修学旅行でルーマニアに行ったら、聖杯大戦に巻き込まれた   作:幻夢の饅頭

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おいでませルーマニア 前半

湖に沈んで、第二の生は型月世界

転生で得た力はハリポタの杖と魔法とその他諸々・・

こっそりこそこそ生きて現在、聖杯大戦に巻き込まれる

 

私の人生に起きた事を3行でまとめると大体こうである。

 

 

 

ご存知の通り、私はハリポタでお馴染みの【杖】で魔法が扱える。

そしていくつかの【魔法道具】も所持している、ハリポタではとても有名なモノを杖を除外すれば【他4点】ほど。

 

魔法が扱える事が能力だとしたら、魔法道具は

いわゆる転生特典としての別枠になるのだろう。

 

ただしこの型月の世界でハリポタの魔法がどれぐらい通用するかはわからないのだ。

何しろ人や生き物に対して呪文を行使した事は一度もないし、試したとしてもせいぜいマグル避けの呪文の効力を確かめる為に、お中元の届くシーズンに家の玄関口に呪文をかけて配達業者の出入りをこっそりチェックしたりとかその程度なのだ。

 

ダンブルドアなどの優秀な一部の魔法使いなら【無言呪文】も扱えるが

自分は全然その域にはなっていないし、呪文なら何でも行使出来るわけじゃない__不得意な呪文もあるのだ。

多分、自分の力量は魔法学校に在学しているハリー達生徒とそう変わらない・・とは思う。

 

早い段階で型月世界と気づけたのはラッキーだと今でも思う。

 

なんでかって?魔術師達はハリポタに出てくる魔法使いと違い、精神構造が大なり小なり

闇の魔法使いや死喰い人ばりの危険な奴らなのだ。

 

おまけに使徒や星を滅ぼすORTなんていうモンスターバースばりのやつらもいる普通にいる世界だ、ハイオワタ。

そんなこんなで今までどうにか、自分の能力をひた隠しにして生きてきた訳なのだ。

 

 

あぁ…ハリポタの世界だったらどんなに良かったかと、今に至るまで何千回と思ったことか。

 

バタービール飲んだり、クディッチ観戦したりしたかった・・・。

 

 

 

【空港 荷物受け取り場】

 

ルーマニアの地へと降り立った飛行機、外の景色は日も沈み夜空が広がっていた真っ暗な夜遅く。

若干人が疎らな空港内を日本の学生の団体が引率する先生と添乗員に従い移動する。

 

 

手持ちの包帯をぐるぐる巻いて令呪を隠す、荷物の回収所に集まる生徒の集団に腰をかがめながら姿を隠す。

周りの生徒には乗り物酔いをして人を見るのも気持ち悪いからそっとしておいてと、口元に手を置いて嗚咽しそうな演技を見せて伝えたおかげで私に話しかけてくる生徒はいない。

 

飛行機の中で考え抜いた方法は、以下の通り。

 

ミッションその1 速やかに自分の荷物を回収する

ミッションその2 誰の目にも留まらずにバスに乗り込む

ミッションその3 ホテルに着くまでに今後の方針を検討

 

周りの視線から外れるようにしているが、これが空港にいる魔術師対策になるかもわからない

…なにもしないよりはいいと願うのみだ。

 

リフトに流れてくる荷物を見ながら、いつかアニメとネットのまとめで見た

Apocryphaの内容を今一度整理しよう、まずは大まかな勢力図と重要人物。

 

事の発端は第二次世界大戦が勃発している中で冬木にて行われた第三次聖杯戦争にて、黒の陣営のボスであるダーニックが当時のロシアと共謀して冬木の大聖杯を奪った事がそもそもの発端。

そして戦争のどさくさに紛れてその大聖杯をロシアから奪って自分の土地に隠して現世までこそこそ生きていた不死身のバケモノ。

 

確か時計塔引いては、現代の魔術世界に対する

宣戦布告として聖杯大戦を起こした筈…。

記憶が正しければ、魔術の家の没落した家系を寄せ集めて自らの傘下として勢力を拡大していた。

 

そんでダーニックって言う魔術師自体は、ハリポタでいうと死喰い人で幹部やれるぐらい、魔術師としても強くてやばい事が平気で出来る危険人物。おぉ恐ロシア…

 

だがしかし、ダーニックはあくまでも噛ませだ。

Apocryphaにて真のラスボスは別にいる。

 

赤陣営を独断で指揮している

聖堂教会側の監督コトミネ・シロウ事、真命天草四郎・時貞と言う第三次聖杯戦争にて裏技で呼び出された「ルーラー」のサーヴァント。

 

この男こそ、聖杯大戦を裏で暗躍している存在だ。

 

日本の歴史の偉人の1人にしてキリスト教徒であり、圧政を引かれていた民主の救いと言うべき存在であり、島原の乱での最後は後世の世にも語られる事になった男。

 

だがこの男の目的は全人類の救済というとんでもない野望を胸に秘めた聖人であった。

 

物語の終盤では大聖杯を使って第三魔法?のフェブンズフィールを起動して全人類の魂をどうにかこうにかして不老不死にしようとかしてた筈………。

 

ジーク君は黒の陣営のホムンクルスで黒側のサーヴァントのアストロフォとケイローンに助けられて、そこからジークフリートの心臓を貰ってフランの宝具の影響を受けて無限回路を手に入れたジーク君は、ジャンヌと一緒に聖杯大戦を駆け巡り天草の野望を止めるんだ。

 

包帯でぐるぐる巻にした自らの利き手を見つめる。

 

(…この令呪が黒陣営側の誰かのだったら、お話積んでない?いや…それどころか黒・赤の令呪だったとしたら今頃どちらかの陣営が令呪の持ち主の捜索を徹底的にしているのでは?)

 

となるとすでに私の存在は何らかの手段で感知されているのでは?

和気藹々とはしゃぐ生徒達の中で私はさらに身を縮ませてガタガタと震えた。

 

 

 

そんな事を考えていると、リフトに乗って私のキャリーケースが流れてきた。

急いでそれを回収して、近くのトイレに駆け込む。

 

自身の転生特典とも言えるものは魔法と杖だけではない、原作のハリポタではとても有名な魔法道具もいくつか所有していた。

このルーマニアで隠れ過ごすのにはうってつけの物ももちろん含まれている。

 

そこそこ広いトイレ内の一番奥の個室に入り、念のために「コロポータス(扉よ閉まれ)」で完全に密室になった

個室内でキャリーケースを開ける。

 

(もしもの為に「コレ」を持ってきておいて正解だった……)

 

ケースの中には衣服に混じって、かなり幅をとる

【古ぼけたトランク】があった。

 

狭い個室の中でなんとかトランクを広げて、中にある【大きな布】を取り出した。

その布で全身を隠すとたちまち周囲から私の姿は見えなくなる。

 

そうハリポタでお馴染みの有名中の有名所。

【死の秘宝】の一つでありハリーの持つ、透明マントだ。

 

ハリポタ作者公認のどんな魔法を持ってしても見破れない(原作では見破れた人はいたが)

死から隠れるとされる伝説級の万能アイテムだ。

 

(どうか魔術師の監視網から逃れられます様に…)

 

誰にもぶつからない様に細心の注意を払いながら一直線に旅行バスが待つ玄関口に急いだ。

 

 

【空港 玄関口バス発着場】

 

いち早く自分のクラスのバスに乗り込んだ、まだ運転手と他生徒がいない静かな車内の中

全部のカーテンを閉めて外から中を見れない様に遮断する。

 

発車する間に旅のしおりを再度開き、これから向かう先がルーマニアの大都市であるブカレストと確認する、しおりにはブカレストのホテルを滞在先に明日からは旅行バスに乗って世界遺産や名所などを回る予定だ。

いくら団体行動であろうと令呪が宿ってしまった私が各地から集まったであろう魔術師がウヨウヨいるであろうルーマニアで呑気に観光に洒落込めばカモがネギ背負って来た様なものだ。

他の魔術師に令呪目的で捕らえられる確率も上がるし、同じ学校の生徒や先生達を危険に巻き込む可能性も高い…。

 

尚且つ魔力狙いのハートキャッチ組(物理)に目をつけられる可能性が上がるのだ。

 

故に私が選べる選択も一つであろう。

 

(体調不良を使ってこの一週間ホテルからでない!!徹底的に籠城戦を強いてやる!!!)

 

私の持つ全ての魔法と魔法道具を駆使すれば完全に身を隠す事はできるだろう…どこまで通用するかは未知数だけど。

 

 

身の安全と楽しい旅行を天秤に図り、何ヶ月もかけて練り上げたルーマニアグルメ巡り計画も

楽しい旅行も捨てる事を腹に括ったのだ。

 

 

 

(ううぅぅ…折角の海外旅行がぁーー!!!

聖杯大戦の馬鹿野郎ーーー!!!!

ダーニックの大馬鹿野郎ーーーー!!!!)

 

 

 

ギリギリと握り締めたボールペンがベキベキと悲鳴を上げる、血涙を流しがながらこの戦争大戦の仕掛け人である

ダーニックに対し心の中でおでき呪文とナメクジ吐きの呪文を何回も連発した。

 

 

 

 

【空港 ロビー】

 

日本の学生を載せた旅行バスが出発を開始する、数分前。

時を同じくしてフランスから来た飛行機がルーマニアの空港に着陸した。

 

人の波をかき分けてロビーを小走りに走る、

三つ編みの金髪が特徴の1人の少女がいた。

 

(気配は近い…後少し、距離はすぐそこまで…)

 

自身と繋がる魔力の気配を探知して真っ直ぐ空港の玄関口まで進む。

 

旅行シーズンではないにしろ世界中から人々が集うルーマニアの玄関口には数多の人種が右往左往していた。

 

意識を集中させ、僅かに自信と繋がる魔力の持ち主を探す。

 

(気配が遠ざかった?……あの旅行バス)

 

ジャンヌが出入り口にたどり着いたと同時に、入れ違いで出発した旅行バスの集団の中に魔力反応を完治した。

 

自身の啓示に、首都ブカレストの文字が浮かぶ。

 

彼女は近くに停留していたタクシーに乗り込み、ブカレストに行くように頼む。

 

 

少女の名はジャンヌ・ダルク。

此度の聖杯大戦に召喚されたルーラーのサーヴァントである。

 

聖杯大戦は7機VS7機のサーヴァントとマスターによる殺し合いである。

そして此度ルーマニアの地にて行われる、それは通常の聖杯戦争とは規模が違いすぎる前例のない戦いである。

世界に及ぼす影響も未知数である事から聖杯のシステムにより戦いの調停者としてルーラークラスが召喚される。

 

ルーマニアの隣国であるフランスの救世主にして聖女と名高い、知名度と英雄としての力もトップクラスである

彼女が呼ばれるのも必然であった。

ただし自らの召喚が出来ずに、レティシアという女学生の身体を借りた憑依召喚であってもこの事態を彼女は冷静に受け止めて対処に当ろうとした。

 

ただ一つを除いて。

 

現界を果たした直後に感じた違和感が原因だった。

ルーラーとして宿った令呪越しに感じた、魔力パスの流れ。

自分自身のとも中にいるレティシアとも違う、微弱ながら異質な力が流れ込んでいるのを感じた。

 

(この未知の感覚は……魔力パス?)

 

これまでに経験した他の聖杯戦争においても、ルーラーは独立した中立の存在。

調停者として正しく管理する為に聖杯戦争では勝者になる事は決してない仕組みが出来上がっている筈だ。

その定義を覆す事が起きたことに純粋に驚いた、

自身の予感とスキルである啓示の両方が同じ答えを示す。

 

(まさか、ルーラーである私にマスターがいるなんて…)

 

「はぁ、聞いてませんよ…」

 

窓から見える景色を横目に聖女は静かに、この事態の異常性に困惑した。

 

 

 




とりあえず今回は Apocryphaの簡単なおさらいをいたしました。
みんなもう知ってるよね!


【主人公の杖】 セイヨウトネリコ
魔法を使う際に必要となる物、魔法使いの必需品

芯に一角獣の素材を使った杖、真の持ち主のみに忠実である。
元の持ち主が誰かにゆずったり贈ったりすると、杖は力を失う。

ハリポタではロンが使用していたぞ!

主人公の能力 その1
魔力は持っているが魔力回路は存在しないので型月世界の魔術や魔法の類は一切扱えない。
つまる所、やろうと思っても英霊召喚もできないぞ!ただし杖を使う事でハリポタの魔法が使える

次回は 主人公とルーラーのご対面!そして我らが獅子GOさんと叛逆の騎士が登場!
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