エンジェルリング   作:gpアナガキ

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今日は2話連続で行きます!


逃亡する堕天使 2話

「ルシフェル?」

 

「はい、天界では堕天使ルシフェルと呼ばれています。天界では指名手配中の犯罪者として知られていました」

 

「その天界の堕天使さんをなんでアンタが探してんだよ。その天界の敵であるルシフェルは本来追う必要なんてアンタにはねえだろ」

 

「確かにそうです。私が天界からここまで来る理由もはっきり言ってありません。……でも、それでも私の大切な仲間だったんです!」

 

「あ?ちょっと待てよ。"だった"ってどういう事だよ。その言い方だとまるでルシフェルって奴が死んだように聞こえるんだけど」

 

「天界ではそのように言われていますが、真実が違う可能性を知ってしまったのです」

 

「つまりルシフェルが生きてる可能性があるって事?」

 

「はい、元々私はホワイトシスターフット(白色同胞団)通称WSFという天の使いの1人でした」

 

「ホワイトシスターフット?」

 

俺に説明する為、自由帳と書かれたノートを取り出して可愛らしい絵で解説してくれた。

 

「はい、総隊長のミカエルが率いる天界の中で選ばれた7人の天使が天界の治安を守る部隊の事を言います。この世界に置き換えると公共の組織である警察となんら変わりません。まあ、それは置いといて私は白色同胞団(ホワイトシスターフット)で行動しておけばルシフェルに近づけると思ったんですが、天界での堕天行為は神への裏切り、つまり殺されるんです。しかし、天界ではルシフェルを既に殺し終えたと報告がありました。私は懸命に天界の資料を調べて、物質界にルシフェルが生きているかもしれない事を知ったらすぐにここへ向かって約一年経ってこのざまです」

 

「ちょっと待て、まさかさっき会った弓使いの人がアンタを追ってた理由って!?」

 

「はい、私が堕天行為を行ったからだと考えるのが一番妥当でしょうね。彼女の名前はガブリエル。貴方を崖から落とした後一泡吹かせる為一撃を入れて勝ち逃げしてきました。って言っても向こうはまだピンピンしてますけどね」

 

「それにしても、どうやって俺の家まで来たんだ?電車一本で確かに来れるけど見た感じここまでの交通機関を使う道のりを知ってそうに見えないんだけど」

 

「嗚呼、そのエンジェルリングには私の魔力も込められているので20メートル付近なら何処にいるか私1人で特定する事ができるんです。って言っても魔力の消費が激しいのであまり反応して欲しくないんですけどね。指定した場所に着いたは良いけれど魔力切れで眠ってしまいました。身体の傷はガブリエルとの戦闘で私が起こしたヘマなので気にしないで下さい」

 

「へえ、ならそのガブリエルって天使は今何してるんだ?此処で呑気に休んでいたら見つかっちゃうんじゃないか?」

 

「それに関しては問題ありません。天使には魔力を受信して会話する魔力信号があるんですけど、お互いの情報伝達を可能にするには天界の補助装置が必要なんです。ただ今の私は天界の補助無しでここまで来てるので私を見つけるのはとても困難だと思われます。ただ、それも時間の問題なんですけどね。今日はもう少し休んだ後ここから出てルシフェルを探す旅に出ようと思います」

 

「そんな体で外に出たってすぐにボロが出るだけだ。ここは作戦を練って行動した方が良い。それに、"学生カバンの借り"も返さないといけないしな」

 

「え、でも君はそこまで関与する必要は…」

 

「無いとは言わせないよ。学校の裏山でアンタが俺にタックルした理由は俺を逃がす為でもあったんだろ。つまりアンタは俺の命の恩人なんだ。出来る事は少ないかもしれないけど手伝わせてくれよ、こんな俺でもいいならさ」

 

その時、ウリエルの目から涙が溢れ落ちた。

 

「え!?なんか変な事俺言った?」

 

「すいません、ただ今までの人達からされた対応がとても違って…やっぱり私物質界に来て良かったです///」

 

(そっか、天使って言ってもやっぱ女の子なんだな。今まで友達を探す為に仲間を裏切ってここまで来るのにウリエルは恐怖心でいっぱいだったんだ。普通、現代社会に生きる人達からすると、命を狙われている人なんて近付こうとは思わない筈だ。それに学校の裏山で俺と会った時から心身ボロボロになっていたと考えると、とても苦労したんだろうな)

 

俺は自分の胸にウリエルの顔を埋めさせた。

 

「今までよく頑張ったな。もう我慢しなくて良いぞ、"俺が付いている"」

 

その瞬間、ウリエルはわんわん俺の胸に身体を預けて泣き崩れた。(後でエプロンを上から着ていても制服に天使の涙が染みていて俺は少し後悔してしまったのは言うまでもない。

 

 あれから俺は麻婆豆腐を作り終え、家の扉の前で消えた振りをしたお母さんが帰ってきてめちゃくちゃ弄られた。どうやら油自体は元々あったらしく、家の中で俺とウリエルの2人だけにして外から見守っていたそうだ。やってる事が気遣い上手の母親だけあって責めたくても責められないのがとても悔しいが、後ろ姿で語るのがとてもカッコ良くて俺じゃどうしてもお母さんには太刀打ち出来ない。その後お父さんも帰ってきて、いつもより賑やかな夕ご飯になった。因みにウリエルの事は全て両親に話した訳ではないが、訳ありという事で少しの間一緒に暮らす事をお母さんとお父さんは承諾してくれた。当の本人は「全く、この世界の人は世話好きなんですね」と言って苦笑いしながらもう少しこの家に居座る事にしたらしい。

 

 7月20日 月曜日

 

「皆、今日からこの学校に転校生が来た、入って来なさい」

 

 クラスの皆が興味心身なのかザワザワと話し合った。勿論俺の話し相手は1人もいないが、言ってて悲しくならないのかって?友達はこれから作れば良いんだよ。まあ、いつになるかは分からないが…

 

「紹介しよう、海外から帰ってきた帰国子女の中山瓜江(なかやまうりえ)ちゃんだ。これから半年と少ししかないが宜しくしてやってくれ」

 

 担任の教師が紹介した瞬間、クラスの皆はほぼ全員が「キャー!カワイイ!しかも金髪という事はやはり百合属性!?」とか、「俺のタイプだ、休み時間告ってみようかな!」とか「やめとけ、お前が告った所で振られるだけだよ。」とか、ドラマや漫画で良くあるシチュエーションが目の前で起こった。あれ絶対ウリエルだよな、誰だよ中山瓜江って俺そんな名前の人知らない。

 

「静かに、席は後ろ側にある席を用意してあるから使ってくれ」

 

「分かりました、それでは皆さん。今後とも宜しくお願いします」

 

 ウリエルの挨拶によってクラスの男子が「俺達に春が来た〜〜〜!」と叫び、女子の一部はウリエルに嫉妬している人がいた。俺は昨日何をしでかした事を思い出し、穴があったら入りたいと思う程の羞恥心に自分のしでかしたか事を激しく呪うがその後はウリエルも気を遣ってくれたのか俺に話しかける事もなく1日が過ぎようとしていた。

 

 

 帰りのホームルーム

 

「それでは皆、部活生は部活動に励み帰宅生はそのまま寄り道せずに帰りなさい。それでは解散!」

 

 その後、俺はいつも通り影を薄くしていつも通り下校していた。その時、ウリエルは俺の前に立ちなんだか不機嫌な様子で頬を膨らませていた。

 

「どうして学校では声かけてくれなかったんですか!」

 

「嫌、ウリエルは気を遣って俺から距離を置いたんじゃなかったのか?」

 

「どうして私が淳君の距離を置く事で気を遣う事に結び付くんですか!」

 

 どうしてって言われてもなあ。

 

「苦笑いで済まさないで下さい。……ブツブツ(私だって少しは人間の貴方に期待してたんですよ。)」

 

「ん、なんか言ったか?」

 

「何も言ってません!」

 

(何をもって怒ってるのかは知らんが、このまま高校に登校しながら学校生活を送るのは天使に見つかって危険だと思うんだが)

 

「それに関しては大丈夫ですよ。」とウリエルがいきなり答えて来た。

 

「あの、俺なんも言ってないんだが。」

 

「嗚呼、言ってませんでしたね。エンジェルリングを人間に持たせた天使はエンジェルリングを持っている人間の心の声が聞こえるんです」

 

「もうなんでもアリなんだな。でも待てよ、それってまさか!?」

 

「はい、朝の淳君の声を聞いた瞬間少し笑いそうになりました。なんとか堪えた私を褒めて下さいよ?」

 

「ちょ…それ先に言えよペチャンコ!わざわざ悟られないようにしたのにこれじゃあ意味ねえじゃねえか!」」

 

ウリエルは可愛らしく首を傾げるが、要するに俺の思考全部読まれる訳だろ、ふざけんな昨日の俺の同情した気持ちを返せ!純情な俺の心の声を聞くんじゃねえ!

 

「それはそうと、今度ガブリエルに会っても大丈夫な理由を説明すると、」

 

俺の心の嘆きがあっという間にスルーされてしまった。なんだろう、この敗北感は、

 

「ちょっと、聞いてます?」

 

「聞いてる聞いてる」

 

「今度淳君の心の声を校内放送で発表しましょうかね」

 

「ちゃんと話聞くんでそれだけはやめて!?」

 

(コイツならマジでやりかねる可能性があるな)

 

「それより、淳君に渡したそのエンジェルリングはこの町を丸く円で囲むような形で私の頭の中に魔力の流れが入って来てるんですが、今ここら辺に天使級の魔力を持ち合わせてるのは淳君くらいしかいません。もしもの事があれば此方が先手を打てるので心配無用ですよ。それに、淳君の近くにいないといつ襲撃されるか分かりませんので同じ高校へ行く事になりました。一応、食費代は淳君のお母様から頂いているので気にする必要はありませんよ」

 

(成る程、つまりこのような結果を招いた犯人はお母さんだったか。はあ、これから大変だな)

 

 

天界

 

「物質界のガブリエルは一体何をしてるんだ」

 

「しょうがないですよ、二度も天使が失踪する事なんて過去の事例にありませんでしたし」

 

「クソ、ただでさえウリエルがいなくなるだけで白色同胞団(ホワイトシスターフット)の指揮が落ちるというのに、此処にきて行方をくらましたなんて上司に言ったら120時間労働も厭わないような奴なのよ。早く連れ戻すよう連絡しなさい、今すぐに!」

 

「あの、それが………、」

 

「何よ、言いなさい。私は器の大きい天使なの、すぐに怒ったりなんかしないわ」

 

「失踪した大天使ウリエルが貴重なエンジェルリングを物質界の人間に渡したらしくて」

 

「何ですって!それを早く言いなさい!」

 

「ちょっ!?落ち着いて下さい、私もついさっき知ったんですからそう怒鳴られても困ります!」

 

「く、仕方ない。ラファエルを物質界に向かわせろ、これ以上の失敗は許されない。準備は出来ているな、出発しろラファエル。今すぐに!」

 

私は魔力信号を使っていち早くラファエルを呼んだ。すると、後ろで待ち構えたように呆れた顔で返答してきた。

 

『あんまり大声で叫ばなくても用意出来てますよ。それにしても、なぜ私を?私は戦闘に特化した天使ではない事くらい"貴方"は知っているはずですよね?』

 

『今回はガブリエルの補助に回って貰うだけだよ。それに、物質界に逃げ込んだウリエルを説得出来る一番の頼みは君しかいないんだ。まあ、ガブリエルには多少強引でも構わないと言ったが少々ウリエルを舐めて行動したせいでここまでの被害が出ているからね。魔王復活まで時間は限られているんだ、それまでに事態を収束させる事を上層部はお望みらしい。ホント、天使使いが荒いんだから。まあ、それは置いといて、後の事は頼んだわよ』

 

『了解、それじゃあ行って来るわ。"大天使ミカエル"の名に恥じないよう貴方も頑張りなさい』

 

その後ラファエルは魔力信号を切って物質界へと飛び立った。

 

「ち!煩いわよ」

 

私のそんな愚痴は誰も聞いてくれない。

 

 

〈物質界〉

 

7月27日 日曜日

 

俺達は今、家族で南薩摩市のショッピングモールに来ている。住んでいる場所が場所で一々電車やバスで足を運ばないと買い物にもあり付けないところが田舎で住む最大のデメリットだが、今はそれが悪くないと感じる俺がいる。と言うのは嘘で、俺はただの荷物持ちの為に運ばれた人にすぎない。何を買うかと言うと、ウリエルの普段着だ。家に居る間母親の御下がりを着させるのはお母さんのポリシーに反するようだ。つまり、今から行われるのは非人道的なお母さんによるウリエルの洋服選び(着せ替え人形)が始まるのだった。

 

「あー、暑い…何故人間は休みの日も働かなくちゃならんのだ」

 

「すいません、私の洋服選びの為に来てもらって…自分の分だから自分で持ちますよ」

 

「ダメダメ、ウリちゃんみたいな純粋な女の子はいつ男に騙されるか分かったもんじゃないわ。コソコソ(それに、淳の前では少しでもオシャレしたいでしょ?)」

 

「コソコソ(まあ、そうですね。女はいつだって殿方の前では綺麗でいたいと言うのは強ち間違いではありませんが、そういう事は家で話して貰えると嬉しいんですが///)」

 

嗚呼、平和だな。天使が来ない事が嘘のようだ。でも、いつガブリエルが来るか分かったもんじゃない。用心深くしとかないと、一瞬でウリエルがやられてしまう。それにしても、ウリエルから崖を落とされた直後に発動したこの鋼の指輪はあれ以降紅く光らなくなったな。何か条件でもあるのか?俺はそう考えながら鋼の指輪に眼を向けていた。

 

「!?あ、叔母さん。少し淳君を借りて良いですか?」

 

「良いわよ、じゃんじゃん使っちゃって!」

 

(俺の人権ってちゃんと存在してるのかここまできたら分からなくなってくる)

 

俺はウリエルから腕を引っ張られてショッピングモールの路地裏に移動した。

 

「大天使が近くにいます」

 

「!?….何処だ?」

 

「ここだよ」

 

その時、俺とウリエルの横に分厚いコートを背中に羽織りサングラスと帽子とマスクを装備してそいつは現れた。

 

「ま、まさかアンタが天…ぶへっ!?」

 

俺が言い終わる前に新たに現れた大天使?により口を両手でで塞がれた。

 

「こんな人の多い所で流石に貴方達と殺り合おうなんて考えて無いわ。私はあくまで"話し合い"に来たの」

 

「その声は、ラファエル。ガブリエルはどうしたの?」

 

「あんな目立つ格好してる天使なんて連れてこれる訳ないでしょ。あの子なら今頃飲食店で大食いチャレンジでもしてるわ」

 

「大食いチャレンジ?なんでまた」

 

「そんなのはどうでも良い事よ。それよりも場所を移しましょう。ちょっと付き合って貰うわよ」

 

 

ファミレス

 

俺達は席に座り、目の前の大天使ラファエル?はサングラスに帽子にマスクを外して素の状態に戻ったらしい。

 

「さあ、席を掛けて。お金は私が持つわ」

 

「それで、アンタら天界はウリエルを天界に連れ戻して殺す以外の選択肢は無いのか?」

 

「唐突ね、私もそれを願いたい所だけど上の連中って言っても分からないわよね。オリンポスの神々は坊や知ってるかしら?」

 

「オリンポスの神々?」

 

「要は今の天界を取り仕切る神々よ。その神々の決めた法律は私達の上司として決めているの。今回のウリエルが起こした堕天行為は流石の神々も許す程優しくは無いみたいで、すぐに殺すよう言われてるわ」

 

「結論を言え、そんな事情俺にとってどうでもいい事だ」

 

「あら?連れないわね坊や。あまり救世主(メシア)に向かないと思うのだけれど?」

 

救世主(メシア)?なんの事だ」

 

「あら?それも話してないのウリエル」

 

「う!?」

 

ウリエルは目を逸らして両手を膝に乗せた。

 

「仕方ないわね、私が教えてあげるわ。その"王の指輪"が何故坊やに託したのかね」

 

「それって俺をウリエルが助けようとしたからじゃなかったのか?」

 

「本当にそれだけならウリエルが飛んでガブリエルを引き付けるだけで良かった筈よ。なのに何故エンジェルリング(レガリガ)まで渡す必要があったのか、それは貴方が王の資質に選ばれた存在だったからよ」

 

「王の資質?」

 

「ウリエル、そろそろ黙ってないで教えてあげたら?王の資質とはどんな性質を持つ者の事なのかさ」

 

「わ、分かってますよ。淳君には後で言うつもりでしたが王の資質というのはどういう存在の事を表しているかというと魔力を一定の人間より倍以上に持っている人の事を言うんです」

 

「魔力って確かウリエルも最初会った時どこかの誰かさん(天界の天使)と勘違いしてたよな?」

 

「そのくらい君の魔力の容量が普通の人よりも多くあるのよ。例えてみるなら普通の人が自転車で走るスピードと過程すれば貴方の様な王の資質を持つ人達は高速列車のスピードを出せると考えれば良いわ」

 

「いや、もうそれ人間じゃないよね?」

 

「そういう事、分かったかしら?王の資質を持つ人間は普通の人間ではないの。まあ、本当はそんな人達の中から色々検討して君の身につけている指輪を渡されるんだけどね」

 

「あれ?そう考えるとなんでウリエルがエンジェルリングを持ってたんだよ」

 

「それは……時期が来たら教えます」

 

「その言い方だと今すぐに教えてくれなさそうね」

 

「問題ない、俺は別にウリエルに利用されていようが特に私生活で支障をきたす訳ではないしな」

 

「あ、そういえば救世主(メシア)(仮)の君に聞きたい事があるんだけど君の誕生日はいつ?」

 

「7月30日だけど?」

 

 その瞬間、ラファエルがウリエルにウィンクしてウリエルが顔を真っ赤にし出した。それも蒸気機関車のように頭からボーっと煙が上がってのだ。もしかして、天使も熱中症になるのか?

 

「大丈夫かウリエル、顔真っ赤だぞ。」

 

 俺が自分のおでこをウリエルのおでこに合わせると、ジャワ〜と、俺のおでこが火傷した。

 

「アーー!俺のデコ丸がー!」

 

 ウリエルはウリエルで「アワワワ!」と言いながら後ろへ倒れた。

 

「フフフ、ウリエルもまだ天使と言っても殿方と話した事が少ないからそんな反応をするの初めて見たわ」

 

「おい、笑ってないで手伝え!あのすいません、氷下さい!ウチのツレが倒れそうなんです!」

 

 数分後

 

 ウリエルは赤くなった顔が少しだけ元に戻ったが、気を失ったままで俺の膝に頭を乗せて優しくウリエルの頭を俺は撫でた。

 

「それで、さっきの質問は何か意味があったのか?」

 

「ええ、とてもあったわ。後は家に帰ってウリエルに聞いて見るといいわね」

 

「ちょっと待て、まだ話は終わってない。何故天界はルシフェルを死んだ扱いにしたんだよ!」

 

「……それを何処で知ったの?」

 

「ウリエルから聞いた。でも、詳しい事は知らない」

 

「そう、でももし私がその質問に返した答えが嘘だったら坊やはどうするの?」

 

「俺はその時自分が後悔しない選択肢を選ぶようにしてるんだ。だから、嘘の時は真実を知るまでアンタの答えを信じるだけだ」

 

「そう、ならヒントを出そうかしら」

 

「ヒント?」

 

「ええ、ルシフェルは貴方のすぐ近くにいるわ」

 

「すぐ近く?」

 

「ええ、以外と簡単な所にね。実はこれ、貴方がその指輪を渡された理由の一つなんだからよく考えてみることね」

 

 その時のラファエルの顔は少しだけ悲しそうに目を細めた。

 

「それじゃあ私はお開きにするわ。お金は先に払って置くわね。くれぐれもウリエルを手元から離さないように、用心しなさい坊や」

 

「アンタに言われるまでもねえよ」

 

ラファエルと別れた後ウリエルはやっと目を覚ました。

 

「う、うーん」

 

「あ、起きたかウリエル」

 

「え、淳君?」

 

「はあ、心配したんだぞ。顔が真っ赤になったからびっくりしたぞ。頭は痛くないか?」

 

「だ、大丈夫だと思います///」

 

「なら安心だな。そろそろ俺達も出るか、」

 

 俺がそう言った瞬間にウリエルは俺の服を軽く握って物欲しそうな顔で俺を見てきた。

 

「あの、ウリエルさん?」

 

「………………です。」

 

「ん?」

 

「頭がまだキツイのでもう少し、…このままでいさせてほしいです///」

 

「え、でも他のお客さんに見られてるから出来れば早めにここ出たいんだけど。」

 

「駄目、ですか?」

 

「(クソ、不覚にもウリエルに一瞬心が揺れ動いた。なんなんだ、この気持ち///)…は!?」

 

 気付いた時には遅かった。何故なら、ウリエルの顔がもう一度真っ赤になって目を回していたからだ。

 

(アーー、穴があったら入りたい!恥ずかしいヨーー!?)

 

 その後、また店員さんから氷を貰いファミレスでウリエルの頭を俺の膝に乗せて、その日は時間を過ごした。後から知った情報だが、お母さんはずっと俺達の後を付いて来たらしくて、あれやこれやの写真を全てデジカメで撮って俺とウリエルを揶揄ったのは言うまでもない。




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