林間合宿、開始です。
今回は掲示板視点は無しです。
期末テストの翌朝のホームルーム。
相澤先生から結果発表が行われた。
「おはよう。今回の期末テストだが、残念ながら赤点が出た。したがって......林間合宿は全員行きます」
『どんでん返しだぁ!』
上鳴・芦戸さん・砂藤・切島の4人が歓喜の叫び声を上げる。
「筆記の方はゼロ。実技で切島、上鳴、芦戸、砂藤、あと瀬呂が赤点だ」
「行っていいんスか俺ら!?」
「確かにクリアしたら合格とは言ってなかったもんな...」
そう言って机に突っ伏す瀬呂。
試験ではミッドナイト先生に眠らされて、ほとんどペアの峰田1人の力でクリアしたようなものだからな...。
「今回の試験、我々
「本気で叩き潰すと仰っていたのは...」
「追い込むためさ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点取った奴こそ力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ」
『ゴーリテキキョギイィー!』
「ただし赤点は赤点だ。お前らには別途で補習時間を設けている。合宿に時間を使う分、かなり詰め込んだスケジュールになる予定だ。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツいからな」
『っ!?』
喜びのあまりバンザイしていた赤点組が一気に固まる。
「じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回していけ」
こうして、クラスの全員が合宿に行くことが決まった。
☆★☆★☆
林間合宿当日。
「えっ?A組赤点取った人がいるの!?ねぇおかしくない!?おかしくない!?A組はB組よりずっと優秀な筈なのにぃ!?あっれえぇぇぇぇぇっ!?」
トスッ。
「ごめんな」
いつぞやの時のようにこちらを煽り散らかす物間と、物間を止めてこちらに謝罪する拳藤さん。
やっぱり物間にスパイトネガ叩き込んでやろうか...。
マイナス×マイナス=プラスの理論で、きこりの泉のジャイアンみたいに『きれいな物間』になったりしないだろうか。
そして組ごとにバスに乗り込む俺たち。
俺は透と相席になった。
「休みの日のショッピング、導輝くんも一緒に来れば良かったのに...」
「悪かったよ透」
期末テストの結果が発表されてから次の休み。
透の提案で、皆でショッピングモールへ林間合宿に必要なものを買い揃えに行ったらしい。
その日の俺は、ゼロワンドライバー関係で発目さんに用事があったのと、飯田と一緒にインゲニウムの御見舞いに行ったので参加はできなかった。
手元のプログライズキーに視線を落とす。
「あれ?初めて見るプログライズキーだね」
「あぁ、最近手に入ったプログライズキーだ」
サムズアッピングクウガプログライズキー。
時王ニキに届けてもらった13号先生のデータが入ったサウザンドジャッカーを使って、スタークニキのエボルトリガーは無事復活。
ブラックホールフォームの力でダグバを撃破することに成功した。
そしてスタークニキは、ブラックホールに取り込んだダグバのエネルギーをサウザンドジャッカーに詰めてこちらに送り返してくれたのだ。
そのエネルギーを使って完成したのが、クウガのプログライズキーというわけだ。
『情けは人の為ならず』という
スタークニキへのプレゼントが、まさかこんな形になって返ってくるとはな...。
そして飯田と一緒に行ったインゲニウムの御見舞い。
そこで俺はクウガのモーフィングパワー、それと飯田から3度目のジャックライズで手に入った『タイヤチェンジングドライブプログライズキー』のマッドドクターの力を使い、インゲニウムの治療を行った。
結果、脊髄損傷で下半身が麻痺していたはずのインゲニウムは無事復活。
今は入院生活で低下した体力を戻すためのリハビリ中だそうだ。
ダグバという最強のグロンギの力をベースに作ったプログライズキーだからできた手段だな。
恐らくマッドドクターだけでは足りなかっただろう。
「えへへ...」
「どうした透?」
透がこちらに身を寄せてきた。
「最近導輝くんと一緒にいられなかったから...。今は目一杯くっついておきたいの」
「......」
ヤバい。
バスの車内は冷房が効いているはずなのに凄く身体が熱い。
サーモグラフィーで見ると、透もかなり体温が上がっていた。
透って、ここまで俺に好意を寄せてくれていたのか...。
すると突然アークドライバーが出現し、ADが俺の身体を操って透を抱き寄せる。
「あっ...。うふふっ」
オイィ!?
何やってんだAD!?
そして透もなんで満更じゃなさそうな反応なんだよ!?
「あぁっ!?飛電テメェ何葉隠とイチャついてやがる!」
「黙りなさい変態」
「へぶしっ!?」
亡が峰田を黙らせる光景を尻目に、俺は外の景色を眺める。
このバスが何処へ向かっているのか、俺たち生徒は誰も知らない。
先程話したショッピングの最中に緑谷が
そして変更後の行き先は非公開となった。
俺がショッピングに同行していれば悪意の感知能力を使って、死柄木が逃げる前に通報で警察とヒーローを集められたかもしれなかったのだが...。
たらればの話をしても仕方ない。
そしてバスに揺られること1時間。
相澤先生が休憩だと言ってバスを停める。
バスを降りる俺たち。
しかし停まった場所は高速のパーキングなどではなく、下に森が広がる崖だった。
「何だここ?」
「というかB組は?」
「ト、トイレ...」
自販機もトイレも無いここで休憩...?
と思っていたら人影が現れた。
「やっほ〜イレイザー!」
「ご無沙汰してます」
「今回お世話になるプロヒーロー『プッシーキャッツ』の皆さんだ」
「連名事務所を構える4人チームのヒーロー集団!山岳救助等を得意とするベテランチームだよ!キャリアはもう今年で12年にも...」
「心は18!」
「へぶっ!」
プッシーキャッツのひとり、『ピクシーボブ』さんが緑谷の解説を強制的に中断させる。
今のは女性の年齢に触れた緑谷が悪いな。
「ここら一帯はわたしたちの私有地なんだけどね、あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね」
『遠っ!』
もうひとりのメンバー、『マンダレイ』さんが指差す山。
あれ何km先にあるんだ...?
「今はAM9:30。早ければ......、12時前後かしらん?」
おい、まさか...!
他の皆も察したのかバスに戻ろうとしている。
「12時半までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね」
「悪いな諸君。合宿は、もう始まっている」
相澤先生がそう言った瞬間、俺たちは土でできた津波に飲み込まれて崖下に落とされた。
「私有地につき、個性の使用は自由だよ!今から3時間、自分の足で施設までおいでませ!この『魔獣の森』を抜けて!」
魔獣の森...?
名称からして、俺たちにただ森の中をマラソンさせるつもりは無さそうだ。
『魔獣だーーーっ!?』
と思っていたら木と土でできたような怪物が俺たちの前に立ちはだかる。
「鎮まりなさい、獣よ。下がるのです」
「......」
獣を操る口田の個性が通用しないってことは、この魔獣つくりモノか!
だったら派手にぶっ壊すまでだ!
エクシードチャージング
カ
バ
ン
ストラッシュ
フォトンブラッドを込めた斬撃で魔獣を叩き斬る。
その後サウザンドジャッカーとドライブのプログライズキーを取り出す。
仮面ライダードライブの力を自身に流し込み、タイプフォーミュラになった俺は左腕に新たに出現したシフトブレスのレバーを3回倒す。
「みんな、俺先に行くから!」
フォーミュラの加速能力で森を走り抜ける。
時々魔獣の妨害があったが、なんとかフォーミュラが時間切れになるギリギリで森を抜けることができた。
「おぉ〜君速いね〜!」
宿泊施設の前では相澤先生とプッシーキャッツが既に待ち構えていた。
いやアンタらの方が速ぇよ!
シフトアップ時のフォーミュラの走力は
妨害があったとはいえ、そのスピードで10分くらい掛かる距離だったのに...。
「今も森の中で戦っている子たち、わたしの土魔獣を予想以上のスピードで攻略しているわ。君も含めてなかなか有望ね。3年後が楽しみ!ツバつけとこー!」プップッ
ちょっ!
『ツバをつける』を物理的な意味で実行するとかマジですか!?
「マンダレイ、あの人あんなでしたっけ?」
「彼女焦ってるの。適齢期的なアレで」
「そういえば、そちらのお子さんはプッシーキャッツの誰かの息子さんですか?」
俺は崖でも見かけた、帽子をかぶった男の子について尋ねる。
「あぁ違う。この子はわたしの従甥だよ。ほら洸汰、挨拶しな!1週間一緒に過ごすんだから...」
「飛電導輝だ。よろしくな」
そう言って、右手を差し出す俺。
だが返事は握手ではなく、股間へ向けたパンチだった。
身長差のおかげでギリギリ回避に成功する。
危っぶな!?
「何するんだ!」
「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねぇよ」
なっ、なんて口の悪いガキなんだ!?
エリちゃんを見習え!
「飛電、他の奴らが来るまで暇だろう。もうじきバスもここに着くから全員分の荷物を降ろして部屋に運んでおけ」
「わかりました」
「奴らが到着したら食堂にて夕食。その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日からになる」
俺以外の19人が昼食にありつけないのは確定事項ですか...。
だが先生の予想通り、他の皆がゴールしたのは17時過ぎの夕方だった。
ちなみに緑谷も洸汰という少年に挨拶しようとしたが、俺と違い避けられずに股間に一撃もらってダウンしてしまった。
そして夕食の後の入浴時間。
「まぁ飯とかね、ぶっちゃけどうでも良いんスよ。求められてんのってそこじゃないんスよ。その辺わかってるんスよオイラ。求められてるのはこの壁の向こうなんスよ...」
「1人で何言ってんの峰田くん...」
男湯と女湯を隔てた壁の前でわけのわからないことを呟く峰田。
「峰田くん、まさか覗きをする気か!?やめたまえ!それは己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!」
「やかましいんスよ...」
峰田のやろうとしていることを察した飯田が止めに入る。
だが峰田はもぎもぎを使って、凄い勢いで壁を登り始めた。
「壁とは越えるためにある!『
「速っ!?」
「というか校訓を穢すな!」
峰田が壁の頂上に辿り着く直前、峰田の前に亡が立ちはだかった。
「あなたならこういった行動を取ると思っていましたよ、峰田実」
「な、亡...」
亡がショットライザーを腰に装着し、ランペイジガトリングプログライズキーを構える。
仮面ライダーランペイジバルカンへの変身を遂げる亡。
ラ
ン
ペ
イ
ジスピードブラスト
「ぎゃああああああっ!?」
亡によって制裁される峰田。
ざまぁみろ。
翌日の合宿2日目、AM5:30。
「おはよう諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及び、それによる『仮免』の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かうための準備だ。心して臨むように」
相澤先生が入学時の体力テストで使ったボールを取り出す。
「飛電は......、001への変身ができなくなったから当時との比較ができないな。爆豪、投げてみろ。体力テストでの記録は705.2m。果たしてどれだけ伸びているかな」
爆豪へボールが投げ渡される。
「おぉ!成長具合か!」
「この3ヶ月色々濃かったからな!普通に1kmとかいくんじゃねぇの!?」
「いったれバクゴー!」
「んじゃ、よっこら......くたばれ!!」
物騒な掛け声と共に飛んで行くボール。
記録は709.6mだった。
「あれ?思ったより...」
「約3ヶ月間、様々な経験を経て確かに君らは成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものは今見た通りでそこまで成長していない。アークワンに覚醒した飛電という例外はいるがな」
「そこで、今日から君らの個性を伸ばす。死ぬほどキツいがくれぐれも......死なないように」
飯田は原作と違って導輝と一緒にインゲニウムの見舞いに行ったので、ショッピングには参加していません。
職場体験先の変更といい、1番原作と違う行動をしているキャラですね。
イレイザーヘッドやプッシーキャッツが導輝より先に宿泊施設に到着していた件につきましては、地下にリニア等の特別な移動手段があったということにしてください。
満を持してランペイジバルカンの登場。
でも初変身の舞台はお風呂。
これで良かったのだろうか...。