見直して見てやっぱり文才がないなあと落ち込んでましたが、やっぱりジャック兄さんの活躍をもっと描きたいので執筆を再開します。
どうか温かい目で見守ってもらえたら幸いです。
〜???〜
「……様。ご報告がございます」
「言ってみろ。どんな情報だ」
まるでこの世のものとも思えぬ歪な空間。そこで二体の異形が話し込んでいる。
「まず一つ、かの地に怪獣を送り込むことに成功いたしました」
部下であろう存在から報告を受けた異形はさぞうれしそうに声色をあげる。
「ほう!かの地の賢者が張った結界には実に悩まされたが……ようやく成功したか!」
「は…!しかし…一つ問題が…」
「なに…?申してみろ」
「ウルトラ兄弟の1人がかの地に現れました」
それまで気色満面だった異形の顔が歪む。それはその者にとって何よりも聞きたくない言葉であったからだ。
「なんだと…⁈それで、現れたウルトラ兄弟は何者だ!」
「はい、ウルトラマンジャックにございます」
「ウルトラマンジャック…試作品として作った改造ベムスターの自爆を逃れていたか…」
正体を聞いた異形はしばらく考えたのち、部下に伝える。
「奴はしばらく泳がせておけ。時がきたら始末して他のウルトラ兄弟の前にさらけ出す」
「ハッ!」
(妖怪の賢者の差し金かは知らんがウルトラマンジャックよ、幻想の地で朽ち果てるが良い!)
異次元空間で不気味な異形が笑みを浮かべた。
────────────
〜命蓮寺〜
「……」
アーストロンの襲撃から1日後。最初こそ不安と混乱に陥った幻想郷も元の穏やかさを取り戻していた。そんな朝の命蓮寺で静かに目をつぶる青年が1人。そう、数日前に幻想入りをしてきた郷秀樹である。
郷は閉じた目をゆっくりと開けて深くため息をついた。
「やはりテレパシーが届かない…博麗大結界が障壁となって遮断されてるのか」
怪獣襲撃の一件で郷の正体を知る由もない聖をはじめとした命蓮寺の住人達からは危険だから博麗の巫女に外の世界に帰るよう頼み込んでみると郷に話したが、彼はその申し出を断っている。宇宙警備隊員としては地球防衛の任に就くためであるが、そんな事を話せるわけもなく、博麗大結界の仕組みを聞いた上で外に出るために結界を緩めるとまた怪獣が幻想郷に来るかもしれない。自分1人のためにリスクを犯してもらうのは申し訳ないと断った。
聖からは「それならこのまま命蓮寺にお泊まりください」と言われて厄介になっている。
(ウルトラサインは……いや、よしておこう。下手に連中に利用されかねない)
郷があれこれと思案していると毘沙門天の代理である妖怪少女『星』が声をかけてくる。
「あ・・・郷さーん!」
「ん…?星か、どうしたんだい?」
「これですコレ!見てくださいよ!」
星はそう言って一枚の紙を渡してくる。
「号外として届いてきたんですけどね?」
「新聞か。なに、『幻想郷に巨獣と巨人が出現』…?」
文々。新聞と書かれた新聞には突如出現したアーストロンをジャックが撃破したことがつらつらと書かれていた。
「凄かったですよね!早苗さん曰くウルトラマン…でしたっけ?聖達が苦戦した怪獣をいとも容易く退治するなんて!」
星が目を輝かせ興奮しながら語る。
「一体何者なんでしょう?案外異国の神様だったりして!」
「いや、違うな。ウルトラマンは決して神なんかじゃない」
「え……?」
郷は星の考えをキッパリと否定した。
「彼はこの地球から300万光年離れたM78星雲、ウルトラの星からやってきた宇宙警備隊員さ」
「ぇ⁈てことは宇宙人なんですか⁈」
「ハハハ、俺たち地球人だってこの広い宙の下で暮らす立派な宇宙人じゃないか」
「ま、まぁそう言われてみれば確かに…でもどうして神様にならないんですかね?あれ程の力を有しているなら信仰の対象になりそうなものですけど…」
確かに星の疑問は的をえたものだった。そんな問いに郷は少し考えてみせる。
「俺は宗教はあまり詳しくないが…そうだな、ウルトラマンと地球人を結びつけてるものが信仰とは違った物だからじゃないかな?」
「と、いいますと?」
「かつて外の世界では怪獣頻出期と呼ばれる時期があった。そこでは先日のアーストロンのような怪獣や地球を侵略しようとする宇宙人の襲来が後を立たなかった。地球人も知恵と勇気を持って厄災に立ち向かったんだがそれでもダメな時、彼らがやってきたんだ」
「彼ら…って事はウルトラマンって複数人いるって事ですか!?」
ころころと表情の変わる星に対して郷が笑ってみせる。
「あぁ、ウルトラ兄弟と呼ばれる戦士達。彼らは迫りくる大怪獣に敢然と立ち向かった……だがそんな彼らでも届かない想いがあった」
「届かない想い…?」
「地球人以上の力を持った彼らでも時には強大な力に屈し敗北することがあったんだ」
「そんな…ウルトラマンが負けることがあるなんて…」
「だがそんなピンチの彼らを救ったのが地球人だったんだ」
「えぇ⁈地球人がですか⁈」
再び驚愕する星に郷は続けた。
「ウルトラマンは地球人を決してただ守護するだけの矮小な存在として見ていない。地球人もまたウルトラマンを強大な力を持った神だと思ってない。その両者を結びつけている関係、星には分かるかい?」
郷は金色に輝く星の瞳を見つめながら問う。そして僅かに時が流れた後に星が答えた。
「共に危機に立ち向かってきた仲間・・・?」
「そうだな、友情と言ってもいいだろう。ウルトラマンがいるから地球人は悪に屈しない。地球人がいたからウルトラマン は戦ってこれた。そこにあるものは信仰じゃなくて……」
「絆・・・そうですね、郷さん」
郷が言い終わる前に優しい声が響く。2人が振り向くとそこには聖が立っていた。
「聖、聞いていたのか」
「ごめんなさいね、ちょうど星がウルトラマンが神ではない理由について考えてた時から聞かせてもらいました」
聖が郷の隣に座る。
「宗教家の私が言うのも変ですけどなんだか憧れますね。この広い宇宙で出会った二つの種族の間には損得抜きの絆が存在する……我々仏教徒でも信仰という対価がありますから…」
「彼らも生真面目ではないんだろうけどなぁ…」
「え?」
聖が不思議そうな顔をした。
「案外おっちょこちょいだからね、彼ら」
「「おっちょこちょい…?」」
今度は星も混ざって2人ではてなマークを浮かべる。
「まぁ怪獣と相撲とかとったりするから」
「「怪獣と相撲⁈」」
あまりにも信じられないと言った表情を浮かべる2人に内心苦笑する。弟達が地球から帰還した際にやたらと四股を踏んでいるのを見て質問をして見たら「いやぁ兄さん、相撲は良いものですよ!どうです兄さんも?」と答えられ困惑したのをよく憶えている。
「まさか相撲が300万光年先にも伝わっているとは…怪獣との大一番は案外見て見たいかも…」
(俺は相撲やらなかったからなぁ…対戦してくれる怪獣…モチロンやジヒビキラン、彼らなら案外幻想郷まできてそうだ)
自身の初試合を考える郷に聖がハッとしたように顔色を変えた。
「あ・・・そういえば郷さんには永遠亭に行ってもらう事をすっかり忘れてました!」
「永遠亭?」
「はい、迷いの竹林にある診療所で郷さんの怪我の治療もしてくださったんですけど…私としたことが失念を…」
「あぁ〜いや、まぁ郷さんピンピンしてますからね。私もついウッカリ…」
「そうだったのか…まぁ俺自身としては身体になんの影響も感じないが…1度見てもらった方が良さそうだな」
そう言って郷は縁側からスッと立ち上がった。
「それなら私が永遠亭まで案内します!それで良いですよね聖?」
「それが良いでしょう。気をつけて行ってきてくださいね」
郷と星は聖に笑顔で見送られながら永遠亭へと出発した。
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「おぉ…!」
竹林を歩きながら郷が感嘆の声を上げる。ここまで見事な竹林は自身が地球人であった頃でも見たことがなかった。
「気をつけてくださいね…名前の通り一度迷ったら中々出てこれませんから」
「確かに…君の案内がなければすぐに方向感覚を失いそうだ…おや?」
進んでいくうちに純和風の建物が見えてくる。その門前には赤と青の二色の服装に身を包んだ女性が立っていた。
「永琳さん!直々のお出迎えとは珍しいですね!」
「ご機嫌よう星。そして初めまして、郷秀樹さん」
「は、初めまして…」
軽く会釈をする郷であったが、その心中は穏やかではなかった。
(この女性から感じるぬぐい切れない違和感はなんだ…?)
郷の額に汗が浮かぶ。それを見てもなお永琳と呼ばれた女性はニッコリと笑みを浮かべたままだった。
「それじゃあ診察をするわね。星は居間の方で待ってて貰えるかしら?」
「分かりました!では郷さん、また後で!」
「あ、あぁ…」
足早に去って言った星を見送り一呼吸置いた後に永琳が語り出す。
「もう傷は完治したようね。夜中に叩き起こされて命蓮寺に行った時にあなたを見たときは手遅れかとも思ったけれど…なるほど、貴方なら納得だわ」
「君は…この星の人間ではないな」
郷は警戒心を隠さないまま永琳に尋ねた。
「あら、あなただってそうでしょう郷秀樹……」
永琳は笑みを浮かべて言い放つ。
「それともこう呼んだ方が良いかしら…『ウルトラマンジャック』」
閲覧していただきありがとうございます。
これからもあれこれ悩んだ理しますが、後編はできるだけ早くに投稿できるよう善処します。