それから俺は自宅前にエンジェルホールを作ってもらい、家へと真っ先に帰った。
「ただいま、今日は疲れた〜」
「お帰り淳、お隣に引っ越して来た方が今部屋に上がって貰ってるんだけどお茶出してもらっていい?」
「(お隣に引っ越した人ってもしかしなくても写真で見たザドキエルって天使の事だよな。)……今何処の部屋にいるの?」
「アンタの寝室よ、ウリエルちゃんの知り合いだったらしくて2人きりにしといたの。はい、これ持って行って」
お母さんから丸い茶色のお盆の上にシュークリームとお茶を二つずつ乗せて俺に渡してきた。俺は仕方なくウリエルのいる部屋にお盆を運ぼうと部屋の扉を開けると、………
「逃げて下さい淳君!天界から追ってが来ました。まだ私を狙う天使がいたなんて」
「だから!何度も言ってる通り私は天界から来たサポート役であって貴方達を狙ってなんかいません。何度説明させれば気が済むのですか!」
俺の目の前に言い争っている二人の元天使と天使がいた。ザドキエルさんの姿はなんていうか、写真の天使姿とは違い上下赤ジャージの赤いメガネを付けている。なんというか、THE!O!TA!KU!と呼べるような格好だった。見た目は最初に会ったウリエルと同じ20代中盤の人って感じなんだけど、まあ天使も人も中身が大切だよね。
「嗚呼、ザドキエルさんの事だよね。天界でミカエルから説明を聞いてるし心配しなくても俺達の追ってじゃない筈だよ」
「それなら尚更です!今更天界が
「ちょっと待ってください!貴方も元天使なら天使の役割を知っているでしょ!
「ねえ、もう残業って言ってるよね?そこはオブラートに包んで
「そんなの言ったところで残業には変わらないのであまりその言葉には意味がないかと」
「めっちゃストレートで前向きな回答が来た!?」
「それに私はこの世界で探し物があり、それも含めて物質界に来ました」
「探し物?」
ザドキエルは答えながらテレビゲームのパッケージを俺に見せて来た。
「はい!この"ドロドロ 愛の男沼"というクソゲーがちょっと前に天界で注文していたのですが総隊長さんに没収されてしまい、この世界なら大丈夫かと思い来たまでであります!」
「なんですか?その気色悪いタイトルのゲーム、天界の天使は天に全てを捧げる気持ちで働かなくちゃ進級どころかずっと
(っていうか、天界にも日本のゲーム届くんだ)
「大丈夫!何故ならとっくの昔にウリエルと同じ
「私は
「ふん!過去の栄光に縋っていても今では人間に成り下がった存在です、今更私に刃向かう権限なんて残ってないでしょう!」
「まあまあ、これからは天使だろうが悪魔だろうがお隣さんになるんだ。取り敢えずお茶とシューをどうぞ」
「これはどうも、それでは遠慮なく。あ!そうですそうです。物質界のカップルは確かスプーンで彼氏彼女の口元へ「はい、あーん。///」と言いながら食べさせる食文化があったと聞いた事があります。ここにプラスチックのスプーンがあるんですが、是非私に物質界の食文化を見せて下さい!」
そう言いながらスケッチブックと鉛筆をザドキエルは用意していた。もうこれこの人の趣味だよな。
「おい、その言い方だとさらっと俺とウリエルが付き合ってる言い方じゃねえか。ウリエルをアンタの趣味私欲の為とは言え巻き込むのは良くないと思うぞ。それに後ろからお母さん覗いてるの分かってるからすぐにそのカメラを仕舞え。さもなくば今まで撮った俺達の写真を全てデリートしてやっても良いんだぞ?」
俺の言葉とは別に俺の制服をチョンチョンと軽くウリエルが引っ張ってきた。
「淳君、やってみたいです。是非食べさせて頂けませんか?///」とウリエルが駄々を捏ねてきた。
「ウッヒョー!これは新たなスケッチを書けそうです。天界ではあまり見せなかったウリエルの甘える姿、ネット上で新たなVRゲームを製作している会社にこれを届ければ一儲け出来そうです!さあ、早く!貴方も興奮する程満更では無いんでしょう?早く食べさせてあげなさい!」
「俺をアンタと同じ変態にすんな!(って言っても確かにウリエルのワガママには少し興奮してしまった。仕方がない。やれば良いんだろやれば!)」
俺がスプーンを取りシュークリームの生地とクリームを乗せて、目を瞑り口を小さく開けているウリエルの口へ運んだ。その時、ザドキエルが「ほれほれ、はいあーんはどうしたんですか?」と俺の横腹を肘で突いてきた。
「後でアンタ覚えておけよ!クソ、………はい、あーん。///」
ウリエルは「ん、んう!///」と言いながら頬っぺたに両手で添えて凄い笑顔で「も、もう一口良いですか?///」とウリエルは聞いてきた。お母さんはカメラで連写しザドキエルはスケッチブックに鉛筆を走らせている。それからシュークリームを完食させるまでそれを続けるという俺とウリエルの公開処刑が続いたのだった。
次の日、俺は学校の補習で登校すると新しく副担任の新任の先生が入ったという事で教室で紹介があった。
「どうも、はじめまして皆さん。カウンセラーの講師として来ました。
という挨拶が朝のホームルームにあった。どうやら
「瓜江チャージ!」と言いながらザドキエルがウリエルに抱きつこうと飛びかかっていたがウリエルは「変態退散!」と言いながらザドキエルに首元にアッパーカットを繰り出して天井にザドキエルが首ごと埋まった事で1時間俺達の補習は消えてしまった。
12:00
「あ、そういえばお弁当を淳君の分も作って来たんですが一緒に食べませんか?」とウリエルが声を掛けて来た。なんか後ろからメガネを付けた変態とクラスの男子達が真っ黒なオーラを纏い此方を激しく俺とウリエルを睨んでいた。そのままザドキエルはウリエルに両手をお茶碗のようにして近づいてきた。
「あの、瓜江ちゃん?私のお昼ご飯は?」
「これで済ませて来て下さい」
ウリエルはそう言って食べかけだと思われるコンビニで買ったメロンパンをザドキエルに渡した。
「なんか扱いが違いすぎる!」
「何か問題がありますか変態?」
と言いながら目が笑っていない笑顔でザドキエルにウリエルは聞いた。すると、
「何の問題も御座いません瓜江様!」
とウリエルにザドキエルがDO!GE!ZA!をした。あまりの忠実ぶりに若干ウリエルは引き気味である。俺もこんな事されたら引くわ。それからザドキエルはクラスの男子と混ざり「お前ら、学校のプリンセスである瓜江様の食べかけ後のメロンパンを食べたくないか?」と聞こえた瞬間、「ハア↓」と溜息をついてウリエルは「少し席を外しますね。」と笑顔で俺に言って教室を出た。帰りに聞いた話だが今日で2回目の座土器先生の暗殺事件が学校で起きた事はクラスの中で一種の伝説になっている。
18:00
ザドキエルの家
ザドキエルサイド
「嫌〜、掴みはオッケーですかね。それにしても痛いじゃないですかウリエル、もうちょっと加減して下さいよ」
「アンタ天使だから絶対に私の攻撃じゃ死なないし、大丈夫でしょ。それに家事洗濯に朝昼晩のご飯、そして家の片付けを私に丸投げしている貴方にとってはまだ足りないくらいよ。全く、いつもならこの時間帯は淳君と一緒に居られるのに」
「それなら私の家に居候しないでそのまま中山家にいたらいいじゃありませんか」
「それだと淳君のお母さんに迷惑をかけるでしょ!少しは周りのことを考えなさい変態」
「もう、そう言いながら実は愛しの
「い、愛しの!?///別に淳君の事が愛してるなんて一言も///」
「嫌、私そこまで言ってないんですけど。でも、同じ人間として生きていけるなら自分から夜な夜なあの
「あ、淳君と、そんな///…………………………………!?」バタ!
どうやらウリエルは想像を膨らませた挙句に頭の中がキャパオーバーしてしまったのか「ボン!」という効果音と一緒に倒れてしまった。
(全く、ベットまで運ぶのは誰なのか考えてから倒れて下さいね。あ!良い事を思いつきましたわ、グヘヘへへ)
21:30
ウリエルサイド
目を開けると私を抱き枕にして貧乳の私の胸を掴みながら寝ているザドキエルの姿が目の前を埋めていた。
(苦しいし柔らかくて重い。って言うか、胸を後頭部に押し付けて厚かましいこの女!変態の癖に巨乳なんて信じられない。こんなものがあったら淳君の目が毒されてしまいます。ここは仕方ない、明日学校へ出られないようにブラをハサミで切り落としてやりましょう)
私は筆箱からハサミを取り出してザドキエルの服を少しずつ脱がしながらハサミでザドキエルのブラジャーを刻んであげた。胸のつっかえが無くしたザドキエルは目を覚まして、胸元を手で抑え始めた。
「ちょっ!?抱きついて寝てた事は謝りますからそのワキワキと両手を動かしながら近づかないで下さい!おっさん臭いですよウリエル。あ、でもウリエルに今晩犯されるのはやはりアリかも///」
「無いわ変態!」
その日の夜はザドキエルの卑猥な声で幕を閉じた。何をしたかは貴方のご想像にお任せします。
土曜日
7:00
(今日は補習も休みだし深い眠りに着いても大丈夫だよな)
「淳?お隣の座土器さんが呼んでるわよ!」
(座土器?嗚呼、あの救いようの無い変態か。一体何の用だ?)
パジャマ姿から私服にパッと着替えて玄関で待っているザドキエルの元へ移動したが、玄関で待っていたのはザドキエルだけじゃなくウリエルも一緒にいるようだった。なんだか、フリフリのオシャレな服装で顔を真っ赤にして下を向いている。
「おはよう
「は?」
ウリエルはモジモジしながら顔を両手で隠して、「あの、良かったら……一緒に買い物しませんか///」と頼んできた。何だこの可愛い生物は、俺は断る理由も見当たらないので「嗚呼、構わないぞ」っと返答すると、「じゃあついでに家の鍵まで渡しておくわね」と言い、俺に一つの紙と一緒に渡してきた。
「おい、何だこの紙は?」
「瓜江ちゃんと親睦を深める方法をここに書いてあるわ、楽しんでいってらっしゃい」
とザドキエルは小さな声で俺の耳元に囁いた後急いで電車の駅へ早歩きで向かった。
(合鍵まで渡すとは、少し不用心すぎはしないか?)
俺はそう思いながら紙を開くと、「悪魔が出たので退治して下さい。詳しい詳細はウリエルに話してますのでどうぞデートをお楽しみ下さい。ミカエルより」と書かれていた。俺は真顔になり紙を無言で千切った。ウリエルは申し訳なさそうな顔で「すいません、今日はどうしてもザドキエルが外せない用事があったらしくてその………」と言って頭を下げてきた。
「大丈夫大丈夫、後で面白い仕返しをザドキエルにしてやるから構わないよ」
「面白い?」
「まあ、それに俺とウリエルが一緒に行動するなんて久々だしな。悪魔退治した後ゆっくり羽を伸ばすか〜!大丈夫かウリエル?顔真っ赤だぞ、前みたいに熱中症になってたら大変だし今日のデートは中止にするか?」
「だ、大丈夫です!顔が真っ赤なのは少し暑いだけなので気にしないで下さい!それでは行きますよ!準備して下さい!」
ウリエルはテンションをハイにして俺に言ってきた。本当に大丈夫か?
南薩摩市のショッピングモール
夏休みだけあって人の数が溢れんばかりいるが、やはり東京程ではない。とは言え、一応ウリエルとデートをするんだ。少しは男の俺がリードしないとな。
「おいウリエル、この人だかりは一度離れると大変な事になる。手を繋いで行くぞ」
「は、はい///」
ウリエルはそう答えて俺の左手と手を繋いだ。すると、ウリエルはマジマジと俺の手を見て俺の手を掴んだり握ったりを交互にしてきた。
「どうしたんだウリエル?」
「いえ、男の人の手って思ったよりも大きいんですね。ガッツリとしていてずっと握っていたいと思う程好きになりそうです///」
「まあ、そうかもな。でも俺は自分の手よりウリエルの手の方が小さいけど綺麗で握りやすくて良いと思うけどな」
「え!?」
ウリエルは顔を赤く染めて下を向く。
(もしかしなくてもさっきの言い方なんか不味かったかな?話の話題を変えよう)
「そういえば、今回退治する悪魔の名前ってなんて言うんだ?」
「ええと、サキュバスです。攻撃力は持ってませんが高い魅力で相手を惑わす悪魔ですね。サキュバスは尻尾の部分を握られること良く嫌う習性があるようです」
「動物みたいな特徴だな。そのサキュバスは何処に現れるんだ?」
「それが、このショッピングモールの何処かにいるようで」
「マジで言ってるの?」
「はい、マジです」
俺は少し憂鬱になるが、仕方なく色んな店に寄って買い物する事にした。
「淳君、水着を買おうと思ってるんですが一緒に決めてもらって良いですか?」
「嗚呼、構わないぞ。水着って事は海にでも行くのか?」
「はい、ザドキエルの仕事の関係上仕方ないので………良かったら今度淳君も海へ行きませんか///」ドキドキ!
「そうだな〜、ウリエルの水着姿も見て見たいし俺も行こうかな」
ウリエルは顔を背けて耳から「ボーッ!」と煙が出て、顔が真っ赤に染まった。
「どうしたんだウリエル、また夏の暑さにやられたか?」
「だ、大丈夫です!」
水着屋
俺とウリエルは女店員さんに女子の水着の選び方を聞くと、…………
「女の子の水着ですか……体の数値を測ってからサイズを選びましょうか」
「お願いします」
「まずはスリーサイズを測りましょう。彼氏さんは、店の外で待機してて下さい。変態扱いされたく無ければ」
「分かってますよ。ウリエr……瓜絵のサイズが測り終わったら一緒に探しに行こっか」
「は、はい!?」
ウリエルはまた顔を真っ赤にして声を高く上げた。
「ちょっと彼氏さん?その言い方は普通にアウトですよ。女の子はデリケートなんだからそんな軽い感じで言い方だとショックを受けるに決まってるじゃないですか。そこは彼女さんの好きな柄とか色を優先させるのが大切なんですよ」
店員さんがジト目で俺を見ながらお前は外で待ってろと手の平を振って伝えてきた。
「ゴメンね淳君、ちょっとこれだと思ってる水着があって…それを買いたいんだけど、ダメかな?」
ウリエルはウルウルとした目で俺に助け船を出してくれた。もう少し遅かったら俺はエスコートするどころかウリエルを精神的に傷つけながら自分の欲求を正そうとする変態に思われていたかもしれない。
「うん、そうしよう。ありがとな、ウリエル。今度から気をつけるよ。それじゃあ店の外で待ってるな」
俺はそう言って違う支店に行きサキュバスを探す事にした。
ウリエルサイド
「あの、胸が苦しいです」
「嗚呼、すいません。つい力がこもっちゃって、次はウエストとヒップを測りましょうか」
(うう、淳君の目の前であんなこと言ったけど実はまだ何も決めてないよ!?どんな水着なら淳君は見てくれるかな///)
今回は7000文字も行っていませんが内容を少し変えさせていただきました。