本作は今まで特殊タグは文字の色や大きさの変更にしか使っていませんでしたが、アークワン初戦闘記念ということで今回から背景色やフォントなど色々導入してみました。
「馬鹿な...!」
仮面ライダーアークワンへと変身した導輝を見て愕然とするサー・ナイトアイ。
彼が見た未来では、導輝がアークワンに覚醒するのは何ヶ月も先の話であった。
そもそもこの職場体験も死穢八斎會への殴り込みなどせず、ヒーロー殺しに遭遇して戦闘になるくらいしか目立った出来事は無かった。
「(未来が変わった......、いや、変えたのか!?少女を救いたいという飛電の想いが!)」
周りにいる得体の知れないヴィジランテたちも、少女を助けるという目的は一致しているように思える。
彼らと導輝の思い描いた未来のヴィジョンが、導輝の覚醒という形で現実へ溢れ出た。
アークワンは青い銃を大量に作成して宙に浮かせ、オーバーホールに向けて斉射する。
「ちぃっ...!」
「......」
今度はサウザンドジャッカーで
「ふむ、エリちゃんを守っているし大丈夫そうだな」
「よし、援護に入るぞ!」
「生身の社長と風花雪月は後衛でお願いします!」
「暇だったら死穢八斎會の犯罪の証拠でも集めてきてくれてもいいぜ!」
「ふぅん、ならばそうさせてもらおう。だがその前に......受け取れぇアークワン!」
社長と呼ばれた男がアークワンに1枚のカードを投擲する。
カードの絵柄を確認したアークワンは、再びサウザンドジャッカーを構える。
マンモスの牙を模したエネルギー弾が、オーバーホールを吹き飛ばす。
「やったか...?」
「いや、まだだ!」
1度倒れたオーバーホールが起き上がり、気絶している部下の元へふらつく足で歩み寄る。
「他人に自分から触るなんざ嫌で仕方が無いが、そうも言っていられないか。アークワンと言ったな、俺にここまでさせた借り、エリ共々返してもらおうか」
「マズい、ヤツを止めろ!」
そう言うが間に合わず、オーバーホールは自身と部下を分解・修復することで一体化し巨大な怪物となる。
「くそっ、間に合わなかったか...!とにかく全力の攻撃を叩き込むぞ!」
ドドドドドドドォン!
アークワンがアークドライバーのスイッチを連打する。
4人の攻撃が、オーバーホールに叩き込まれる。
しかしバリアによって、オーバーホールは無傷だった。
☆★☆★☆
どうにかアークワンに変身できたが、現実に初変身補正なんて無いと身を以て味わうことになっている。
パーフェクトコンクルージョン。
使ってみてわかったが、この技は諸刃の剣だった。
今まで溜め込んだ悪意のエネルギーをスパイトネガに変換し、ラーニング数×10%を消費して放つまさに必殺の技。
つまりラーニング7を使った俺にはあと30%しか残っていない。
天蓋を取り込んでバリアを出せるようになったオーバーホールにどうやってダメージを与えれば...。
社長ニキが投げてくれた『マンモスの墓場』をジャックライズしたおかげでブレイキングマンモスが完成したが、これであのバリアを破れるだろうか。
ランペイジガトリングが作れるようになったから亡に使わせてみるか?
それとも...。
「うぅ...」
「どうしたエリちゃん?」
エリちゃんを背負っている間はあまり無茶な動きをしないよう心掛けていたが、それでも気分が悪くなってしまったか?
ブワッ!
「なっ、これは...!」
さっき消費したはずのスパイトネガが身体から溢れ出す。
一体どうして...?
まさか、エリちゃんの『巻き戻し』の個性か?
「エリちゃん、君の力なのか?」
「......うん」
「ありがとうエリちゃん......ぐぅっ!?」
なんだこの......身体が内側から引っ張られていく感覚は...!
「力が制御できていないんだ。拍子で発動できたものの、止め方がわからないんだろう壊理!」
オーバーホールがこちらに向かって瓦礫でできた触手を複数伸ばしてくる。
「くっ...!」
全方位に悪意の波動を放出するラーニング5と違い、正面に攻撃を集中する技で触手を消し飛ばす。
「人間を巻き戻す、それが壊理だ。使いようによっては、人を猿にまで戻すことすら可能だろう。そのまま抱えていては消滅するぞ。触れる者全てが『無』へと巻き戻される。呪われているんだよそいつの個性は。俺に渡せ!分解するしか止める術は無い!」
「ふざけるな!2度とエリちゃんにそんなことさせるものか!これはエリちゃんが前を向いて歩こうとしてくれている証拠なんだ!絶対に離したりしない!」
アークドライバー上部のスイッチ『アークリローダー』を押す。
「要するに巻き戻しのスピード以上にこちらが消耗すればいいんだろう!?今までエリちゃんを傷つけた分、サンドバッグになってもらうぞオーバーホール!」
☆★☆★☆
「これはエリちゃんが前を向いて歩こうとしてくれている証拠なんだ!絶対に離したりしない!」
「(この人は、どうしてここまで...)」
自分の力が勝手に溢れ出しても、彼は変わらず背負い続けていてくれる。
それだけではない。
『君が個性で人に迷惑を掛けたりしないよう、俺や俺の友達がいくらでも付き合ってあげる』
『俺はエリちゃんを幸せにするためにここまで来たんだ!』
今までずっと、自分は『呪われた子』だと思っていた。
『自由』、『幸福』。
呪われた力を生まれ持った自分には、そんなものありはしないのだと。
「ギア上げて行くぞお前ら!」
「おうっ!」
「勝利の法則は決まった!」
「俺たちが、エリちゃんの希望だ!」
彼の他にも、自分を助けに来たという人たち。
オーバーホールたちが着けているペストマスクと違い、似ている特徴を持った者はいないが、自分を助けるという目的のために力を合わせて怪物と化したオーバーホールに立ち向かっている。
「(わたしは......、助かっていいの?生きていていいの?)」
バリィン...!
怪物を守っていたバリアが、とうとう砕け散る。
それと同時に、部屋に戻って来る人物がいた。
「個性破壊弾の現物と、その他諸々の犯罪に関する書類を確保してきたぞ!」
「おぉっ、社長いいところに!アレどうにかしてくれよ!」
「ふぅん、そういうことか。良いだろう。速攻魔法発動!『融合解除』!」
これにより、怪物が
「馬鹿な!?」
「アークワン、今だ!」
「はいっ!」
アークワンの一撃を受け、今度こそ倒れ伏すオーバーホール。
死穢八斎會が全滅したことで、宙に文字が出現しファンファーレが鳴り響く。
その文字は、自由への1歩を踏み出した壊理を祝福するかのように輝いていた。
☆★☆★☆
悪意のエネルギーを使い切ったことで、変身が解除される。
それと同時に変身スーツ分の隙間ができたことでワイヤーが緩み、エリちゃんが俺の背中から降りる。
「あの〜時王ニキ。このゲームクリアの文字って...」
「そのままの意味だ。死穢八斎會を異空間に隔離していたゲームエリアがクリアによって消滅した。今頃地上も元の景色に戻っているだろう」
「地下じゃあもう派手な戦闘は厳禁というわけだ。
「......」
スタークニキに話を振られ、黙り込むナイトアイ。
あっ、ヤバい。
今回の殴り込み、俺自身だけじゃなく職場体験先のナイトアイにも責任が及ぶのでは...?
「すみませんでしたナイトアイ。俺の勝手な行動で貴方に迷惑があ痛っ!?」
ナイトアイの投げた印鑑が俺の額に直撃した。
やはり相当怒ってらっしゃる!
「私と対面して、最初に思い浮かぶのが私が
「えっ?そりゃあ俺自身は何もかも捨てる覚悟で今回の件に臨みましたし、他に心配することいったら貴方のことくらいしかグフッ!?」
2発目は
「だが、そんなお前だから今回の結果を掴み取れたのだろうな」
「ナイトアイ...?」
「先日私が予知した未来にこんな光景は存在しなかった。お前のその少女を救いたいと願う心が、未来を変えたんだ」
「未来が変わった...?」
「私はこれまで予知した未来を変える試みを何度も行った。しかし予知と違う行動を取っても、歴史の修正力とでも呼ぶ力が働いて帳尻が合わさってしまう。だがお前は今日、覚醒が何ヶ月も先になるはずの力に目覚めて少女を救った」
「未来は変えられる。この実例を間近で見れた対価としては十分だ」
「対価?ってことは...!」
「いいのかプロヒーロー?アークワンを庇ったりして」
「構わん。だが罪には罰を。飛電、残りの職場体験だがミリオが予定では明日復帰する。彼とパトロールを交代して事務所内で書類整理をやってもらう」
「ええっ!?サー、アレを飛電くんにやらせるのですか!?」
バブルガールさんがもの凄く狼狽えている。
ナイトアイ事務所では書類整理が罰として成立しているのか!?
まぁ、どんな罰だろうと甘んじて受けるつもりだが。
「わかりました」
「では話は終わりだ。死穢八斎會を捕縛して地上に戻るぞ」
「ううぅ......っ」
「っ!?どうしたエリちゃ...!」
エリちゃんの額の角から凄まじいエネルギーが溢れ出している。
「個性が暴走している...!」
「おいおい、コレ直接触れなくても『巻き戻し』できちまうんじゃねぇか!?」
このままじゃマズい!
エリちゃんの個性を止めないと...!
「エリちゃん、ほんの少しの辛抱だからね」
サウザンドジャッカーを複数本作成し、エリちゃんをジャックライズすることでなんとか暴走は収まった。
「止まった...?」
「考えたなアークワン。エネルギーを蓄積して使うタイプの個性だからサウザンドジャッカーでエネルギーを抜き取れば無力化できる」
連続ジャックライズでふらついているエリちゃんを抱き抱える。
「それじゃあ、行きましょうか」
死穢八斎會の面々を腕が4本あるウイルスニキに運んでもらいながら、俺たちは地上へと戻った。
☆★☆★☆
一方その頃、地上では...。
「来い、来てみろ贋物ども!俺を殺して良いのは、
ステインの気迫に圧され、対峙する飯田や通報で駆けつけたヒーローたちは動くことができずにいた。
No.2のエンデヴァーがヒーロー側にいるにも関わらずだ。
そして建物の入口を守りながら彼らを静観するウルトラマンティガレックスとガルパン世界のTF。
そこにちょうど、壊理を抱えた導輝を先頭に建物から出て来るコテハン組とナイトアイ事務所の3人。
「ハァ......ちゃんとヒーローになれたようだな、導輝」
「はい、貴方が俺の背中を押してくれたおかげです。でも...」
ヒーローたちとの戦いで満身創痍となっているステインを見て、複雑そうな表情を浮かべる導輝。
「さぁ、
『っ!?』
自分を殺して良いのは、本物の英雄であるオールマイトだけ。
そう宣言した筈のヒーロー殺しの言葉に、ヒーローたちが困惑する。
「血染さん、一体何を...!?」
「正しき社会を作るためには、悪は滅びなければならない!俺もまた、社会の
「......っ!」
だがパーフェクトコンクルージョン・ラーニングエンドで悪意のエネルギーを使い切っているため、変身はできない。
サウザンドジャッカーにプログライズキーをセットしようとしたその時...。
ブワッ。
導輝の身体から、再び悪意が溢れ出す。
「あの人のことも......、
そう言って、意識を失う壊理。
「エリちゃん、最後の力を振り絞って...。ありがとう、君は本当に優しい子だね」
壊理を亡に預け、アークワンプログライズキーを構える導輝。
仮面ライダーアークワンに変身し、アークリローダーを押し込む。
「ハァァァァァァァッ!!」
導輝の渾身の蹴りを受けて吹き飛ぶステイン。
「それでいい...。そのまま迷うことなく、戦い続けろ...」
その言葉を最後に、意識を失うステイン。
周囲の者たちは、一部始終をただ見ていることしかできなかった。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
今話の投稿で、連載中に出したいネタや書きたい展開はほとんど片付きました。
残っている主な目標は、
・◯◯をヒロイン入りさせる。(◯の中身と文字数は秘密)
・導輝をヘルライジングホッパーに変身させる。
この2個ですね。
導輝は無事、アーク堕ちを回避。
原作準拠ルートのようにアークワン覚醒前にAFOクラスの悪意を叩き込まれたらやばかったですけど。
今回、ランペイジガトリングプログライズキーが作れるようになりましたが、ランペイジバルカンの登場はまたの機会となります。
これからも応援よろしくお願いします。