撃は何度もジャックに反撃の機会を作った。

その一撃は見事ベムスターの翼を射抜いて見せると、体を支えきれなくなった巨体はそのまま月面へと衝突した。

 

 

 

 

『ギュ………ギュアアア……』

 

 

 もはや立ち上がる事の出来ないベムスター。眼前にそびえ立つ戦士に対抗出来るだけの力は残されていなかった。

 

 

 

「悲しいな………お前だってその様な身体、望んでなった訳ではないのだろう」

 

 改造されたはずのベムスターの目にうかんだ涙をジャックが見た。おそらくこの大宇宙をもっと飛び回っていたかった筈だと………

 

「最早こうしてやる事しか出来ない………許してくれ」

 

 自らの手で葬ってやる事がせめてもの情けだとジャックは左腕に手を掛ける。散りゆく命に安らぎが訪れることを願いながら……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       『使 え な い 駒 だ』

 

 

 どこからか発せられた暗く冷たい一言にジャックは全身から悪寒が迸るのを感じる。

 

 

「………な!?」

 

 ジャックの意識がベムスターから離れる。それは彼が、いや彼を含めた兄弟達が聞いた事のある声だった。

しかしその行動が仇と出てしまう。ベムスターが再び立ち上がったのだ。

 

『ギュ………』

 

 

『ヘア!?』

 

 ジャックは再び意識をベムスターに戻す。しかしそこに立っていたのは先程までのベムスターではなく、ベムスターの形をした何かだとジャックは感じた。しばらく睨み合いが続いたが、ベムスター先ほどの負傷などなかったかの様に踵を返し飛び去って行ってしまう。

 

 

「な………一体何を………ツ!?」

 

 

 直後、彼は自身の判断が遅れたことを後悔した。飛び去った怪獣の起動の先、そこにあったのは青き星の姿がある。

 

『…………!!』

 

 突如としてベムスターの体が燃え上がる。ジャックにはそれが最後の悪足掻きの様に見えた。

 

 

 

(ベムスターの体はガスで満たされている筈だ!そんな怪獣がもし地球で自爆しようものなら……!)

 

 

 

 

 

  最悪のケースが頭をよぎる。

 

 

『ジェアア!』

 

 

 光の国の戦士は卑劣な侵略者を決して許さない。ジャックは物言わぬ兵器と化したベムスター目掛けて飛んで行く。

 

 

(絶対に地球には行かせない……たとえこの命が尽きようとも絶対に!)

 

 

 巨大な爆弾と化したベムスターにジャックがしがみ付くと同時に、その場で激しくきりもみ回転を始める。すると二つの巨体を覆う様に念力波の幕が発生した。

 

 

 

 

 

 

   ウルトラバーリヤ

 

 それはジャックが過去に怪獣シーゴラスの生み出した大津波を食い止めるために繰り出した大技である。津波を食い止める程のパワーを持つと同時に、彼のエネルギーを著しく消耗させる大技でもあった。

 

 

 

  

 

 

 

  ピコン……ピコン…… 

 

 

 

 

 胸のカラータイマーが青から赤へ点滅を開始する。それはウルトラ戦士にとってエネルギーが残り少ない事を示す危険信号だ。 

ジャックに残された力は少ない。それでも彼は愛する地球を守るため、自身と怪獣を覆う念力波を解く事はなかった。

 

 

 

「くッ………!」

 

 

 タイマーの点滅が早くなる。残された時間は少ない。振り払おうと暴れるベムスターにしがみつきながら、ジャックはひたすら耐え続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は最後の力を振り絞りそして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   〜?????〜

 

 

  

 

 

 

 

「……ズ?………ナズ〜?」

 

 

「聞こえてるよご主人」

 

 

 欝蒼としげる森の中、おそらくまだ朝日も登っていないが故に普通の人間なら余計に暗さを感じるだろう。夜も開けない暗い森に、その場にいるのが似つかわしくはない少女が2人。

 

 

「えっとぉ……まだ怒ってますか?」

 

明るい金髪に虎柄の衣、手には彼女が怒られている原因であろう不思議な輝きを放つ水晶体がある。そして恐る恐ると鼠の様な耳と尾を持つもう1人の少女の顔を伺っていた。

 

 

「これで怒ってない様に見えているのなら、ご主人は大した唐変木だよ」

 

「いやぁ…その………大変申し訳ないとは思ってますよ?思っていますとも」

 

 

 

 

 

「じゃあ何故!何故夜中の3時に叩き起こされて一緒に宝塔探しなんかやらなきゃいけない羽目に合うんだい!?」

 

「うぅ……だってぇ」

 

 

 

 

 少女『寅丸星』は部下兼友人の『ナズーリン』の刺のある言葉に泣きべそをかく。この2人、決して不仲という訳ではない。しかし星の悪癖のせいで、小さな友人は頭を抱えていた。

 

 

 

「昨日も散々確認したろう!今日は宝塔は落としてないかと!」

 

「聖の前だったので言い出せなかったんですよ〜!」  

 

 

 心優しく真面目で何事にも手を抜く事のない星だが、唯一物を失くし易いという欠点がある。大切なものを失くしては、ナズーリンに何とかして見つけてもらう。それが彼女達のルーティンであった。

 

 

「もちろんご恩返しはします!ナズの大好物をたくさん用意しますから!」

 

「まったく……今回限りだよ。次はないと思う事だね」

 

「さっすがナズーリン!やはり持つべきものは良き友人でs『ゴンッ!」のわぁ!?」

 

    

 

 星が突然何かに躓く。

 

「あい…たたたぁ……!」

 

「言ったそばから……ご主人、足元くらいはちゃんと確認してだな…………ん?」

 

 ナズーリンは星が躓いた障害物に目をやる。

 

「うぅ……どうしましたナズ?」

 

「ご…ご主人。今キミが躓いたものって…………」

 

「んん…それがとうしたんですか……………え!?」

 

 

 星が躓いた物、正確には人であった。見たところ若い男のようであったが、その身体は傷だらけであり、出血もひどいものだった。

 

「ひ、人!?外来人でしょうか…?」

 

「見た感じそのようだね……しかし自殺志願者だったとしても、この酷い外傷は一体…」

 

「それにに火傷の跡が多いです…………。これじゃまるで先程まで何か巨大な獣と戦っていたかの様な…」

 

 

 おそらく自殺志願者ではないだろう、そう2人は感じとる。彼女達がこの男をどうすべきか考えていると…

 

「グ………うぅ…!」

 

「「!?」」

 

 男が声を上げる。これだけの傷を負いながらも男は生きていた。

 

「まだ息がある…!ナズーリン、今すぐ聖達を起こしてきてください!あとは永遠亭の方々にも来てもらう様に!」

 

「わ、分かった!」

 

 

 指示を受けたナズーリンは一目散に走り出す。その姿が見えなくなったのを確認してから星は向き直る。

 

「しっかり!しっかりして下さい!あなたを絶対死なせはしません!」

 

 星は男に声をかけ続ける。その命を繋ぎとめるために。

 

 

 

 

 そして彼女はまだ知らない。それが失われし楽園と1人の超人の邂逅である事を…

 

 

 

 

  〜to be continued〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応の時系列はウルトラマンメビウスが地球から去って14年後の世界です。
なので勿論ゼロやタイガは登場しませんが、どこかでフレーバー的要素で拾えたら嬉しいです。
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